許認可
イベントの食品表示
必要な項目・ラベル例・アレルギー対応
結論:容器包装に入れた加工食品を販売するなら、食品表示基準に沿ったラベルが必要です。席を設けて食べてもらう形は、生食用牛肉の第40条を除いて基準が適用されません。注文を受けてその場で調理して渡す屋台も、容器包装に入れた加工食品の販売に当たらなければ第3条の義務表示はかかりません。 包装して売る場合でも、製造した場所で売る・無料で配る・小さな袋に入れるといった条件で省略できる項目が変わります。ただしアレルゲン(特定原材料)は、酒類を除き、これらの省略規定に入っていません。 特定原材料はカシューナッツを含む9品目です。この記事では、項目の一覧、そのまま使えるラベル様式、店頭POPと案内の例文、主催者のチェックリストまでを条文から整理します。
結論
食品表示法第5条は「食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならない」と定めています。食品表示基準(内閣府令)第1条は、加工食品・生鮮食品・添加物を販売する場合に適用するとしたうえで、「加工食品又は生鮮食品を設備を設けて飲食させる場合には、第四十条の規定を除き、適用しない」としています。表示事項を定める第3条の対象は容器包装に入れられた加工食品です。
30秒でわかる:渡し方別の早見表
イベントでの食品の出し方を6つに分け、食品表示基準のどの条文が関わるかを並べました。同じメニューでも、渡し方が違えば当てはまる条文が違います。
| 出し方 | 表示の扱い(条文) | 最低限やること |
|---|---|---|
| 市販の包装品をそのまま売る(ペットボトル・袋菓子など) | 表示が付いた状態で仕入れた食品を、そのまま売る形 | 表示が付いたまま売る。開封・小分けしない |
| 自分の工房・委託先で作って包装した品を売る(焼菓子・ジャムなど) | 第3条の義務表示の対象(容器包装に入れられた加工食品の販売) | 下のラベル様式Aで全項目を表示 |
| 会場の出店ブースで作り、その場で包装して売る | 第5条「食品を製造し、又は加工した場所で販売する場合」に当たれば一部省略可 | ラベル様式B。アレルゲン・期限・保存方法は残る |
| 包装した食品を無料で配る(試食パック・ノベルティ) | 第5条「不特定又は多数の者に対して譲渡(販売を除く。)する場合」として一部省略可 | ラベル様式Bと同じ項目。市販品なら表示付きのまま配る |
| 注文を受けて調理し、その場で渡す(焼きそば・クレープなど) | 容器包装に入れた加工食品の販売に当たらなければ第3条の対象外 | 義務表示はないが、原材料を聞かれたら答えられる準備をする |
| 席を用意して食べてもらう(フードコート・懇親会) | 第1条ただし書:第40条を除き基準を適用しない | 生食用牛肉を出すなら第40条の掲示。それ以外はPOP等の任意案内 |
Point
迷ったら「その食品は、包装された状態で客の手に渡るか」を考えてください。 包装されて渡るなら、表示の確認が必要です。どの類型に当たるかの最終判断は、包み方・渡し方・作る場所を具体的に説明して、管轄の保健所に確認してください。
注意
表示と、保健所の営業許可・届出は別の論点です。 営業許可は食品衛生法の論点で、イベントで飲食を出すときの保健所手続きに整理しています。両方必要になることが普通です。管轄の保健所の出店案内に、行事で販売できる食品の条件が書かれていることもあるので、あわせて確認してください。
包装して販売する食品に必要な表示項目
基準第3条第1項の表が、容器包装に入れられた加工食品(一般用加工食品)を販売する際の表示事項を定めています。アレルゲンと原料原産地名は第3条第2項です。右の2列は、第5条(製造した場所での販売・無料配布)と第3条第3項(表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下)で省略できるかどうかです。
| 表示事項 | 書き方の要点(条文) | 製造した場所で販売/無料配布(第5条) | 小袋:30平方センチメートル以下(第3条第3項) |
|---|---|---|---|
| 名称 | その内容を表す一般的な名称 | 必要 | 必要 |
| 保存の方法 | 食品の特性に従って表示 | 必要 | 必要(ただし常温で保存すること以外に留意事項がないものは、大きさを問わず第3条第3項で省略可) |
| 消費期限又は賞味期限 | 劣化しやすい食品は消費期限、それ以外は賞味期限。年月日の順 | 必要 | 必要 |
| 原材料名 | 原材料に占める重量の割合の高いものから順に | 不要 | 省略可 |
| 添加物 | 添加物に占める重量の割合の高いものから順に物質名 | 必要 | 省略可 |
| 内容量 | グラム・ミリリットル・個数等、単位を明記 | 不要 | 省略可 |
