ビジネス用語
喫緊の意味と読み方
「喫緊の課題」の使い方と例文20
結論:「喫緊」は「きっきん」と読み、「差し迫っていて大切なこと」という意味です。使った一文は「来月の展示会に向けて、会場スタッフの手配が喫緊の課題です。」。ほとんどが「喫緊の課題」「喫緊の〜」の形で使われる、報告書や会議向きの硬い言葉です。このページでは、意味と字の成り立ち、そのまま使える場面別の例文20、「緊急」「急務」「近々」との違い、類語・対義語、使う前のチェックリストをまとめました。仕事の優先順位の付け方は仕事の優先順位の付け方にあります。
結論
「喫緊(きっきん)」は、事態が差し迫っていて、放っておけない大切なことです。「喫緊の課題」「喫緊の問題」「喫緊の対応」のように、名詞の前に「喫緊の」を付ける形でよく使われます。
30秒でわかる「喫緊」
| 項目 | 答え |
|---|---|
| 読み方 | きっきん(「きつきん」「けっきん」ではない) |
| 意味 | 差し迫っていて大切なこと |
| よく使う形 | 喫緊の課題/喫緊の問題/喫緊の対応/喫緊のテーマ |
| 使う場面 | 会議・報告書・提案書・社内外のメールなど、あらたまった場 |
| 近い言葉 | 急務、緊急、焦眉の急、切迫した、優先課題 |
| 反対の言葉 | 不要不急、急がない、中長期の課題 |
| 話し言葉での言い換え | いちばん急ぐこと/すぐに取りかかるべきこと |
「喫緊」の意味と字の成り立ち
「喫」は「喫茶」「喫煙」の喫で、飲む・食べる、身に受けるといった意味を持つ字、「緊」は「緊張」の緊で差し迫る・ゆるみがないという意味の字です。字の組み合わせについては、差し迫った状態を身に受けている様子と説明されることがありますが、成り立ちの説明は一つに定まっていません。
ビジネスでは、いますぐ手を打たないと影響が大きくなる重要なテーマを「喫緊の課題」と呼びます。突然の事故やトラブルそのものより、放置できない状態が続いている問題に使われることが多い言葉です。
「喫緊」と組み合わせやすい言葉
| 組み合わせ | 使う場面の例 |
|---|---|
| 喫緊の課題 | 会議・報告書で、最優先のテーマを示す |
| 喫緊の問題 | 放置すると悪化する問題を指摘する |
| 喫緊の対応 | すぐに手を打つ必要がある対応を示す(「喫緊の対応が求められる」) |
| 喫緊のテーマ/論点 | 議題や検討事項を絞り込む |
| 喫緊の取り組み | 計画書・方針の中で優先施策を示す |
Point
「喫緊」は「差し迫って大切」。読みは「きっきん」。「喫緊の課題」の形で覚えておくと使いやすい言葉です。
そのまま使える例文20(場面別)
会議で(1〜4)
1. 締め切り直前の差し戻しが毎月のように起きています。確認の順番を決め直すことを、喫緊の課題として提案します。
2. 今期の議題はいくつかありますが、まずは喫緊の課題である◯◯から話し合いたいと思います。
3. 価格の見直しも大事ですが、喫緊なのは納期の遅れへの対応ではないでしょうか。
4. 本日は、喫緊の論点を二つに絞ってご相談いたします。
社内の上司へのメールで(5〜6)
5. 件名:◯◯の対応体制についてのご相談
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯の問い合わせ対応について、返信までの時間が延びている状況です。
担当者の追加が喫緊の課題と考えており、案を添付いたしました。
お手すきの際にご確認いただけますでしょうか。
6. 先日の件、品質の確認手順を整えることが喫緊と考えております。来週の定例でお時間をいただけますと幸いです。
取引先へのメール・提案で(7〜9)
7. 件名:◯◯のご提案について
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日のお打ち合わせで、受付業務の負担軽減が喫緊の課題であると伺いました。
その点に絞った案をまとめましたので、ご覧いただけますと幸いです。
