時候の挨拶
時候の挨拶 12月
上旬・中旬・下旬の例文と結び
12月は、本格的な冬の寒さと年の瀬の慌ただしさが重なる月です。書き出しでは寒さを表す言葉に加えて「師走」「歳末」など一年の締めくくりを感じさせる言葉が合い、結びでは一年のお礼と来年へのお願いを添えるのが12月らしい形です。このページは、届く日から引ける早見表を最初に置き、漢語調・やわらかい書き出し・相手別の全文例・結び・よくある失敗の順に並べました。例文はそのままコピーして、日付と固有名詞だけ差し替えて使えます。
結論
12月の時候の挨拶は、上旬は「初冬の候」「師走の候」、中旬は「大雪の候」「寒冷の候」、下旬は「歳末の候」「歳晩の候」「冬至の候」がよく使われます。迷ったら月を通して使える「師走の候」。やわらかく書くなら「今年も残りわずかとなりました」が中旬から下旬まで使えます。2026年は大雪が12月7日、冬至が12月22日(国立天文台 暦要項)で、旧暦の月名は師走(しわす)です。
12月の漢語調(◯◯の候)上旬・中旬・下旬の目安
| 時期の目安 | 漢語調(読み方) | ひとこと |
|---|---|---|
| 11月下旬〜上旬 | 初冬の候(しょとうのこう) | 冬の初め。12月の前半まで使いやすい |
| 11月下旬〜上旬 | 孟冬の候(もうとうのこう) | 「孟」は始まりの意味。初冬とほぼ同じで、やや硬い響き |
| 11月下旬〜上旬 | 向寒の候(こうかんのこう) | 寒さに向かう頃。12月に入ったら早めに切り替える |
| 上旬(大雪の前日まで) | 小雪の候(しょうせつのこう) | 小雪(2026年は11月22日)から大雪の前日まで |
| 月全般 | 師走の候(しわすのこう) | 12月を通して使える。迷ったらこれ |
| 月全般 | 霜寒の候(そうかんのこう) | 霜が降りる寒さ。冷え込みの厳しい地域の相手に |
| 月全般 | 霜夜の候(しもよのこう) | 霜の降りる寒い夜。手紙らしい情緒がある |
| 上旬〜中旬 | 短日の候(たんじつのこう) | 日が短い頃。冬至に向かう時期に |
| 上旬〜中旬(大雪以降) | 大雪の候(たいせつのこう) | 大雪(2026年は12月7日)を過ぎてから |
| 上旬〜中旬 | 初雪の候(はつゆきのこう) | 初雪の頃。雪の降らない地域の相手には使いにくい |
| 中旬ごろ | 寒冷の候(かんれいのこう) | 寒さが本格的になる頃。1月にも使われる |
| 中旬ごろ | 寒気の候(かんきのこう) | 冷たい空気を感じる頃 |
| 下旬(冬至以降) | 冬至の候(とうじのこう) | 冬至(2026年は12月22日)を過ぎてから |
| 中旬〜下旬 | 歳末の候(さいまつのこう) | 年の暮れ。年末が迫った時期に |
| 下旬ごろ | 歳晩の候(さいばんのこう) | 歳末とほぼ同じ意味で、やや改まった響き |
| 下旬ごろ | 月迫の候(げっぱくのこう) | 月末・年末が迫ること。改まった文書向き |
| 下旬ごろ | 年末厳寒の候(ねんまつげんかんのこう) | 年末の厳しい寒さ。寒い地域の相手に合う |
届く日別の早見表(届く日で選ぶ)
| 届く日 | 漢語調(迷ったらこれ) | やわらかい書き出し | 避けたい言葉 |
|---|---|---|---|
| 12月1日〜大雪の前日 | 初冬の候/師走の候 | 師走に入り、街にも年の瀬の気配が漂いはじめました。 | 晩秋・落葉など11月の言葉、大雪の候(まだ大雪の前) |
| 大雪(2026年は12月7日)〜中旬 | 大雪の候/師走の候 | 冷たい北風が身にしみる季節となりました。 | 向寒の候(すでに寒さの中) |
| 中旬〜冬至の前日 | 寒冷の候/歳末の候 | 年の瀬が近づき、慌ただしさを増す今日この頃です。 | 冬至の候(まだ冬至の前) |
| 冬至(2026年は12月22日)〜31日 | 歳晩の候/冬至の候 | 今年も残りわずかとなりました。 | 初冬の候(冬の初めではなくなっている) |
| 年明けに届く | 新年の言葉(1月の時候の挨拶) | 新春の候など | 歳末・歳晩・良いお年を |
| 月中いつでも | 師走の候 | 寒さが日ごとに増してまいりました。 | — |
注意
上旬・中旬・下旬の区切りは目安です。季節の言葉は慣用で、使う時期には幅があり、地域の気候によっても合う言葉が変わります。迷ったら、相手が手紙を受け取る日の、相手の土地の季節感に合わせて選んでください。季節を問わず使える「時下(じか)」もあります(「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」)。
Point
