ビジネス用語
齟齬(そご)の意味とは?
読み方・例文・言い換え
結論:「齟齬」は「そご」と読み、話や考え、物事がうまくかみ合わず食い違うことです。例文は「双方の認識に齟齬が生じないよう、決定事項をメールでお送りします。」。かしこまった書き言葉なので目上や取引先に使っても失礼ではありませんが、「御社の認識に齟齬があります」のように相手のずれを指す書き方は避けます。このページでは、意味と字の成り立ち、「齟齬が生じる」「齟齬をきたす」などの形、会議・メール・お詫び・チャットなど場面別の例文、「相違」「矛盾」「行き違い」との違い、言い換えの書き換え例、送る前のチェックリストをまとめました。行き違いをお詫びするメールの全文は説明不足のお詫びの例文にあります。
結論
「齟齬(そご)」は、意見・認識・内容などが食い違って、うまく合わないことです。「齟齬がある」「齟齬が生じる」「齟齬をきたす」の形で使い、人と人の認識のずれにも、書類と書類の内容の食い違いにも、計画と実際の動きの食い違いにも使えます。
「齟齬」の意味・読み方・由来
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | そご(「そうご」「そごう」は誤り) |
| 意味 | 話・考え・物事がかみ合わず、食い違うこと |
| 字の成り立ち | 「齟」「齬」とも歯へん。上下の歯がかみ合わない様子にたとえた言葉 |
| よく使う形 | 齟齬がある/齟齬が生じる/齟齬をきたす/認識の齟齬 |
| 言葉の硬さ | 書き言葉寄り。報告書・確認メール・議事録で見かける |
| 主な言い換え | 食い違い・行き違い・認識のずれ・不一致 |
「齟」と「齬」は、どちらも歯へんの字です。辞書では、上下の歯がうまくかみ合わない様子から、物事がかみ合わず食い違うことを表すようになった、と説明されています。
字が難しく、ふだんの会話ではあまり見かけないため、読めない人や、意味がすぐに浮かばない人もいます。社内の資料なら問題ありませんが、口頭や若手・社外の幅広い相手には「食い違い」「行き違い」と言い換えるほうが伝わりやすいこともあります。
「齟齬が生じる」「齟齬をきたす」など形ごとの意味
| 形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 齟齬がある | いま食い違っている | 見積書と発注書の金額に齟齬があります |
| 齟齬が生じる | 食い違いが新たに出てくる | 認識に齟齬が生じないよう、要点をまとめました |
| 齟齬をきたす | 食い違った状態を引き起こす(やや硬い) | 担当者の交代が続き、引き継ぎの内容に齟齬をきたしました |
| 認識の齟齬 | 同じことを違うように受け取っている | 認識の齟齬を防ぐため、定例で確認します |
| 齟齬なく | 食い違いが起きないように | 関係者に齟齬なく伝わるよう、図を添えます |
| 齟齬する | 動詞として使う形(硬い) | 受注の記録と在庫の記録が齟齬する |
注意
「齟齬する」は硬く聞こえるため、メールでは「齟齬が生じる」「食い違う」のほうが読みやすくなります。
場面別の例文(そのまま使える)
認識がずれていたとき(会議・打ち合わせ)
経理と総務で、月の締め日の認識に齟齬があるようです。この場で日付をそろえておきましょう。
「完成」の基準について、私の理解と皆さんの理解に齟齬があるかもしれません。どこまでできたら完成とするか、確認させてください。
書類・数字が合わないとき
資料の数字と議事録の数字に齟齬がありましたので、確認のうえ修正版をお送りします。
請求書の品目と納品書の品目に一部齟齬が見られました。お手数ですが、正しい内容をご確認いただけますでしょうか。
動きが行き違ったとき(作業・手配)
同じお客様に二人から連絡が入ってしまいました。担当の割り振りに齟齬があったため、今後は窓口を◯◯さんに一本化します。
先週、お客様へのご案内と社内の手順書の内容に齟齬があり、ご迷惑をおかけしました。今週中に手順書を直しますので、それまでは◯◯さんに確認してから案内してください。(朝礼で)
相手の勘違いかもしれないとき(やんわり確認)
念のための確認ですが、納品場所は本社ではなく◯◯倉庫と伺っております。私の理解に齟齬がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
