時候の挨拶
時候の挨拶 11月
上旬・中旬・下旬の例文と結び
11月は、紅葉が見ごろを迎える晩秋から、朝晩の冷え込みに冬の気配を感じる初冬へと移る月です。月の前半は秋の言葉、後半は冬に向かう言葉が合います。このページは、送る日から引ける早見表を最初に置き、漢語調・やわらかい書き出し・相手別の全文例・結び・よくある失敗の順に並べました。例文はそのままコピーして、日付と固有名詞だけ差し替えて使えます。
結論
11月の時候の挨拶は、上旬は「立冬の候」「深秋の候」、中旬は「晩秋の候」「落葉の候」、下旬は「向寒の候」「初霜の候」がよく使われます。迷ったら月を通して使える「晩秋の候」。やわらかく書くなら「朝夕はめっきり冷え込むようになりました」が上旬から下旬まで使えます。2026年は立冬が11月7日、小雪が11月22日(国立天文台 暦要項)で、旧暦の月名は霜月(しもつき)です。
11月の漢語調(◯◯の候)上旬・中旬・下旬の目安
| 時期の目安 | 漢語調(読み方) | ひとこと |
|---|---|---|
| 上旬ごろ | 暮秋の候(ぼしゅうのこう) | 秋の暮れ。10月下旬から11月上旬ごろに使われることが多い |
| 上旬ごろ | 深秋の候(しんしゅうのこう) | 秋が深まった頃。10月下旬から使われることもある |
| 上旬ごろ | 菊花の候(きっかのこう) | 菊の花の季節。上旬の手紙によく使われる |
| 上旬〜中旬(立冬以降) | 立冬の候(りっとうのこう) | 立冬(2026年は11月7日)を過ぎてから。暦の上で冬に入ったことを表す |
| 中旬ごろ | 晩秋の候(ばんしゅうのこう) | 秋の終わり。11月を通して使いやすい |
| 中旬ごろ | 落葉の候(らくようのこう) | 木の葉が散り始める頃 |
| 中旬ごろ | 霜秋の候(そうしゅうのこう) | 霜が降りる秋の終わり。10月下旬から使う例もある |
| 中旬〜下旬 | 残菊の候(ざんぎくのこう) | 盛りを過ぎても咲き残る菊。秋の名残を表す |
| 下旬ごろ | 向寒の候(こうかんのこう) | 寒さに向かう頃。結びの「向寒の折」と合わせて使われる |
| 下旬ごろ | 初霜の候(はつしものこう) | 初霜が降りる頃。地域によって時期が大きく違う |
| 下旬ごろ(小雪以降) | 小雪の候(しょうせつのこう) | 小雪(2026年は11月22日)を過ぎてから |
| 下旬〜12月上旬 | 初冬の候(しょとうのこう) | 冬の初め。11月下旬から12月上旬に使われることが多い |
送る日別の早見表(届く日で選ぶ)
| 届く日 | 漢語調(迷ったらこれ) | やわらかい書き出し | 避けたい言葉 |
|---|---|---|---|
| 11月1日〜立冬の前日 | 深秋の候/暮秋の候 | 山の紅葉が里まで下りてくる季節となりました。 | 立冬の候・初冬の候(まだ暦の上で秋) |
| 立冬(2026年は11月7日)〜中旬 | 立冬の候/晩秋の候 | 立冬を過ぎ、朝の空気に冬の冷たさが混じるようになりました。 | 初秋・秋冷など9〜10月の言葉 |
| 中旬〜小雪の前日 | 晩秋の候/落葉の候 | 街路樹の葉が舞い落ち、晩秋の風情を感じる今日この頃です。 | 寒冷の候・師走など12月の言葉 |
| 小雪(2026年は11月22日)〜30日 | 向寒の候/小雪の候 | 朝の吐く息が白く見えるようになりました。 | 紅葉の盛りを前提にした表現(地域によっては散った後) |
| 月中いつでも | 晩秋の候 | 朝夕はめっきり冷え込むようになりました。 | — |
注意
上旬・中旬・下旬の区切りは目安です。季節の言葉は慣用で、使う時期には幅があり、地域の気候によっても合う言葉が変わります。迷ったら、相手が手紙を受け取る日の、相手の土地の季節感に合わせて選んでください。季節を問わず使える「時下(じか)」もあります(「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」)。
Point
「初冬の候」はいつ使う? 立冬を過ぎれば暦の上では冬なので11月に使う例もありますが、11月下旬から12月上旬に使われることが多い言葉です。11月の前半は「晩秋」「深秋」など秋の言葉のほうが、実際の季節感に合いやすいでしょう。
11月のやわらかい表現(口語調)
上旬ごろ
- 山の紅葉が里まで下りてくる季節となりました。
- 紅葉の便りが各地から届く季節となりました。
- 立冬を過ぎ、朝の空気に冬の冷たさが混じるようになりました。
- 菊の香りが漂う、穏やかな日和が続いております。
- 空が高く澄み、遠くの山々まで見渡せる季節となりました。
中旬ごろ
- 街路樹の葉が舞い落ち、晩秋の風情を感じる今日この頃です。
- 日暮れが早くなり、夕方の冷え込みが身にしみる頃となりました。
- 澄んだ空気に、冬の足音が近づいてくるのを感じます。
- 落ち葉を踏む音に、秋の終わりを感じる頃となりました。
- 温かい飲み物がうれしい季節になりました。
下旬ごろ
- 朝の吐く息が白く見えるようになりました。
- 木枯らしが吹き、コートが手放せない季節になりました。
- 気がつけば、今年のカレンダーも残り一枚となりました。
- 朝の冷え込みに、本格的な冬の近さを感じております。
- 街にはイルミネーションが灯り、年の瀬の気配が漂い始めました。
寒い地域・暖かい地域の相手へ
- (寒い地域へ)そちらはもう初雪の便りが届く頃でしょうか。
