PRODUCER AGENT 無料で始める

ビジネス用語

斟酌の意味と読み方
ビジネスでの使い方と言い換え

「斟酌」は、相手の事情や気持ちをくみ取って、判断や対応に手心を加えることです。読み方は「しんしゃく」。使った一文は「先方のご事情を斟酌して、納期を延ばすことにしました。」。改まった書き言葉なので、社外への依頼状やお詫び状では落ち着いて見えますが、ふだんのメールや会話では「考慮」「事情をくむ」と言い換えたほうが伝わりやすいこともあります。このページでは、意味と由来、会議・メール・面談などの例文、似た言葉との違い、間違えやすい使い方をまとめました。

更新: 2026-11-04読了:約5分PRODUCER AGENT 編集部

結論

「斟酌」は、事情や心情をくみ取ること、またそれを踏まえてほどよく加減することを表す言葉です。辞書によっては、「遠慮すること・控えめにすること」という意味も載っています。ビジネスでは「事情を斟酌する」「ご斟酌いただく」の形で使うのが一般的です。

「斟酌」の意味と由来

「斟」も「酌」も、酒や水を器にくむことを表す字だと説明されます。常用漢字表でも「酌」には「くむ」の訓が挙げられ、語例に「酌み交わす」が載っています。酒などをほどよくくみ分けるところから、事情をくみ取って加減する意味になったと説明されることが多いですが、語の成り立ちについては細かな説明が辞書によって異なります。

なお、「斟」は常用漢字表に入っていない字です。社内向けの文書や、漢字に慣れていない相手への文章では、「事情をくみ取る」「考慮する」と言い換えるか、読み仮名を添えると親切です。

意味の広がり使い方の例
事情や気持ちをくみ取る相手の立場を斟酌する
事情を踏まえて手加減する・調整する経験の浅さを斟酌して評価する
遠慮する・控えめにする(辞書に載ることがある)斟酌なく意見を述べる

Point

「斟酌」=事情をくみ取って、ほどよく加減すること。読みは「しんしゃく」。硬い書き言葉なので、使う場面を選びます。

使い方の例文(会議・メール・面談など)

会議で(社内)

今回は先方の繁忙期と重なったことを斟酌して、提出期限を一週間延ばすことにしました。

評価は数字だけで決めず、担当した案件の難しさも斟酌したうえで判断しましょう。

面談で(上司から部下へ)

家庭の事情は斟酌するので、勤務の時間帯について希望があれば遠慮なく言ってください。

メールで(社内の上司へ)

件名:◯◯の締め切りについてのご相談

◯◯部長

お疲れさまです。□□です。
◯◯の締め切りについて、協力会社の◯◯様から、資材の入荷が遅れているとの連絡がありました。
先方の事情を斟酌し、締め切りを◯月◯日(◯)まで延ばしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

メールで(取引先へ・お願いするとき)

件名:お支払い期日についてのご相談

株式会社◯◯
◯◯様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
誠に勝手なお願いで恐縮ですが、◯◯の事情により、今回のお支払いを◯月◯日(◯)までお待ちいただけないでしょうか。
事情をご斟酌いただけますと幸いです。

お詫びの文書で(社外)

このたびは納品が遅れ、多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。何卒事情をご斟酌のうえ、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

朝礼で(スピーチの一部)

お客様のご要望をそのまま受けるのではなく、その奥にある事情を斟酌することが、よい提案につながると考えています。

注意

「ご斟酌ください」「ご斟酌いただけますと幸いです」は、取引先や目上の人に事情をくんでほしいとお願いするときに使える言い方です。ただし、こちらの都合で無理を頼む場面ではお詫びの言葉を先に添えるのが一般的です。相手に配慮をお願いする言い方は「ご配慮」の意味と使い方も参考になります。

