地域イベント
クラフトフェアの企画方法
募集要項・出展審査・区画割りと当日の運営
結論:クラフトフェアの企画は「①テーマと会場条件 → ②募集要項 → ③出展審査 → ④区画割り → ⑤告知と来場者向けの企画 → ⑥当日の運営 → ⑦振り返り」の順に決めます。最初に固めるのは、何を「作品」と認めるかと、会場の電源・給排水・火気・雨天の条件の二つです。この二つが決まらないと募集要項が書けず、要項が書けないと出展者を選ぶ理由も説明できません。このページでは、決めることの表、企画から開催までの手順、募集要項の項目と例文、審査シート、出展料の決め方、区画割り、来場者向けの企画、出展者への最終案内の例文、当日の運営、よくある失敗の順に整理します。マルシェ全体の開催の流れはマルシェの開催方法、募集文の書き方の基本は出店者募集の文章と募集要項にもまとめています。
結論
クラフトフェアは、作り手が自分で制作した作品を、作り手自身が展示・販売する催しです(このページでの扱い)。食や雑貨を広く集めるマルシェと違い、「どんな作り手の作品が並ぶか」が来場の理由になるため、主催者の仕事の中心は作品の定義・選考の基準・区画の割り方を決め、それを募集要項と出店規約に書いて守ってもらうことです。
結論:募集の前に決めること(決める期限つき)
後から動かせなくなる順に並べています。上の行ほど早く決めてください。期限は「何の締切に間に合わせるか」で書いています。日数は会場や規模で変わるため、自分の案件の締切に置き換えてください。
| 決めること | 判断の基準 | いつまでに(何に合わせるか) |
|---|---|---|
| テーマと規模 | どんな作り手と来場者に来てほしいか。区画数の上限は会場の広さと通路で決まる | 会場の予約・使用申請 |
| 会場の条件 | 屋内か屋外か、電源・給排水・火気の可否、搬入車両と駐車場、二日開催なら荷物を残せるか | 会場の予約・使用申請 |
| 作品の定義 | 出展者自身が作ったものに限るか、材料の加工の程度、仕入れ品・キット・中古品の扱い | 募集要項の公開 |
| ジャンルと配分 | テーマに合うジャンルと、ジャンルごとの区画数 | 募集要項の公開 |
| 区画の種類と出展料 | 区画の広さを何段階にするか、机・椅子の貸出、実演やワークショップをする出展者の扱い | 募集要項の公開 |
| 選考の基準と審査の体制 | 何を見て、誰が、どう決めるか。利害関係のある人の扱い | 募集要項の公開 |
| 禁止事項と規約 | 権利・転売・配信販売・火気・音・におい・排水・撮影のルール | 募集要項の公開 |
| 雨天・荒天の扱い | 屋外は雨天決行か、中止の判断を誰がいつするか、出展料の扱い | 募集要項の公開 |
| 結果の連絡日と区画の決め方 | いつ連絡するか、区画を主催者が決めるか希望を聞くか | 募集要項の公開 |
| 来場者向けの企画 | 実演・ワークショップ・トーク・音楽・飲食・まちなかとの連動 | 告知物の入稿 |
Point
募集要項は「落とす理由」と「断る理由」を説明できる形で書いてください。「雰囲気が合わない」では、落選した人にも、当日規約に合わない出品をした人にも説明できません。審査シートの項目と同じ言葉で要項に書くと、結果の連絡や当日の注意でも同じ言葉が使えます。
クラフトフェア・マルシェ・フリマの違い
企画の重心がどこにあるかを比べると、クラフトフェアで主催者が手間をかける場所が見えます。呼び方に決まった定義はないため、このページでの整理です。
| 比べる点 | クラフトフェア | マルシェ | フリーマーケット・蚤の市 |
|---|---|---|---|
| 並ぶもの | 出展者自身が制作した作品 | 食品・農産物・雑貨など幅広い | 使わなくなった物、中古品 |
