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言葉の使い分け

「ください」と「下さい」の違い
使い分け早見表30と場面別の例文

即答:メールや文書の「ご確認ください」「お待ちください」「送ってください」はひらがなで書きます。漢字の「下さい」を使うのは、「資料を下さい」「お時間を下さい」のように物や時間そのものをもらいたいときだけです。見分け方は一つ、「ください」の前に確認・連絡・待つなどの動作があればひらがな。この書き分けは、内閣訓令「公用文における漢字使用等について」と文化審議会の建議「公用文作成の考え方」に示されています。このページでは、根拠、3ステップの見分け方、よく使う言い回し30の早見表、そのまま使える場面別の例文、やわらかい言い換え、よくある失敗をまとめました。敬語としての「くださいませ」の使い方は「くださいませ」の意味と使い方にあります。

更新: 2026-11-01読了:約9分PRODUCER AGENT 編集部

結論

「ください」は、「くれる」の尊敬語「くださる」の命令の形で、相手に何かを頼むときに使います。常用漢字表では「下」の訓に「くださる」(例:下さる)が挙がっているので、「下さい」は認められた書き方です。ただし公用文の目安では、「〜てくださる」のように補助的に使うときは仮名、「贈物を下さる」のように実際に物をくれるときは漢字と書き分けます。

結論:前に動作があるかどうかで決まる

使い方書き方例
「お(ご)〜」に続けて動作を頼むひらがなご確認ください/お待ちください/お越しください
「〜て」「〜で」に続けて動作を頼むひらがな送ってください/読んでください/教えてください
物・時間・返事そのものをもらいたいと頼む漢字(ひらがなでも意味は通じる)資料を下さい/お時間を下さい/お返事を下さい

注意

ビジネスメールで使う「ください」は、ほとんどが上の2行(動作に添える使い方)です。動作に添える使い方なら、ひらがなで書けば公用文の目安どおりです。社内に表記ルールがある場合は、そちらを優先してください。

根拠:公用文の目安と常用漢字表

資料書かれていることこの記事での使い方
常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)「下」の訓に「くださる」があり、例として「下さる」が挙がっている「下さい」と漢字で書くこと自体は認められている
公用文における漢字使用等について(平成22年内閣訓令第1号)原則として仮名で書く語句の例に「・・・てください(問題点を話してください。)」がある「〜てください」はひらがな
公用文作成の考え方(文化審議会建議)補助的な用法の例に「~(し)て下さる→てくださる」。実際の動作を表す場合は「…贈物を下さる」のように漢字を用いる動作に添えるときは仮名、物をくれるときは漢字

Point

どれも国の機関が作る文書(公用文)のための目安で、民間のメールに従う義務があるわけではありません。ビジネス文書で表記の拠り所に迷ったときは、この書き分けに合わせておくと説明がつきます。

3ステップで見分ける

  1. 01

    「ください」の前を見る

    「ご確認」「お待ち」「送って」「お気をつけ」のように動作を表す言葉がくっついていれば、頼みの意味を添えているだけです。ひらがなで書きます。

  2. 02

    「を」でつながっているか見る

    「資料を」「お時間を」「お返事を」のように、物や時間を表す言葉が「を」でつながっていれば、それそのものをもらいたいという意味です。漢字の「下さい」が使えます。

  3. 03

    一通の中でそろっているか見る

    漢字とひらがなが混ざって見えるのが気になる場合や、どちらか判断に迷う場合は、ひらがなにそろえます。意味が変わることはありません。

注意

「ご連絡ください」と「ご連絡を下さい」のように、同じ言葉でも「を」の有無で使い方が変わります。「を」を入れずに動作として頼むならひらがな、と覚えると迷いません。

よく使う言い回し30の早見表

言い回し書き方理由
ご確認くださいひらがな確認という動作に添える
ご査収くださいひらがな受け取って確かめる動作に添える
ご検討くださいひらがな検討という動作に添える
ご連絡くださいひらがな連絡という動作に添える
ご返信くださいひらがな返信という動作に添える
ご記入くださいひらがな記入という動作に添える
ご提出くださいひらがな提出という動作に添える
ご参照くださいひらがな参照という動作に添える
ご了承くださいひらがな了承という動作に添える
ご容赦くださいひらがな容赦という動作に添える
ご注意くださいひらがな注意という動作に添える
ご安心くださいひらがな安心するという状態に添える
ご覧くださいひらがな見るの尊敬語に添える
お待ちくださいひらがな待つという動作に添える
お越しくださいひらがな来るの尊敬語に添える
お申し込みくださいひらがな申し込むという動作に添える
お問い合わせくださいひらがな問い合わせるという動作に添える
お知らせくださいひらがな知らせるという動作に添える
お気をつけくださいひらがな気をつけるという動作に添える
お休みくださいひらがな休むという動作に添える
送ってくださいひらがな「〜て」に続く(内閣訓令の例と同じ形)
教えてくださいひらがな「〜て」に続く
読んでくださいひらがな「〜で」に続く
入れないでくださいひらがな「〜ないで」に続く
お待ちくださいませひらがな「ください」に「ませ」を添えた形
ご来場くださり、ありがとうございますひらがな来場という動作に添える「くださる」
資料を下さい漢字資料そのものをもらう
お時間を下さい漢字時間そのものをもらう
お返事を下さい漢字返事そのものをもらう
お品を下さり、ありがとうございます漢字品物そのものをくれる「下さる」