「〜の候」「〜の折」「〜のみぎり」の違い。どれも「〜の時季」という意味で、「師走の候」を「師走の折」「師走のみぎり」と言い換えられます。「の候」は書き出し、「の折」は結び(「寒さ厳しき折」)にもよく使われます。書き出しと結びで同じ形を重ねないようにすると読みやすくなります。
12月のやわらかい表現(口語調)
上旬ごろ
- 師走に入り、街にも年の瀬の気配が漂いはじめました。
- 冬の寒さが日ごとに増してまいりました。
- 街のあちこちで冬の装いを見かける季節となりました。
- カレンダーも最後の一枚となり、一年の早さを感じております。
- 朝の空気が澄み、遠くの山並みがくっきりと見える季節となりました。
中旬ごろ
- 本格的な寒さが訪れ、温かいものが恋しい季節となりました。
- 年の瀬が近づき、慌ただしさを増す今日この頃です。
- 冷たい北風が身にしみる季節となりました。
- 日が短くなり、夕方五時にはすっかり暗くなりました。
- 年末の買い出しで、商店街がにぎわう頃となりました。
下旬ごろ
- 今年も残りわずかとなりました。
- 年の瀬も押し詰まり、ご多忙の日々をお過ごしのことと存じます。
- 冬至を過ぎ、寒さがいよいよ厳しくなってまいりました。
- 一年を振り返る時期となりました。
- 新しい年を迎える準備に、何かと忙しい頃かと存じます。
寒い地域・暖かい地域の相手へ
- (寒い地域へ)そちらはもう雪景色でしょうか。
- (寒い地域へ)雪の便りが届くたびに、皆様のご様子を案じております。
- (暖かい地域へ)こちらは朝晩の冷え込みが厳しくなりましたが、そちらはいかがでしょうか。
ビジネスの書き出し 全文例(お礼状・案内状・挨拶状)
取引先への一年のお礼状(中旬〜下旬)
拝啓 歳末の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
本年も格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に一年を締めくくることができそうです。
来年も皆様のお役に立てるよう努めてまいりますので、変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
寒さ厳しき折、皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
敬具
お歳暮の送り状(上旬〜中旬)
拝啓 師走の候、貴社いよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本年のご厚情への感謝のしるしとして、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。ご笑納いただければ幸いです。
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
敬具
お歳暮をいただいたお礼状(中旬)
拝啓 寒冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、このたびはご丁寧なお歳暮の品をお送りいただき、誠にありがとうございました。皆でおいしく頂戴いたしました。日頃お世話になっておりますのはこちらのほうですのに、いつもお心遣いをいただき恐縮しております。
年末に向けてご多忙のことと存じます。皆様どうぞご自愛ください。
敬具
年末年始の休業の案内状(上旬)
拝啓 初冬の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社の年末年始の休業につきまして、下記のとおりご案内申し上げます。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
敬具
記
休業期間(差し替え)
以上
請求書の送付状(中旬)
拝啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
さて、◯月分のご請求書を同封いたしましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。なお、弊社は年末年始に休業をいただきますので、ご不明な点は◯日までに担当の△△へお問い合わせください。
年末ご多端の折、皆様どうぞご自愛ください。
敬具
記
・請求書 1部
以上
忘年会・年末の催しの案内状(上旬)
拝啓 初冬の候、貴社いよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、本年のご愛顧への感謝を込めまして、下記のとおり懇親の会を催すことといたしました。ご多用の折とは存じますが、ご出席賜りますようご案内申し上げます。
敬具
記
日時・会場(差し替え)