8. 御社にとって喫緊のテーマと伺った◯◯について、まず小さく試せる方法をご提案いたします。
9. 弊社といたしましても、今回の遅延の再発防止を喫緊の課題と受け止めております。
報告書・企画書・稟議書で(10〜13)
10. 現状の課題のうち、最も喫緊のものは◯◯工程の人手不足である。
11. 以上から、◯◯システムの更新は喫緊の対応が求められる事項と判断する。
12. 喫緊の課題(今月中に着手)と、中長期の課題(来期以降に検討)に分けて整理した。
13. 本件は喫緊の対応を要するため、通常の手続きより前倒しでのご承認をお願いいたします。
朝礼・チームへの連絡で(14〜16)
14. いま喫緊の課題は、来月の繁忙期に向けた人員の確保です。シフトに入れる日があれば、今週中に◯◯さんへ伝えてください。
15. 今週はほかの作業を少し止めて、喫緊の課題である在庫の確認に全員で取り組みます。
16. (社内チャット)◯◯の件が喫緊なので、先に対応お願いします。△△は来週で大丈夫です。
面談・評価で(17〜18)
17. あなたにとって喫緊の課題は、引き継ぎ資料を仕上げることだと思います。ほかの作業は、それが終わってから進めましょう。
18. 私の喫緊の課題は、担当顧客の引き継ぎを月内に終えることです。
挨拶・スピーチ・面接で(19〜20)
19. (年度初めの挨拶)若手の育成は、私たちの部にとって喫緊の課題です。今年度は一人ひとりに担当の先輩を付けます。
20. (採用面接)前職では、問い合わせの対応時間を短くすることが喫緊の課題でしたので、手順書づくりを担当しました。
注意
上の例文は、どれも目上・社外に使って失礼になることはありません。取引先に使うときは、7・8のように相手から聞いた内容として書くと、相手の会社の問題を決めつけているように聞こえにくくなります。「喫緊」は「喫緊の〜」の形で使うのが基本です。「喫緊性」は辞書の見出しにない形なので、13のように「喫緊の対応を要する」と書くと自然です。
イベントの仕事での使い方(場面別の例文)
イベントの仕事では、本番の日付が動かせないため、「本番までに片づけないと当日に影響が出る問題」が次々に出てきます。「喫緊の課題」は、こうした本番前に手を打つべき問題を、関係者のあいだで最優先にそろえるときに役立つ言葉です。一方で、本番当日のその場のトラブルは「緊急」と言ったほうが伝わります。
| 場面 | 合う言葉 | 理由 |
|---|---|---|
| 本番の数日〜数週間前に、会場・出演者・天候対策などで問題が見つかった | 喫緊の課題 | 放っておくと本番に影響し、いまから手を打つ必要がある |
| 本番当日、開場直前に機材が動かない・出演者が到着しない | 緊急 | その場ですぐ動くことが求められ、硬い言葉は伝わりにくい |
| 企画書・振り返り資料で、次回までに直す点を並べる | 喫緊の課題/中長期の課題 | 優先度を分けて示すと、何から着手するかが伝わる |
本番前の課題を共有する
A.(メール・社内の上司へ)件名:◯月◯日開催イベントの会場変更について
◯◯さん
お疲れさまです。□□です。
会場側から、予定していたホールが設備の都合で使えないと連絡がありました。
代わりの会場の確保と、来場予定者への案内の差し替えが喫緊の課題です。
本日中に候補を2つに絞り、明日の午前中にご相談させてください。
B.(口頭・本番前の制作定例で)登壇予定の◯◯さんが体調不良で欠席の可能性が出ています。代わりの登壇者の打診と、進行台本の差し替えが喫緊の課題なので、今日はこの2点から決めさせてください。
C.(メール・クライアントへ)野外会場のため、当日の天候への備えが喫緊の課題と考えております。雨天時の動線とテントの追加について案をまとめましたので、◯日までにご判断をいただけますと幸いです。
企画書・会議資料に書く
D.(企画書・振り返り資料)前回の開催で見えた課題のうち、喫緊のものは受付の待ち時間である。次回は事前登録の確認方法を見直し、会場レイアウトの変更は中長期の課題として扱う。
