敬語
「お見知りおきください」の意味と使い方
目上への言い方とメール例文
「お見知りおきください」は、初めて会う相手に、これから自分(や自分の側の人)を覚えておいてほしいとお願いする言葉です。取引先・お客様・上司など目上の相手にも使えます。そのまま使える一文は「以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします。」。すでに何度もやり取りしている相手には合いません。このページでは、意味と読み方、使える場面の表、丁寧さ別の言い換え、初対面・着任・担当交代など場面別のメール例文をまとめました。自己紹介の話し方全体は自己紹介の例文を見てください。
結論
「見知りおく」は会って顔や名前を覚えておくことで、相手の行為に「お」を付けて依頼の形にした「お見知りおきください」は、「今後、私のことを覚えておいてください」を丁寧に言う言い方です。読み方は「おみしりおきください」。初対面のあいさつの結びに、「以後」「今後とも」と組み合わせて使うのが基本です。
「お見知りおき」の意味と成り立ち
「見知る」は見て知っている、面識があること、「おく」はそのままにしておくことで、合わせた「見知りおく」は会ったことを覚えておくという意味になります。そこに「お〜ください」を付けたのが「お見知りおきください」です。
このため、使うのは初めて会う・初めて連絡するときに限られます。自分のことだけでなく、新しく担当になる部下や後任を紹介して「お見知りおきください」と添えることもできます。
Point
「お見知りおき」は初対面のあいさつの言葉。名乗ったあと、結びの「よろしくお願いいたします」の前に置くと自然です。
使える場面・使わないほうがよい場面
| 場面 | 「お見知りおき」 | 代わりに使う言葉 |
|---|---|---|
| 取引先と初めて会う・名刺を交換する | 使える | ― |
| 新しい部署・会社に着任したあいさつ | 使える | ― |
| 後任・新しい担当者を紹介する | 使える | ― |
| 初めて連絡するメールの結び | 使える(「以後〜のほど」と組む) | ― |
| 交流会・懇親会の自己紹介 | 使える | ― |
| 何度も会っている取引先 | 合わない | 今後ともよろしくお願いいたします |
| 久しぶりに連絡する相手 | 合わない | ご無沙汰しております |
| 社内の同期・後輩への軽いあいさつ | かしこまりすぎる | これからよろしくお願いします |
注意
「お見知りおきください」は目上の人にも使える言葉です。ただ、単独で言い切ると少し古風で、芝居がかって聞こえると感じる人もいます。メールでは「以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします」と、お願いの言葉まで続けると落ち着きます。
言い換え一覧(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 以後お見知りおきくださいますよう、お願い申し上げます | 最も改まった言い方 | 就任・着任の挨拶状 |
| 以後お見知りおきのほど、よろしくお願い申し上げます | 改まった言い方 | 取引先への初めてのメール |
| 以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします | 丁寧 | 取引先・お客様との初対面 |
| お見知りおきいただけますと幸いです | 丁寧(やわらかい) | 紹介を受けて連絡するとき |
| どうぞよろしくお願いいたします | 丁寧(簡潔) | 社内外どちらにも |
| 覚えていただけるとうれしいです | 標準(くだけた) | 社内の懇親会・軽い自己紹介 |
迷ったら「どうぞよろしくお願いいたします」で十分です。「お見知りおき」は、初対面であることをはっきり示したいとき、たとえば着任や担当交代のあいさつで添えると効果があります。着任のあいさつ全体は着任挨拶の例文にまとめています。
場面別のメール例文
名刺交換した相手に、初めてメールを送る
件名:先日のごあいさつ(株式会社△△ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
先日の◯◯でごあいさつした、株式会社△△の□□です。
お忙しいなか、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
弊社では、展示会や社内行事の運営をお手伝いしております。
以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします。
着任のあいさつを取引先に送る
件名:着任のごあいさつ(株式会社△△ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたび、◯月◯日付で◯◯支店に着任いたしました。
前任の◯◯同様、貴社のお役に立てるよう努めてまいります。
近いうちに改めてごあいさつに伺えればと存じます。
以後お見知りおきのほど、よろしくお願い申し上げます。
後任の担当者を紹介する
件名:担当者交代のお知らせ
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日より、貴社の担当を◯◯が引き継ぐこととなりました。
