時候の挨拶
時候の挨拶 一覧
月別・上旬中旬下旬の言葉と読み方、結び・例文
結論:迷ったら、下の早見表の「迷ったときの一語」をそのまま使えば失礼になりません。取引先など改まった相手には「◯◯の候」(漢語調)、親しい相手には「◯◯の季節となりました」(やわらかい表現)。季節がはっきりしないときは「時下」を使います。このページでは、1月〜12月の上旬・中旬・下旬の言葉と読み方、結びの挨拶、そのまま使える書き出しの文例、頭語と結語の組み合わせ、よくある失敗をまとめました。各月のさらに詳しい例文は、表の月名から移動できます。
結論
時候の挨拶は、頭語(拝啓など)のすぐ後に置く季節を表す一文です。ビジネスの手紙は①頭語 ②時候の挨拶 ③安否の挨拶(と日ごろのお礼) ④主文 ⑤結びの挨拶 ⑥結語の順で書きます。言葉は相手が受け取る日の、相手の土地の季節感で選びます。
まずはこれ:月別「迷ったときの一語」と書き出し・結び
| 月 | 迷ったときの一語(読み方) | やわらかい書き出し | 結びの一文 |
|---|---|---|---|
| 1月(睦月) | 松の内は新春(しんしゅん)の候、明けたら寒冷(かんれい)の候 | 寒さが一段と厳しくなってまいりました。 | 厳寒の折、皆様どうぞご自愛ください。 |
| 2月(如月) | 立春の後は余寒(よかん)の候 | 立春とは名ばかりの、寒い日が続いております。 | 余寒なお厳しき折、どうぞご自愛ください。 |
| 3月(弥生) | 弥生(やよい)の候 | 日ごとに春めいてまいりました。 | 年度末を迎えご多忙のことと存じますが、どうぞご自愛ください。 |
| 4月(卯月) | 陽春(ようしゅん)の候 | うららかな春の日差しが心地よい季節となりました。 | 新年度も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。 |
| 5月(皐月) | 新緑(しんりょく)の候 | 若葉の緑がまぶしい季節となりました。 | さわやかな季節、どうぞお健やかにお過ごしください。 |
| 6月(水無月) | 深緑(しんりょく)の候 | 紫陽花が色づく季節となりました。 | 雨の日が続きますが、どうぞお元気でお過ごしください。 |
| 7月(文月) | 梅雨明けの後は盛夏(せいか)の候 | いよいよ本格的な夏を迎えました。 | 暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。 |
| 8月(葉月) | 立秋の後は残暑(ざんしょ)の候 | 暦の上では秋を迎えましたが、まだまだ暑い日が続いております。 | 残暑厳しき折、どうぞご自愛ください。 |
| 9月(長月) | 前半は初秋(しょしゅう)の候、後半は秋涼(しゅうりょう)の候 | 朝夕に秋の気配を感じるころとなりました。 | 季節の変わり目、どうぞご自愛くださいませ。 |
| 10月(神無月) | 秋冷(しゅうれい)の候 | 秋もいよいよ深まってまいりました。 | 朝夕冷え込む季節となりました。どうぞご自愛ください。 |
| 11月(霜月) | 晩秋(ばんしゅう)の候 | 朝夕めっきり冷え込むようになりました。 | 向寒の折、皆様どうぞご自愛ください。 |
| 12月(師走) | 師走(しわす)の候 | 今年も残りわずかとなりました。 | 寒さ厳しき折、どうぞご自愛のうえ、良いお年をお迎えください。 |
| 季節を問わない | 時下(じか) | — | 時節柄、どうぞご自愛ください。 |
Point
「時下」は「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」の形で使います。「時下」も季節の挨拶の代わりなので、「◯◯の候」と重ねて使わないでください。
上旬・中旬・下旬の時候の挨拶 一覧(読み方つき)
「◯◯の候」の形で使います。たとえば「寒冷(かんれい)の候」は「かんれいのこう」と読みます。二十四節気(立春・立秋など)の名前が入った言葉は、その節気を過ぎてから使います。
| 月 | 上旬ごろ | 中旬ごろ | 下旬ごろ |
|---|---|---|---|
| 1月 | 新春(しんしゅん)・初春(しょしゅん)〈松の内〉、小寒(しょうかん) | 寒冷(かんれい)・厳寒(げんかん) | 大寒(だいかん)・極寒(ごっかん)・寒風(かんぷう) |
| 2月 | 晩冬(ばんとう)〈立春の前〉、立春(りっしゅん)〈立春の後〉 | 余寒(よかん)・春寒(しゅんかん)・残寒(ざんかん)・雨水(うすい) | 向春(こうしゅん)・梅花(ばいか)・早春(そうしゅん) |
