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漢字の読み方

ビジネスで読み間違えやすい漢字一覧
読み方・意味・例文

ビジネス文書や会議には、ふだんの会話ではあまり使わない漢字の言葉がよく出てきます。読み間違えやすい代表は、相殺(そうさい)・出納(すいとう)・漸次(ぜんじ)・遵守(じゅんしゅ)。見分けのコツは、いつもの音読みで読めないと感じたら、その字の別の音を疑うことです(「殺」をサイ、「出」をスイと読むなど)。使った一文は「前回の過払い分は、今回のご請求額と相殺(そうさい)させていただけますでしょうか。」。このページでは、読み・意味・例文の一覧表、二通りの読みが使われる語、メールでの例文、間違えやすい読みと覚え方をまとめました。

更新: 2026-11-01読了:約6分PRODUCER AGENT 編集部

結論

ここでいう「読み間違えやすい漢字」は、字は見慣れているのに、その言葉の中では別の読み方をするものです。読みを確かめるときは、国が示す漢字使用の目安である常用漢字表の音訓と例の欄が手がかりになります。たとえば常用漢字表では、「殺」の音「サイ」の例に「相殺」、「出」の音「スイ」と「納」の音「トウ」の例に「出納」が挙がっています。

読み間違えやすい漢字の意味と読み方

読み間違いが起きやすいのは、一つの字に複数の音があり、その言葉ではあまり使わないほうの音で読むときです。「相殺」の「殺」はふだん「サツ」と読みますが、この言葉では「サイ」。「出納」の「出」も「シュツ」ではなく「スイ」です。

もう一つは、形の似た字と取り違えるパターンです。「漸次(ぜんじ)」は「暫時(ざんじ)」と、「遵守(じゅんしゅ)」は「遵」の中にある「尊」につられて「そんしゅ」と読まれることがあります。意味もそれぞれ違うので、読みと一緒に意味も押さえておくと間違えにくくなります。

また、読みが二通り使われている言葉もあります。続柄・既存・貼付などは、どちらの読みも耳にします。会議で読み上げるときは、相手や職場でよく使われているほうに合わせれば問題ありません。

Point

迷ったら、字の「別の音」を疑う。常用漢字表の例の欄に、その言葉そのものが載っていることがよくあります。

読み・意味・例文の早見表

経理・契約・手続きでよく出る言葉

言葉読み意味例文
相殺そうさい互いの貸し借りを差し引いて帳消しにすること。良い点と悪い点が打ち消し合うことにも過払い分は次回の請求と相殺します。
出納すいとうお金や物を出し入れすること小口現金の出納帳をつけています。
捺印なついん印を押すこと(押印と同じ意味)申込書にご署名・ご捺印をお願いいたします。
代替だいたいほかのもので代えること雨天時の代替案を用意しました。
続柄つづきがら/ぞくがら親族としての関係(世帯主との関係など)扶養家族の続柄をご記入ください。
定款ていかん会社などの目的や組織の基本的な決まり(を書いたもの)定款の写しを添付いたします。
貼付ちょうふ/てんぷ貼り付けること所定の欄に収入印紙を貼付してください。
頒布はんぷ広く配ること会場で資料を頒布します。
委嘱いしょく仕事を外部の人に頼んで任せること審査員を委嘱いたしました。

会議・社内文書でよく出る言葉

言葉読み意味例文
既存きそん/きぞんすでにあること既存の取引先にもご案内します。
漸次ぜんじだんだん、しだいに新しい手順へ漸次切り替えます。
暫時ざんじしばらくの間暫時休憩とします。
暫定ざんていしばらくの間、仮に決めること暫定の予算で進めます。
遵守じゅんしゅ法律や決まりに従い、守ること社内規程の遵守をお願いします。
進捗しんちょく物事の進み具合進捗を毎週共有します。
示唆しさそれとなく示すこと示唆に富むご意見をいただきました。
割愛かつあい惜しいと思いながら省くこと詳細は時間の都合で割愛します。
払拭ふっしょくすっかり取り除くこと不安を払拭できるよう説明します。
凡例はんれい図表などの記号や使い方の説明地図の凡例をご覧ください。
更迭こうてつある役職の人を別の人に替えること責任者が更迭されました。
煩雑はんざつこみいっていて面倒なこと手続きが煩雑にならないよう見直します。
境内けいだい神社や寺の敷地の中境内での撮影は許可が要ります。
遊説ゆうぜい各地を回って意見を説くこと候補者が駅前で遊説しています。

注意

読みは常用漢字表の音訓と例の欄で確かめられるもの(たとえば「境」のケイの例に「境内」、「説」のゼイの例に「遊説」、「凡」のハンの例に「凡例」)を中心に選んでいます。「捺」は常用漢字表にない字です。

読みが二通り使われている言葉

言葉使われている読みひとこと
続柄つづきがら/ぞくがら常用漢字表で「続」の音はゾク、訓はつづく・つづける、「柄」の訓はがら。どちらの組み合わせでも読まれている
既存きそん/きぞん常用漢字表では「既存」は「存」の音「ソン」の例に挙がっている。「きぞん」と読まれることも多い
貼付ちょうふ/てんぷ常用漢字表の「貼」の欄に、「貼付」は「テンプ」とも、と書かれている
免れるまぬかれる/まぬがれる常用漢字表の「免」の欄に、「まぬがれる」とも、と書かれている
代替だいたい(話し言葉で「だいがえ」と言う人もいる)常用漢字表では「代替」は「替」の音「タイ」の例に挙がっている。文書を読み上げるなら「だいたい」が無難