| 栄養成分の量及び熱量 | たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量と熱量 | 不要 | 省略可(ほかに消費税の免税事業者が販売するもの等も省略可) |
| 食品関連事業者の氏名又は名称及び住所 | 表示内容に責任を有する者 | 不要 | 必要 |
| 製造所又は加工所の所在地・製造者の氏名又は名称 | 最終的に衛生状態を変化させる製造・加工をした場所と者 | 必要 | 省略可 |
| 原料原産地名(第3条第2項) | 輸入品以外の加工食品で、重量の割合が最も高い原材料の原産地 | 不要 | 省略可 |
| アレルゲン(第3条第2項) | 特定原材料を含む旨を、原則、原材料名の直後に括弧を付して | 必要 | 必要(省略の表に挙がっていない) |
Point
「小さい袋だから表示は要らない」は誤りです。 第3条第3項で省略できるのは表に挙がった事項だけで、名称・期限・アレルゲンなどは残ります。同じく第5条の特例でも、アレルゲンは「要しない」事項に入っていません(アレルゲンが外れるのは酒類を販売する場合です)。
注意
食品によっては、上の表に加えて個別の表示事項(基準第4条・別表第十九)があります。冷凍食品、食肉製品、生食用の魚介類などを扱う場合は、品目ごとに管轄の窓口で確認してください。
表示の場所と文字の大きさ(第8条)
- 邦文で、読みやすく理解しやすい用語により正確に
- 容器包装を開かないでも容易に見ることができる見やすい箇所に
- 文字と枠の色は、背景の色と対照的な色に
- 文字の大きさは8ポイント以上。表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下のものは5.5ポイント以上とすることができる
そのまま使えるラベル様式(4パターン)
◯の部分を自分の商品に置き換えて使ってください。どの様式を使うかは、上の早見表で決まります。 迷ったら項目の多い様式Aにしておけば、表示の不足は起きません。
様式A:工房や委託先で作って包装し、イベントで販売する
原材料名:オーツ麦、はちみつ、くるみ、◯◯(小麦を含む)、◯◯…… ←重量の多い順。特定原材料を含む原材料の直後に括弧
添加物:◯◯、◯◯ ←重量の多い順に物質名
原料原産地名:◯◯(重量の割合が最も高い原材料の原産地)
内容量:◯g
賞味期限:◯年◯月◯日
保存方法:◯◯ ←食品の特性に従って
製造者:◯◯(工房名) ◯◯県◯◯市◯◯町◯-◯
栄養成分表示(1袋当たり):熱量◯kcal、たんぱく質◯g、脂質◯g、炭水化物◯g、食塩相当量◯g
注意
表示内容に責任を有する者(販売者など)と製造者が違う場合は、販売者の氏名・住所と、製造所の所在地・製造者の氏名を近接して表示します(第8条第5号)。栄養成分表示は、消費税の免税事業者が販売するものなど、第3条第3項の表に当たれば省略できます。
様式B:会場で作ってその場で包装して販売する/包装品を無料で配る
添加物:◯◯
消費期限:◯年◯月◯日
保存方法:◯◯ ←食品の特性に従って
アレルゲン:◯◯を含む ←特定原材料9品目のうち使ったもの。原材料名を書かない場合の書き方は窓口で確認
製造者:◯◯(店舗名・出店者名) 所在地:◯◯
注意
第5条の特例で、原材料名・内容量・栄養成分・食品関連事業者の氏名住所・原料原産地名などは表示を要しないとされています。製造所の所在地と製造者の氏名は、この特例の「要しない」事項に入っていません。 自分の出し方が「製造し、又は加工した場所で販売する場合」に当たるかは、保健所に確認してください。
様式C:食品関連事業者以外の販売者が、包装した加工食品を売る
食品表示基準は、「食品関連事業者以外の販売者」が容器包装に入れられた加工食品を販売する際の表示を、別に第15条で定めています。名称、保存の方法、消費期限又は賞味期限、添加物、製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称、アレルゲンなどが挙がっており、原材料名・内容量・栄養成分は列挙に入っていません。
添加物:◯◯
賞味期限:◯年◯月◯日
保存方法:◯◯
アレルゲン:◯◯を含む
製造者:◯◯ 所在地:◯◯
注意
法第2条第3項は、食品の製造・加工・輸入・販売を業とする者を「食品関連事業者」とし、それ以外に「その他の食品の販売をする者」を含めて「食品関連事業者等」としています。自分たちがどちらに当たるか(例:地域の行事で一時的に販売する団体)は本記事では判断しません。 管轄の窓口に確認してください。
様式D:表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下の小袋
賞味期限:◯年◯月◯日
保存方法:◯◯ ←常温で保存すること以外に留意事項がないものは省略可
