地域イベント
マルシェの開催方法
主催の7手順・会場と許可・費用・そのまま使える例文
マルシェは、会場を押さえて出店者を集めれば形にはなります。続くかどうかを分けるのは、来場者が「また来たい」、出店者が「また出たい」と思えるかです。そのために主催者が最初に決めるのは、会場ではなく誰に来てほしいかと、どんな店に並んでほしいか。このページでは、7つの手順の結論を先に示し、企画書の型、会場ごとの許可の相談先、備品、そのまま使える連絡・告知の例文、よくある失敗までを順番に整理します。出店者の募集文と募集要項は出店者募集の文章と募集要項にまとめています。
結論
マルシェの開催は①来てほしい人とテーマ ②出店者の顔ぶれ ③会場と日程(許可の相談) ④出店料と収支 ⑤出店者の募集と告知 ⑥当日の運営 ⑦振り返りの順に決めます。会場や出店内容によって必要な許可・届出が変わるため、会場が決まった時点で管理者と関係機関に相談し、許可が下りる前に出店を確定しないことが大前提です。
結論:マルシェ開催の7手順と、それぞれの「終わった」の目安
順番を間違えなければ、初めての主催でも迷いません。各手順は右の列の状態になったら次へ進むと考えてください。
| 手順 | 決めること | 終わったと言える状態 |
|---|---|---|
| ①来てほしい人とテーマ | 誰に、どんな時間を過ごしてほしいか | テーマを一文で言え、出店者の選考基準として使える |
| ②出店者の顔ぶれ | 飲食・物販・体験の組み合わせと区画数 | 会場の図に、ジャンル別の区画数を書き込めた |
| ③会場と日程 | 会場・日時・雨天の扱い、許可・届出の相談 | 管理者の内諾があり、必要な手続きと相談先が一覧になっている |
| ④出店料と収支 | 出店料の形、支出の費目、赤字の上限 | 費目ごとの見積りと、出店料・協賛の見込みが一枚に並んだ |
| ⑤募集と告知 | 募集要項、声かけ先、告知の段取り | 出店者が確定し、告知の素材を出店者に渡した |
| ⑥当日の運営 | 役割分担、搬入・撤収、緊急時の判断者 | スタッフ全員が自分の担当と連絡先を知っている |
| ⑦振り返り | 出店者・来場者の声、次回の改善点 | 「また出たい」出店者の数と、直す点を記録した |
Point
迷ったら、会場より先にテーマです。 テーマが決まっていないと、会場の広さも、出店者の選び方も、告知の言葉も決められません。
手順①②:誰に来てほしいかとテーマ、出店者の顔ぶれ
「地域を盛り上げたい」だけでは、出店者も来場者も選べません。来てほしい人を一つに絞ると、テーマ・出店者・会場・時間帯が順に決まります。
| 来てほしい人 | 合うテーマの例 | 合う時間帯・会場の例 |
|---|---|---|
| 子ども連れの家族 | 食・ワークショップ・体験 | 週末の午前〜昼、公園や広場 |
| 近隣に住む大人 | 地元の野菜・パン・雑貨 | 週末の朝、駅前や商店街 |
| 遠方からの来訪者 | 地域の名産・季節の味 | 観光の動線上、寺社や観光施設の周辺 |
| 仕事帰りの人 | 飲食・夜の雰囲気 | 平日の夕方以降、オフィス街の広場 |
| 店舗・施設の既存客 | その店の世界観に合う作り手 | 店の前・駐車場・施設の催事スペース |
Point
テーマは出店者の選考基準になります。 「地元の農産物と、それを使った加工品」のように具体的に書いておくと、応募の時点で合わない店が自然に減り、選考で断る手間も減ります。
出店者の顔ぶれを先に描く
食べ物・物販・体験の組み合わせを、会場の図の上で先に描いてください。同じジャンルの店が並びすぎると、出店者どうしで売上を取り合います。 来場者が会場を一周したくなる並びになっているかが基準です。
- 飲食・物販・体験のそれぞれに、何区画を割り当てるか決めた
