社内文書
訃報の社内通知 文例7つ
家族葬・事後報告・取引先
社員の家族に不幸があったとき、総務や上司は社内に知らせるか、どこまで知らせるか、何を書くかを短い時間で決めなければなりません。このページでは、まず結論と件名の型を示し、そのあと7つの場面の文例(一般葬・家族葬・葬儀後の事後報告・社員本人・役員/元社員・チャット用の短文・取引先メール)を並べました。◯◯や[ ]の部分を差し替えればそのまま使えます。社内通知全般の型は社内通知・お知らせの文例にあります。
結論
訃報の社内通知は、本人(または遺族)の了承を得てから出します。載せるのは誰が・いつ亡くなったか、通夜・告別式の日時と場所、喪主、宗教、香典・供花・弔電を辞退するか、会社としての対応、業務の窓口です。亡くなった理由・経緯は書きません。家族葬なら日時と場所を載せず「参列・香典などは辞退」と明記し、葬儀が済んでから知らせる場合は事後報告の形にします。
すぐ使える:場面別の早見表
| 場面 | 日時・場所 | 辞退の書き方 | 使う文例 |
|---|---|---|---|
| 一般葬で参列を受ける | 載せる | 辞退があれば明記 | 文例1 |
| 家族葬(参列・香典などを辞退) | 載せない | 参列・香典・供花・弔電は辞退 | 文例2 |
| 葬儀の後に知らせる | 済んだことだけ書く | 香典などは辞退(遺族の意向に合わせる) | 文例3 |
| 社員本人が亡くなった | 決まり次第改めて | 遺族の意向を確認してから | 文例4 |
| 役員・元社員が亡くなった | 載せる/載せない | 遺族の意向に合わせる | 文例5 |
| 部署内だけ・チャットで知らせる | 必要なら | 一言で添える | 文例6 |
| 取引先に知らせる | 原則載せない | 弔問・香典を辞退 | 文例7 |
件名の型
- 【訃報】[部署] [氏名]さんのご尊父様ご逝去のお知らせ
- 【訃報】[部署] [氏名]さんのご母堂様ご逝去について(家族葬)
- 【ご報告】[部署] [氏名]さんのお父様のご逝去(葬儀は済んでいます)
- 【訃報】[部署] [氏名]さんご逝去のお知らせ(社員本人)
注意
件名に【訃報】と入れると、一覧で埋もれず、軽い連絡と並んで読まれるのを避けられます。件名だけで誰のことか分かるように、部署と氏名を入れます。
書き始める前に:本人・遺族と決めておく6点
- 社内に知らせてよいか、どの範囲まで(部署内だけ、全社など)
- 通夜・告別式の日時と場所を載せてよいか
- 家族葬かどうか、社内からの参列を受けるか
- 香典・供花・弔電を辞退するか(全部か、一部か)
- 喪主の氏名と続柄、宗教・宗派
- 休暇の予定、業務の引き継ぎ先、本人への連絡を控えてほしいか
Point
本人の了承なしに出さないでください。 家族の死因や事情は、本人が知られたくないこともあります。確認は電話で短く済ませ、決めきれないことは「分かり次第でかまいません」と伝えて、分かった項目から出します。
通知に入れる項目・書かない項目
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 件名 | 【訃報】◯◯部 ◯◯さんのご尊父様ご逝去のお知らせ |
| 誰が | ◯◯部 ◯◯◯◯さんのご尊父 ◯◯◯◯様 |
| いつ | ◯月◯日にお亡くなりになりました |
| 通夜・告別式 | 日時・式場名・住所(家族葬なら載せない) |
| 喪主 | ◯◯◯◯様(続柄) |
| 宗教 | 仏式・神式・キリスト教式など(分かる場合) |
| 辞退の有無 | ご香典・ご供花・ご弔電は辞退されています、など |
| 会社の対応 | 会社として弔電(供花)を手配済みです |
| 業務 | ◯◯さんは◯日まで休暇。急ぎの件は◯◯まで |
| 問い合わせ先 | 総務部 ◯◯(内線◯◯) |
書かないこと
- 亡くなった理由・病名・経緯
- 本人が了承していない家族の事情(家族構成、闘病の様子など)
- 本人の私用の携帯番号や自宅住所(連絡は総務経由にする)
- 「重ね重ね」「たびたび」「再び」など、不幸が重なることを連想させる重ね言葉
続柄の書き方(社員から見た関係)
| 続柄 | 通知での書き方 |
|---|---|
| 父 | ご尊父(様)/お父様 |
| 母 | ご母堂(様)/お母様 |
| 夫 | ご主人(様) |
| 妻 | ご令室(様)/奥様 |
| 息子 | ご令息(様)/ご子息(様) |
| 娘 | ご令嬢(様)/ご息女(様) |
| 妻の父・母 | ご岳父(様)・ご岳母(様)/奥様のお父様・お母様 |
| 夫の父・母 | ご主人のお父様・お母様 |
