結論
担当変更の連絡は①前任者からの挨拶(いつまで担当するか・後任は誰か) ②後任者からの挨拶(いつから担当するか・引き継いだ内容・初回の顔合わせの提案)の順で送ります。急ぐ場合や関係が深い相手には、前任と後任の連名で一通にまとめ、可能なら同行して挨拶します。前任者が連絡できないまま交代した場合は、後任者がお詫びを添えて最初の連絡をします。
まず、自分の場面の例文を選ぶ
| 送る人 | 場面 | 使う例文 | 件名の例 |
|---|---|---|---|
| 前任者 | 社内の異動で担当を外れる | 前任者の例文A | 担当者変更のお知らせ(会社名・氏名) |
| 前任者 | 退職する | 前任者の例文B | 退職および担当者変更のお知らせ(会社名・氏名) |
| 前任者 | 産休・育休・療養などで休業する | 前任者の例文C | 休業に伴う担当者変更のお知らせ(会社名・氏名) |
| 前任者 | 変更日まで日がなく、急に交代する | 前任者の例文D | 【ご連絡】担当者変更のお知らせ(会社名・氏名) |
| 後任者 | 前任者の連絡が済んでいる | 後任者の例文E | 担当就任のご挨拶(会社名・氏名) |
| 後任者 | 前任者が連絡できないまま交代した | 後任者の例文F | 担当者変更のお知らせとご挨拶(会社名・氏名) |
| 後任者 | 担当が一人からチームに変わる | 後任者の例文G | 担当体制変更のお知らせ(会社名) |
| 連名 | 前任と後任で一通にまとめる | 連名の例文H | 担当者変更のお知らせとご挨拶(会社名) |
| 社内 | 他部署・社内の関係者へ知らせる | 社内向けの例文I・J | 【担当変更】〈取引先名〉の担当について |
| 受け取った側 | 返信する | 返信の例文K・L | Re: のまま |
担当変更の挨拶メールに書く項目と順番
| 順番 | 書くこと | 一文の例 |
|---|---|---|
| ①名乗り | 会社名・部署・名前 | 株式会社◯◯ ◯◯部の◯◯です。 |
| ②用件 | 担当が変わること | このたび、御社の担当が変わることとなりました。 |
| ③変更日 | いつまで/いつから | ◯月◯日をもちまして担当を外れ、◯月◯日より◯◯が担当いたします。 |
| ④理由(短く) | 異動・退職・休業。詳しく書かない | 社内の異動により |
| ⑤後任者 | 名前・部署・連絡先 | 後任は◯◯部の◯◯です(メール・電話は下記のとおり)。 |
| ⑥進行中の案件 | どこまで引き継いだか | ◯◯の件は、◯月◯日の打ち合わせの内容まで引き継いでおります。 |
| ⑦お礼と結び | 在任中のお礼・今後のお願い | 在任中は大変お世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします。 |
Point
⑥の一行が、取引先にとっていちばん助かる情報です。「どこまで伝わっているか」が分かれば、相手は同じ説明を繰り返さずに済みます。引き継ぎ資料に何を書くかは業務の引き継ぎ書を参照してください。
送る時期と、守ること
- 01
変更日の前に、前任者から送る
社内で正式に決まり、社外に伝えてよいと確認できてから送ります。変更日を過ぎると、相手が前任者あてに連絡してしまい、返事が遅れる原因になります。
- 02
後任者は前任者のメールの後に送る
前任者のメールが届いてから、日を置かずに送ります。前任者のメールに後任者をCCで入れておくと、相手が後任者のアドレスを登録しやすくなります。
- 03
一社ずつ、個別に送る
複数の取引先をTOやCCに並べると、他社のアドレスが見えてしまいます。相手ごとに宛名と進行中の案件を書き換えて送ります。
- 04
理由は短く、前向きに
「不本意ながら」「体調を崩し」など、相手が反応に困る書き方は避けます。「社内の異動により」「一身上の都合により」で十分です。
- 05
顔合わせを提案する
関係が深い相手や進行中の案件がある相手には、前任者が同行する訪問かオンラインの顔合わせを提案します。
前任者から送る例文
例文A:社内の異動で担当を外れる
件名:担当者変更のお知らせ(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
このたび社内の異動により、◯月◯日をもちまして御社の担当を外れることとなりました。
後任は、同じ部署の◯◯が務めます。改めて◯◯よりご挨拶させていただきます。
進行中の◯◯の件は、これまでの経緯をすべて◯◯に引き継いでおります。
在任中は大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。
例文B:退職する
件名:退職および担当者変更のお知らせ(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
◯月◯日付で、一身上の都合により退職いたします。
翌日の◯月◯日からは、◯◯部の◯◯が御社を担当いたします。
お目にかかってお伝えできず、メールでのご報告となりますことをご容赦ください。