- 同じ商品(例:焼き菓子、コーヒー)が何店まで並んでよいか決めた
- 子ども連れ・高齢の来場者が休める場所を区画とは別に取った
- 目玉になる店(地域で名前の通った店、珍しい作り手)を一つ以上決めた
主催の形を決める:単独・実行委員会・共催・後援
一人や一店舗で始めることもできますが、会場の交渉や当日の人手を考えると、主催の形を先に決めておくと話が早く進みます。
| 形 | どういう形か | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 単独主催 | 個人・一店舗・一団体がすべてを決めて責任を持つ | 小さく始める、店の前や自分の敷地で開く |
| 実行委員会 | 複数の店・団体・有志で委員会をつくり、役割を分ける | 商店街・町内会・地域の団体で続けたい |
| 共催 | 複数の団体が主催者として名を連ね、運営や費用を分け合う | 会場を持つ団体と組む、規模を広げたい |
| 後援・協力 | 自治体や団体から名義の使用や、告知・人手などの協力を受ける | 信頼を得たい、公共の掲示板や広報を使いたい |
注意
後援・共催の名義を自治体や団体に頼む場合、申請の要否・条件・締切は相手先ごとに決まっています。開催の告知を始める前に、相手先の窓口に確認してください。名義の承認前にチラシへ載せるのは避けます。
企画を一枚にまとめる:企画書テンプレート
会場の管理者・後援先・協賛先・出店者候補に見せるのは、この一枚です。空欄が残っている項目が、まだ決まっていないことだと分かるのも利点です。
| 項目 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 名称 | マルシェの名前と回数 | ◯◯マルシェ vol.1 |
| 目的 | なぜ開くのか(一文) | 商店街に週末の人の流れをつくる |
| 来てほしい人 | 一つに絞った来場者像 | 近隣に住む子ども連れの家族 |
| テーマ | 出店者の選考基準になる一文 | 地元の農産物と、それを使った加工品 |
| 日時・雨天 | 開催日時、雨天の扱い、判断時刻 | ◯月◯日(日)◯時〜◯時/小雨決行、当日◯時に判断 |
| 会場 | 場所、管理者、使える区画 | ◯◯公園 ◯◯広場(管理:◯◯市 ◯◯課) |
| 出店 | 区画数とジャンル別の内訳 | 飲食◯/物販◯/体験◯ |
| 出店料 | 形と金額、支払い方法、中止時の扱い | 固定額◯円、事前振込、中止時は◯◯ |
| 主催・体制 | 主催者、共催・後援、担当 | ◯◯マルシェ実行委員会(代表◯◯) |
| 収支 | 収入と支出の見込み、赤字の上限 | 別紙の収支表のとおり |
| 手続き | 相談先と状況 | 公園管理者に相談済み、保健所は◯月◯日に相談予定 |
| 告知 | 使う媒体と開始時期 | Instagram、チラシ、商店街の掲示板 |
手順③:会場と日程を決め、許可を相談する
会場は、来てほしい人が普段通る場所から探します。会場の種類によって、最初に話を持っていく相手と、確認する手続きが変わります。
| 会場の種類 | 最初に相談する相手 | 確認する手続きの例 | 向いているマルシェ |
|---|---|---|---|
| 都市公園の広場 | 公園管理者(自治体の公園担当など) | 都市公園法の占用許可、行為の許可(管理者の定めによる) | 家族向け・規模の大きい市 |
| 道路・歩道・商店街の通り | 管轄の警察署、道路管理者 | 道路交通法の道路使用許可、道路法の道路占用許可 | 商店街の歩行者天国・通りの市 |
| 商業施設・駅前広場 | 施設・広場の管理会社 | 施設の利用規約・契約(管理者の定め) | 買い物客の多い場所での定期市 |
| 寺社の境内 | 寺社の管理者 | 使用の承諾(管理者の定め) | 縁日の雰囲気、観光客向け |