そのまま使える場面別の例文

取引先へのメール(動作を頼む・ひらがな)

  • 企画書を添付いたしましたので、お手すきの際にご確認ください。
  • 見積書をお送りいたします。ご査収ください。
  • 手続きで分からないところがあれば、担当の◯◯までお問い合わせください。
  • 日程の候補を三つお送りします。ご都合のよい日をお知らせください。
  • 恐れ入りますが、◯月◯日(◯)までにご返信ください。
  • 契約書は2部お送りしますので、1部をご返送ください。
  • 料金の内訳は、添付資料の3ページをご参照ください。
  • 納品が1日遅れる見込みです。何とぞご了承ください。

お客様・参加者への案内(ひらがな)

  • 当日は◯階の受付までお越しください。
  • 受付票を印刷して、当日お持ちください。
  • お申し込みは◯月◯日までに、こちらのフォームからお願いします。定員になり次第締め切りますので、お早めにお申し込みください。
  • 会場内は飲食ができません。ご注意ください。
  • 担当者からご連絡しますので、今しばらくお待ちください。
  • 冷え込む日が続きますので、どうぞ暖かくしてお過ごしください。

社内の依頼・連絡(ひらがな)

  • 会議で使う数字を、本日中に共有フォルダへ入れておいてください。
  • 間に合わない場合は、その旨を教えてください。
  • 経費精算は月末までに提出してください。
  • 修正した箇所は赤字にしてください。
  • 外出の予定はカレンダーに入れておいてください。

注意書き・掲示文(ひらがな)

  • 会議室をご利用の後は、机と椅子を元の位置に戻してください。
  • このドアは開けたままにしないでください。
  • 忘れ物にご注意ください。
  • ゴミは分別して捨ててください。

物・時間・返事をもらいたいとき(漢字の「下さい」)

  • 社内で確認いたしますので、回答まで三日ほどお時間を下さい。
  • 来週の会議資料の控えを、一部下さい。
  • ご都合のよいときに、お返事を下さい。
  • (窓口で)こちらのパンフレットを二部下さい。
  • 先日は結構なお品を下さり、ありがとうございました。

注意

取引先に「資料を下さい」と書くと、表記は正しくても頼み方が直接的に響くことがあります。社外には「資料をお送りいただけますでしょうか」のように尋ねる形にすると、やわらかく伝わります。依頼メール全体の組み立ては依頼メールの書き方と例文、「ご査収ください」は「ご査収ください」の意味と使い方、「ご検討ください」は「ご検討ください」の意味と使い方にまとめています。

「ください」のやわらかい言い換え

「ください」は丁寧な言い方ですが、頼む形がはっきりしている分、相手や内容によっては強く聞こえることがあります。目上の人や取引先には、次のように言い換えられます。

言い方伝わり方向いている場面
ご確認ください。はっきり頼む案内文、社内、手順の説明
ご確認をお願いいたします。お願いする形で少しやわらかい取引先へのふだんのメール
ご確認いただけますでしょうか。相手に尋ねる形でやわらかい目上の人、手間をかける依頼
ご確認いただけますと幸いです。希望を伝える形で控えめ急がない依頼、初めての相手
お手数ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。手間への気づかいを添える締め切りのある依頼、再度の依頼

注意

「いただく」の書き分けは「いただく」と「頂く」の違い、「幸いです」の使い方は「幸いです」の意味と使い方にあります。

同じ考え方で書き分ける言葉

「公用文作成の考え方」では、「ください」と同じく、補助的に使うときは仮名、実際の動作を表すときは漢字、という例がほかにも挙がっています。

補助的に使うとき(仮名)実際の動作を表すとき(漢字)
ご確認ください/話してくださる贈物を下さる
送っていただく賞状を頂く
増えていく街へ行く
寒くなってくる東から来る
試してみるしっかり見る
確認してほしい資格が欲しい
帰ってもよい声が良い