| 祖父・祖母 | ご祖父(様)・ご祖母(様)/おじい様・おばあ様 |
注意
かたい言い方に迷うときは「お父様」「お母様」で十分伝わります。社員本人のことは「◯◯さん」、家族は「◯◯様」と書き分けます。
場面別の文例7つ
文例1:通夜・告別式の案内を全社に出す
件名:【訃報】営業部 ◯◯さんのご尊父様ご逝去のお知らせ
社員各位
営業部 ◯◯◯◯さんのご尊父 ◯◯◯◯様が、◯月◯日にお亡くなりになりました。
謹んでお知らせするとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
通夜:◯月◯日(◯)◯時より
告別式:◯月◯日(◯)◯時より
式場:◯◯斎場(住所)
喪主:◯◯◯◯様(ご長男)
宗教:仏式
会社として弔電と供花を手配しております。
◯◯さんは◯日までお休みです。急ぎの件は営業部 ◯◯までご連絡ください。
総務部 ◯◯(内線◯◯)
注意
宗教が仏式でない場合や分からない場合、「ご冥福をお祈りいたします」は「心よりお悔やみ申し上げます」に替えると無難です。
文例2:家族葬のため、ご厚意を辞退すると伝える
件名:【訃報】総務部 ◯◯さんのご母堂様ご逝去について
社員各位
総務部 ◯◯◯◯さんのご母堂様が、◯月◯日にお亡くなりになりました。
謹んでお知らせいたします。
葬儀は近親者のみの家族葬で執り行われます。
ご遺族のご意向により、ご参列、ご香典・ご供花・ご弔電は辞退されております。
皆さまにはお気持ちのみ頂戴したいとのことですので、個別のお申し出はお控えください。
◯◯さんは◯日までお休みです。業務の連絡は総務部 ◯◯までお願いいたします。
注意
家族葬では、通夜・告別式の日時と場所を載せないほうが、意図せず参列する人を防げます。辞退の文言は、遺族から聞いた言葉に合わせて書いてください。香典だけ辞退で供花は受ける、など一部だけの辞退もあるので、辞退するものを一つずつ書きます。
文例3:身内で見送った後に、職場へ伝える
件名:【ご報告】開発部 ◯◯さんのお父様のご逝去(葬儀は済んでいます)
社員各位
開発部 ◯◯◯◯さんのご尊父 ◯◯◯◯様が◯月◯日にお亡くなりになりました。
お見送りはすでにご家族だけで済まされたと、◯◯さんから伺っています。謹んでお知らせいたします。
お香典やお花のお心づかいは、ご遺族のご意向によりお受けしないとのことです。
◯◯さんは◯日から出社の予定です。職場ではこれまでどおり接してほしい、とのことです。
総務部 ◯◯
注意
事後報告は、本人が復帰した後に職場で戸惑いが出ないようにするための連絡です。後から香典を渡そうとする人が出やすいので、辞退の有無を必ず書きます。
文例4:社員本人が亡くなった場合
件名:【訃報】◯◯部 ◯◯◯◯さんご逝去のお知らせ
社員各位
◯◯部の◯◯◯◯さんが、◯月◯日にお亡くなりになりました。
これまでのご尽力に深く感謝し、謹んでお知らせいたします。
通夜・告別式の日程は、ご遺族のご意向を確認のうえ、改めてお知らせいたします。
社外からのお問い合わせには総務部で対応いたしますので、総務部 ◯◯までおつなぎください。
ご遺族への直接のご連絡は、しばらくお控えください。
Point
社員本人の逝去は、取引先から問い合わせが来ることがあります。社外への説明は窓口を一つに決め、各自が個別に答えないようにしてください。日程が決まったら、文例1または文例2の形で改めて知らせます。
文例5:役員・元社員が亡くなった場合
件名:【訃報】元常務取締役 ◯◯◯◯様ご逝去のお知らせ
社員各位
当社の元常務取締役 ◯◯◯◯様が、◯月◯日にお亡くなりになりました。
在任中は◯◯事業の立ち上げに尽力され、当社の発展に大きく貢献されました。
ここに謹んでお知らせし、心よりご冥福をお祈りいたします。
通夜:◯月◯日(◯)◯時より
告別式:◯月◯日(◯)◯時より
式場:◯◯会館(住所)
喪主:◯◯◯◯様(ご令室)
会社として供花を手配し、社長が告別式に参列いたします。
個人として参列される方は、所属長にお知らせください。
注意
故人の経歴を一行添えると、面識のない若手社員にも誰のことか伝わります。会社として誰が参列するかを書くと、各部署から何人行くべきかの迷いが減ります。
文例6:部署内だけ・チャットで短く知らせる場合
【訃報】◯◯さんのお父様が◯日にお亡くなりになりました。ご葬儀はご家族のみで行われ、香典などは辞退されています。◯◯さんは◯日までお休みです。急ぎの件は私(◯◯)までお願いします。
※◯◯さん本人への個別のご連絡は控えていただけると助かります。
注意