| 3月 | 早春(そうしゅん)・浅春(せんしゅん)・啓蟄(けいちつ) | 萌芽(ほうが)・仲春(ちゅうしゅん)・春分(しゅんぶん) | 春暖(しゅんだん)・春陽(しゅんよう) |
| 4月 | 春暖(しゅんだん)・桜花(おうか)・清明(せいめい) | 陽春(ようしゅん)・春陽(しゅんよう)・麗春(れいしゅん) | 晩春(ばんしゅん)・穀雨(こくう)・葉桜(はざくら) |
| 5月 | 晩春(ばんしゅん)・惜春(せきしゅん)・立夏(りっか)・若葉(わかば) | 新緑(しんりょく)・薫風(くんぷう)・青葉(あおば) | 万緑(ばんりょく)・小満(しょうまん)・向暑(こうしょ)・薄暑(はくしょ) |
| 6月 | 初夏(しょか)・向暑(こうしょ)・芒種(ぼうしゅ)・麦秋(ばくしゅう) | 入梅(にゅうばい)・梅雨(ばいう)・長雨(ながあめ) | 夏至(げし)・梅雨寒(つゆざむ)・深緑(しんりょく) |
| 7月 | 小暑(しょうしょ)・向暑(こうしょ) | 梅雨明け(つゆあけ)・盛夏(せいか)・猛暑(もうしょ) | 大暑(たいしょ)・酷暑(こくしょ)・炎暑(えんしょ) |
| 8月 | 盛夏(せいか)・酷暑(こくしょ)〈立秋の前〉、立秋(りっしゅう)〈立秋の後〉 | 残暑(ざんしょ)・秋暑(しゅうしょ)・晩夏(ばんか) | 処暑(しょしょ)・新涼(しんりょう)・早涼(そうりょう) |
| 9月 | 残暑(ざんしょ)・初秋(しょしゅう)・新秋(しんしゅう)・白露(はくろ) | 新涼(しんりょう)・野分(のわき)・爽秋(そうしゅう) | 秋涼(しゅうりょう)・秋分(しゅうぶん)・秋晴(しゅうせい) |
| 10月 | 秋晴(しゅうせい)・爽秋(そうしゅう)・仲秋(ちゅうしゅう) | 清秋(せいしゅう)・寒露(かんろ)・紅葉(こうよう)・錦秋(きんしゅう) | 霜降(そうこう)・夜寒(よさむ)・晩秋(ばんしゅう) |
| 11月 | 暮秋(ぼしゅう)・深秋(しんしゅう)・菊花(きっか)、立冬(りっとう)〈立冬の後〉 | 晩秋(ばんしゅう)・落葉(らくよう)・霜秋(そうしゅう) | 向寒(こうかん)・初霜(はつしも)・小雪(しょうせつ)・初冬(しょとう) |
| 12月 | 初冬(しょとう)・師走(しわす)・大雪(たいせつ) | 寒冷(かんれい)・寒気(かんき) | 歳末(さいまつ)・歳晩(さいばん)・冬至(とうじ) |
注意
季節の言葉は慣用で、使う時期には幅があります。旬の区切りは目安で、前後の旬にまたがって使う言葉も多くあります。桜・梅雨・紅葉・初霜のように地域で時期が大きく違う言葉は、相手の土地の様子に合わせてください。節気の日付は年によって前後するので、その年の暦で確かめてください。
やわらかい表現(口語調)の一覧
親しい取引先の担当者、お客さま向けの案内、改まったメールの冒頭などに使います。文末を「〜となりました」「〜てまいりました」とすると、やわらかくても丁寧に聞こえます。
| 月 | 前半 | 後半 |
|---|---|---|
| 1月 | 新しい年が始まり、心新たにお過ごしのことと思います。 | 冷え込みの厳しい日が続いております。 |
| 2月 | 節分を過ぎ、春の訪れが待ち遠しい頃となりました。 | 梅の花の便りが聞かれる頃となりました。 |
| 3月 | 寒さの中にも、春の兆しが感じられるようになりました。 | 桜の便りが聞かれる頃となりました。 |
| 4月 | 桜の花が満開となり、春の盛りを迎えました。 | 葉桜の緑が目にやさしい頃となりました。 |
| 5月 | 風薫る季節となりました。 | 日ごとに夏めいてまいりました。 |
| 6月 | 梅雨入りの便りが聞かれるころとなりました。 | 梅雨明けが待ち遠しいこのごろです。 |
| 7月 | 梅雨の晴れ間の青空に、夏の訪れを感じます。 | 連日厳しい暑さが続いております。 |
| 8月 | 夏空がまぶしい季節となりました。 | 朝夕はいくぶんしのぎやすくなってまいりました。 |
| 9月 | 暑さもようやく峠を越えたようです。 | 秋風が心地よい季節となりました。 |
| 10月 | さわやかな秋晴れの日が続いております。 | 木々の葉が少しずつ色づいてまいりました。 |
| 11月 | 紅葉の便りが各地から届く季節となりました。 | 木枯らしが吹き、コートが手放せない季節になりました。 |
| 12月 | いよいよ師走を迎え、何かと気ぜわしい日々となりました。 | 年の瀬が近づき、慌ただしさを増す今日この頃です。 |
書き出しの後に「いかがお過ごしでしょうか」「お変わりなくお過ごしのことと存じます」と相手を気づかう一文を続けると、安否の挨拶になります。
結びの挨拶 一覧(ビジネス・親しい相手)