以上
恩師・目上の方への年末の手紙(下旬・個人あて)
拝啓 歳晩の候、◯◯先生にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
本年もひとかたならぬお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、春に任された仕事も無事に形にすることができました。
寒さ厳しき折、どうぞお体を大切になさって、良いお年をお迎えください。
敬具
注意
「貴社ますますご清栄のこと」は会社あて、個人あてなら「◯◯様にはますますご清祥のこと」とするのが一般的です。頭語と結語の組み合わせや手紙全体の構成は時候の挨拶 一覧にまとめています。
12月の結びの挨拶
ビジネス(取引先・目上の方)
- 本年中のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、来年も変わらぬお引き立てのほどお願い申し上げます。
- 寒さ厳しき折、皆様どうぞご自愛のうえ、良いお年をお迎えください。
- ご多忙の時期と存じますが、くれぐれもご自愛ください。
- 年末ご多端の折、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
- 末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 師走の折、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
- 来る年が皆様にとって実り多い一年となりますよう、お祈り申し上げます。
- まずは略儀ながら、書中をもちまして本年のお礼を申し上げます。
やわらかい結び(親しい相手)
- 忙しい時期ですが、体に気をつけて。どうぞ良いお年を。
- 寒さが厳しくなります。温かくしてお過ごしください。
- 来年もどうぞよろしくお願いします。
- ご家族の皆様と、穏やかな年末年始をお過ごしください。
- 風邪をひかないよう、温かくして新年を迎えてくださいね。
- 今年も本当にお世話になりました。来年もまたお会いできるのを楽しみにしています。
結びは相手の健康を気づかう一文と今後のお付き合いのお願い・相手の発展を祈る一文の組み合わせが基本です。最後に頭語と対になる結語(拝啓なら敬具)を置きます。
カジュアルな例(社内・親しい相手)
皆さん、お疲れさまです。早いもので今年も残りわずかになりました。年末は締め切りが重なりますが、体調を崩さないようにしていきましょう。
◯◯さん、今年も一年お世話になりました。慌ただしい時期ですが、どうぞ良いお年をお迎えください。
(社内チャット)おはようございます。今朝はかなり冷えましたね。年内の締め切り一覧を共有します。
(学校・園のおたより)寒さが一段と厳しくなってまいりました。冬休みを前に、手洗い・うがいを心がけ、元気に新年を迎えましょう。
社内向けは「今年もお世話になりました」と一年のお礼を一言入れると、12月らしさが出ます。漢語調は硬すぎるので、季節の一言+本題くらいの軽さが読みやすいです。
メールでの使い方
ふだんのメールでは時候の挨拶を省き、「いつも大変お世話になっております」から入って構いません。12月は年内最後のやり取りになる相手が多いので、結びに一年のお礼と「良いお年を」を添えると丁寧です。年末の挨拶メールの例文は年末の挨拶メールにまとめています。
件名:年内のご挨拶(△△社 △△)
◯◯株式会社 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。△△社の△△です。
年末に向けて、何かとご多用の時期かと存じます。
(本題)
本年も大変お世話になりました。来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。どうぞ良いお年をお迎えください。
12月の時候の挨拶でよくある失敗
| 失敗 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 12月1日に「大雪の候」 | 大雪(2026年は12月7日)より前は、まだ大雪を迎えていない | 上旬の前半は「初冬の候」「師走の候」 |
| 12月に「晩秋の候」 | 11月の言葉が残り、季節が遅れて見える | 12月に入ったら冬・年末の言葉へ |
| 年明けに届く文書に「歳末の候」「良いお年を」 | 相手は新年の季節感で読む | 新年の言葉(時候の挨拶 1月)に替える |
| 雪の降らない地域の相手に「初雪の候」 | 相手の土地の季節とずれる | 「師走の候」「寒冷の候」など地域を問わない言葉 |