アレルゲン:◯◯を含む
販売者:◯◯ ◯◯県◯◯市◯◯
注意
第3条第3項で省略できるのは原材料名・添加物・内容量・栄養成分・製造所の所在地等・原料原産地名・原産国名などです。食品関連事業者の氏名又は名称及び住所とアレルゲンは、省略の表に挙がっていません。
特定原材料は9品目(経過措置に注意)
食品表示基準の別表第十四(第3条関係)が「特定原材料」を列挙しています。条文の並びどおりに挙げます。
| # | 特定原材料 | # | 特定原材料 |
|---|---|---|---|
| 1 | えび | 6 | そば |
| 2 | カシューナッツ | 7 | 卵 |
| 3 | かに | 8 | 乳 |
| 4 | くるみ | 9 | 落花生 |
| 5 | 小麦 |
Point
9品目です。 2026年10月15日にイベントの食品表示・アレルギー表示に関する検索結果を確認したところ、上位に並ぶ解説の多くが8品目のままで、カシューナッツを含めていませんでした。出店者向けの案内が8品目のままになっていないか確認してください。
令和十年三月三十一日までに製造され、加工され、又は輸入される加工食品(業務用加工食品を除く。)及び同日までに販売される業務用加工食品の表示については、第一条の規定による改正後の食品表示基準別表第十四の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。(食品表示基準 附則第二条)
Point
令和10年(2028年)3月31日までに製造・加工・輸入されたものは、従前の表示でよいとされています。つまり当面、カシューナッツの表示がない加工食品が適法に流通します。 仕入れた加工食品について、重いアレルギーの申し出に表示だけを根拠に「入っていません」と答えないでください。現物の原材料をメーカーや仕入れ先に確認するのが確実です(ケータリングの手配)。
注意
「特定原材料に準ずるもの」として表示が推奨されている品目は、本記事の取得範囲外のため列挙しません。数も内容も特定原材料とは異なります。消費者庁の案内で確認してください。代替表記や一括表示などの細かい書き方も、同じく消費者庁の資料で確認してください。
表示義務がない形でも使える:POP・案内・回答の例文
席で食べてもらう形や、包装品の販売に当たらない形でその場で調理して渡す屋台には、第3条の義務表示はかかりません。それでも来場者が知りたいのは「何が入っているか」です。そのまま使える例文を場面別に用意しました。
店頭POP(出店者向け)
- 01「この商品には小麦・卵を使っています。ほかの原材料はスタッフにお尋ねください。」
- 02「当店では同じ鉄板で、えび・かにを使った商品も調理しています。」
- 03「原材料の一覧を店頭にご用意しています。ご購入前にご覧ください。」
- 04「ソースは市販品を使っています。原材料は容器の表示をお見せできます。」
来場者に聞かれたときの答え方
- 01答えられるとき:「こちらには小麦と卵が入っています。そば・落花生は使っていません。」
- 02確認が必要なとき:「材料を確認いたしますので、少々お待ちいただけますか。」
- 03確実に答えられないとき:「申し訳ございません。仕入れた材料の詳細をこの場で確認できないため、確かなお答えができません。」
- 04重いアレルギーの申し出:「同じ調理器具でほかの食材も扱っているため、特定の食材を完全に除いたものはご用意できません。申し訳ございません。」
Point
「たぶん大丈夫です」とは言わないでください。 確認できないことは、確認できないと伝えるのが来場者にとって安全です。
主催者の案内(会場掲示・公式サイト・アナウンス)
- 01会場掲示:「食物アレルギーのある方は、ご購入前に各店舗のスタッフに原材料をお尋ねください。」
- 02公式サイト:「出店各店の原材料は、当日各店舗でご確認いただけます。食物アレルギーのある方は、ご購入前にスタッフにお尋ねください。」
- 03場内アナウンス:「食物アレルギーのあるお客様は、お買い求めの前に各店舗のスタッフにお声がけください。」
第40条 — 設備を設けて飲食させる場合でも残る表示
基準第1条のただし書は「第四十条の規定を除き、適用しない」という書き方です。つまり設備を設けて飲食させる場合でも、第40条だけは適用されます。
食品関連事業者が牛肉(内臓を除く。)であって生食用のものを容器包装に入れないで消費者に販売する場合には、次に掲げる事項が店舗の見やすい場所に表示されなければならない。(基準第40条)
・一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがあります。
・子供、高齢者その他食中毒に対する抵抗力の弱い方は、食肉の生食をお控えください。