| 月 | ビジネス(取引先・目上の方) | 親しい相手 |
|---|---|---|
| 1月 | 本年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。 | 寒い日が続きますので、温かくしてお過ごしください。 |
| 2月 | 春寒の折から、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。 | 春はもうすぐです。それまで体に気をつけてお過ごしください。 |
| 3月 | 春寒のみぎり、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。 | 桜の季節に、またお会いできるのを楽しみにしています。 |
| 4月 | 春暖の折、皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。 | 新しい季節、どうぞ楽しくお過ごしください。 |
| 5月 | 風薫る好季節、ますますのご活躍をお祈りしております。 | 日ごとに暑くなってまいります。体調を崩されませんようお気をつけください。 |
| 6月 | 梅雨の折から、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。 | 蒸し暑い日が増えてまいりました。体調を崩されませんように。 |
| 7月 | 盛夏の折、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。 | 暑い日が続きますので、どうぞお体を大切になさってください。 |
| 8月 | 残暑の折から、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。 | 夏の疲れが出ませんように、お気をつけください。 |
| 9月 | 爽秋の折、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 | 過ごしやすい季節になりました。またお目にかかれるのを楽しみにしております。 |
| 10月 | 秋冷の折、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。 | 季節の変わり目、お風邪など召されませんように。 |
| 11月 | 寒さに向かう時節柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。 | 朝晩冷え込みますので、風邪など召されませんように。 |
| 12月 | 本年中のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、来年も変わらぬお引き立てのほどお願い申し上げます。 | 忙しい時期ですが、体に気をつけて。どうぞ良いお年を。 |
| 季節を問わない | 末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 | どうぞお元気でお過ごしください。 |
結びは「季節に合わせた気づかい」+「今後のお願い」の二つを組み合わせると収まりがよくなります。例:「向寒の折、皆様どうぞご自愛ください。今後とも変わらぬお引き立てのほどお願い申し上げます。」
そのまま使える書き出しと結び(場面別の文例)
「◯◯の候」の部分に、上の表から送る時期の言葉を入れてください。
| 場面 | 書き出し(頭語〜前文) | 結び〜結語 |
|---|---|---|
| お礼状(取引先・会社あて) | 拝啓 ◯◯の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。さて、このたびは〜 | 略儀ながら、まずは書中にて御礼申し上げます。(季節の結び) 敬具 |
| 案内状(展示会・式典など) | 拝啓 ◯◯の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて、このたび弊社では〜を開催する運びとなりました。 | ご多忙中とは存じますが、ぜひご来場くださいますようご案内申し上げます。 敬具 |
| 異動・着任の挨拶状 | 拝啓 ◯◯の候、貴社いよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。さて、私こと このたび〜に着任いたしました。 | 今後とも一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 敬具 |