「いたします」も同じ考え方で書き分けられます。詳しくは「致します」と「いたします」の違いをご覧ください。

よくある失敗と直し方

よくある書き方どこが気になるか直し方
ご確認下さい動作に添える使い方なので、公用文の目安ではひらがなご確認ください
送って下さい「〜て」に続く形は内閣訓令でも仮名書きの例送ってください
お待ち下さいませ動作に添える使い方お待ちくださいませ
ご確認してください「ご〜する」は自分の動作をへりくだる形で、相手の動作に使うと敬語の誤りご確認ください
拝見してください「拝見する」は自分が見るときの謙譲語ご覧ください
一通の中で「ください」と「下さい」が混ざる書き分けに沿っていれば誤りではないが、揺れに見えることがあるひらがなにそろえる
(取引先へ)資料を下さい表記は正しいが、頼み方が直接的に聞こえやすい資料をお送りいただけますでしょうか
パソコンの変換候補をそのまま使う「下さい」が先に出ると、動作に添える使い方でも漢字になりやすい送る前に「下さい」で検索して見直す

送信前のチェックリスト

  • 「ください」の前に動作(確認・連絡・待つ・送って など)があるものは、ひらがなにした
  • 漢字の「下さい」は、「資料を」「お時間を」など物や時間をもらう使い方だけにした
  • 一通の中で書き方がそろっている
  • 「ご確認してください」「拝見してください」のような敬語の誤りがない
  • 取引先や目上の人には、必要に応じて「〜いただけますでしょうか」に言い換えた
  • 社内に表記ルールがある場合は、それに合わせた

この記事の要点

  • 「ご確認ください」「お待ちください」「送ってください」のように動作に添えて頼むときはひらがな。
  • 内閣訓令の例でも「・・・てください」は仮名書き。
  • 「資料を下さい」「お時間を下さい」のように物や時間そのものをもらうときは漢字の「下さい」が使える。
  • 見分けのコツは前に動作があるか、「を」でつながっているか。
  • 迷ったらひらがなにそろえる。社内ルールがあればそちらを優先。

FAQ

よくある質問

01「ご確認下さい」と漢字で書くのは間違いですか?

誤字ではありませんが、確認という動作に添えて頼む使い方なので、公用文の目安に沿うなら「ご確認ください」とひらがなで書きます。内閣訓令「公用文における漢字使用等について」でも、「・・・てください」は原則として仮名で書く例に挙がっています。

02漢字の「下さい」を使うのはどんなときですか?

「資料を一部下さい」「三日ほどお時間を下さい」のように、物や時間そのものをもらいたいと頼むときです。「公用文作成の考え方」でも、実際の動作を表す場合は「贈物を下さる」のように漢字を用いるとしています。

03「お時間を下さい」と「お時間をください」はどちらですか?

時間そのものをもらいたいという意味なので、漢字の「お時間を下さい」が書き分けに沿った形です。ただ、ひらがなで書いても意味は変わらないので、一通の中の表記をひらがなにそろえたい場合は「お時間をください」でもかまいません。

04「ご連絡ください」と「ご連絡を下さい」は違いますか?

「ご連絡ください」は連絡という動作に添えて頼む形なのでひらがなです。「ご連絡を下さい」は連絡そのものをもらいたいという形ですが、ビジネスメールでは「ご連絡ください」のほうが自然です。迷ったらひらがなで書いてください。

05「くださいませ」「くださる」も同じ考え方ですか?

はい。「お待ちくださいませ」「ご来場くださり」のように動作に添えるときはひらがな、「お品を下さり」のように物をくれるときは漢字です。「くださいませ」の敬語としての使い方は「くださいませ」の記事にまとめています。

06「ください」は目上の人に使っても失礼になりませんか?

丁寧な言い方なので失礼ではありません。ただ、頼む形がはっきりしている分、強く聞こえることもあります。取引先や目上の人には「ご確認いただけますでしょうか」のように尋ねる形にすると、よりやわらかく伝わります。

07会社の文書ルールで「下さい」に統一されている場合は?

社内の表記ルールがあれば、それに合わせてください。ここで紹介しているのは公用文の目安に沿った書き分けです。

08「ご確認してください」はなぜ誤りなのですか?

「ご〜する」は自分の動作をへりくだって言う形(謙譲語)なので、相手にしてほしい動作に使うと、相手を低めることになってしまいます。相手の動作を頼むときは「ご確認ください」「ご確認いただけますでしょうか」とします。

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