| 来場の理由 | 作り手と作品そのもの | 買い物と飲食、場の雰囲気 | 掘り出し物、安さ |
| 主催者が重く見る点 | 作品の定義、選考、ジャンルの配分 | 出店の幅と飲食の手続き | 出店者の数と区画の回転 |
| 選考 | 審査で選ぶことが多い | テーマに合えば先着の場合もある | 先着・抽選が中心 |
| 気をつける法令の例 | 権利(著作権・商標)、価格の総額表示 | 食品の手続き(保健所)、火気(消防) | 古物営業法(中古品の買い取りなど) |
企画から開催までの手順
冒頭の7段階を、実際の作業の順に9つに分けると次のようになります。
- 01
テーマと規模を決める
「誰に、何を見てもらう催しか」を一文で書きます。区画数は会場図に通路と非常口を引いてから数えます。
- 02
会場を押さえ、条件を確認する
電源・給排水・火気・搬入・駐車場・雨天時の扱いを、会場の担当者と書面で確認します(次の章の表)。
- 03
運営の体制を決める
実行委員会やスタッフの役割(募集・審査・会場・告知・当日の本部)を分けます。ボランティアで運営する場合の考え方はボランティアの集め方と運営を参照してください。
- 04
予算と出展料を決める
会場費・備品・告知・保険・スタッフの経費を出し、出展料と協賛でどこまでまかなうかを決めます(後述)。
- 05
募集要項を作り、募集する
要項の項目は下の表のとおりです。応募フォームには規約への同意欄を付けます。
- 06
審査し、結果を連絡する
審査シートで記録し、要項に書いた日に結果を連絡します。
- 07
区画を割り、出展者へ最終案内を送る
区画番号入りの会場図と、搬入・撤収・緊急連絡先をまとめて送ります。
- 08
告知する
出展者の一覧と会場マップを公開します。作り手の名前と作品の写真が、来場の一番の理由になります。
- 09
当日を運営し、振り返る
審査シート・出展者の声・来場者の声を並べ、次回の基準を文書で更新します。
全体の日程を逆算で組む方法はイベントのスケジュール管理、予算の組み方はイベント予算の立て方にまとめています。
会場の条件で確認すること
クラフトの実演やワークショップは、電源・水・火を使うことがあります。会場で使えないものを要項に「使える」と書くと、当日に出展者が作業できません。次の表を会場の担当者との打ち合わせに使ってください。
| 確認すること | 確認の中身 | 要項にどう書くか |
|---|---|---|
| 電源 | 区画ごとに使えるか、使える容量、延長コードの可否、ポータブル電源の可否 | 「電源の供給あり/なし」「ポータブル電源は可/不可」を明記 |
| 給排水 | 水を使える場所、流してよいもの・いけないもの(絵の具、染料、粘土を洗った水など) | 排水できる場所と、流せないものの例を列挙 |
| 火気・熱源 | 火気使用器具の可否、事前申請、消火器の準備 | 使う場合は事前申請が必須であること、消火器を用意すること |
| 屋内と屋外 | 区画の広さ、テントの有無、風・日差し・雨の影響 | 屋内・屋外で区画の条件を分けて書く |
| 雨天・荒天 | 屋外は雨天決行か、中止の判断基準と連絡方法 | 判断する人・判断の時刻・連絡手段・出展料の扱い |
| 搬入と駐車場 | 車両の横付けの可否、搬入できる時間帯、出展者用・来場者用の駐車場 | 搬入の時間帯と停車位置。駐車場を用意しない場合はそう書く |
| 二日以上の開催 | 夜間に荷物を会場に残せるか、施錠と警備 | 残置の可否と、盗難・破損の責任の扱い |
| 音・におい | 実演の音、塗料や樹脂のにおい、近隣への影響 | 騒音・強いにおいが出る作業の扱い |
注意