| 依頼状 | 拝啓 ◯◯の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、本日は〜についてお願いがあり、ご連絡いたしました。 | ご多用のところ誠に恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 |
| 目上の方(個人あて・改まった手紙) | 謹啓 ◯◯の候、◯◯様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。日ごろより大変お世話になり、心より御礼申し上げます。 | 時節柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。 謹白 |
| 返信の手紙 | 拝復 ◯◯の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたびはご丁寧なお便りをいただき、誠にありがとうございます。 | まずは取り急ぎ、お礼かたがたご返事申し上げます。 敬具 |
| 送付状(季節を問わない) | 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、下記の書類をお送りいたします。 | ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。 敬具 |
| 親しい相手(やわらかい表現) | 拝啓 (やわらかい書き出し)。お変わりなくお過ごしのことと存じます。 | (親しい相手向けの結び) 敬具 |
手紙の構成(どこに時候の挨拶を入れるか)
| 順番 | 部分 | 例 |
|---|---|---|
| ① | 頭語 | 拝啓 |
| ② | 時候の挨拶 | 晩秋の候、/朝夕めっきり冷え込むようになりました。 |
| ③ | 安否の挨拶・日ごろのお礼 | 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 |
| ④ | 主文 | さて、(用件) |
| ⑤ | 結びの挨拶 | 向寒の折、どうぞご自愛ください。今後ともよろしくお願い申し上げます。 |
| ⑥ | 結語 | 敬具 |
①〜③をまとめて前文、⑤⑥を末文と呼びます(前文と末文)。主文は「さて」「つきましては」などの言葉で切り替えます。
安否の挨拶の使い分け
- 会社あて:「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」「ご隆盛」「ご発展」
- 個人あて:「◯◯様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」「お健やかにお過ごしのことと存じます」
- 自分の近況を添える場合:「おかげさまで、私どもも変わりなく過ごしております」
頭語と結語の組み合わせ
| 場面 | 頭語 | 結語 |
|---|---|---|
| ふだんの手紙 | 拝啓(はいけい) | 敬具(けいぐ) |
| 改まった手紙・目上の方へ | 謹啓(きんけい) | 謹白(きんぱく)・謹言(きんげん) |
| 前文を省くとき | 前略(ぜんりゃく) | 草々(そうそう) |
| 返信のとき | 拝復(はいふく) | 敬具 |
| 急ぎのとき | 急啓(きゅうけい) | 草々 |
| 重ねて出すとき | 再啓(さいけい) | 敬具 |
Point
「前略」で始めたら、時候の挨拶と安否の挨拶は省きます。前略は「前文を略す」という意味だからです。前略・草々は急ぎや親しい間柄で使うもので、取引先への改まった手紙やお礼状には向かないとされることが多いです。
「かしこ」は女性が手紙の結びに使う言葉で、頭語の種類を問わず結語として使われることがあります。くわしくは頭語と結語にまとめています。
「◯◯の候」「◯◯のみぎり」「◯◯の折」の使い分け
| 形 | 使う場所 | 響き・例 |
|---|---|---|
| ◯◯の候(こう) | 書き出し | もっとも改まった形。取引先・案内状・挨拶状に。例:「陽春の候、」 |
| ◯◯のみぎり | 書き出し・結び | 「候」と同じ位置に置ける改まった形。「みぎり」は「〜のころ」という意味で、結びにも使える。例:「春寒のみぎり、」 |
| ◯◯の折(から) | 主に結び | 「〜の折、ご自愛ください」「〜の折から、ご健勝をお祈り申し上げます」の形で使う |
| ◯◯の季節となりました | 書き出し | やわらかい表現。親しい相手、メールに |
| 時下(じか) | 書き出し | 季節を問わない。「◯◯の候」とは重ねない |
書き出しで「寒冷の候」、結びで「寒冷の折」のように同じ言葉を繰り返すと単調になります。書き出しと結びは別の言葉にするときれいです。