条文は、表示を「邦文をもって、当該牛肉を一般に購入し、又は使用する者が読みやすく、理解しやすいような用語により正確に」行うことも求めています。そもそも提供できるかどうかは食品衛生法側の論点なので、保健所に確認してください。
主催者のチェックリストと出店者への依頼文
主催者が出店者の表示の責任を負うわけではありません。しかし来場者から見れば主催者のイベントです。出店案内に書いておくことで、当日の事故とクレームが減ります。
- 出店案内に特定原材料は9品目(カシューナッツを含む)と明記した
- 出店者ごとに渡し方(包装して販売/その場で調理して渡す/席で飲食)を把握している
- 包装して販売する出店者にラベルの有無と内容を事前に確認した
- 無料配布・試食の予定がある出店者を把握した
- 小袋の商品でもアレルゲン・期限が表示されているか確認した
- 生食用の牛肉を扱う出店がないか確認した
- 来場者から聞かれたときの回答の担当と方法を出店者と決めた
- 会場掲示・公式サイトにアレルギーの問い合わせ先を書いた
- 表示の要否は保健所に確認するよう出店案内に書いた
- 保健所の営業許可・届出も別途案内した(キッチンカーはキッチンカーの段取り)
出店者に提出してもらう申告シート
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 店舗名・責任者・連絡先 | ◯◯屋 ◯◯ 電話◯◯ |
| 提供品目 | 焼きそば/ラムネ(市販品) |
| 渡し方 | その場で調理して渡す/包装済みで販売/無料配布 |
| 作る場所 | 会場のブース/自社の工房(◯◯市)/委託先 |
| 特定原材料9品目の使用 | えび□ カシューナッツ□ かに□ くるみ□ 小麦■ そば□ 卵□ 乳□ 落花生□ |
| 同じ器具で扱う食材 | えびを使う別メニューと同じ鉄板 |
| 包装品のラベル | あり(様式A)/なし/市販品の表示のまま |
| 生食用の牛肉 | 扱わない |
出店者への依頼文(メール)
出店者各位
◯◯祭り実行委員会の◯◯です。ご出店いただき、ありがとうございます。
来場者からの食物アレルギーに関するお問い合わせに備え、添付の申告シートに提供品目と原材料をご記入のうえ、◯月◯日までにご返信ください。
・特定原材料は9品目(えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)です。
・包装して販売・配布する食品は、食品表示基準に従った表示をお願いします。
・表示の要否が判断できない場合は、管轄の保健所にご確認ください。
当日、来場者から原材料を聞かれた際にお答えいただけるよう、ご準備をお願いいたします。
◯◯祭り実行委員会 ◯◯
電話:◯◯ メール:◯◯
出店要項にそのまま入れる文例
- 01「容器包装に入れて販売・配布する食品には、食品表示基準に従った表示をしてください。」
- 02「特定原材料(えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)の使用の有無を、申告シートでお知らせください。」
- 03「当日、来場者から原材料を聞かれた際に回答できる体制を整えてください。」
- 04「表示の要否・方法は、出店者ご自身で管轄の保健所にご確認ください。」
主催者が自分で食品を配る場合
ノベルティのお菓子、来場者への配付品など、主催者が食品を渡す場面もあります。市販品は表示が付いたまま配るのが確実です。大袋を開けて小分けにすると、元の表示が客の手に渡りません。 小分けして配る場合の扱いは、保健所に確認してください。
よくある失敗
| 失敗 | なぜ問題か | 対策 |
|---|---|---|
| 出店案内の特定原材料が8品目のまま | 別表第十四は9品目(カシューナッツを含む) | 案内・申告シートを9品目に更新 |
| 無料だから表示は要らないと考えた | 第5条は無料の譲渡で省略できる事項を定めているだけで、名称・期限・アレルゲンなどは残る | 包装品はラベル様式Bの項目を表示 |
| 小袋だからアレルゲンも省略した | 第3条第3項の省略の表にアレルゲンは挙がっていない | 小袋でも名称・期限・アレルゲンを表示 |
| 仕入れ品の表示を見て「カシューナッツは入っていません」と答えた | 経過措置で、令和10年3月31日までに製造されたものは従前の表示でよい | 現物の原材料を仕入れ先に確認 |
| ラベルを袋の内側や見えない底に貼った | 第8条は開かないでも容易に見ることができる箇所への表示を求める | 外から読める面に貼る |
| 表示をしたので営業許可は不要と思った | 表示は食品表示法、営業許可は食品衛生法で別の論点 | 保健所に両方を確認 |
| その場で調理する屋台で、原材料を誰も答えられない | 義務表示はなくても、来場者の安全に関わる | 申告シートとPOPを用意 |
注意