火気の扱いは自治体の火災予防条例で決まり、自治体ごとに異なります。例えば東京都では、火気使用器具等を使う露店等は開設の3日前までに消防署長へ届け出ることになっており、火気使用器具等を使う場合は消火器の準備が必要です(東京消防庁「多数の者が集合する催しの火災予防」)。会場のある自治体の消防署に確認してください。詳しくは催し物の消防への届出で整理しています。
募集要項に書く項目と例文
募集要項は、出展者が「応募するか」を決める材料であり、主催者が「断る・注意する」根拠でもあります。次の項目を、上から順に書いてください。
| 項目 | 書くこと | 抜けると起きること |
|---|---|---|
| 催しの名前とテーマ | どんな作り手と作品を集めたいか | テーマに合わない応募が増え、審査の手間が増える |
| 開催日・時間・会場 | 日ごとの開場時刻、屋内・屋外で時間が違う場合は分けて | 搬入・撤収の時刻で問い合わせが集中する |
| 作品の定義と募集ジャンル | 自作に限るか、仕入れ品・キット・中古品の扱い、ジャンルの一覧 | 当日に仕入れ品が並び、断る根拠がない |
| 区画の種類と出展料 | 区画の広さ、机・椅子の有無と貸出、共用机の場合はその旨 | 「思ったより狭い」「机がない」という当日の苦情 |
| 募集期間と結果の連絡日 | 締切日と、結果をいつ・どの方法で知らせるか | 結果待ちの問い合わせが続く |
| 選考の方法 | 審査で選ぶこと、見る点(テーマとの合致、自作か、ジャンルの枠) | 落選の理由を聞かれて答えられない |
| 申込方法 | 応募フォーム、提出してもらう写真(作品・制作工程・ブース) | 審査に必要な材料が集まらない |
| 会場の条件 | 電源・給排水・火気・駐車場・荷物の残置(前章の表) | 当日に作業ができない出展者が出る |
| 禁止事項 | 権利侵害品、転売目的の出品、無許可の配信販売、通路へのはみ出し、騒音・におい | 当日の注意に根拠がない |
| 雨天・中止とキャンセル | 雨天決行か、中止の判断、出展者都合のキャンセル、出展料の扱い | 返金をめぐる揉め事 |
| 問い合わせ先 | 連絡先と受付時間 | 個人の連絡先に問い合わせが届く |
募集文の例文(告知ページ・SNS用)
【募集のお知らせ】◯◯クラフトフェア(◯月◯日・◯◯会場)の出展者を募集します。対象は、作品の制作から当日の接客・販売までを作り手ご本人が行う方です。募集ジャンルは陶磁・木工・ガラス・金属・革・布・紙・アクセサリーほか。応募は◯月◯日まで、審査のうえ◯月◯日までに結果をお知らせします。募集要項と応募フォームは下記からご覧ください。
【実演・ワークショップの出展者を募集】会場で制作の実演や、来場者向けのワークショップをしていただける方を募集します。応募フォームの「実演・ワークショップ」欄に、内容・所要時間・使う道具(電源・水・火の有無)をご記入ください。会場の条件によってはお受けできない場合があります。
【締切前のお知らせ】◯◯クラフトフェアの出展募集は◯月◯日で締め切ります。ジャンルごとに区画数に限りがあるため、応募多数の場合は審査となります。ご応募をお待ちしております。
区画の種類と出展料の決め方
出展料の金額は会場費や規模で大きく変わるため、相場ではなく自分の催しの経費から逆算して決めてください。
- 01
経費を出す
会場費、机・椅子・テントの手配、告知物、保険、スタッフの交通費や食事、備品など、開催に必要な経費を書き出します。
- 02
出展料以外の収入を差し引く
協賛金、助成、物品の提供など、出展料以外でまかなえる分を引きます。協賛の集め方は協賛の集め方を参照してください。
- 03
区画の大きさで重みを付ける
残りを区画数で割るだけでなく、広い区画ほど負担を大きくし、小さい区画や共用机の区画を用意すると、始めたばかりの作り手も応募しやすくなります。
