リスク
イベント中止の判断と告知
基準と例文は、先に用意しておく
結論:イベントの中止は、当日ではなく企画段階で「誰が・いつ・何を見て決めるか」を決めておくものです。 当日の朝に「どうしますか」から始めると、関係者の合意に時間がかかり、その間に来場者は移動を始めています。この記事では、判断基準の決め方と告知の順番に加えて、そのまま使えるお知らせ例文14本(中止・延期・縮小開催・開催決定・判断予告・SNS・現地掲示・場内アナウンス・取引先や協賛社への連絡・問い合わせへの返信)をまとめます。参加予定の方向けに、中止かどうかを確かめる方法も最後に載せています。
結論
中止・延期の判断で事前に決めるのは①判断する人 ②判断する時刻 ③判断の基準 ④告知の経路と順番 ⑤返金とキャンセル料の扱いの5つです。当日に決めるのは「基準に当てはまるかどうか」だけという状態を作るのが目的です。
状況別:いま何をするか(早見表)
| 状況 | やること | 使う例文 |
|---|---|---|
| 台風の進路予想に会場が入った(数日前) | 判断時刻を決めて関係者と参加者に予告する。取引先のキャンセル条項を確認 | ④判断予告 |
| 前日に早期注意情報(警報級の可能性)が出た | 縮小開催・延期の準備。出演者と取引先に第一報 | ⑪関係者への第一報 |
| 判断時刻に、決めた基準に当てはまった | 基準どおり中止または延期。告知の順番どおりに連絡 | ①中止 ②③延期 |
| 基準に当てはまらなかった | 予定どおり開催を告知。当日の注意事項も添える | ⑥開催決定 |
| 一部だけ実施できない | 縮小開催。何が中止で何が実施かを分けて書く | ⑤縮小開催 |
| 開催中に天候が急変した | 途中中止。誘導と安全確保を先に、案内は短く | ⑨場内アナウンス |
| 出演者の急病など主催者側の事情 | 理由は事実だけ簡潔に。返金の扱いを同時に示す | ①中止(理由を差し替え) |
注意
例文は下の「お知らせ例文」にまとめています。 【 】の部分を差し替えて使ってください。
誰が、いつ、何を見て決めるか
- 01
判断する人を1人決める
合議にしないでください。 当日の朝に関係者を集めて相談していると、それだけで時間がなくなります。決裁者を1人、代理を1人決めます。
- 02
判断の時刻を決める
「開催◯時間前」と時刻で決めます。 来場者の移動開始時刻から逆算します。遠方から来る人がいるなら前日判断が必要なこともあります。
- 03
判断の基準を決める
何を見て決めるか。 気象情報なら、どの発表の、どの区分か。交通機関なら、どの路線の運休か。「危ないと感じたら」は基準になりません。
- 04
段階を設ける
通常開催/内容を縮小して開催/延期/中止。 中止か開催かの二択にすると、判断が重くなります。
- 05
判断後にやることを一覧にしておく
誰が、どこに、何を連絡するか。 判断してから考えると漏れます。例文もこの段階で用意しておきます。
- 06
全員に基準を共有する
事前に関係者に伝えておきます。 当日に「なぜ中止なのか」を説明する時間はありません。
判断基準シート(この表を埋めておく)
| 判断材料 | 何を見るか | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 気象 | 気象庁の警報・注意報、早期注意情報(警報級の可能性)。会場のある市町村の発表を見る | どの発表が出たら、どの段階(縮小/延期/中止)にするか |
| 交通 | 会場最寄りの路線と、来場者が多く使う路線の運行情報・計画運休の発表 | どの路線が止まったら判断を変えるか |
| 自治体 | 会場の市町村が出す避難情報 | 避難情報が出たときの扱い |
| 会場 | 会場側の休館・使用中止の連絡 | 会場が使えないときの扱い(使用契約を確認) |
| 仮設物 | テント・ステージ・看板の設営条件 | 設営・撤去を判断する時刻(開催判断より前) |
| 出演者・主要スタッフ | 移動できるか、体調 | 来られないときの代替と、代替がない場合の扱い |
Point
気象警報・注意報の基準は、市町村ごとに決められています。 気象庁は「発表基準は、市町村ごとに過去の災害を網羅的に調査した上で」設定していると説明しています。判断基準には「会場のある市町村に◯◯が出たら」と書いてください。 どの区分を基準にするかは主催者が決めることですが、決めておくこと自体が重要です。
注意
前日判断には早期注意情報(警報級の可能性)と「時系列情報(明日までの警報等の見通し)」が使えます。 気象庁は早期注意情報を発表したあと、危険度の高まりに応じて警報・注意報を段階的に発表するとしています。警報が出る前の段階なので、取引先への第一報や判断予告のきっかけにできます。仮設物がある場合、設営・撤去の判断は開催判断より前に来ます。 強風で倒れるものを立てたままにはできません(仮設テント・仮設ステージ、屋外イベントの強風対策、屋外イベントの雨対策)。