クライアントに優先度を伝える
E.(口頭・クライアントとの打ち合わせで)ご要望いただいた演出の追加も進めますが、まずは出演者との契約内容の確定が喫緊の課題です。ここが決まらないと告知を始められないため、先にご確認をお願いできますでしょうか。
現場への急ぎの連絡では言い換える
F.(社内チャット・設営チームへ)明日の搬入、◯◯の機材が届いていません。いちばん急ぐのはこれなので、ほかの準備より先に配送状況の確認をお願いします。
(設営や搬入など現場への急ぎの連絡では、「喫緊」より「いちばん急ぐ」と言い換えたほうが早く伝わります)
注意
クライアントに「喫緊の課題」と伝えるときは、何を・いつまでに決めてほしいかを同じメールに書くと、優先度の高さが具体的に伝わります。言葉の重みだけで急がせようとすると、かえって伝わりにくくなります。
「緊急」「急務」「近々」「直近」との違い
| 言葉 | 表す内容 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 喫緊(きっきん) | 差し迫っていて大切なこと | 「喫緊の課題」など報告書・会議 |
| 緊急 | 重大で、すぐに対応が要ること | 事故・障害・トラブルの連絡 |
| 急務 | 急いでやるべき仕事 | 「◯◯が急務だ」など計画の説明 |
| 早急(さっきゅう/そうきゅう) | 非常に急ぐこと | 「早急に対応します」など行動を表すとき |
| 近々(きんきん/ちかぢか) | 近いうちに | 「近々ご連絡します」など時期を示すとき |
| 直近(ちょっきん) | いちばん近い時点 | 「直近の売上」「直近3か月」など |
「喫緊の課題」は「放っておけない、すぐに取り組むべき重要な課題」、「緊急の課題」は「事故やトラブルなど、即座に対応が要る課題」という響きで使われることが多い言葉です。ただ、実際には近い意味で使われることも多いので、厳密に分ける必要はありません。迷ったら「優先して取り組むべき課題」と書けばだれにでも伝わります。
「近々」「直近」は音が似ていますが、時期の近さを表す言葉で、重要さや差し迫った度合いは含みません。「直近の課題」は「いま目の前にある課題」、「喫緊の課題」は「急いで手を打つべき大切な課題」と、伝わる内容が変わります。
類語・対義語と言い換え
類語(近い意味の言葉)
| 類語 | ニュアンス | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 急務 | 急いで取りかかるべき仕事 | 人材の確保が急務です |
| 焦眉の急(しょうびのきゅう) | 危険が目前に迫っている(あらたまった言い方) | 焦眉の急である |
| 切迫した | 期限や危機が迫っている | 切迫した状況にある |
| 火急の | 非常に急ぐ(やや古風) | 火急の用件 |
| 優先課題/最重要課題 | 先に取りかかるべき課題(だれにでも伝わる) | 最優先の課題です |
対義語(反対の意味の言葉)
| 対義語 | 使い方の例 |
|---|---|
| 不要不急 | 不要不急の作業は来週に回します |
| 急がない/余裕がある | この件は期限に余裕があります |
| 中長期の課題 | システムの全面刷新は中長期の課題として扱います |
相手に合わせた言い換え表
| 硬い言い方 | やわらかい言い方(口頭・チャット) |
|---|---|
| 喫緊の課題です | いちばん急ぐ課題です |
| 喫緊の対応が求められます | すぐに手を打つ必要があります |
| 喫緊のテーマに絞ります | 急ぐものから話します |
よくある誤り・失敗
| ありがちな言い方 | 気になる点 | 直し方の例 |
|---|---|---|
| 「きつきん」「けっきん」と読む | 読みは「きっきん」 | きっきん |
| 喫緊に対応します | 「喫緊の〜」の形で使うことが多く、副詞のように使うと耳慣れないと感じる人もいる | 早急に対応いたします |