- 04
割引や加算の条件を決める
実演やワークショップで会場を盛り上げてくれる出展者の出展料を下げる、机・椅子の貸出を有料にする、など。条件は要項に書きます。
- 05
中止・キャンセルのときの扱いを決める
主催者都合の中止、雨天中止、出展者都合のキャンセルで、出展料をどうするかを分けて書きます。
| 区画の種類(例) | 向いている出展者 | 要項に書くこと |
|---|---|---|
| 共用机の小区画 | 作品点数が少ない、初めて出る作り手 | 机を他の出展者と共用すること、置ける範囲 |
| 机一台分の区画 | 小物・アクセサリー・器など | 区画の間口と奥行、机・椅子の有無 |
| テントを立てられる区画 | 大きな作品、屋外での陳列 | テントの持ち込みか貸出か、重りの要否 |
| 実演・ワークショップ区画 | 制作の実演、体験を行う出展者 | 電源・水・火の可否、人が溜まる前提の広さ |
注意
価格の表示について、消費税法第63条は、課税事業者が不特定かつ多数の者に販売する場合に、あらかじめ価格を表示するときは消費税額等を含めた総額で表示するよう定めています。出展者向けの規約に「価格は税込の総額で表示する」と書いておくと、会場内の表示がそろいます。
選考の基準と審査シート
審査シートは、応募1件につき1行で、項目ごとに記録します。点数を付けるかどうかは任意ですが、「なぜ選んだか・なぜ見送ったか」を後から説明できる記録にしてください。表計算ソフトに次の列を作れば、そのまま使えます。
| 列(項目) | 見ること | 確認の方法 | 記録の書き方の例 |
|---|---|---|---|
| テーマとの合致 | 要項に書いたテーマに作品が合っているか | 作品写真と説明文 | 合う/一部合う/合わない |
| 出展者自身の制作か | 作品の定義に合っているか | 制作工程の写真や説明 | 工程写真あり/説明のみ/確認できない |
| ジャンル | どのジャンルの枠に入るか | 応募時に自分で選んでもらう | 陶磁・木工など一つ |
| ブースの見せ方 | 区画の条件で陳列が成り立つか | 過去のブース写真 | 区画に収まる/広い区画が必要 |
| 会場の条件 | 電源・水・火が要るか | 応募フォームの記入 | 不要/電源/水/火(申請要) |
| 規約への同意 | 出店規約を読み、同意しているか | 応募フォームの同意欄 | 同意あり/なし |
| 過去の出展 | 自分たちの催しでの過去の実績(あれば) | 前回の記録 | 新しい作り手を排除しないよう扱いを決めておく |
| 結果と理由 | 選んだ・見送った理由 | 審査会での合議 | 上の列の言葉で一行 |
審査の進め方
- 01
審査する人を決める
複数人で行うと、判断の偏りを減らせます。応募者と利害関係のある人(知人・取引先)は、その応募の審査から外れるルールにします。
- 02
要項の基準だけで一次の判断をする
テーマとの合致、作品の定義、規約への同意。ここで外れる応募は、理由がはっきりしています。
- 03
ジャンルの枠で並べる
一次を通った応募をジャンルごとに並べ、枠を超えたジャンルは審査シートの記録を元に絞ります。
- 04
補欠を決めておく
辞退や欠席に備え、ジャンルごとに補欠の順番を決めておくと、連絡が早くなります。
- 05
結果と理由を記録し、連絡する
選んだ理由・見送った理由を、審査シートの言葉で一行ずつ残してから連絡します。
注意
審査の記録には応募者の個人情報が含まれます。保管する場所と、誰が見られるかを決めてください。考え方は名簿の管理で整理しています。
結果連絡の例文
結果は要項に書いた日に、全員へ同じ方法で連絡します。見送りの連絡には、要項の言葉で理由を一言添えると、次回の応募につながります。