判断のタイムライン
| 時点 | やること |
|---|---|
| 企画時 | 判断する人・時刻・基準・段階を決める。申込ページに中止時の扱いを書く。取引先のキャンセル条項を一覧にする |
| 台風・大雨の予報が出た時点 | 判断時刻を参加者と関係者に予告する(例文④) |
| 前日の判断時刻 | 遠方からの来場者が多い場合や仮設物がある場合はここで判断。延期・中止なら告知の順番どおりに連絡 |
| 当日の判断時刻 | 最終判断。開催・縮小・延期・中止のどれかを告知 |
| 開催中 | 途中中止の基準(雷・強風など)に当てはまったら、誘導を優先して中止 |
告知の順番と、告知文に入れるもの
順番を間違えると、関係者が外部から知ることになります。
| 順 | 相手 | 手段 |
|---|---|---|
| 1 | 運営スタッフ・出演者・登壇者 | 電話・チャット。すでに移動中の人がいる |
| 2 | 会場・施工・ケータリング等の取引先 | 電話。搬入が始まっている |
| 3 | 協賛社 | 担当者に電話かメール。一般公開より先に |
| 4 | 申込者・参加者 | メール+サイト掲載。同時に |
| 5 | 一般公開 | サイト最上部・SNS。掲載を依頼したイベント情報サイトやチケット販売先にも更新を依頼 |
| 6 | 来場してしまう人への現地対応 | 掲示と人の配置(掲示は貼り紙作成ツールで用意できる) |
Point
「現地に来てしまう人」を必ず想定してください。 告知を見ない人は必ずいます。外部の情報サイトに古い掲載が残っていることもあります。会場前に掲示を出し、人を置いてください。ここを省くと、来た人が長時間待つことになります。
告知文に入れるもの
- 中止か、延期か、縮小か(延期なら日程未定でもそう書く)
- 対象(どの回・どの日か)
- 理由(簡潔に。詳細な説明より事実)
- 判断した日時
- 参加費の扱い(返金の有無・方法・時期)
- すでに提出した情報の扱い
- 問い合わせ先と受付時間
- 次の案内がいつ出るか
注意
「詳細は追ってご案内します」だけで終わらせないでください。 いつ案内するかを書きます。書かないと問い合わせが集中します。
件名の例
- 【重要】【イベント名】開催中止のお知らせ(【開催日】)
- 【重要】【イベント名】開催延期のお知らせ
- 【イベント名】一部プログラム中止のお知らせ
- 【イベント名】開催可否の判断時刻について
- 【イベント名】予定どおり開催いたします
お知らせ例文14本(そのまま使える)
【 】を差し替えて使ってください。 返金の方法や時期は、申込ページに書いた内容と必ず合わせます。
①中止(台風・荒天)
【イベント名】開催中止のお知らせ
【開催日】に開催を予定しておりました【イベント名】は、台風【号数】号の接近に伴い、来場される皆さまと出演者・スタッフの安全を確保できないと判断し、開催を中止いたします。
楽しみにしてくださっていた皆さまには大変申し訳ございません。
■判断日時:【日時】
■参加費:全額を返金いたします。【決済方法】でお支払いの方は【返金方法】にて、【時期】までに返金いたします。お手続きは不要です。
■お預かりした個人情報:返金完了後、【期間】以内に削除いたします。
■お問い合わせ:【窓口】(受付時間【時間】)
今後の開催については、【日付】までに本ページでお知らせいたします。
②延期(新しい日程は未定)
【イベント名】開催延期のお知らせ
【開催日】に予定しておりました【イベント名】は、【理由】のため、開催を延期いたします。新しい日程は現在調整中で、【日付】までに本ページとメールでお知らせいたします。
■お申し込み済みの方:お申し込みは新しい日程に引き継ぎます。新しい日程にご参加いただけない場合は、全額を返金いたします。
■返金をご希望の方:【期限】までに【窓口】へご連絡ください。
■お問い合わせ:【窓口】(受付時間【時間】)
ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
③延期(新しい日程が決まった)
【イベント名】延期後の開催日決定のお知らせ
延期しておりました【イベント名】の開催日が決まりましたので、お知らせいたします。
■新しい開催日:【日時】
■会場:【会場名】(変更なし/変更あり:【新会場】)
■お申し込み済みの方:手続きは不要です。お手持ちの【チケット・参加証】をそのままお使いいただけます。
