ビジネス用語
善処の意味と読み方
「善処します」の使い方と言い換え
「善処」は物事をうまく処理すること、状況に合わせて適切に対処することです。読み方は「ぜんしょ」。使った一文は「ご指摘の点は、社内で検討のうえ善処いたします。」。改まった場面で使われる硬い言葉ですが、「善処します」は、具体的に何をするのかを言わずに済ませる言い方として受け取られることもあります。このページでは、意味と字の組み立て、場面別の例文、似た言葉との違い、目上・社外に使うときの注意をまとめました。
結論
「善処」はよいように処置することを表す漢語です。「善処する」「善処いたします」「善処を求める」「ご善処をお願いいたします」の形で使い、問題や要望に対して、うまく片づけるよう手を打つという意味合いで使われます。
「善処」の意味と字の組み立て
字の組み立てから見ると、「善」は「よい・よく」、「処」は「処置する・取り計らう」で、合わせて「よいように取り計らう」という意味になります。「処」は「処理」「対処」「処置」の処と同じ字です。
辞書的には「適切に処置すること」という前向きな意味ですが、実際の会話では「善処します」が「前向きに検討します」と同じように、はっきり約束しない言い方として受け取られることがあります。どちらの意味に取られるかは、具体的な対応や期限が添えられているかどうかで大きく変わります。
Point
「善処」は「うまく手を打つこと」。自分が使うときは、何を・いつまでにするのかを一緒に書くと、ごまかしているように聞こえません。
使い方の例文(場面別)
会議で(社内・目上にも可)
現場から上がっている受付の混雑の件は、次回の開催までに善処します。具体的には、受付の窓口を増やす案を来週までにまとめます。
メールで(取引先へ・目上にも可)
件名:ご指摘いただいた請求書の記載について
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご指摘いただいた請求書の記載の件、誠に申し訳ございません。
社内で確認のうえ善処いたします。修正した請求書は◯月◯日(◯)までにお送りいたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
注意
「善処いたします」だけで終えず、何をいつまでにするかを続けて書くと、誠意が伝わりやすくなります。請求書の誤りのお詫び全文は請求書の誤りのお詫びの例文にあります。
メールで(取引先へ改善をお願いする・目上には言い方に注意)
納品物の梱包の件、次回以降は破損が起きないよう、ご善処いただけますと幸いです。
朝礼で(社内)
先週お客様からいただいたご意見は、各部署で善処しているところです。内容と対応は掲示板にまとめましたので、目を通しておいてください。
面談で(上司から部下へ)
業務量が多すぎるという話は分かりました。すぐに全部は変えられないけれど、担当の割り振りを見直す方向で善処します。
電話で(お客様の要望を受けて・目上にも可)
ご要望の件、承知いたしました。私の一存ではお答えできませんので、担当部署と相談のうえ善処いたします。明日中に改めてご連絡いたします。
注意
その場で答えられないときの言い方は会議ですぐ答えられないときの言い方も参考になります。
似た表現・言い換え・反対の表現
| 言葉 | 表す内容 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 善処 | よいように取り計らうこと(具体策は言わないことが多い) | 改まった文書、お詫び・要望への返答 |
| 対処 | 起きた問題や状況に合わせて処置すること | 社内外の報告全般 |
| 対応 | 相手や状況に応じて動くこと | もっとも広く使える言い換え |
| 改善 | 悪いところを直して、よりよくすること | 仕組みや手順を直すとき |
| 善後策(ぜんごさく) | 起きてしまったことの後始末をうまくつける方法 | 「善後策を講じる」の形で |
| 前向きに検討する | 実行するかどうかを、これから考えること | 結論がまだ出ていないとき |
| (反対)放置する・見送る | 手を打たない、今回は対応しないこと | 対応しないと決めたとき |
「善後策」は字が似ていますが、読みは「ぜんごさく」で、起きたことの後始末を指します。「善処」は後始末に限らず、要望や相談への対応にも使えます。
間違えやすい使い方
| ありがちな使い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| (お詫びで)今後は善処いたします、だけで終える | 何をするのかが分からず、形だけの返事に聞こえることがある | 今後は◯◯を確認してからお送りします、と具体策を書く |
| 「善処します」を「必ずやります」の意味で受け取る | 相手は約束したつもりでないことがある | いつまでに、何をしていただけるのかを確かめる |
| 対応しないと決めているのに「善処します」と言う | あとで「やると言った」「言っていない」の行き違いになりやすい | 今回は見送らせてください、と結論を伝える |
| 「ぜんじょ」と読む | 読み間違い | ぜんしょ |
お詫びのメールで再発防止を伝えるときは、「善処」のような幅のある言葉より、具体的な手順の変更を書くほうが伝わります。書き方は再発防止策を伝えるお詫びの例文にまとめています。
目上・社外に使うときの注意
自分の側が「善処いたします」と言うのは、目上にも取引先にも使える丁寧な言い方です。ただし、具体策を添えないとはぐらかしているように聞こえることがあります。
一方、相手に「善処してください」と求めると、相手に対応を迫る、要求の色が濃い言い方に聞こえることがあります。目上の人や取引先にお願いするときは、「ご善処いただけますと幸いです」「ご検討いただけますでしょうか」のようにやわらげるか、してほしいことを具体的に書くほうが角が立ちません。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 自分が対応を約束する(社外) | 社内で確認のうえ善処いたします。◯日までにご連絡いたします |
| 自分が対応を約束する(社内の上司) | ◯◯の件、◯◯する方向で対応します |
| 取引先に改善をお願いする | 次回以降、◯◯していただけますと幸いです |
| 苦情への返答 | ご指摘の点は、◯◯の手順を見直して改めます |
苦情への返信の組み立てはクレームへの返信メールの例文を参考にしてください。
この記事の要点
- 「善処」の読み方はぜんしょ。意味はよいように取り計らうこと。
- 「善処いたします」は目上・社外にも使える丁寧な言い方。
- ただし具体策がないと、はっきり約束しない言い方に聞こえることがある。
- 使うときは何を・いつまでにをセットで伝える。
- 相手に求めるときは「ご善処いただけますと幸いです」とやわらげるか、してほしいことを具体的に書く。
FAQ
よくある質問
「ぜんしょ」と読みます。「善」は「よい」、「処」は「処置する」という意味で、合わせて「よいように取り計らう」ことを表します。
言葉の意味としては「適切に対処します」ですが、具体的な約束をしない言い方として使われることもあります。必要なら「いつ頃、どのようにご対応いただけそうでしょうか」と確かめておくと安心です。
失礼ではありません。自分の側が対応することを丁寧に伝える言い方です。ただし、それだけだと曖昧に聞こえることがあるので、対応の中身や期限を添えるのが無難です。
相手に対応を迫る、要求の色が濃い言い方に聞こえることがあります。「ご善処いただけますと幸いです」とやわらげるか、「次回以降は◯◯していただけますでしょうか」と具体的にお願いするほうが角が立ちません。
「対応する」「対処する」「改善する」などがあります。社外の文書では「◯◯のとおり対応いたします」と、中身を書く言い方がもっとも伝わりやすいです。