【出展決定】◯◯様 このたびは◯◯クラフトフェアにご応募いただき、ありがとうございました。審査の結果、ご出展をお願いすることになりました。出展料のお支払い方法と期限、区画の決め方は添付の案内をご確認ください。区画番号と当日の詳しいご案内は、◯月◯日ごろにお送りします。
【見送り】◯◯様 このたびは◯◯クラフトフェアにご応募いただき、ありがとうございました。今回は応募が多く、◯◯のジャンルは募集枠を超えたため、審査の結果、ご出展をお見送りすることになりました。ご期待に沿えず申し訳ありません。次回の募集もご案内いたしますので、よろしければまたご検討ください。
【補欠のご案内】◯◯様 このたびはご応募いただき、ありがとうございました。審査の結果、◯◯ジャンルの補欠として登録いたしました。辞退が出た場合は◯月◯日までにご連絡します。ご出展いただけるかどうかを、その時点でお知らせいただけますと幸いです。
ジャンルの配分と区画割り
区画割りは、出展者の満足と来場者の回遊の両方に関わります。次の順に会場図の上で決めてください。
- 01
動かせない区画を先に置く
電源が要る、水回りの近くが要る、火気を使う、車の横付けが要る、といった条件のある区画を先に決めます。
- 02
同じジャンルを隣り合わせない
同じジャンルが並ぶと、来場者がその場で見比べることになり、出展者から不満が出ることがあります。ジャンルを交互に並べます。
- 03
人が集まる区画を分散させる
ワークショップや実演の区画は人が溜まります。入口の近くや通路の狭い場所を避け、会場の奥や広い場所に置くと、来場者が奥まで歩くきっかけにもなります。
- 04
通路と非常口を確保する
区画を詰めすぎず、通路の幅と非常口の前を空けます。配置の考え方は会場レイアウトの決め方を参照してください。
- 05
区画番号を振り、出展者に通知する
区画番号の入った会場図を、出展者への最終案内に付けます。同じ図を来場者向けの会場マップにも使います。
ジャンルの区分は、例えば次のように分けると、応募者が自分で選びやすくなります。
- 陶磁器・やきもの
- 木工・木の道具
- ガラス
- 金属・金工
- 革・皮革小物
- 布・染め・織り・衣類
- 紙・製本・版画
- 編み・かご
- アクセサリー
- その他(ジャンルに当てはまらないもの)
Point
区画の希望を聞く場合は、「希望は参考にしますが、最終的には主催者が決めます」と要項に書いておくと、配置への不満を減らせます。
出店規約に書くこと
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 作品の定義 | 出展者自身が制作したものに限るか、仕入れ品の扱い、材料・キットの扱い |
| 権利 | 他人の著作物・キャラクター・ロゴ・商標を権利者の許諾なく使った作品は出品できないこと |
| 販売のルール | 価格は税込の総額で表示すること、領収書の扱い、販売できる時間 |
| 転売と配信販売 | 転売目的の購入や、会場からの無許可の配信販売(ライブ配信での販売)を認めるか。来場者による行為への対応も書く |
| 食品・化粧品などの扱い | 扱える品目とその条件(保健所などへの確認が要るものは別に定める) |
| 中古品・買い取り | 中古品の販売や会場での買い取りを認めるか |
| ブースの使い方 | 区画からはみ出さない、通路に物を置かない、火気・音・におい・排水の扱い |
| 撮影と写真の利用 | 主催者が会場を撮影し、告知に使うこと。来場者が作品を撮影するときのルール |
| 事故と保険 | ブースでの事故や作品による事故の責任の扱い、出展者に保険への加入を求めるか(イベント保険) |
| 盗難・破損 | 会場に残した荷物や作品の盗難・破損の責任の扱い |