飲食を伴うイベント全体の設計は保健所手続き、火気を使う出店は消防への届出、許認可の全体像はイベント開催に必要な許可・届出を参照してください。
根拠となる法令
本記事の条文はe-Gov法令検索の食品表示法および食品表示基準(内閣府令)から取得しています(2026年10月時点)。使った条文は、法第2条第3項・第4条第1項・第5条、基準第1条・第3条・第4条・第5条・第8条・第15条・第40条・別表第十四・附則第二条です。
注意
本記事は条文の構造を整理するためのものです。自分の出し方がどの類型に当たるか、どの表示が必要かの最終判断は、管轄の保健所に確認してください。 「容器包装」の定義は食品衛生法第4条第5項によるとされており(基準第2条第1項第6号)、本記事の取得範囲外です。
この記事の要点
- 容器包装に入れた加工食品を販売するなら表示が必要(基準第3条)。席で食べてもらう形は第40条を除き対象外(第1条ただし書)。その場で調理して渡す形も、包装品の販売に当たらなければ第3条の対象外。
- 製造した場所での販売・無料配布は第5条で原材料名・内容量・栄養成分などを省略できるが、名称・期限・保存方法・アレルゲンは残る(アレルゲンが不要になるのは酒類だけ)。
- 30平方センチメートル以下の小袋でも、名称・期限・事業者名・アレルゲンは省略できない(第3条第3項)。
- 特定原材料は9品目(えび/カシューナッツ/かに/くるみ/小麦/そば/卵/乳/落花生)。令和10年3月31日までの経過措置あり。
- 表示は開かないで見える箇所に、原則8ポイント以上の文字で(第8条)。
- 表示と、保健所の営業許可・届出は別の論点。両方を確認する。
FAQ
よくある質問
容器包装に入れられた加工食品を販売するなら、食品表示基準第3条の表示が必要です。席を設けて食べてもらう形は、基準第1条のただし書により第40条(生食用牛肉)を除いて基準が適用されません。注文を受けてその場で調理して渡す形も、容器包装に入れた加工食品の販売に当たらなければ第3条の義務表示はかかりません。自分の出し方がどれに当たるかは、包み方と渡し方を具体的に説明して保健所に確認してください。
基準第3条では、名称、保存の方法、消費期限又は賞味期限、原材料名、添加物、内容量、栄養成分の量及び熱量、食品関連事業者の氏名又は名称及び住所、製造所の所在地と製造者、原料原産地名、アレルゲンが挙がっています。会場で作ってその場で売る場合や小袋の場合は、一部を省略できます。
基準第5条は「不特定又は多数の者に対して譲渡(販売を除く。)する場合」に表示を要しない事項として、原材料名・内容量・栄養成分・食品関連事業者の氏名住所・原料原産地名などを挙げています。逆に、名称・保存の方法・期限・添加物・製造者・アレルゲンはこの表に入っていません。市販品を配るなら、表示が付いたまま配るのが確実です。
必要です。基準第3条第3項は、表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下のものについて原材料名・添加物・内容量などの省略を認めていますが、アレルゲンは省略できる事項の表に挙がっていません。
食品表示基準の別表第十四は、えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の9品目を挙げています。ただし附則の経過措置により、令和10年3月31日までに製造等された加工食品は従前の表示でもよいため、当面はカシューナッツの表示がない商品も流通します。
基準第3条第3項の表は、栄養成分の量及び熱量を省略できるものとして、消費税法第9条第1項により消費税を納める義務が免除される事業者が販売するものを挙げています。ほかに小袋、酒類なども挙がっています。栄養表示をしようとする場合は省略の対象外です。
表示の責任を主催者が負うわけではありません。ただし来場者から見れば主催者のイベントなので、出店案内に特定原材料が9品目であることを書き、申告シートで提供品目と原材料を集め、来場者から聞かれたときの対応を出店者と決めておくと安全です。表示の要否は保健所に確認するよう案内してください。
食品表示基準第40条は、生食用の牛肉を容器包装に入れないで消費者に販売する場合、店舗の見やすい場所に、一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがある旨と、子供・高齢者その他食中毒に対する抵抗力の弱い者は食肉の生食を控えるべき旨を表示するよう定めています。設備を設けて飲食させる場合でも適用されます。提供できるかどうかは食品衛生法側の論点なので、保健所に確認してください。
別の論点です。表示は食品表示法と食品表示基準、営業許可や届出は食品衛生法に基づくもので、根拠も手続きも異なります。イベントで飲食を提供する場合、両方の確認が必要になることが普通です。