先日のお話と本日いただいた資料で、開始日が異なっているようでした。こちらの受け取り違いでしたら申し訳ございません。どちらの日付で進めればよろしいでしょうか。
メールで(社内の上司へ)
件名:◯◯案件の打ち合わせ内容のご確認
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
本日の打ち合わせで決まった内容を、齟齬がないよう以下にまとめました。
・提出期限:◯月◯日(◯)
・担当:□□
認識の違う点がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
メールで(取引先へ・事前の確認)
件名:◯月◯日のお打ち合わせ内容の確認
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
お互いの認識に齟齬が生じないよう、決定事項を下記にお送りいたします。
・納期:◯月◯日
・数量:◯◯
相違がございましたら、◯月◯日までにお知らせいただけますでしょうか。
メールで(取引先へ・こちらのミスのお詫び)
件名:お見積り内容の訂正とお詫び
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お送りしたお見積りに、お打ち合わせの内容と異なる項目がございました。私の確認が足りず、行き違いを生じさせてしまい、誠に申し訳ございません。
訂正したお見積りを添付いたします。今後は送付前に担当者二名で照合いたします。
チャットで(社内)
◯◯の締め切り、私は金曜と認識していたのですが、木曜でしたか? 齟齬があるといけないので確認させてください。
面談で(上司から部下へ)
目標の立て方について、私とあなたの考えに少し齟齬があったと思います。今日はそこをすり合わせたいので、まず考えを聞かせてください。
注意
お詫びの例文では、あえて「齟齬」を使わず「私の確認が足りず」と原因を書いています。こちらに非があるときは、言葉で包まず具体的に書くほうが誠実に伝わります。決定事項を残す書き方は議事録の書き方とテンプレート、送るときのメールは議事録送付メールの例文を見てください。
「相違」「矛盾」「行き違い」との違い
| 言葉 | 表す内容 | 向いている場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| 齟齬(そご) | 考えや内容がかみ合わず食い違うこと | 報告書・確認メールなどの書き言葉 | 認識に齟齬がある |
| 相違 | 二つのものの内容が違っていること(違いそのもの) | 書類の確認・定型文 | 上記の内容に相違ございません |
| 食い違い | 合うはずのものが合っていないこと | 会話・メールのどちらでも | 説明に食い違いがある |
| 行き違い | 連絡や受け取り方がすれ違うこと | お詫びや確認のメール(やわらかい) | ご連絡が行き違いになり失礼しました |
| 認識のずれ | 同じことを違うように受け取っていること | 社内の会議・面談 | 目標の認識にずれがある |
| 矛盾 | 一つの話の中で前後が合わないこと | 説明や主張の論理の話 | 前回の説明と矛盾している |
| 一致・合致(反対の表現) | 内容や考えがぴったり合うこと | 合意の確認 | 双方の認識が一致しました |
「齟齬」と「相違」の違い
「相違」は二つのものが違っているという事実を淡々と述べる言葉で、「相違ございません」「事実と相違する」のように書類や定型文でよく使います。「齟齬」は本来かみ合うはずのものがかみ合っていない状態に目を向けた言葉で、行き違いや問題が起きている、または起きかねないという含みを持ちます。
「齟齬」と「矛盾」の違い
齟齬は二者の間のかみ合わなさ、矛盾は一つの話の中で前後が合わないことに使い分けると迷いません。Aさんの説明とBさんの説明が合わないなら「齟齬」、Aさんの説明の前半と後半が合わないなら「矛盾」です。
言い換えの書き換え例(相手・場面に合わせて)
| もとの文 | 言い換え | 向いている相手・場面 |
|---|---|---|
| 認識に齟齬がございました | 認識に行き違いがございました | お詫び・取引先(やわらかくしたい) |
| 齟齬が生じないよう確認します | 食い違いがないよう確認します | 口頭・若手を含む会議 |
| 両部署の方針に齟齬をきたしている | 両部署の方針が合っていない | 社内チャット・朝礼 |