似た表現・言い換え・反対の表現

言葉表す内容斟酌との違い・使いやすい場面
考慮判断の材料としてよく考えに入れること最も広く使える言い換え。社内外のメール全般
配慮相手のためにあれこれ気を配ること気遣いそのものを表す。「ご配慮」はお礼・お願いに使いやすい
勘案いろいろな事情を考え合わせること複数の条件を並べて判断するとき。硬めの文書
酌量事情をくみ取って、罰や評価を軽くすること処分や評価を軽くする場面に限られやすい
忖度相手の心中を推し量ること相手が口に出していない気持ちを推し量る点に重みがある。指示がないのに先回りする意味で使われることもある
くみ取る/くむ相手の事情や気持ちを理解するやわらかい言い換え。会話にも使いやすい
杓子定規に扱う(反対の向き)事情を考えず、決まりどおりに当てはめる厳密な対義語ではないが、斟酌しない対応を表す

「斟酌」と「忖度」はどちらも相手の心中や事情を推し量る言葉ですが、一般には斟酌は「くみ取って加減する」、忖度は「推し量る」ところに重みがあると説明されます。辞書や使う人によって説明には揺れがあるので、誤解されたくない文書では「事情を考慮して」と書くのが無難です。

間違えやすい使い方

ありがちな使い方気になる点直し方の例
「しんしゃく」を「ちんしゃく」「じんしゃく」と読む一般的な読みは「しんしゃく」読みに自信がなければ、口頭では「考慮」と言い換える
「斟酌なく」を「事情を考えずに」の意味だけで受け取る「遠慮なく」の意味で使われていることがある前後の文から、遠慮の意味か、考慮の意味かを確かめる
(自分の行動に)ご斟酌いたします謙譲の形としては成り立つが、硬く回りくどいと感じる人もいる事情を斟酌いたします/考慮いたします
何でも「斟酌して」と書く硬い言葉が続くと読みにくい社内のチャットでは「事情を考えて」で十分

注意

「斟酌」を含め、ビジネスで読み間違えやすい漢字はビジネスで読み間違えやすい漢字一覧にまとめています。

目上・社外に使うときの注意

「斟酌」自体は敬語ではありません。相手にくみ取ってもらうときは「ご斟酌いただく」「ご斟酌ください」、自分がくみ取るときは「斟酌いたします」と、敬語の形を整えて使います。

相手・場面おすすめの言い方
取引先に事情をくんでほしい(改まった文書)事情をご斟酌いただけますと幸いです
取引先に事情をくんでほしい(ふだんのメール)事情をご考慮いただけますと幸いです/ご理解いただけますと幸いです
自分が相手の事情をくむ(社外)ご事情を考慮のうえ、対応いたします
社内の上司への報告先方の事情を斟酌して、◯◯としました
同僚とのチャット先方の事情もあるので、◯◯にしました

目上の人の判断について「部長が斟酌してくださった」のように書くことはできますが、「手加減してもらった」と受け取られる場面もあります。お礼を伝えるときは「ご配慮いただき、ありがとうございます」のほうが素直に伝わります。

この記事の要点

  • 「斟酌」は事情や気持ちをくみ取って、ほどよく加減すること。読みは「しんしゃく」。
  • 相手にお願いするときは「事情をご斟酌いただけますと幸いです」。
  • 辞書によっては「遠慮する」意味も載っているので、「斟酌なく」は文脈で読む。
  • 「斟」は常用漢字表にない字。ふだんのメールでは「考慮」「くみ取る」と言い換えてもよい。
  • 「忖度」とは重みの置きどころが違うと説明されるが、揺れがあるので文書では「考慮」が無難。

FAQ

よくある質問

01「斟酌」の読み方は?

「しんしゃく」と読みます。

02「ご斟酌ください」は目上の人に使えますか?

使えます。相手に事情をくみ取ってほしいとお願いする改まった言い方です。こちらの都合で無理を頼むときは、お詫びの言葉を先に添えるのが一般的です。硬すぎると感じる場合は「ご考慮いただけますと幸いです」と言い換えられます。

03「斟酌」と「忖度」はどう違いますか?

一般には、斟酌は事情をくみ取って加減すること、忖度は相手の心中を推し量ることに重みがあると説明されます。ただし辞書や使う人によって説明に揺れがあります。

04「斟酌なく」とはどういう意味ですか?

