集客
イベント集客の進め方
「集まらない」には、3つの別々の原因がある
「集客が伸びない」と言われたとき、まず原因を3つに切り分けてください。 届いていないのか、届いたが刺さっていないのか、刺さったが申込で落ちているのか。この3つは打ち手がまったく違い、切り分けずに手を打つと、効いていない施策を厚くすることになります。
結論
BtoBイベントの集客は①告知が届いた数 ②内容を見た数 ③申込した数 ④当日来た数の4段で落ちます。どの段で落ちているかを数えるのが最初の作業です。BtoCと違うのは、参加に社内の承認が要ることと、人数より誰が来たかで評価されることです。
まず、どこで落ちているかを数える
| 段 | 数えるもの | 落ちている場合の原因 |
|---|---|---|
| 1 届いた | メール到達数、ページ表示数 | リストが足りない/届いていない |
| 2 見た | 開封、ページ滞在 | 件名・見出しが弱い |
| 3 申し込んだ | 申込数 | 内容が刺さらない/フォームが重い |
| 4 来た | 当日来場数 | リマインドがない/日程が悪い |
Point
「集客が足りない」の正体は、たいてい1段目か4段目です。 1段目ならリストと配信の問題で、内容をいくら磨いても動きません。4段目なら申込は取れているので、集客ではなくリマインドの問題です。切り分けずに企画を作り直すのが、最も無駄な動き方です。
注意
BtoBは申込から当日までの歩留まりが落ちます。 無料のオンラインほど顕著です。申込数で成功を判断せず、来場数で見てください。
届ける先を作る
- 自社の既存リスト——最も確実。ただし利用目的の範囲内か確認する
- 過去の来場者——再訪率が最も高い。名簿を残しているか(参加者名簿の管理)
- 営業からの個別案内——BtoBで最も効く。数は出ないが質が高い
- 登壇者・協賛社からの告知——依頼時に「告知のお願い」を依頼条件に入れておく
- 業界メディア・団体——後援名義と併せて(後援申請)
- 広告——速いが、質は読めない
- SNS——BtoBでは補助。これ単体で埋まる前提にしない
Point
登壇者と協賛社に告知してもらう取り決めを、依頼の時点で入れてください。 後から頼むと「できれば」になります。「告知用のテキストと画像をこちらで用意します」まで含めると、実行率が上がります。
注意
既存リストへの案内は、取得時の利用目的の範囲内かを確認してください。 名刺交換で得た情報を別目的の案内に使えるかは、取得時に何を示したかによります(名刺と個人情報)。
何を書けば申し込まれるか
| 書き方 | 効き方 |
|---|---|
| 対象者を名指しする | 最も効く。「◯◯を担当される方へ」 |
| 持ち帰れるものを書く | 「◯◯の判断基準がわかります」 |
| 登壇者の所属と実務 | 肩書より何をやっている人か |
| 所要時間と終了時刻 | 予定に入れられるかが決まる |
| オンラインか会場か | 移動の判断 |
| 資料の配布・録画の有無 | 当日来られない人の申込が増える |
| 「豪華」「最新」 | 効かない。 具体でないため |
Point
「誰向けか」を書くのが、最も安い改善です。 件名や見出しに「◯◯を担当される方へ」を足すだけで、関係ない人は開かず、関係ある人は止まります(チラシの設計)。
注意
BtoBの参加には上司の承認が要ることがあります。 「業務時間に出る理由」を参加者が社内で説明できる材料——対象者、得られること、所要時間——を案内に入れてください。
申込で落とさない
- 入力項目を減らす——当日までに聞けることは当日に聞く
- 必須を最小にする
- スマートフォンで入力できるか——実機で試す
- 利用目的の明示(フォームの設計)
- 完了画面で次を案内——カレンダー登録、資料の事前配布
- 確認メールを即送る
- 法人名・役職を聞くか——聞けば質は分かるが、申込は減る
Point
項目を1つ増やすごとに申込は減ります。 アンケートに使いたい項目は、申込フォームではなく事後アンケートに移してください。 申込の段階では、連絡が取れる最小限で足ります。
当日来てもらう
- 01
申込直後にカレンダー登録を促す
ここで予定に入らないと、当日まで忘れられます。
- 02
1週間前にリマインド
内容の再掲と、アクセス・入室方法。
- 03
前日にリマインド
短く。時刻・場所・持ち物だけ。
- 04
当日の朝にもう一度