| 私有地・店の駐車場 | 土地・建物の所有者 | 所有者の承諾、近隣への配慮 | 店舗主催の小さな市 |
都市公園では、都市公園法第6条第1項に次の定めがあります。
都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可を受けなければならない。(都市公園法 第6条第1項)
道路に店を並べる場合、警察庁の案内では、道路交通法第77条第1項の許可が必要な行為の一つとして「場所を移動しないで、道路に露店、屋台等を出そうとする行為」が挙げられており、申請先は行為を行う場所を管轄する警察署長です。道路に露店などを設けて継続して道路を使用する場合は、道路法第32条第1項により道路管理者の許可も論点になります。二つは根拠法も許可する相手も別です。 詳しくは道路使用許可と道路占用許可、公園は公園でイベントを開く許可と申請を読んでください。
会場の下見で確認すること
- 管理者は誰か(自治体・施設・商業施設・寺社・私有地)と、使用の申込方法
- 使える区画の広さと形、出店ブースを何区画並べられるか
- 電源・水道・トイレ・ごみの扱い
- 搬入車両がどこまで入れるか、出店者の駐車場
- 雨天時に使える屋根や屋内スペースがあるか
- 火気(調理・発電機)を使ってよいか
- テントの重り(杭を打てるか、ウェイトが必要か)
- 近隣への音・におい・混雑の影響と、事前に挨拶すべき相手
日程は「近隣の他のイベント」とずらす
同じ日に近くで大きな催しがあると、来場者も出店者も分散します。地域の行事予定や、出店者がよく出ている他のマルシェの開催日を確認してから決めてください。雨天時に中止か決行か、決める時刻もこの段階で決めておきます(屋外イベントの雨天対応)。
出店内容で変わる手続き:相談先の一覧
会場の許可とは別に、どんな店が出るかで必要な手続きが増えます。手続きの細部は自治体ごとに異なるため、ここでは「何を、どこに相談するか」に絞ります。
| こんな出店があるとき | 相談先 | 押さえておくこと | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| その場で調理・提供する飲食 | 会場を管轄する保健所 | 縁日・祭礼などで不特定多数に食品を提供する場合、臨時営業の許可申請または臨時出店の届出が必要。行事の種類や期間で手続きが変わるため事前相談が前提 | 飲食出店と保健所 |
| 火気を使う店(コンロ・発電機など) | 管轄の消防署 | 東京都の火災予防条例では、火気使用器具等を使う露店等は開設の3日前までに消防署長へ届出。条例は自治体ごとに異なる | イベントの消防への届出 |
| 容器包装に入れた加工食品の販売 | 出店者自身(主催者は確認を促す) | 食品表示基準に従った表示が必要になる場合がある | イベントの食品表示 |
| 持ち帰り用の酒類の販売 | 販売場の所在地の所轄税務署 | 酒類の販売業には販売業免許が要る。その場で飲ませる提供とは扱いが違う | イベントでの酒類の販売 |
| けが・物損への備え | 保険会社・代理店 | 補償の範囲は商品ごとに違う。主催者と出店者のどちらが何に入るかを決める | イベント保険 |
注意
法令の判断は、最終的には管轄の窓口が行います。この記事は相談先の整理であり、許可の要否を断定するものではありません。イベントに必要な許可・届出の一覧も確認してください。
Point
主催者は、出店者から許可・届出の状況を申込時に集めてください。 申込フォームに「保健所の許可・届出の写し」「火気を使う器具」の欄を作っておくと、当日になって「届けていない店」が見つかる事態を防げます。
手順④:出店料と収支の組み方