| 御社の認識に齟齬があるようです | こちらの説明が十分でなかったかもしれません。念のため確認させてください | 相手の勘違いが疑われるとき |
| 齟齬が生じておりました | 私の確認が足りず、内容に誤りがございました | こちらのミスのお詫び |
| 内容に齟齬はありません | 内容に相違はございません | 書類・申込内容の確認 |
よくある失敗と直し方
| ありがちな言い方 | 気になる点 | 直し方の例 |
|---|---|---|
| 「そうご」「そごう」と読む | 読みは「そご」 | そご |
| 齟齬が合わない | 「齟齬」がすでに合わないことを表すので意味が重なる | 齟齬がある/認識が合わない |
| 齟齬を起こした(自分のミスを軽く言う) | 原因がぼやけ、責任を避けているように聞こえることがある | 私の説明が足りず、行き違いが生じました |
| 御社の認識に齟齬があります | 相手の誤りを指摘しているように読める | 念のため、こちらの理解を確認させてください |
| 一人の説明の前後が合わないのに「齟齬」 | 一つの話の中のつじつまなら「矛盾」のほうが合う | 説明の前後が合っていない/説明に矛盾がある |
| 口頭で多用する | 聞き取りにくく、相手によっては意味が伝わらない | 口頭では「食い違い」「ずれ」 |
齟齬を防ぐ確認の手順
- 01
決まったことをその場で読み上げる
打ち合わせの最後に、期限・担当・数量など決まったことを口に出して確かめます。言葉にすると受け取り方の違いに気づきやすくなります。
- 02
あいまいな言葉を具体的にする
「なるべく早く」「完成」「来週」などは人によって受け取り方が変わります。日付・状態・数で言い直します。
- 03
文字に残して送る
当日中に要点をメールや議事録で送り、「相違があればお知らせください」と添えます。
- 04
返事の期限を決める
確認の返事をいつまでにもらうかを書いておくと、ずれたまま作業が進むのを防げます。
- 05
変更があったら全員に知らせる
途中で決定が変わったら、関係者全員に同じ内容を同時に送ります。一部の人だけが知っている状態が齟齬のもとになります。
「齟齬」を使ったメールを送る前のチェックリスト
- 読みにくくないか(相手によっては「食い違い」「行き違い」に替える)
- だれの認識がずれていたかを、相手のせいと読める形で書いていないか
- こちらのミスなら「齟齬」で包まず、何が足りなかったかを書いたか
- 「齟齬が合わない」のような重なった言い方をしていないか
- 食い違っている箇所(日付・金額・数量など)を具体的に示したか
- 正しい内容をどう確認してほしいか、返事の期限を書いたか
この記事の要点
- 「齟齬」は「そご」と読み、考えや内容がかみ合わず食い違うこと。
- 「齟齬がある」「齟齬が生じる」「齟齬をきたす」の形で使う。
- 相違は違いの事実、矛盾は一つの話の中の不一致。齟齬は二者のかみ合わなさ。
- 言い換えは「食い違い」「行き違い」「認識のずれ」。反対は「一致」。
- 取引先には相手のせいに読めない書き方を選び、こちらのミスは具体的にお詫びする。
FAQ
よくある質問
「そご」と読みます。どちらの字も歯へんで、上下の歯がかみ合わない様子にたとえた言葉だと辞書で説明されています。
考えや内容の食い違いが出てくることです。「認識に齟齬が生じないよう、決定事項をお送りします」のように、行き違いを防ぐ目的で使われることが多い言い方です。
食い違った状態を引き起こすことです。「担当者の交代が続き、引き継ぎの内容に齟齬をきたした」のように、原因があって食い違いが生まれたときに使います。「齟齬が生じる」より硬い言い方です。
かしこまった言葉なので失礼ではありません。ただし「御社の認識に齟齬があります」と書くと相手の誤りを責めているように聞こえることがあるので、「こちらの説明が十分でなかったかもしれません」と添えるとやわらかくなります。
相違は二つのものが違っているという事実を述べる言葉で、「相違ございません」のような定型文に向きます。齟齬は本来かみ合うはずのものがかみ合っていない状態を指し、行き違いや問題の含みがあります。
齟齬は人と人、書類と書類のように二つのものがかみ合わないことに、矛盾は一つの話の中で前後のつじつまが合わないことに使います。
「食い違い」「行き違い」「認識のずれ」が使えます。お詫びのメールでは「行き違い」、書類の確認では「相違」が自然です。