■新しい日程にご参加いただけない方:【期限】までに【窓口】へご連絡いただければ、全額を返金いたします。
改めてお会いできることを、スタッフ一同楽しみにしております。
④判断予告(前日・数日前)
【イベント名】開催可否の判断について
台風【号数】号の接近が予想されているため、【開催日】の【イベント名】の開催可否を、【判断日時】に判断し、本ページと【SNS】でお知らせいたします。
判断の基準は、【会場のある市町村】に【基準とする発表】が発表されているかどうか、および【路線名】の運行状況です。
ご来場予定の皆さまは、お出かけ前に必ず最新のお知らせをご確認ください。
⑤縮小開催(一部プログラム中止)
【イベント名】一部プログラム中止のお知らせ
【開催日】の【イベント名】は、【理由】のため、内容を縮小して開催いたします。
■中止するもの:【屋外ステージ】【キッチンカーエリア】
■予定どおり実施するもの:【屋内展示】【ワークショップ】
■開催時間:【変更後の時間】
■参加費:【中止したプログラムの参加費は返金いたします/入場料の変更はございません】
【雨天の場合:ご来場の際は、足元に十分ご注意ください。】
⑥予定どおり開催
【イベント名】開催のお知らせ
【判断日時】の時点で、あらかじめ定めた中止の基準に当てはまらないため、【開催日】の【イベント名】は予定どおり開催いたします。
当日は【雨具・防寒具】のご用意をお願いいたします。天候が急変した場合は、安全のため途中で中止することがございます。その際は場内放送と本ページでお知らせいたします。
⑦SNS(中止・短文)
【重要】【開催日】の【イベント名】は、【台風の接近】のため開催を中止いたします。参加費は全額返金いたします。返金方法とお問い合わせ先はこちらをご確認ください。【URL】
楽しみにしてくださった皆さま、申し訳ございません。
⑧現地掲示
本日の【イベント名】は
【理由】のため中止いたしました
ご来場いただいたのに申し訳ございません。
参加費の返金方法は、公式サイトでご案内しております。
【URL・二次元コード】
お問い合わせ:【窓口】
⑨場内アナウンス(開催中の途中中止)
ご来場の皆さまにお知らせいたします。天候の悪化により、安全を確保するため、本日の【イベント名】はこの時点で中止いたします。係員の案内に従い、【屋内・指定の場所】へ落ち着いて移動してください。走らずにお進みください。返金などのご案内は、後ほど公式サイトでお知らせいたします。
⑩参加者へのメール(判断の連絡・延期と返金の選択)
【お名前】様
【イベント名】にお申し込みいただき、ありがとうございます。
【開催日】の開催を延期することになりました。新しい日程は【日時】です。
お手数ですが、【期限】までに下記のどちらかをお選びください。
・新しい日程に参加する(手続き不要です)
・返金を希望する(【返信・フォーム】でお知らせください)
期限までにご連絡がない場合は、新しい日程へのご参加として承ります。
⑪出演者・取引先への第一報(電話・チャット)
【会社名】【お名前】様
【主催者名】の【担当者名】です。【イベント名】の件でご連絡いたしました。台風の接近により、【判断日時】に開催可否を判断いたします。判断結果は【連絡手段】ですぐにお伝えいたします。搬入・移動のご予定に影響がございましたら、お知らせいただけますでしょうか。キャンセルとなった場合の扱いは、契約書の条項に沿ってご相談させてください。
⑫協賛社への報告
【会社名】【部署】【お名前】様
いつもお世話になっております。【主催者名】の【担当者名】です。
ご協賛いただいております【イベント名】につきまして、【理由】のため、【開催日】の開催を中止することといたしました。一般への告知の前に、まずご報告いたします。
協賛金の扱いと掲出物につきましては、協賛契約の内容に沿って改めてご相談させていただけますでしょうか。【日付】までに、こちらからご連絡いたします。
多大なるご支援をいただきながら、このようなご報告となり、誠に申し訳ございません。
⑬問い合わせへの返信(返金について)
【お名前】様
お問い合わせいただき、ありがとうございます。
【イベント名】の参加費は、【決済方法】でお支払いいただいた方には【返金方法】にて、【時期】までに返金いたします。お手続きは不要です。
【時期】を過ぎても返金が確認できない場合は、お手数ですが本メールにご返信ください。
このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
⑭問い合わせへの返信(交通費・宿泊費について)
【お名前】様
お問い合わせいただき、ありがとうございます。
お申し込みの際にご案内しておりましたとおり、ご来場のための交通費・宿泊費は補償の対象外となっております。ご期待に沿えず申し訳ございません。