本メールの宛先に◯◯を加えております。
これまでの経緯は◯◯にすべて伝えております。
後任の◯◯を、以後お見知りおきいただけますと幸いです。
紹介を受けて、初めて連絡する
件名:◯◯様のご紹介でご連絡いたしました
株式会社◯◯
◯◯様
突然のご連絡、失礼いたします。株式会社△△の□□と申します。
◯◯株式会社の◯◯様からご紹介いただき、ご連絡いたしました。
◯◯の件で、一度お話を伺えればと考えております。
まずはごあいさつまで。以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします。
新しい部署へのあいさつ(社内)
件名:◯◯部に着任しました(□□)
◯◯部の皆さま
お疲れさまです。本日付で◯◯部に着任しました□□です。
前の部署では◯◯を担当していました。
分からないことが多く、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、早く戦力になれるよう努めます。
お見知りおきのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
交流会で会った相手へのお礼
件名:昨日の交流会のお礼
◯◯株式会社
◯◯様
昨日の交流会でお話しした、株式会社△△の□□です。
◯◯のお話がとても参考になりました。ありがとうございました。
同じ業界に関わる者として、今後もいろいろと教えていただければうれしく存じます。
以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします。
注意
担当交代のメール全体(引き継ぎの範囲や連絡先の書き方)は担当者交代のあいさつメール、初めて連絡するメールの組み立ては紹介・初回連絡のメールを参考にしてください。
よくある間違い
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| (何度も会っている相手に)今後ともお見知りおきください | 初対面の言葉なので、すでに面識がある相手には合わない | 今後ともよろしくお願いいたします |
| お見知りおきしてください | 「お〜する」は自分の動作に使う形で、相手への依頼としては不自然 | お見知りおきください/お見知りおきいただけますと幸いです |
| メールの結びが「以後お見知りおきを。」だけ | 言いさしの形は、書き言葉ではそっけなく感じる人もいる | 以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします |
| 「お見知りおきください」を一通に何度も | くどくなる | 結びで一度だけ |
「お見知りおきください」と言われたときの返し
言われた側は、「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」と返せば十分です。同じ言葉を返す必要はありません。相手が着任や担当交代であれば、歓迎の一言や今後の連絡の段取りを添えると親切です。
□□様
お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
ご丁寧なごあいさつをいただき、ありがとうございます。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
次回の打ち合わせの日程は、改めてご相談できれば幸いです。
対面で言われたときも同じで、「こちらこそよろしくお願いいたします」と名乗り返すのが自然です。名刺交換の流れは名刺交換のマナーにまとめています。
この記事の要点
- 「お見知りおきください」は初対面の相手に、今後覚えておいてほしいとお願いする言葉。読みは「おみしりおきください」。
- メールでは「以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします」と結ぶ形が使いやすい。
- すでに面識がある相手には使わず、「今後ともよろしくお願いいたします」。
- 後任や部下を紹介するときにも「後任の◯◯を、以後お見知りおきいただけますと幸いです」と使える。
- 言われたら「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」で十分。
FAQ
よくある質問
使えます。初対面の取引先・お客様・上司へのあいさつに使える丁寧な言い方です。単独だと少し古風に聞こえると感じる人もいるので、「以後お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします」と続けると落ち着きます。
「おみしりおき」と読みます。
合いません。初対面の相手に覚えておいてほしいとお願いする言葉なので、面識がある相手には「今後ともよろしくお願いいたします」とします。
使えます。後任や新しく加わったメンバーを紹介するとき、「後任の◯◯を、以後お見知りおきいただけますと幸いです」のように使います。
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」と返せば十分です。同じ言葉を返す必要はありません。