辞書によっては「斟酌」に「遠慮する」という意味も載っているため、「斟酌なく」は「遠慮なく」の意味で使われることがあります。「事情を考えずに」の意味で使う人もいるので、前後の文から判断します。

05「斟酌」の言い換えにはどんな言葉がありますか?

「考慮」「配慮」「勘案」「事情をくみ取る」などがあります。社外のふだんのメールでは「ご考慮いただけますと幸いです」が使いやすい言い方です。

Related

関連記事

実務ガイド

「ご配慮」の意味と使い方そのまま使える例文とご考慮との違い

「ご配慮(ごはいりょ)」は、相手がこちらのために心を配ってくれることを敬って言う言葉。お礼は「ご配慮いただき、ありがとうございます」、お願いは「ご配慮のほど、よろしくお願いいたします」。判断の材料に入れて考えてほしいときは「ご考慮」、自分が気を配るときは「配慮いたします」。

実務ガイド

「鑑みる」の意味と使い方例文30と「を鑑みて」の扱い

「鑑みる(かんがみる)」は、先例や今の状況に照らし合わせて考えること。「〜に鑑み(て)、◯◯とする」の形で、判断の理由と結論をセットで書く。法令も「に鑑み」の形。「を鑑みて」は扱いが揺れるので文書では避け、口頭では「踏まえて」に言い換える。

実務ガイド

踏襲の意味と読み方例文22選・言い換え・反対語

「踏襲(とうしゅう)」は、前の人のやり方や方針をそのまま受け継ぐこと。「今年度の運営方針を踏襲します」のように使う。言葉自体はよい意味でも悪い意味でもないが、「前例踏襲」は新しく考えずに前と同じことを続けるという批判的な響きで使われやすい。

実務ガイド

示唆の意味と読み方示唆に富む・示唆するの例文と言い換え

「示唆(しさ)」は、はっきり言い切らずに、それとなく示すこと、考えるきっかけを与えること。「この結果は◯◯を示唆している」は「断定はできないが、そう読み取れる」という書き方。「示唆に富む」は考えるヒントが多いという意味。

実務ガイド

ビジネスで読み間違えやすい漢字一覧読み方・意味・例文

相殺は「そうさい」、出納は「すいとう」、漸次は「ぜんじ」、遵守は「じゅんしゅ」。続柄(つづきがら/ぞくがら)、既存(きそん/きぞん)、貼付(ちょうふ/てんぷ)のように二通りの読みが使われる語もある。迷ったら常用漢字表の音訓と例の欄で確かめられる。

実務ガイド

「お心遣い」と「お気遣い」の違い使い分け早見表とそのまま使える例文

「お心遣い」も「お気遣い」も相手が自分のために心を配ってくれたことを敬う言葉で、どちらも目上へのお礼に使える。品物・お金・差し入れなど形のあるものには「お心遣い」、体調・忙しさ・失敗などを気にかけてもらったときは「お気遣い」が合わせやすい。迷ったら、何に対するお礼かを一言添えれば、どちらを選んでも失礼にはなりにくい。

実務ガイド

「ご教示ください」の意味と使い方「ご教授」との違いと場面別メール例文

「ご教示ください」は、やり方・手続き・連絡先などの知識や情報を「教えてください」と頼む丁寧な言い方。「ご教授」は学問や技芸を継続して教わるときの言葉なので、メールで手順や情報を尋ねるなら「ご教示」を使う。目上には「ご教示いただけますでしょうか」がそのまま使える。「ご享受」は意味の違う言葉なので書き間違いに注意。

実務ガイド

尊敬語・謙譲語・丁寧語の早見表よく使う動詞の変換表とメール例文

相手の動作は尊敬語(おっしゃる・いらっしゃる・ご覧になる)、自分側の動作は謙譲語(申し上げる・伺う・拝見する)、文末は丁寧語(です・ます)。表にない動詞は、尊敬語なら「お(ご)〜になる」、謙譲語なら「お(ご)〜する」の形で作れる。

#面白いを実現しろ

Produce your IDEA.

打ち合わせや社内文書で使う文例テンプレートを配っています。登録は要りません。