なお、交通機関や宿泊施設のキャンセルの扱いは各社の規定によりますので、ご予約先にご確認いただけますでしょうか。
注意
⑭は、申込時に「交通費・宿泊費は補償しない」と明示していた場合にだけ使えます。 明示していなかった場合は、返信する前に方針を決めてください。お詫びの文面はお詫びメール、延期の案内はイベント延期のお知らせでも詳しく扱っています。
返金とキャンセル料
ここは事前に決め、申込時に明示しておくべき部分です。中止が決まってから決めると、対応が揃いません。
- 参加費の返金方針——全額か、手数料を引くか
- 返金の方法(決済手段ごとに異なる)と時期
- 延期の場合——振替参加か、返金を選べるか。期限までに連絡がない場合の扱い
- 物販・事前購入分の扱い
- 参加者が負担した交通費・宿泊費——補償しないなら、申込時に明示しておく
- 取引先へのキャンセル料——契約書の条項を事前に把握
- すでに発生した費用(印刷物、制作物、搬入済み機材)
- 協賛金の扱い——返金か、次回充当か。協賛契約に書いてあるか
申込ページに書いておく文の例
【中止・延期について】
荒天・災害・感染症の流行など、主催者が安全に開催できないと判断した場合は、開催を中止または延期することがあります。判断は【開催日の前日◯時】までに本ページでお知らせします。
・中止の場合:参加費を全額返金します。
・延期の場合:新しい日程への参加か、返金かを選べます。
・ご来場のための交通費・宿泊費は補償の対象外です。
Point
申込ページに「中止時の扱い」を先に書いてください。 書いていないと、中止が決まってから1件ずつ判断することになります。一行あるかないかで、対応の負荷がまったく違います。
法律の原則(契約に定めがない場合)
民法第536条第1項は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。」と定めています。天候のようにどちらの責任でもない理由で開催できなくなった場合、民法の原則では、参加者は参加費の支払いを拒むことができる形になっています。 返金しない方針をとるなら、その根拠を申込時の規約に書いておく必要があります。
反対に、参加者の都合によるキャンセルにキャンセル料を定めるときは、消費者契約法第9条第1項第1号に注意してください。消費者との契約で、解除に伴う損害賠償の予定や違約金が、同種の契約の解除で事業者に生ずべき「平均的な損害の額」を超える部分は無効とされています(イベントの契約)。
中止したあとにやること
- 返金の実行と、完了の確認
- 取引先との精算
- 協賛社への報告(自分から先に連絡する)
- 外部の情報サイト・チケット販売先の掲載が「中止」に更新されたか確認
- 制作物・物品の保管(延期なら再利用する)
- 参加者データの扱い——延期しないなら保持する理由があるか(イベント後のデータ)
- 判断の経緯を記録——いつ、何を見て、誰が決めたか
- 問い合わせの内容を集計——次回の告知文に反映する
- 保険の請求——加入していれば(イベント保険)
Point
判断の経緯を記録してください。 いつ、どの情報を見て、誰が決めたか。あとから問われたときに、これがないと説明できません。 保険の請求でも、協賛社への説明でも使います。
よくある失敗
| 失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 基準が「危なければ中止」 | 当日に意見が割れ、判断が遅れる | 発表の種類と地域で基準を書く |
| 判断時刻を決めていない | 参加者が移動を始めてから中止になる | 移動開始から逆算して時刻を決め、予告する |
| 参加者への告知を先に出した | 出演者や取引先がSNSで中止を知る | スタッフ→取引先→協賛社→参加者の順 |
| 「詳細は追って」だけ | 問い合わせが集中する | 次の案内の日付を書く |
| 返金方針を書いていない | 1件ずつ判断し、対応が揃わない | 申込ページに中止時の扱いを書く |
| 外部サイトの掲載を放置 | 古い情報を見た人が来場する | 掲載先に更新を依頼し、現地に掲示と人を置く |
| 経緯を記録していない | 保険請求や協賛社への説明ができない | 判断時に時刻・情報・判断者を残す |
参加予定の方へ:中止かどうかを確かめる方法
- 01
主催者の公式サイトを見る
最も確実なのは主催者の発表です。 お知らせ欄やページ最上部を確認します。
- 02
主催者の公式SNSを見る
当日の判断は、サイトより先にSNSに出ることがあります。
- 03
チケット購入先のメール・マイページを見る
申込時のメールアドレス宛てに、中止や払い戻しの案内が届いていないか確認します。迷惑メールのフォルダも見てください。