◯◯様には、◯◯の件で何度も助けていただきました。本当にありがとうございました。
今後とも、弊社をよろしくお願いいたします。
注意
退職後に使えなくなるアドレスから送るときは、「◯月◯日以降、このアドレスは使えなくなります」と一行入れておくと、相手が誤って送らずに済みます。退職の伝え方は退職の挨拶にもまとめています。
例文C:休業(産休・育休・療養など)に入る
件名:休業に伴う担当者変更のお知らせ(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
私事で恐縮ですが、◯月◯日より休業に入ることとなりました。
休業中は◯◯が御社を担当いたします。◯◯には、これまでの経緯をすべて引き継いでおります。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
復帰の折には、改めてご挨拶させていただきます。
休業の理由は、本人が伝えたい範囲で書きます。書かなくても失礼にはなりません。産休・育休の挨拶は産休の挨拶にもあります。
例文D:急に交代する(変更日まで日がない)
件名:【ご連絡】担当者変更のお知らせ(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
急なご連絡で申し訳ございません。社内の体制変更により、◯月◯日から御社の担当が◯◯に代わることとなりました。
ご案内が直前になりましたこと、お詫び申し上げます。
◯月◯日までにいただいたご依頼は私が対応し、それ以降のご連絡は◯◯(CCに入れております)までお願いいたします。
引き継ぎに漏れがないよう努めますので、何卒よろしくお願いいたします。
後任者から送る例文
例文E:前任者の連絡が済んでいる
件名:担当就任のご挨拶(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
はじめてご連絡いたします。株式会社◯◯の◯◯と申します。
先日◯◯よりご案内いたしましたとおり、◯月◯日より御社の担当を務めさせていただくこととなりました。
◯◯の件につきましては、◯月◯日のお打ち合わせの内容まで◯◯から引き継いでおります。
至らない点もあるかと存じますが、精一杯努めてまいります。
一度ご挨拶に伺いたく存じますので、ご都合のよい日時をお知らせいただけますでしょうか。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
例文F:前任者が連絡できないまま交代した
件名:担当者変更のお知らせとご挨拶(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
はじめてご連絡いたします。株式会社◯◯の◯◯と申します。
前任の◯◯が◯月◯日付で異動となり、本日より私が御社を担当することとなりました。
本来であれば前任よりご案内すべきところ、ご連絡が遅れましたことをお詫び申し上げます。
◯◯の件は、◯◯から資料と経緯を受け取っております。念のため、現在の状況について確認させていただきたく、近日中にお時間をいただけますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
注意
例文Fでは、前任者を悪く言わないことと、引き継ぎの内容を相手と一度確かめることが大切です。言った・言わないの行き違いを防げます。
例文G:担当が一人からチームに変わる
件名:担当体制変更のお知らせ(株式会社◯◯)
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
◯月◯日より、御社の担当を◯◯と◯◯の二人体制に変更いたします。
日々のご連絡は◯◯が、お見積りやご契約に関することは◯◯がお受けします。
お手数ですが、今後は下記の共有アドレスあてにご連絡いただけますと、どちらかが必ず対応いたします。
〈共有アドレス〉
引き続きよろしくお願いいたします。
後任者の件名の付け方
- 前任の連絡が済んでいる:「担当就任のご挨拶(会社名・氏名)」/「後任担当のご挨拶(会社名・氏名)」
- 前任の連絡がない:「担当者変更のお知らせとご挨拶(会社名・氏名)」
- 避けたい件名:「ご挨拶」「よろしくお願いします」だけ(用件も差出人も分からない)
後任者の最初のメールは、相手にとって知らない差出人です。件名に会社名と名前を入れ、迷惑メールと間違われないようにします。挨拶訪問の日程の出し方は日程候補のメールにあります。
前任と後任の連名でまとめる例文
例文H:連名メール
件名:担当者変更のお知らせとご挨拶(株式会社◯◯)
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯(前任)と◯◯(後任)です。
◯月◯日より、御社の担当が◯◯から◯◯に代わります。
【◯◯(前任)より】
これまで大変お世話になりました。後任の◯◯には、進行中の◯◯の件も含めてすべて引き継いでおります。
【◯◯(後任)より】