| 何でも「喫緊の課題」と書く | 重みが薄れ、本当に急ぐものが伝わらなくなる | 最も急ぐものだけに使い、ほかは「課題」とする |
| 喫緊の緊急課題 | 「喫緊」と「緊急」で意味が重なる | 喫緊の課題/緊急の課題 |
| 「直近の課題」と同じ意味で使う | 直近は時期の近さだけを表す | 急ぐ大切な課題なら「喫緊の課題」 |
| 取引先の問題を「御社の喫緊の課題は◯◯です」と言い切る | 外から決めつけているように聞こえる | 「◯◯が喫緊の課題と伺いました」 |
どれを喫緊とするかで迷ったら、プライオリティ(優先順位)の意味の考え方で、影響の大きさと期限から並べてみると判断しやすくなります。
「喫緊の課題」と書く前のチェックリスト
- 放っておくと、影響が大きくなる問題か
- いま(今週・今月など)手を打つ必要があるか
- 同じ資料・メールの中で「喫緊」を何度も使っていないか
- 読む相手にとって硬すぎないか(口頭・チャットなら言い換える)
- 相手の会社の問題を言い切っていないか(「〜と伺いました」を添える)
- 読みを「きっきん」で覚えているか(会議で声に出す前に確認)
目上・社外に使うときの注意
「喫緊」はかしこまった言葉なので、目上や社外の人に使っても問題ありません。気をつけたいのは相手の会社の状況を「喫緊の課題」と言い切ってしまうことです。相手の問題を外から決めつけているように聞こえることがあるので、「〜と伺いました」「〜とお見受けしました」のように、聞いた内容・自分の見立てとして書くのが無難です。
また、硬い漢語なので、話し言葉では「いちばん急ぐ課題」「すぐに取りかかるべきこと」と言ったほうが伝わりやすい場面もあります。朝礼や現場の連絡では、相手に合わせて言い換えましょう。
この記事の要点
- 「喫緊」は「きっきん」と読み、差し迫っていて大切なこと。
- 「喫緊の課題」「喫緊の対応」の形でよく使われる。
- 「緊急」は事故やトラブルへの即座の対応、「喫緊」は放っておけない重要な問題に使われることが多い(厳密には分かれない)。
- 「近々」「直近」は時期の近さだけを表し、意味が違う。
- 反対の言葉は「不要不急」「中長期の課題」など。
- 多用すると重みが薄れるので、本当に優先したいものに絞る。取引先の状況には「〜と伺いました」と添える。
FAQ
よくある質問
「きっきん」と読みます。「喫」は喫茶の喫、「緊」は緊張の緊です。
差し迫っていて、すぐに取りかかるべき大切な課題のことです。報告書や会議で、優先して扱うテーマを示すときに使われます。
「緊急」は事故やトラブルのようにすぐに対応が要ることに、「喫緊」は放っておけない状態が続いている重要な問題に使われることが多い言葉です。ただし近い意味で使われることも多く、厳密に分けなくても誤りにはなりません。
違います。「直近」「近々」は時期が近いことを表すだけで、重要さや差し迫った度合いは含みません。
「喫緊の〜」の形で使うことが多く、「喫緊に」は耳慣れないと感じる人もいます。行動を急ぐことを伝えるなら「早急に対応いたします」が無難です。
「急務」「焦眉の急」「切迫した」「優先課題」などがあります。話し言葉では「いちばん急ぐこと」「すぐに取りかかるべきこと」と言うと伝わりやすくなります。
一語で決まった対義語はありませんが、反対の意味を表す言葉として「不要不急」「急がない」「中長期の課題」などが使えます。
失礼にはなりません。ただ、相手の会社の問題を言い切ると決めつけに聞こえるので、「〜が喫緊の課題と伺いました」のように聞いた内容として伝えると角が立ちません。
本番の日付が動かせないイベントでは、会場変更・出演者の欠席・天候への備えなど、本番までに手を打つべき問題を関係者で最優先にそろえるときに使うと便利です。本番当日のその場のトラブルは「緊急」と言い、設営や搬入など現場への急ぎの連絡では「いちばん急ぐこと」と言い換えたほうが伝わりやすくなります。