| キャンセルと出展料 | 出展者都合のキャンセル、雨天・中止時の出展料の扱い |
| 規約違反のとき | 主催者が出品の取りやめや退場を求められること |
中古品や買い取りを扱う場合
古物営業法第2条第1項は、古物を「一度使用された物品」のほか「使用されない物品で使用のために取引されたもの」なども含めて定義しています。また同法第14条第1項は、古物商が営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外の場所で、買い受けるため古物商以外の者から古物を受け取ってはならないとし、仮設店舗で営む場合に、あらかじめ日時及び場所を管轄の公安委員会に届け出たときを除くとしています。作品の販売とは別の扱いになるため、中古品の販売や会場での買い取りを認めるかは、規約で決めておいてください。個別の当てはめは警察(公安委員会)に確認します。詳しくはフリマ・蚤の市と古物営業法で整理しています。
食品を扱う出店者がいる場合
焼き菓子やジャムなど、食品を扱う出店者がいる場合は、行事の種類や出店期間によって必要な手続きが異なるため、保健所への事前相談が前提になります。イベント出店の保健所手続きとイベントの食品表示を確認してください。
来場者向けの企画と告知
クラフトフェアの来場者は、作品を買うだけでなく、作り手と話し、作る様子を見に来ます。区画の販売に加えて、次のような企画を組み合わせると、滞在時間が延び、次回の来場にもつながります。
| 企画 | ねらい | 準備で気をつけること |
|---|---|---|
| 制作の実演 | 作る工程を見せ、作品の価値を伝える | 人が溜まる前提の区画、音・火・水の条件 |
| ワークショップ | 来場者が体験し、作り手を覚えてもらう | 定員・予約の方法・材料費の扱い。進め方はワークショップの運営 |
| 作り手のトーク | 作り手の考えを伝え、ファンをつくる | 席の数、音響、時間割 |
| 音楽の演奏 | 会場の雰囲気づくり | 楽曲の権利の扱い(イベントの音楽利用)、出展者の接客への音量の影響 |
| 飲食 | 休憩の場をつくり滞在を延ばす | 保健所の手続き、火気の届出、ゴミの扱い |
| まちなかとの連動 | 周辺の店舗や施設と回遊をつくる | 参加店の募集方法、共通のマップ |
告知のチェックリスト
- 出展者の一覧(名前・ジャンル・作品写真)を公開した。写真の掲載は出展者の了承を取った
- 区画番号入りの会場マップを公開した
- 開催日・時間・会場・アクセス・駐車場の有無を一か所にまとめた
- 雨天時の扱いと、当日の開催判断をどこで知らせるかを書いた
- 実演・ワークショップの時間割と予約の方法を書いた
- 出展者が自分の告知に使える画像や文面を渡した
会場での撮影と写真の扱いはイベント写真のSNS掲載、駐車場の計画はイベントの駐車場計画を参照してください。
出展者への最終案内の例文
最終案内は、当日の問い合わせを減らすための文書です。区画番号入りの会場図と一緒に送ります。
【◯◯クラフトフェア 出展者の皆さまへの最終のご案内】
■区画番号:◯◯(添付の会場図をご確認ください)
■搬入:◯月◯日◯時〜◯時。車両は◯◯に停めて荷下ろしをし、荷下ろし後は◯◯へ移動してください。
■受付:到着したら本部(◯◯)で受付をし、区画番号の札をお受け取りください。
■開場・終了:◯時開場、◯時終了。終了の合図があるまで片付けを始めないでください。
■撤収:◯時までに区画を空けてください。ゴミはお持ち帰りください。
■電源・水・火:お申し込み時の内容のとおりです。変更がある場合は◯月◯日までにご連絡ください。
■雨天時:開催の判断は当日◯時までに、◯◯でお知らせします。
■緊急連絡先:◯◯(当日の本部)
- 区画番号入りの会場図を添付した