よくある失敗
| 失敗 | 直し方 |
|---|---|
| 「時下」と「◯◯の候」を重ねる(例:拝啓 陽春の候、時下ますます〜) | どちらか一つにする |
| 「前略」の後に時候の挨拶を書く | 前略なら本題から入る。季節の一文を入れたいなら拝啓にする |
| 立秋の前に「残暑」、立春の前に「余寒」を使う | 立秋の前は盛夏・酷暑など、立春の前は晩冬・厳寒などにする |
| 松の内を過ぎても「新春の候」「初春の候」を使う | 寒冷の候・厳寒の候などの寒さの言葉に切り替える |
| 年明けに届く文書に「歳末の候」を使う | 届く日で選ぶ。年をまたぐなら「時下」が無難 |
| 印刷物を早めに作り、投函が次の旬にずれる | 投函日と届く日を決めてから言葉を選ぶ。日程が読めなければ「時下」 |
| 桜・梅雨・紅葉の言葉を、相手の地域の様子と違う時期に使う | 相手の土地の季節に合わせる。分からなければ地域差の少ない言葉(陽春・深緑・秋冷など)にする |
| 会社あてに「ご清祥」を使う | 会社あては「ご清栄」「ご隆盛」「ご発展」、個人あては「ご清祥」(ご清栄とご健勝の違い) |
| 詫び状・お悔やみに季節の挨拶を入れる | 省いてすぐ本題に入る(詫び状の書き方) |
出す前のチェックリスト
- 頭語と結語が対になっている(拝啓—敬具、謹啓—謹白など)
- 時候の挨拶が相手が受け取る日と相手の土地の季節に合っている
- 節気の名前が入った言葉を、その節気より前に使っていない
- 「時下」と「◯◯の候」を重ねていない
- 前略で始めた手紙に時候の挨拶を入れていない
- 安否の挨拶を会社あて(ご清栄)と個人あて(ご清祥)で使い分けた
- 書き出しと結びで同じ季節の言葉を繰り返していない
- 読み方に自信のない言葉は、この一覧で読みを確かめた
メールでの時候の挨拶
- ふだんの業務メール:時候の挨拶は省いて構いません。「いつも大変お世話になっております」から入ります。
- 改まったお礼・案内・季節の挨拶のメール:冒頭にやわらかい表現を一文入れると丁寧です。漢語調は硬すぎることが多いです。
- 頭語・結語:メールでは「拝啓」「敬具」を省くことが多いです。
- 結び:「寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください」のような季節の一文は、メールの締めにも使えます。
◯◯株式会社 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。△△社の△△です。
寒さもようやく和らぎ、過ごしやすい季節となりました。
(本題)
季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。今後ともよろしくお願いいたします。
文書の種類ごとの扱い
この記事の要点
- 迷ったら月ごとの「迷ったときの一語」。季節がはっきりしないときは「時下」。
- 改まった相手には「◯◯の候」、親しい相手やメールにはやわらかい表現。
- 言葉は相手が受け取る日・相手の土地で選び、節気の言葉は節気を過ぎてから。
- 頭語と結語は対にする(拝啓—敬具、謹啓—謹白、前略—草々)。前略なら時候の挨拶は省く。
- 結びは「季節の気づかい+今後のお願い」。書き出しと同じ言葉は避ける。
FAQ
よくある質問
月ごとに幅広く使える言葉があります。たとえば4月は「陽春の候」、10月は「秋冷の候」、12月は「師走の候」です。季節がはっきりしないときは「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」とします。
必ず変えなければならないものではありませんが、節気の名前が入った言葉(立春・立秋など)や、新春・歳末のように時期が限られる言葉は、その時期に合わせます。迷ったら月を通して使える言葉を選んでください。
どちらも書き出しに置ける改まった表現で、「◯◯の候」を「◯◯のみぎり」と言い換えられます。「みぎり」は「〜のころ」という意味なので、「春寒のみぎり、皆様のご健勝をお祈り申し上げます」のように結びにも使えます。
頭語(拝啓など)のすぐ後です。「拝啓 晩秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」のように、時候の挨拶に続けて安否の挨拶を書きます。
ふだんの手紙は拝啓—敬具、改まった手紙は謹啓—謹白(謹言)、前文を省くときは前略—草々、返信は拝復—敬具です。組み合わせを崩さないようにします。
ふだんの業務メールでは省いて構いません。改まったお礼や案内、しばらくぶりの相手へのメールでは、やわらかい表現を一文入れると丁寧です。