- (寒い地域へ)冬支度にお忙しい時期かと存じます。
- (暖かい地域へ)こちらは日ごとに冷え込んでまいりましたが、そちらはいかがでしょうか。
ビジネスの書き出し 全文例(お礼状・案内状・挨拶状)
取引先へのお礼状(上旬〜中旬)
拝啓 晩秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、先日はご多忙のところ弊社展示会にお越しいただき、誠にありがとうございました。いただいたご意見は、今後の製品づくりに活かしてまいります。
朝夕の冷え込みが増してまいりました。皆様どうぞご自愛くださいませ。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
担当交代の挨拶状(上旬・立冬以降)
拝啓 立冬の候、貴社いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび◯月◯日付をもちまして、貴社の担当を◯◯から私△△が引き継ぐこととなりました。前任者同様、お引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら、書中をもちましてご挨拶申し上げます。
敬具
請求書・見積書の送付状(中旬)
拝啓 落葉の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
さて、◯月分のご請求書を同封いたしましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。ご不明な点がございましたら、担当の△△までお問い合わせください。
寒さに向かう時節柄、皆様どうぞご自愛ください。
敬具
記
・請求書 1部
以上
年末の催しの案内状(下旬)
拝啓 向寒の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、弊社では本年のご愛顧への感謝を込めまして、下記のとおり懇親の会を催すことといたしました。ご多用の折とは存じますが、ご来臨賜りますようご案内申し上げます。
敬具
記
日時・会場(差し替え)
以上
お客様あての案内(年末の営業日のお知らせ・下旬)
拝啓 初霜の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。日頃より当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。
さて、年末年始の営業日を下記のとおりお知らせいたします。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
寒さが日ごとに増してまいります。どうぞ温かくしてお過ごしください。
敬具
記
年末年始の休業期間(差し替え)
以上
恩師・目上の方への近況の手紙(中旬・個人あて)
拝啓 晩秋の候、◯◯先生にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
ご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。私はおかげさまで、新しい部署にも慣れ、忙しくも充実した毎日を送っております。
朝夕の冷え込みが厳しくなってまいりました。どうぞお体を大切になさってください。
敬具
注意
「貴社ますますご清栄のこと」は会社あて、個人あてなら「◯◯様にはますますご清祥のこと」とするのが一般的です。頭語と結語の組み合わせや手紙全体の構成は時候の挨拶 一覧にまとめています。
11月の結びの挨拶
ビジネス(取引先・目上の方)
- 向寒の折、皆様どうぞご自愛ください。
- 寒さに向かう時節柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
- 末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 日増しに寒さが募ってまいります。皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
- 年末に向けてご多忙のことと存じますが、どうぞお体を大切になさってください。
- 晩秋の折、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
やわらかい結び(親しい相手)
- 朝晩冷え込みますので、風邪など召されませんように。
- 紅葉狩りなど、晩秋のひとときを楽しまれますように。
- これから寒くなります。温かくしてお過ごしください。
- 年末に向けて慌ただしくなりますが、無理をなさいませんように。
結びは相手の健康を気づかう一文と今後のお付き合いのお願い・相手の発展を祈る一文の組み合わせが基本です。最後に頭語と対になる結語(拝啓なら敬具)を置きます。
カジュアルな例(社内・親しい相手)
皆さん、お疲れさまです。朝晩すっかり冷えるようになりましたね。年末に向けて忙しくなる時期ですが、体調に気をつけていきましょう。さて、来月の◯◯の件です。
◯◯さん、ご無沙汰しています。紅葉がきれいな季節になりましたね。お変わりなくお過ごしですか。
(社内チャット)おはようございます。今朝は冷えましたね。本日の打ち合わせ資料を共有します。
社内の文書やチャットでは、漢語調は硬すぎます。季節の一言+本題くらいの軽さが読みやすいです。
メールでの使い方