どちらが辞書の見出しになっているかは辞書によって違うことがあるため、ここでは常用漢字表で確かめられる範囲だけを書いています。会議で読み上げるときは、相手がふだん使っている読みに合わせるのがいちばん角が立ちません。

ビジネスメール・文書での例文(場面別)

請求の差額を相殺する(取引先へ)

件名:◯月分ご請求額の調整について

株式会社◯◯
◯◯様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先月お支払いいただいた金額に、弊社の請求誤りによる過払いがございました。大変申し訳ございません。
過払い分につきましては、◯月分のご請求額と相殺させていただけますでしょうか。
ご返金をご希望の場合は、その旨お知らせいただけますと幸いです。

代替案を示す(取引先へ)

ご依頼の会場が当日は使用できないとのことでしたので、代替案として近隣の◯◯会館をご提案いたします。収容人数と設備の一覧を添付しましたので、ご確認いただけますでしょうか。

進捗を報告する(社内)

◯◯プロジェクトの進捗をご報告します。資料の作成は予定どおり進んでおり、残りは最終確認のみです。確認後、新しい様式へ漸次切り替えていきます。

続柄の記入をお願いする(社内の届出)

扶養家族の届出には、氏名・生年月日・続柄(本人との関係)の記入が必要です。続柄の欄には「妻」「長男」のように、本人から見た関係をご記入ください。

会議で一部を省く(社内)

時間の都合で、前回の振り返りは割愛し、本日は暫定の予算案についてご意見をいただければと思います。

規程の遵守を呼びかける(社内通知)

個人情報の取り扱いについて、社内規程の遵守を改めてお願いいたします。不明な点は総務部までお問い合わせください。

注意

請求の誤りそのもののお詫びは請求書の誤りのお詫び、決まりごとを守る意味の言葉はコンプライアンスの意味も参考にしてください。

迷いやすい読みと一般的な読み

言葉迷いやすい読み一般的な読み見分けのコツ
相殺そうさつそうさい「殺」をサイと読む。差し引いてなくす意味
出納しゅつのうすいとう「出」をスイ、「納」をトウと読む
漸次ざんじぜんじ「暫時(ざんじ)」はしばらくの間。漸次はだんだんと
遵守そんしゅじゅんしゅ「遵」の音はジュン。「尊」とは別の字
凡例ぼんれいはんれい「凡」をハンと読む数少ない言葉
示唆じさしさ「示」をシと読む
境内きょうないけいだい「境」をケイと読む
遊説ゆうせつゆうぜい「説」をゼイと読む
割愛わりあいかつあい「割」の音はカツ。割合(わりあい)とは別の言葉
頒布ぶんぷはんぷ「分布(ぶんぷ)」と混同しやすい。頒布は配ること

注意

ここに挙げた「迷いやすい読み」は、混同が起きやすい例として挙げたものです。人前で読み上げる文書には、あらかじめふりがなを振っておくと安心です。

覚え方

  • 「殺」の音は三つ:殺人のサツ、相殺のサイ、殺生のセツ。常用漢字表でもこの三つの音が挙がっている。
  • 「出」はスイとも読む:出納(すいとう)。お金の出し入れ=出納帳、と帳簿の名前ごと覚える。
  • 「漸」と「暫」は形で分ける:さんずいの漸次(ぜんじ)は水がしみるように「だんだん」、日の付く暫時(ざんじ)は「しばらく」。
  • 「遵」はしんにょう+尊:道(しんにょう)に従って守る、で遵守(じゅんしゅ)。
  • 二通りの読みは相手に合わせる:続柄・既存・貼付は、職場や相手がよく使うほうで読めば問題ない。

この記事の要点

  • 相殺はそうさい、出納はすいとう、漸次はぜんじ、遵守はじゅんしゅ。
  • 読めないと感じたら字の別の音を疑う(殺=サイ、出=スイ、境=ケイ)。
  • 続柄・既存・貼付のように二通りの読みが使われる言葉もある。
  • 漸次(だんだん)と暫時(しばらく)のように、似た字は意味も一緒に覚える。
  • 人前で読み上げる文書にはふりがなを振っておく。

FAQ

よくある質問

01「相殺」は「そうさつ」と読んでも通じますか?

通じることはありますが、一般的な読みは「そうさい」です。常用漢字表でも「相殺」は「殺」の音「サイ」の例として挙がっています。会議や商談では「そうさい」と読むのが無難です。

02「続柄」は「つづきがら」と「ぞくがら」のどちらですか?

どちらの読みも使われています。窓口や職場によってよく使うほうが違うので、相手が使っている読みに合わせれば問題ありません。

03「既存」は「きそん」と「きぞん」のどちらが正しいですか?

常用漢字表では「既存」は「存」の音「ソン」の例に挙がっていますが、「きぞん」と読まれることも多い言葉です。どちらで読んでも意味は通じます。

04「漸次」と「暫時」はどう違いますか?

「漸次(ぜんじ)」はだんだん、しだいにという意味で、「漸次切り替える」のように使います。「暫時(ざんじ)」はしばらくの間という意味で、「暫時休憩」のように使います。

05読み方を確かめるには何を見ればよいですか?

国語辞典のほか、文化庁のサイトで公開されている常用漢字表が手がかりになります。字ごとに音訓と例の言葉が載っているので、「出納」「相殺」のような言葉が例に挙がっていないかを見てみてください。

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