オンラインは特に効きます。 URLを再送。
- 05
当日来られない人の受け皿を作る
録画・資料の後送。 「行けないからキャンセル」を減らす。
- 06
キャンセルを責めない
連絡しやすくすると、人数の精度が上がります。
Point
リマインドは「増やす」より「直前に寄せる」ほうが効きます。 1か月前の案内は忘れられます。前日と当日朝の2本があるかどうかで、来場率が変わります。
注意
会場開催は、天候と交通で落ちます。 当日の朝の案内に、アクセスの状況を一言入れるだけでも違います。
何をもって成功とするか
- 人数だけで判断しない。 BtoBは誰が来たか
- 対象の役職・業種が何割来たかを数える
- 申込→来場の歩留まりを記録する(次回の読みに使う)
- チャネル別の申込数——どこから来たかを分けて計測する
- 商談・次アポにつながった数
- 次回の案内に同意した数
Point
「来場者数」を目標にすると、来てほしくない人を集めることになります。 BtoBでは対象企業の決裁者が少数来るほうが、対象外の人が大勢来るより価値がある——目標の置き方で、告知の打ち方まで変わります。
注意
終了後の測定はイベント後のフォロー、データの扱いはイベント後のデータを参照してください。
この記事の要点
- 「集まらない」を3つに切り分ける。 届いていない/刺さっていない/申込で落ちている。
- 正体はたいてい1段目か4段目。 企画を作り直すのが最も無駄な動き方。
- 登壇者・協賛社の告知は、依頼の時点で取り決める。 後から頼むと「できれば」になる。
- 「◯◯を担当される方へ」が最も安い改善。 関係ない人は開かず、関係ある人は止まる。
- 項目を1つ増やすごとに申込は減る。 聞きたいことは事後アンケートに移す。
- BtoBは人数ではなく誰が来たかで測る。 目標の置き方で告知の打ち方が変わる。
FAQ
よくある質問
新しいアイデアを足す前に、届いた数・見た数・申し込んだ数・当日来た数の4段で、どこで落ちているかを数えてください。BtoBで確実なのは、自社の既存リスト(利用目的の範囲内か確認したうえで)、過去の来場者、営業からの個別案内、登壇者や協賛社からの告知です。広告やSNSは補助と考え、単体で埋まる前提にしないほうが安全です。
原因を3つに切り分けてください。告知が届いていないのか、届いたが内容が刺さっていないのか、刺さったが申込で落ちているのか。打ち手がまったく違います。実際には1段目(リストと配信)か4段目(申込は取れているが当日来ない)であることが多く、どちらの場合も企画を作り直しても動きません。まず各段の数を数えてください。
自社の既存リストと、営業からの個別案内です。数は出ませんが質が高く、BtoBでは最も確実に効きます。次に過去の来場者で、再訪率が最も高いため名簿を残しているかが効いてきます。登壇者と協賛社からの告知も有効ですが、依頼の時点で取り決めてください。後から頼むと「できれば」になります。SNSは補助で、これ単体で埋まる前提にしないでください。
最も効くのは対象者を名指しすることで、「◯◯を担当される方へ」を件名や見出しに足すだけで変わります。あわせて持ち帰れるもの、登壇者が何をやっている人か、所要時間と終了時刻、オンラインか会場か、資料配布や録画の有無です。BtoBでは上司の承認が要ることがあるため、参加者が社内で説明できる材料を入れてください。「豪華」「最新」は具体でないため効きません。
入力項目を1つ増やすごとに申込は減ります。当日までに聞けることは当日に聞き、アンケートに使いたい項目は事後アンケートに移してください。申込の段階では連絡が取れる最小限で足ります。あわせてスマートフォンで実際に入力できるかを実機で試し、利用目的を明示し、完了画面でカレンダー登録を促してください。
リマインドを増やすより、直前に寄せるほうが効きます。1か月前の案内は忘れられます。申込直後にカレンダー登録を促し、1週間前、前日、当日の朝に送ってください。とくに前日と当日朝の2本があるかどうかで来場率が変わります。あわせて録画や資料の後送という受け皿を作ると、「行けないからキャンセル」が減ります。
人数だけで判断しないでください。BtoBでは誰が来たかが重要で、対象の役職・業種が何割来たかを数えます。あわせて申込から来場への歩留まり、チャネル別の申込数、商談につながった数、次回の案内に同意した数を記録してください。来場者数を目標にすると、来てほしくない人を集めることになります。