- 搬入の時間帯・停車位置・荷下ろし後の移動先を書いた
- 受付の場所と、受け取るもの(区画番号の札など)を書いた
- 開場・終了・撤収の時刻と、片付けを始めてよい合図を書いた
- 電源・水・火の申請内容と、変更の締切を書いた
- 雨天時の判断の時刻と連絡方法、緊急連絡先を書いた
当日の運用:役割・連絡・アナウンス
役割
| 役割 | やること |
|---|---|
| 出展者受付 | 到着の確認、区画番号の案内、欠席の把握 |
| 搬入誘導 | 車両の停車位置と時間の管理。搬入の車両が来場者の動線と交差しないようにする |
| 巡回 | 区画のはみ出し、通路の物、規約に合わない出品、火気・排水のルールの確認。出展者の困りごとを聞く |
| 案内所・本部 | 来場者の問い合わせ、迷子・落とし物、出展者からの連絡の受け皿、雨天時の判断 |
| ワークショップ・実演の見回り | 人が溜まっていないか、通路を塞いでいないか |
連絡のルール
- 規約に合わない出品を見つけたら:巡回はその場で強く指摘せず、本部に伝える。本部の責任者が出展者と話す
- 出展者の欠席:出展者受付→本部。空いた区画をどう見せるか(案内を置く、隣の区画を広げる)を判断する
- 天候の悪化:本部が判断し、出展者に一斉に連絡する。屋外の判断の考え方は屋外イベントの雨天対応
- 来場者の転売・無許可の配信販売:巡回が本部に伝え、本部の責任者が規約に沿って声をかける
アナウンス・案内の文例
【出展者向け・開場前】出展者の皆さまへ。まもなく開場です。区画からはみ出した什器や荷物は、区画の内側にお収めください。困りごとは本部(◯◯)までお知らせください。
【来場者向け・開場】本日は◯◯クラフトフェアにお越しいただき、ありがとうございます。作品の撮影は、出展者にひと声おかけのうえお願いいたします。会場マップは案内所でお配りしています。
【ワークショップの案内】まもなく◯◯区画で◯◯のワークショップを始めます。参加を予約された方は、◯◯区画の前にお集まりください。通路は空けてお待ちください。
【雨天時】雨が強くなってまいりました。屋外の出展者の皆さまは、作品と什器の雨よけをお願いいたします。開催を続けるかどうかは、◯時に本部からお知らせします。
【終了の予告】まもなく終了の時刻です。お買い物がお済みでない方は、お早めにお求めください。出展者の皆さまは、終了の合図があるまで片付けを始めないようお願いいたします。
よくある失敗
| 失敗 | 起きる理由 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 落選の理由を説明できない | 基準を決めずに審査した | 要項に基準を書き、審査シートの言葉で記録する |
| 当日に実演ができない出展者が出る | 電源・水・火の条件を要項に書かなかった | 会場の条件を要項に書き、応募時に必要なものを申告してもらう |
| 同じジャンルが固まり出展者から不満が出る | 到着順や希望順に区画を決めた | ジャンルを交互に並べる区画割りにする |
| 仕入れ品やキャラクターものが並ぶ | 作品の定義と権利の規約がない | 規約に書き、応募時に同意を取る |
| 雨天中止の出展料で揉める | 中止とキャンセルの扱いを書かなかった | 主催者都合・雨天・出展者都合に分けて要項に書く |
| ワークショップの前で通路が詰まる | 人が溜まる区画を入口近くに置いた | 広い場所や会場の奥に置く |
| 流してはいけない水が排水される | 排水のルールを伝えていない | 流せるもの・流せないものを要項と最終案内に書く |
| 終了前に片付けが始まり会場が寂しくなる | 撤収の合図を決めていない | 最終案内とアナウンスで終了の合図を伝える |