マルシェの収入は、多くの場合出店料と協賛です。出店料の形は、主催者と出店者のどちらがリスクを持つかで選びます。金額は地域・会場・集客の見込みで大きく変わるため、近隣の似たマルシェの募集要項を何件か見て、自分たちの集客力と比べて決めてください。
| 出店料の形 | 主催者にとって | 出店者にとって |
|---|---|---|
| 固定額 | 収入が事前に読める | 売れなかったときのリスクを持つ |
| 売上に応じた歩合 | 集計と精算の手間がかかる | リスクは小さいが売上の報告が要る |
| 固定額+歩合 | 両方の中間 | 両方の中間 |
| 無料(主催者が誘致) | 支出だけになる | 参加しやすいが、集客が弱いと出店者が来ない |
支出の費目を洗い出す
| 費目 | 中身 | 抑える工夫 |
|---|---|---|
| 会場 | 使用料・占用料、清掃費 | 公共の会場は料金を窓口で確認。共催で会場を持つ団体と組む |
| 設営 | テント・机・椅子・重り・のぼり・看板 | 出店者に持参してもらう物と、主催者が用意する物を分ける |
| 電源・水 | 発電機・延長コード・給水 | 電源を使う区画を限定し、募集要項に書く |
| ごみ | 処理の委託・ごみ袋・分別表示 | 出店者に持ち帰りを求める範囲を決める |
| 告知 | チラシ・ポスターの印刷と配布、デザイン | メインビジュアルを一つ作り、全媒体で使い回す |
| 安全 | 保険、救護用品、消火器 | 保険の範囲を主催者と出店者で分担する |
| 人 | スタッフの食事・飲み物・交通費 | 役割を絞り、必要な人数だけ集める |
Point
初回は「赤字をいくらまで許すか」を先に決めてください。 上限を決めておくと、告知や設営に使う額の判断が早くなり、終わった後に「続けるか」を冷静に話し合えます。
費目の整理はイベント予算の立て方と予算表の作り方、協賛を集める場合の依頼文は協賛依頼文の例文にあります。
注意
雨天中止のときに出店料を返すかどうかは、募集要項に必ず書いてください。 書いていないと、中止の連絡と同時に返金の問い合わせが一斉に来ます。
手順⑤-1:出店者を集める
募集要項を公開して待つだけでは、テーマに合う店がそろいにくいものです。来てほしい店には主催者から声をかけ、一般募集で残りの区画を埋める二段構えにします。
| 集め方 | 向いている相手 | 注意すること |
|---|---|---|
| 知り合いの店への個別の声かけ | 初回の目玉になる店 | 知り合いでも募集要項と同じ条件で案内する |
| 他のマルシェで出会った店への声かけ | テーマに合う作り手 | 相手のマルシェで出店中に長話をしない。名刺かSNSで後日連絡する |
| 農家・生産者への直接の依頼 | 地元の野菜・果物・加工品 | 収穫期と出店日が重ならないか先に聞く |
| SNSでの公募 | まだ知らない店 | 選考の基準と結果の連絡日を書く |
| 出店者からの紹介 | 顔ぶれを広げたいとき | 紹介でも選考は同じ基準で行う |
例文:テーマに合う店へ初めて声をかける
突然のご連絡失礼いたします。◯◯マルシェ実行委員会の◯◯と申します。 ◯月◯日(◯)に、◯◯公園で「◯◯マルシェ」を開く予定です。テーマは「◯◯」で、地元の素材を大切にしているお店に並んでいただきたいと考えております。 ◯◯(店名)さんの◯◯を拝見し、ぜひご出店をお願いできないかと思い、ご連絡いたしました。 開催の概要と出店条件をまとめた募集要項をお送りします。(URL) ご興味をお持ちいただけましたら、◯月◯日までにご返信いただけますと幸いです。ご質問だけでも歓迎いたします。 ◯◯マルシェ実行委員会 ◯◯ メール:◯◯ 電話:◯◯
例文:生産者(農家)にお願いする