チャットでは「了解」のスタンプや絵文字の返信が並びやすいので、返信は不要と書き添えるか、メールで送る運用にしておくと安心です。
文例7:取引先への連絡(社員本人・役員が亡くなった場合)
件名:弊社 ◯◯◯◯ 死去のお知らせ
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯でございます。
誠に残念ながら、貴社を担当しておりました弊社の◯◯◯◯が、◯月◯日に永眠いたしました。
生前に賜りましたご厚情に、心より御礼申し上げます。
葬儀は近親者のみで執り行われるため、ご弔問・ご香典などはご辞退申し上げます。
今後の貴社のご担当は、◯◯部の◯◯が務めさせていただきます。改めてご挨拶に伺います。
略儀ながら、メールにてお知らせ申し上げます。
注意
取引先への連絡は、遺族の了承を得てから送ります。自社の社員なので、社外向けには敬称を付けず「弊社の◯◯」と書き、「逝去」「ご逝去」のような尊敬の言い方ではなく「永眠いたしました」「死去いたしました」を使います。後任の挨拶は担当変更の挨拶メールが参考になります。
よくある失敗と防ぎ方
| 失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 本人の了承前に通知した | 知られたくない事情まで広まる | 範囲と内容を本人に確認してから出す |
| 辞退の有無を書かなかった | 香典を持って行く人と行かない人が分かれ、本人が対応に追われる | 辞退するもの・しないものを一つずつ書く |
| 家族葬なのに日時・場所を載せた | 日時を見た人が参列してよいと受け取り、式場に来てしまう | 家族葬では日時・場所を載せない |
| 続柄・名前を間違えた | 訂正の再送が必要になり、本人にも失礼になる | 喪主名・続柄は本人に読み上げて確認 |
| 会社の対応を書かなかった | 部署ごとに弔電や供花を出して重なる | 会社として手配したものを明記 |
| 休暇中の窓口を書かなかった | 本人に業務連絡が届く | 代わりの担当者と内線を書く |
送る前のチェックリスト
- 本人(遺族)が通知の内容と範囲を了承しているか
- 故人の名前・続柄・喪主名に誤りがないか
- 辞退の有無を、遺族の言葉どおりに書いたか
- 家族葬なら、日時・場所を載せていないか(または参列を控える旨を明記したか)
- 亡くなった理由や経緯を書いていないか
- 会社としての対応(弔電・供花・参列者)を書いたか
- 休暇中の業務の窓口を書いたか
- 送り先の範囲が本人の了承どおりか(全社一斉か、部署内か)
会社として出す弔電・供花・香典の手配は、弔電の文例、会社からの供花、香典の会社名の書き方にまとめています。忌引休暇の日数や慶弔見舞金は会社ごとに就業規則・慶弔規程で決まっているので、通知と一緒に本人へ規程を案内してください。
この記事の要点
- 訃報の社内通知は本人(遺族)の了承を得てから。範囲も確認する。
- 載せるのは葬儀の連絡に必要なことだけ。亡くなった理由は書かない。
- 辞退の有無と会社としての対応を明記し、個別の香典の混乱を防ぐ。
- 家族葬は日時・場所を載せず、葬儀後に知らせるなら事後報告の形にする。
- 取引先への連絡は窓口を一つにし、後任を伝える。
FAQ
よくある質問
「営業部 ◯◯さんのご尊父 ◯◯様が、◯月◯日にお亡くなりになりました。謹んでお知らせいたします」に続けて、通夜・告別式の日時と場所、喪主、宗教、辞退の有無、会社としての対応、休暇中の業務の窓口を書きます。本人の了承を得てから出してください。
家族葬で執り行われること、ご遺族の意向で参列・香典・供花・弔電を辞退されていることを、はっきり書きます。日時と場所は載せないほうが、意図しない参列を防げます。
かまいません。本人が葬儀中の連絡を望まない場合は、葬儀が済んだことと辞退の有無、出社の予定を事後報告として知らせます(文例3)。
必ず知らせるものではありません。本人に、知らせてよいか、どの範囲までかを確認し、本人が望まなければ上司と総務の間だけで対応します。
書いておくと、部署ごとに弔電や供花を重ねて出すことを防げます。辞退されている場合は、会社としても控えたことを書きます。
控えてもらうよう通知に書いておくのが無難です。本人の携帯番号や住所は載せず、お悔やみや業務の問い合わせは総務や上司が受ける形にすると、休暇中の本人に連絡が集中しません。
「誠に残念ながら、貴社を担当しておりました弊社の◯◯が、◯月◯日に永眠いたしました。生前に賜りましたご厚情に、心より御礼申し上げます」に続けて、葬儀や辞退の案内と、今後の担当者を伝えます。遺族の了承を得てから送ります。