| 基準が毎回変わり常連と新規で不公平が出る | 振り返りで基準を見直していない | 終了後に審査シートと出展者の声を見て、次回の基準を文書で更新する |
終わった後の振り返り
- 出展者に、区画・搬入・案内についての感想を聞いた(アンケートの作り方)
- 欠席・辞退の数と理由、補欠の繰り上げがうまくいったかを記録した
- 規約に合わない出品や、当日の注意の件数と内容を記録した
- ジャンルの配分と、人の流れが偏った場所を会場図に書き込んだ
- 次回の募集要項で変える点を文書にまとめた
- 審査の記録など個人情報を含む資料の保管・廃棄を決めた
この記事の要点
- 企画は、テーマと会場条件→募集要項→審査→区画割り→告知と来場者向け企画→当日→振り返りの順に決める。
- 電源・給排水・火気・雨天・搬入・荷物の残置を会場と確認し、使える・使えないを要項に書く。
- 募集要項には、作品の定義・区画と出展料・選考の方法・禁止事項・中止とキャンセルの扱いを書く。
- 審査は審査シートで記録し、選んだ理由・見送った理由を要項と同じ言葉で残す。補欠も決めておく。
- 区画割りは、条件のある区画→同ジャンルを離す→人が溜まる区画を分散→通路と非常口、の順。
FAQ
よくある質問
テーマ(どんな作り手と作品を集めるか)と、会場の条件(電源・給排水・火気・雨天・搬入)です。この二つが決まると、作品の定義・区画の種類・禁止事項が書けるようになり、募集要項を作れます。
決まった定義はありませんが、このページでは、出展者自身が制作した作品を中心に並べる催しをクラフトフェアとして扱っています。作品の定義と選考の基準が来場の理由に直結するため、募集の前にそれを決める比重が大きくなります。
催しの名前とテーマ、開催日・時間・会場、作品の定義と募集ジャンル、区画の種類と出展料、募集期間と結果の連絡日、選考の方法、申込方法、会場の条件、禁止事項、雨天・中止とキャンセルの扱い、問い合わせ先です。このページの表をそのまま項目の一覧として使えます。
相場ではなく、自分の催しの経費から逆算して決めます。会場費・備品・告知・保険・スタッフの経費から協賛などの収入を引き、区画の大きさで負担に差を付けます。小さい区画や共用机の区画を用意すると、始めたばかりの作り手も応募しやすくなります。
テーマとの合致、出展者自身の制作か、ジャンルの枠、ブースの見せ方、会場の条件、規約への同意のように、落選の理由を説明できる項目で決めます。要項と審査シートで同じ言葉を使うと、結果の連絡でもそのまま説明できます。
主催者が作品の定義として決め、募集要項と出店規約に書いておけば、その基準で判断できます。基準を書かずに当日になって断ると揉めるため、応募時に同意を取っておいてください。
希望を聞くこと自体はできますが、電源などの条件、ジャンルの並び、人が溜まる区画の分散を考えると、主催者が最終的に決める形にしたほうが会場全体が回ります。希望は参考にすると要項に書いておくと、配置への不満を減らせます。
雨天決行か、どの程度の荒天で中止にするかを、判断する人・判断の時刻・連絡の方法とあわせて募集要項に書いておきます。中止のときの出展料の扱いも分けて書いてください。当日は本部が判断し、出展者に一斉に連絡します。
まず会場が火気を認めているかを確認します。火気の扱いは自治体の火災予防条例で決まり、例えば東京都では火気使用器具等を使う露店等は開設の3日前までに消防署長へ届け出ることになっています。会場のある自治体の消防署に確認し、消火器の準備も求めてください。
まず規約で中古品の販売を認めるかを決めてください。古物営業法は古物の定義や、仮設店舗での古物の受け取りについて定めており、出店者が許可や届出を要するかの当てはめは個別の事情によります。判断は警察(公安委員会)に確認してください。