◯◯農園 ◯◯様 はじめまして。◯◯で「◯◯マルシェ」を企画している◯◯と申します。 地元で育った野菜を、近くに住む家族に直接届ける場をつくりたいと考え、◯◯様の野菜をぜひ並べていただきたくご連絡しました。 開催は◯月◯日(◯)◯時〜◯時、会場は◯◯です。搬入は◯時から、駐車場はブースの近くにご用意します。 収穫のお忙しい時期と重なるようでしたら、出店の時間を短くするなどのご相談にも応じます。 ご都合を伺えましたら、詳しい条件をご説明に伺います。どうぞよろしくお願いいたします。
申込時に出店者から集める情報
- 店名・代表者・連絡先・SNS
- 販売するもの(写真つき)とジャンル
- ブースの大きさ、テント・机の持参の有無
- 電源・火気・水の使用の有無
- 食品を扱う場合、保健所の許可・届出の状況
- 搬入に使う車両と、駐車の要否
- 決済の方法(現金のみか、キャッシュレスを使うか)
募集要項の全文例と、SNS・チラシ用の募集文は出店者募集の文章と募集要項にあります。
手順⑤-2:来場者への告知
告知は「開催決定」「出店者の紹介」「直前のお知らせ」「当日」の段階に分けると、同じ内容を繰り返さずに済み、出店者も自分の紹介を拡散しやすくなります。
| 媒体 | 届く相手 | 準備すること |
|---|---|---|
| Instagram・X・LINEなどのSNS | 出店者のファン、近隣の若い世代 | メインビジュアル、出店者紹介の画像、ハッシュタグ |
| チラシの配布・設置 | 近隣の住民、商店街の客 | 近隣の店・施設への設置のお願い。集合住宅への配布は管理者の許可を確認 |
| ポスター掲示 | 駅・商店街・公共施設の利用者 | 掲示できる場所と申込方法を各施設に確認 |
| 回覧板・地域の掲示板 | 町内会の住民、高齢の世代 | 町内会・自治会への相談 |
| 出店者自身の告知 | 各店の常連客 | 出店者に渡す告知用の画像と文章 |
| 地域の情報サイト・自治体の広報 | 地域の情報を探している人 | 掲載の条件と締切を各媒体に確認 |
例文:開催決定の告知(SNS)
【開催決定】◯月◯日(日)◯時〜◯時、◯◯公園で「◯◯マルシェ」を開きます。テーマは「◯◯」。地元の野菜やパン、焼き菓子、子どもが参加できるワークショップが並びます。入場無料・雨天時は◯◯。出店者さんの紹介はこれから順番にお届けします。
例文:出店者の紹介(SNS)
【出店者紹介 No.◯】◯◯(店名)さん。◯◯の畑で育てた◯◯と、それを使った◯◯を持ってきてくださいます。当日のおすすめは◯◯。数に限りがあるので、お早めにどうぞ。◯月◯日(日)◯◯マルシェでお待ちしています。
例文:前日のお知らせ(SNS)
【明日開催】◯◯マルシェは予定どおり開催します。◯時から、◯◯公園の◯◯広場です。会場には駐車場がありませんので、公共交通機関でお越しください。マイバッグのご持参にご協力ください。
例文:雨天中止のお知らせ(来場者向け)
【中止のお知らせ】本日◯月◯日の◯◯マルシェは、雨と強風の予報のため中止いたします。楽しみにしてくださっていた皆さま、申し訳ありません。出店予定だったお店の情報は、引き続きこちらでご紹介します。次回は◯月◯日の予定です。
SNSの使い分けや告知の時期はイベント集客の方法を参照してください。会場で写真を撮って発信する場合は、来場者への掲示が要ります(イベント写真とSNS)。
備品リスト:主催者が用意するもの・出店者に持ってきてもらうもの
どちらが用意するかを募集要項に書いておくと、当日の「机が足りない」「テントの重りがない」を防げます。
| 区分 | 主催者が用意するもの | 出店者に持ってきてもらうもの |
|---|---|---|
| 会場の目印 | のぼり旗・タペストリー・入口の看板・会場図 | 店名の看板 |
| ブース | 区画の目印(テープ・番号札)、貸出用のテント・机(貸す場合) | テント・机・椅子・重り(貸出がない場合) |
| 電源・照明 | 延長コード・電源の分岐(電源を提供する場合) | 使う機器の一覧の事前提出 |