| 「歳末の候」のあとに結びも「歳末の折」 | 同じ言葉が続き、くどく見える | 結びは「年末ご多端の折」「寒さ厳しき折」など言い換える |
| 個人あてに「貴社ますますご清栄」 | 会社に向けた定型をそのまま使っている | 「◯◯様にはますますご清祥のこと」 |
12月の話題に使える行事・暦
| 日付(2026年) | 行事・暦 | 書き出し・本文での使い方の例 |
|---|---|---|
| 12月7日 | 大雪(二十四節気) | 「大雪を過ぎ、冬の寒さが本格的になってまいりました」 |
| 12月20日 | 年賀状の引受開始(日本郵便) | 「年賀状の準備に追われる時期となりました」 |
| 12月22日 | 冬至(二十四節気) | 「冬至を過ぎ、これからは日が少しずつ長くなりますね」 |
| 12月27日 | 元日に届けるための年賀状の差し出し目安(日本郵便) | 社内あてに「年賀状は27日までの投函を」と添える |
| 12月28日 | 官公庁の御用納め | 「年内の手続きはお早めに」と案内に添える |
| 12月30日 | 銀行の年内最終営業日 | 請求書の送付状に「年内のお振込みは30日までに」と添える |
このほか、冬至のゆず湯、すす払い、年越しそば、クリスマスなども12月らしい話題です。年賀状の日程は年賀状はいつまでに出す?にまとめています。
二十四節気の日付は年によって前後します。日付は国立天文台 暦要項で確認できます。
12月の文書でよくある迷い
- 「良いお年を」はいつから? 年内に会わない・連絡しない相手への結びとして使います。月の後半、年内最後のやり取りで使うのが自然です。
- お歳暮の送り状・お礼状は、品が届く前後に合わせて出します。例文はお歳暮の送り状とお歳暮のお礼状にあります。
- 喪中の相手には「良いお年を」「おめでとう」を避け、「どうぞ穏やかな新年をお迎えください」などにします。詳しくは喪中の相手への年末年始の挨拶へ。
- クリスマスの時期の取引先あてなら、宗教色の薄い「年末」「一年のお礼」を中心にすると相手を選びません(クリスマスのビジネス挨拶)。
送る前のチェック
- 届く日の旬(上旬・中旬・下旬)と言葉が合っている
- 届く日が年内か年明けかを確かめた
- 大雪・冬至より前に「大雪の候」「冬至の候」を使っていない
- 相手の地域の気候と季節の言葉がずれていない
- 会社あては「ご清栄」、個人あては「ご清祥」にした
- 頭語と結語が対になっている(拝啓—敬具)
- 書き出しと結びで同じ季節の言葉を重ねていない
- 結びに一年のお礼か来年へのお願いがある
- 喪中の相手に「良いお年を」を使っていない
この記事の要点
- 12月は上旬「初冬・師走」、中旬「大雪・寒冷」、下旬「歳末・歳晩・冬至」が目安。
- 迷ったら月を通して使える「師走の候」。
- 大雪(2026年は12月7日)・冬至(同12月22日)より前は、その名の候を避ける。
- 年明けに届く文書には12月の言葉を使わない。
- 結びに一年のお礼と来年へのお願いを添えると12月らしい。
FAQ
よくある質問
月を通して使いやすいのは「師走の候」です。上旬は「初冬の候」、中旬は「大雪の候」「寒冷の候」、下旬は「歳末の候」「歳晩の候」が合います。迷ったら季節を問わない「時下」も使えます。
「初冬の候」「師走の候」「孟冬の候」が合います。大雪(2026年は12月7日)を過ぎたら「大雪の候」も使えます。やわらかく書くなら「師走に入り、街にも年の瀬の気配が漂いはじめました」。
寒さが本格的になる12月中旬ごろによく使われ、1月にも使われます。12月の初めなら「初冬の候」のほうが季節に合いやすいです。
年末が迫った12月の中旬から下旬に使われることが多い言葉です。上旬なら「初冬の候」「師走の候」のほうが合います。
ビジネスなら「本年中のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、来年も変わらぬお引き立てのほどお願い申し上げます」「年末ご多端の折、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」。親しい相手なら「忙しい時期ですが、体に気をつけて。どうぞ良いお年を」などです。
「師走に入り、街にも年の瀬の気配が漂いはじめました」「本格的な寒さが訪れ、温かいものが恋しい季節となりました」「今年も残りわずかとなりました」などです。
届く日の季節に合わせ、新年の言葉に切り替えるか、季節を問わない「時下」を使います。「良いお年を」も届く日が年明けなら外します。
ふだんのメールなら省いても失礼にはなりません。年内最後のやり取りになる相手には、結びに一年のお礼と「良いお年をお迎えください」を添えると丁寧です。