- 04
会場の公式サイトを見る
会場が休館になっている場合は、会場側でも告知されます。
- 05
イベント情報サイトは補助として使う
情報サイトの掲載は、主催者の発表より後に更新されることがあります。最後は主催者の発表で確かめてください。
- 払い戻しの方法と期限(手続きが必要か、自動で返金されるか)
- 延期の場合、新しい日程に参加できるか
- 交通機関・宿泊施設のキャンセル(各社の規定を予約先で確認)
- 問い合わせ先と受付時間
この記事の要点
- 中止の判断が遅れる原因は、基準を決めていないこと。 企画段階で、判断する人・時刻・基準を決める。
- 基準は「会場のある市町村」の公的な発表で書く。 気象警報・注意報の基準は市町村ごとに決められている。
- 判断時刻は事前に予告する。 参加者が「いつ確認すればよいか」がわかる。
- 告知の順番は、スタッフ→取引先→協賛社→参加者→一般→現地。 関係者が外部から知る事態を防ぐ。
- 例文は判断前に用意しておく。 中止・延期・縮小・開催決定の4種類があれば、当日は差し替えるだけで済む。
- 申込ページに「中止時の扱い」を先に書く。 民法の原則では、どちらの責任でもない中止なら参加者は参加費の支払いを拒める形になっている。
FAQ
よくある質問
「危ないと感じたら」ではなく、会場のある市町村にどの発表が出たら、どの路線が運休したら、というように公的な発表で決めておきます。気象警報・注意報の基準は市町村ごとに決められているため、会場の市町村で見ることが大切です。どの区分にするかは、屋内か屋外か、仮設物があるか、遠方から来る人がいるかで主催者が決めます。あわせて判断する人と代理、判断する時刻、通常開催・縮小開催・延期・中止の段階を決め、関係者に事前に共有してください。
企画段階で「開催◯時間前」と時刻を決めておいてください。来場者の移動開始時刻から逆算します。遠方から来る人がいる場合や仮設物がある場合は、前日判断が必要なこともあります。台風が近づいているときは、判断する時刻をあらかじめ参加者に予告しておくと、問い合わせが減ります。
中止か延期か、対象の回と日、理由、判断した日時、参加費の扱い(返金の有無・方法・時期)、預かった個人情報の扱い、問い合わせ先と受付時間、次の案内がいつ出るかの8点です。「詳細は追ってご案内します」だけで終わらせず、いつ案内するかを書いてください。この記事の例文①〜⑭は、【 】を差し替えるだけで使えます。
運営スタッフ・出演者、会場やケータリングなどの取引先、協賛社、申込者、一般公開、現地対応の順です。スタッフと取引先はすでに移動や搬入を始めているため電話で連絡します。イベント情報サイトやチケット販売先に掲載している場合は、そちらにも更新を依頼してください。告知を見ずに来てしまう人は必ずいるので、会場前に掲示を出し人を配置します。
代わりの日程で会場・出演者・取引先がそろう見込みがあるなら延期、見込みがないなら中止が判断しやすい分け方です。延期にする場合は、新しい日程に参加できない人への返金を必ず用意し、日程が未定でも「いつまでに知らせるか」を書いてください。
方針を事前に決め、申込ページに明示しておいてください。民法第536条第1項では、当事者双方の責めに帰することができない事由で債務を履行できなくなったとき、債権者は反対給付の履行を拒むことができるとされています。天候による中止で返金しない方針をとるなら、その根拠を規約に書いておく必要があります。個別の扱いは契約内容で変わるため、迷う場合は専門家に確認してください。
消費者との契約では、消費者契約法第9条第1項第1号により、解除に伴う損害賠償の予定や違約金のうち、同種の契約の解除で事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効とされています。金額は、実際に発生する費用をもとに決めてください。
契約ごとに異なるため、各取引先のキャンセル条項を事前に一覧にしておいてください。会場、ケータリング、施工、機材、人材で、何日前から何パーセント発生するかが違います。この一覧は、中止の判断時刻を決めるときの材料にもなります。
まず誘導と安全確保を優先し、案内は短くします。場内放送では、中止すること、どこへ移動するか、係員の指示に従うことだけを伝え、返金などの案内は後で公式サイトに出します。途中中止の基準(雷や強風など)も、開催前の判断基準と一緒に決めておいてください。
主催者の公式サイトと公式SNS、チケット購入先からのメールやマイページを確認してください。会場の公式サイトに休館の告知が出ることもあります。イベント情報サイトの掲載は主催者の発表より後に更新されることがあるため、最後は主催者の発表で確かめるのが確実です。