| ごみ | ごみ箱・分別表示・ごみ袋 | 自店のごみ袋(持ち帰りの範囲) |
| 安全 | 本部の救護用品・消火器・拡声器・トランシーバー | 火気を使う店は消火器(相談先の指示に従う) |
| 販売 | 共通の案内看板・出店者一覧の掲示 | 値札・POP・釣り銭・袋・決済端末 |
| 本部 | 受付名簿・出店者の連絡先一覧・筆記用具・養生テープ | 受付時に名乗るための出店確定の連絡 |
注意
決済の方法は出店者ごとに任せるのが簡単です。主催者が共通の決済やチケットを用意する場合は、手数料をどちらが持つかと、精算の時期を募集要項に書きます。
開催までの段取り
- 01
企画を一枚にまとめる
テーマ・来てほしい人・日時・会場・出店の数とジャンル・出店料・雨天の扱いを一枚に書きます。会場の管理者や協賛先に見せる資料になります。
- 02
会場の申込と関係機関への相談
会場の管理者に申し込み、必要な許可・届出と審査にかかる期間を確認します。許可が下りるまでは出店者に確定の連絡をしないでください。
- 03
メインビジュアルを作る
ロゴ・色・写真を一つに決めます。チラシ・SNS・のぼり・出店者に渡す告知画像まで同じものを使うと、覚えてもらいやすくなります。
- 04
出店者を募集・選考する
募集要項を公開し、来てほしい店には個別に声をかけます。締切と結果の連絡日を先に決めておきます。
- 05
配置図を作る
ブースの位置、通路、電源、ごみ置き場、休憩所、救護、本部を図にします(会場レイアウトの作り方)。
- 06
告知を始める
開催決定→出店者紹介→直前のお知らせの順に出します。出店者が告知しやすい画像と文章を主催者から渡すと広がります。
- 07
近隣とスタッフに知らせる
近隣の住民・店舗に開催日と問い合わせ先を伝え、スタッフには役割と当日の動きを説明します(イベントスタッフの配置)。
- 08
出店者に最終案内を送る
搬入時刻、ブースの位置、駐車場、雨天の判断時刻と連絡方法、当日の連絡先を送ります。
開催日から逆算した時期の組み方はイベント準備スケジュールの組み方で確認できます。
そのまま使える連絡の例文
会場の管理者への問い合わせ
件名:◯◯での催しの開催についてのご相談(◯◯マルシェ) ◯◯ご担当者様 はじめてご連絡いたします。◯◯マルシェ実行委員会の◯◯と申します。 ◯月◯日(◯)◯時〜◯時に、◯◯の◯◯広場で、地元の農産物や手づくりの品を販売するマルシェを開きたいと考えております。 ・出店の予定:◯区画程度(飲食◯、物販◯、ワークショップ◯) ・火気の使用:◯◯ ・来場の見込み:◯◯ 使用の可否と、申込の方法・必要な手続きについてご教示いただけますでしょうか。 企画の概要をまとめた資料を添付いたします。ご都合のよい日に、ご説明に伺うこともできます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ◯◯マルシェ実行委員会 ◯◯ 電話:◯◯ メール:◯◯
出店者への出店確定のご連絡
件名:【◯◯マルシェ】出店決定のご連絡 ◯◯(店名)◯◯様 このたびは◯◯マルシェにお申し込みいただき、ありがとうございます。 選考の結果、ご出店をお願いすることになりました。 出店料:◯円 お支払い:◯月◯日までに下記の口座へお振込みください。お振込みをもって出店確定となります。 ブースの位置と搬入のご案内は、◯月◯日ごろにお送りします。 ご不明な点がありましたら、このメールにご返信ください。 当日、ご一緒できることを楽しみにしております。 ◯◯マルシェ実行委員会 ◯◯
出店者への最終案内