取引先とのふだんのメールでは、時候の挨拶は省いても失礼にはなりません。「いつも大変お世話になっております」から本題に入ります。改まったお礼や案内のメール、しばらくぶりの相手には、冒頭に口語調の一文を添えると柔らかくなります。拝啓・敬具はメールでは省くことが多いです。
件名:先日のお打ち合わせのお礼(△△社 △△)
◯◯株式会社 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。△△社の△△です。
朝晩の冷え込みが日ごとに増してまいりました。
先日はお打ち合わせのお時間をいただき、ありがとうございました。(本題)
寒さに向かう折、どうぞご自愛ください。今後ともよろしくお願いいたします。
11月の時候の挨拶でよくある失敗
| 失敗 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 11月1日に「立冬の候」 | 立冬(2026年は11月7日)より前は、暦の上ではまだ秋 | 上旬の前半は「深秋の候」「暮秋の候」 |
| 月末に届くのに「紅葉の盛り」 | 地域によっては紅葉が終わり、季節がずれて見える | 「冬の訪れ」「向寒」など冬に向かう言葉へ |
| 「晩秋の候、」のあとに「拝啓」 | 頭語は文頭に置くのが決まり | 「拝啓 晩秋の候、」の順にする |
| 「〜の候」と「〜の折」を同じ手紙で重ねる | 書き出しと結びで同じ言葉が続き、くどく見える | 書き出しが「向寒の候」なら、結びは「寒さに向かう時節柄」など言い換える |
| 個人あてに「貴社ますますご清栄」 | 会社に向けた定型をそのまま使っている | 「◯◯様にはますますご清祥のこと」 |
| 12月に届く文書に11月の言葉 | 相手は12月の季節感で読む | 届く日が12月なら12月の言葉に替える |
11月の話題に使える行事・暦
| 日付(2026年) | 行事・暦 | 書き出し・本文での使い方の例 |
|---|---|---|
| 11月2日 | 2027年用年賀はがきの販売開始(日本郵便) | 「年賀はがきが店頭に並び、年の瀬の近さを感じます」 |
| 11月3日 | 文化の日(国民の祝日) | 「文化の日を過ぎ、各地で秋の催しがにぎわっております」 |
| 11月7日 | 立冬(二十四節気) | 「立冬を過ぎ、日だまりのありがたさを感じる季節になりました」 |
| 11月22日 | 小雪(二十四節気) | 「小雪を過ぎ、北のほうからは雪の便りも聞こえてまいりました」 |
| 11月23日 | 勤労感謝の日(国民の祝日) | 社内あてに「日頃のご尽力に感謝いたします」を添える |
このほか七五三、紅葉、新米、木枯らしなども11月らしい話題です。家族や親戚への手紙なら「お子様の七五三、おめでとうございます」のように、相手の行事に触れると季節の挨拶がそのまま気づかいになります。
二十四節気の日付は年によって前後します。日付は国立天文台 暦要項、祝日は内閣府「国民の祝日について」で確認できます。
11月に出すことが多い文書と言葉選び
11月は、年末の催しの案内、お歳暮の送り状、年末年始の休業のお知らせの準備などが重なる時期です。12月に入ってから届く文書は、投函日ではなく届く日の季節で言葉を選び、12月の言葉(時候の挨拶 12月)を使います。
送る前のチェック
- 届く日の旬(上旬・中旬・下旬)と言葉が合っている
- 立冬より前に「立冬の候」「初冬の候」を使っていない
- 相手の地域の気候と季節の言葉がずれていない
- 会社あては「ご清栄」、個人あては「ご清祥」にした
- 頭語と結語が対になっている(拝啓—敬具)
- 書き出しと結びで同じ季節の言葉を重ねていない
- 結びに相手を気づかう一文がある
この記事の要点
- 11月は上旬「立冬・深秋」、中旬「晩秋・落葉」、下旬「向寒・初霜」が目安。
- 迷ったら月を通して使える「晩秋の候」。
- 立冬(2026年は11月7日)より前は「立冬の候」「初冬の候」を避ける。
- 結びは「向寒の折、ご自愛ください」が11月らしい。
- ふだんのメールでは時候の挨拶は省いてよい。
FAQ
よくある質問
月を通して使いやすいのは「晩秋の候」です。上旬は「立冬の候」「深秋の候」、下旬は「向寒の候」「初霜の候」が合います。迷ったら季節を問わない「時下」も使えます。
変えると季節感が正確になります。立冬(2026年は11月7日)より前は「深秋の候」「暮秋の候」など秋の言葉、立冬を過ぎたら「立冬の候」が使えます。「晩秋の候」は前後どちらでも使えます。
立冬を過ぎれば暦の上では冬なので使う例もありますが、11月下旬から12月上旬に使われることが多い言葉です。11月の前半なら「晩秋の候」のほうが季節感に合いやすいです。
「山の紅葉が里まで下りてくる季節となりました」「朝夕はめっきり冷え込むようになりました」「朝の吐く息が白く見えるようになりました」などがあります。
郵送の送付状なら「拝啓 落葉の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」のように入れると整います。メールで送る場合は省いても失礼にはなりません。
ビジネスなら「向寒の折、皆様どうぞご自愛ください」「末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます」。親しい相手なら「朝晩冷え込みますので、風邪など召されませんように」などです。