このたび担当を務めさせていただく◯◯です。精一杯努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
◯月◯日までの引き継ぎ期間中は、二人のどちらにご連絡いただいても構いません。
注意
連名メールは前任者のアドレスから、後任者をCCに入れて送ると、相手が後任者のアドレスを登録しやすくなります。
社内向けの例文
例文I:社内の関係者へ担当変更を知らせる
件名:【担当変更】〈取引先名〉の担当について
関係者各位
お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
◯月◯日より、〈取引先名〉の担当が私から◯◯さんに代わります。
同社からの問い合わせや社内の確認事項は、◯月◯日以降は◯◯さんへお願いします。
引き継ぎ資料は〈保存場所〉に置いています。よろしくお願いします。
例文J:社内の後任者として挨拶する
件名:〈取引先名〉担当就任のご挨拶(◯◯部 ◯◯)
関係者各位
お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
◯月◯日より、◯◯さんから〈取引先名〉の担当を引き継ぎました。
同社に関するご連絡は、今後は私までお願いします。不慣れな点もありますが、よろしくお願いします。
担当変更の挨拶メールへの返信例文
例文K:前任者へ
◯◯様
ご丁寧にご連絡いただき、ありがとうございます。
◯◯様には◯◯の件で大変お世話になりました。新しい場所でのご活躍をお祈りしております。
例文L:後任者へ
◯◯様
ご挨拶をいただき、ありがとうございます。◯◯の◯◯です。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
お越しいただける件、◯月◯日(◯)の午後でしたらお時間をお取りできます。ご都合はいかがでしょうか。
送る前のチェックリスト
- 件名に用件・会社名・氏名が入っている
- 変更日(いつまで/いつから)がはっきり書いてある
- 後任者の名前・部署・メールアドレス・電話番号を書いた
- 進行中の案件をどこまで引き継いだか、一行書いた
- 宛名(会社名・部署・役職・名前)を最新の情報で確かめた
- 他社のアドレスをTO・CCに並べていない
- 理由に、相手が反応に困る言葉を入れていない
- 退職・休業でアドレスが使えなくなる場合、その日付を書いた
引き継ぎで後任に渡しておくこと
- 相手の情報:担当者の名前・役職・連絡先、決裁する人、連絡の取りやすい時間帯や手段
- 進行中の案件:今の段階、次の期限、相手と約束していること
- 注意すること:過去のトラブルや要望、請求や契約の決まりごと
よくある失敗と直し方
| 失敗 | 何が困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 変更日を過ぎてから知らせた | 相手が前任者に送ったメールが宙に浮く | 社外に出してよくなったら、変更日の前に送る |
| 後任者の連絡先を書いていない | 相手が誰に連絡すればよいか分からない | メール・電話を本文か署名に書く |
| 複数社をCCに並べた | 他社のアドレスが見えてしまう | 一社ずつ個別に送る |
| 件名が「ご挨拶」だけ | 知らない差出人だと開かれない | 「担当就任のご挨拶(会社名・氏名)」にする |
| 引き継ぎの範囲を書いていない | 相手が同じ説明を一からし直す | 「◯月◯日の打ち合わせ内容まで」と書く |
この記事の要点
- 前任者が先、後任者が後。変更日の前に送る。
- 書くのは変更日・後任の名前と連絡先・進行中の案件の扱い・お礼。
- 前任の連絡がないまま交代したら、後任者がお詫びを添えて知らせ、引き継ぎ内容を相手と確かめる。
- 件名に会社名と氏名。複数社は一社ずつ個別に送る。
- 関係が深い相手には連名メールか同行の挨拶。
FAQ
よくある質問
「先日◯◯よりご案内いたしましたとおり、◯月◯日より御社の担当を務めさせていただくこととなりました。◯◯の件につきましては、◯月◯日のお打ち合わせの内容まで引き継いでおります。一度ご挨拶に伺いたく存じます」が基本形です。件名は「担当就任のご挨拶(会社名・氏名)」とします。
前任者が先です。前任者が担当変更といつまで担当するか、後任者の名前を伝え、その後で後任者が挨拶します。急ぐ場合は、前任者のアドレスから後任者をCCに入れた連名メールにまとめます。
後任者が「本来であれば前任よりご案内すべきところ」とお詫びを添えて、担当が代わったことと自分の連絡先を知らせます。引き継いだ内容に食い違いがないか、早めに相手と確認する時間をもらいます。
「社内の異動により」「一身上の都合により」「休業に入るため」程度で十分です。詳しい事情や、相手が反応に困る話は書きません。
TOやCCに並べると他社のアドレスが見えてしまうため、一社ずつ送ります。相手ごとに進行中の案件を一行書き換えると、定型文に見えません。
前任者には在任中のお礼と今後の活躍を祈る言葉を、後任者には挨拶へのお礼と今後もよろしくの一言を返します。後任者から訪問の打診があれば、都合のよい日時も合わせて返します。