件名:【◯◯マルシェ】当日のご案内(搬入・ブース位置・雨天時の連絡) 出店者の皆さま ◯月◯日(◯)の◯◯マルシェについて、当日のご案内をお送りします。 ■ 搬入:◯時〜◯時(◯時以降は会場内に車両を入れられません) ■ 受付:本部テント(会場図の★)で到着をお知らせください ■ ブース:添付の会場図をご覧ください(店名の横にブース番号を記しています) ■ 駐車場:◯◯(搬入後はこちらへ移動をお願いします) ■ 撤収:◯時から。来場者が残っている間は車両を入れません ■ ごみ:ご自身の出したごみはお持ち帰りください ■ 雨天:当日◯時に開催の可否を判断し、◯◯(LINE・メール)でお知らせします ■ 当日の連絡先:◯◯(担当◯◯)電話◯◯ どうぞよろしくお願いいたします。 ◯◯マルシェ実行委員会
出店者への雨天中止のご連絡
件名:【◯◯マルシェ】本日の開催中止のお知らせ 出店者の皆さま 本日◯月◯日の◯◯マルシェは、強風と雨の予報を受け、中止といたします。 ご準備を進めてくださっていたところ、直前のご連絡となり申し訳ありません。 出店料の扱い:募集要項のとおり、◯◯いたします。手続きは◯月◯日までにご連絡します。 次回の開催日が決まりましたら、優先してご案内いたします。 ◯◯マルシェ実行委員会 ◯◯
近隣の住民・店舗へのお知らせ
近隣の皆さまへ ◯◯マルシェ開催のお知らせ ◯月◯日(◯)◯時〜◯時、◯◯広場で「◯◯マルシェ」を開催いたします。 当日は◯時ごろから設営の車両が出入りし、ご迷惑をおかけすることがあるかと存じます。 音量や通路の確保には十分に気をつけてまいりますので、ご理解をお願い申し上げます。 お気づきの点がありましたら、下記までご連絡ください。 ◯◯マルシェ実行委員会(担当:◯◯)電話:◯◯
中止全般の連絡はイベント中止の判断と連絡にあります。
手順⑥:当日の流れと運営チェックリスト
- 01
前日まで
天気予報で判断の材料を集め、判断者と連絡の方法をスタッフ・出店者と再確認します。釣り銭・名簿・会場図を本部の箱にまとめます。
- 02
設営
本部・区画の目印・ごみ置き場・案内看板を、出店者の搬入より先に出します。
- 03
出店者の受付と搬入
到着を名簿で確認し、ブースへ案内します。来場者が入る前に車両を出し切ります。
- 04
開場
本部に必ず一人を残し、巡回の担当がごみ・通路・混雑を見て回ります。
- 05
営業中
迷子・けが・落とし物・苦情は本部に集め、対応を記録します。強風・雷のときは判断者が中断を決めます。
- 06
撤収
来場者がいなくなってから車両を入れます。ごみと区画の目印を片付け、会場を管理者に確認してもらいます。
- 本部の場所と、出店者・スタッフ・来場者それぞれの連絡先を決めた
- 出店者の受付(到着確認・ブース案内)の担当がいる
- 搬入車両の誘導と、来場者が入る前に車両を出し切る時刻を決めた
- ごみの分別とごみ置き場の案内を出した(イベントのごみ対策)
- 迷子・けが・落とし物の対応を誰がするか決めた(迷子対応・救護)
- 雨・強風・暑さで中断するときの判断者と連絡方法を決めた
- 撮影する場合、来場者への掲示を出した
- 会場の管理者・相談先から受けた条件(時間・音量・火気)をスタッフ全員が知っている
会場の案内や「関係者以外立入禁止」の貼り紙は貼り紙作成ツールで、当日のタイムテーブルは進行表作成ツールで、スタッフのシフトはシフト表作成ツールで作れます。
よくある失敗と防ぎ方
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 許可が下りる前に出店者を確定した | 条件が変わり、出店者に謝って調整し直す | 管理者・窓口の確認が済むまで「内定」で止める |
| 同じジャンルの店ばかり集まった | 出店者の売上が割れ、次回に来てくれない | ジャンル別の区画数を先に決め、選考で守る |
| 雨天の扱いを書いていなかった | 中止の連絡と返金の問い合わせが重なる | 判断時刻・連絡方法・出店料の扱いを募集要項に書く |
| 告知を主催者だけでしていた | 出店者の常連客に届かない | 出店者に告知用の画像と文章を渡す |
| ごみの扱いを決めていなかった | 終了後にごみが残り、会場の管理者の信頼を失う | 持ち帰りの範囲と分別を募集要項と当日の掲示で伝える |
| 本部が空になる時間があった | 迷子やけがの対応が遅れる | 本部に必ず一人残る当番を決める |
| 搬入と来場者の動線が重なった | 車両と来場者が接触しそうになる | 車両を出し切る時刻を決め、撤収も来場者がいなくなってから |
手順⑦:終わった後、次回につなげる
終わったら出店者に簡単なアンケートを取ってください。「また出たい」と答えた店の数が、マルシェが続くかどうかのいちばん正直な指標です。
- 来場者の様子(多かった時間帯、年代、家族連れの割合の印象)
- 売れたもの・売れなかったもの
- 搬入・ブース・電源・ごみで困ったこと
- 告知で効いたと感じた媒体
- 次回も出たいか、その理由
- 主催者への要望
出店者・会場・協賛先へのお礼はイベントのお礼メール例文を参照してください。次回の日程が決まったら、前回の出店者に一般募集より先に案内すると、顔ぶれが安定します。
この記事の要点
- 最初に決めるのは会場ではなく来てほしい人とテーマ。テーマは出店者の選考基準になる。
- 同じジャンルの店を並べすぎない。会場を一周したくなる顔ぶれを図の上で描く。
- 会場の種類で相談先が変わる(公園は公園管理者、道路は警察署と道路管理者)。許可前に出店を確定しない。
- 飲食は保健所、火気は消防署、持ち帰りの酒類は税務署。出店者の状況は申込時に集める。
- 出店料の形は主催者と出店者のどちらがリスクを持つかで選び、初回は赤字の上限を先に決める。
- 雨天の扱い(判断時刻、連絡方法、出店料の返金)は募集要項に書く。
- 告知は段階に分け、出店者に告知素材を渡す。振り返りの指標は「また出たい」出店者の数。
FAQ
よくある質問
来てほしい人とテーマを決め、そのテーマに合う出店者の顔ぶれを描くところから始めます。会場・日程・出店料はその後です。会場が決まったら、管理者と関係機関に必要な許可・届出を相談してください。
主催者が個人か団体かよりも、会場を使う承諾や許可を得られるか、当日の人手を確保できるかが問題になります。会場の管理者に申込方法を確認し、人手が足りない場合は知り合いの店や団体と実行委員会をつくる方法もあります。
会場(公園・道路・私有地など)と、出店内容(調理・火気・酒類の販売など)で変わります。公園は公園管理者、道路は管轄の警察署と道路管理者、飲食は保健所、火気は消防署が相談先です。最終的な判断は各窓口が行うため、会場が決まった時点で相談してください。
固定額・売上に応じた歩合・その組み合わせ・無料のどれにするかを、主催者と出店者のどちらがリスクを持つかで選びます。金額は地域や集客の見込みで変わるため、近隣の似たマルシェの募集要項を何件か見て、自分たちの集客力と比べて決めます。
会場の使用料、テント・机・のぼりなどの設営、電源、ごみ処理、保険、チラシなどの告知、スタッフの食事などです。金額は会場と規模で変わるため、費目ごとに見積りを取り、初回は赤字の上限を決めてから進めます。
一般募集だけに頼らず、テーマに合う店へ主催者から個別に声をかけてください。募集要項に、主催者の顔が見える一文と、応募後の流れ(結果の連絡日、何をもって確定か)を書くと、初めての店も応募しやすくなります。
来場者のけがや物損が起きたときの損害賠償が論点になります。補償の範囲は保険の商品ごとに違うため、主催者と出店者のどちらが何に備えるかを決め、保険会社や代理店に相談してください。
中止か決行か、判断する時刻、出店者と来場者への連絡方法、中止時の出店料の扱いを、募集要項の段階で決めて書いておきます。当日は決めた時刻に判断者が決め、出店者と来場者に同時に知らせます。