台本
イベント司会台本の例文
全文テンプレートと種類別の書き方
イベントの司会台本は、開演前アナウンス→開会→流れの説明→主催者挨拶→登壇者紹介と本編→休憩→質疑応答→お知らせ→閉会の順に、司会が読み上げる文をそのまま書いたものです。各項目はト書き(動き)・読み上げ文・補足指示・持ち時間を分けて書きます。すぐ下の全文テンプレートをコピーし、◯◯の部分(会の名前・社名・氏名・時刻)を差し替えれば初稿になります。社内行事・展示会のステージ・懇親会・オンライン配信で変わる部分は種類別の差し替え例に、開演前のアナウンスは影ナレの文例にまとめました。開会・登壇者紹介・休憩・質疑応答・閉会は、場の雰囲気に合わせて選べるよう場面別の言い換え例も用意しました。仕上げに固有名詞のふりがなと押したときに省く項目を書き足してください。
結論
進行台本(MC台本)は、司会者が話す内容と進行の指示を時系列で記した資料です。読み上げる文言・動作の指示・持ち時間・アドリブ可否を区別して記載し、香盤表(誰が何をいつ動かすか)や参加者向けのタイムテーブルとは役割を分けます。司会の役目は、時間どおりに進める・注意事項を伝える・登壇者を紹介して立てる・プログラムの間をつなぐ・予定外の事態で場を落ち着かせるの五つで、台本はそのすべてを文で用意しておくためのものです。
司会台本の全文テンプレート(コピーして使える)
社外のお客さまを招くセミナー(13:00開演)を例に、開演前の案内から送り出しまでを一つの台本にしました。【 】はト書き、( )は補足指示、[ ]は持ち時間です。社内の発表会や説明会でも、項目を入れ替えればそのまま使えます。イベントの種類ごとに変わる部分は次の章で差し替え例を示します。
ご来場の皆さまにご案内いたします。
まもなく開演いたします。
携帯電話は、マナーモードに設定いただくか、電源をお切りください。
お席は、前方から詰めてお掛けください。
(同じ案内を12:59にもう一度)
■開会【13:00/客席照明を落とす/司会 上手の司会台へ】[1分]
皆さま、本日はお忙しい中お越しいただき、
誠にありがとうございます。
(一礼)
定刻となりましたので、ただいまより「◯◯セミナー」を開催いたします。
本日の司会を務めます、株式会社◯◯の◯◯(ふりがな)と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
■本日の流れと注意事項[1分]
はじめに、本日の流れをご案内いたします。
このあと主催者の挨拶、◯◯様のご講演、休憩をはさんで質疑応答を行い、
◯時◯分の終了を予定しております。
(撮影不可の場合)会場内での録音・撮影はご遠慮ください。
(写真のみ可の場合)写真撮影はご自由にどうぞ。ただし、録音と動画の撮影はご遠慮ください。
(非常口の案内が必要な会場では、ここで場所を伝える)
■主催者挨拶[3分]
はじめに、主催者を代表いたしまして、
株式会社◯◯ 代表取締役 ◯◯(ふりがな)よりご挨拶を申し上げます。
【挨拶者 上手より登壇/拍手】
(挨拶終了後)ありがとうございました。
【挨拶者 降壇/拍手】
■講師紹介・講演
続きまして、本日のご講演です。
ご講演いただきますのは、◯◯の◯◯(ふりがな)様です。
◯◯様は、◯◯の分野で長く活躍され、◯◯を手がけていらっしゃいます。
(経歴は三点まで/30秒程度)
演題は「◯◯」です。
それでは◯◯様、よろしくお願いいたします。皆さま、拍手でお迎えください。
【講師 登壇/スライド切り替え】
(講演終了後)◯◯様、ありがとうございました。
■休憩
ここで休憩とさせていただきます。
◯時◯分より、質疑応答を始めます。
お手洗いは、会場を出て右手にございます。
【BGMイン/スクリーンに再開時刻を表示】
(再開1分前)まもなく再開いたします。お席にお戻りください。
■質疑応答[10分]
それでは、質疑応答に移ります。
ご質問のある方は挙手をお願いいたします。係の者がマイクをお持ちします。
差し支えなければ、ご所属とお名前をお聞かせください。
(質問が出ない場合)では、事前にいただいたご質問から一つ伺います。
(押している場合)お時間の都合により、質疑応答はここまでとさせていただきます。
ご質問は、お手元のアンケートにご記入ください。
◯◯様、ありがとうございました。皆さま、いま一度大きな拍手をお願いいたします。
【講師 降壇】
■お知らせ[1分]
最後に、主催者からのお知らせです。
本日の資料は、後日メールでお送りいたします。
次回の◯◯は、◯月◯日に開催を予定しております。
■閉会・送り出し[1分]
以上をもちまして、「◯◯セミナー」を終了いたします。
お帰りの際は、お手元のアンケートを出口の係にお渡しください。
お忘れ物のないよう、お気をつけてお帰りください。
本日はご来場いただき、誠にありがとうございました。
【客席照明を明るく/BGMイン】
コピーしたら差し替える箇所
- 会の正式名称:開会と閉会で同じ名前を言う。「」付きで台本全体の表記を揃える
- 司会者の所属・氏名とふりがな
- 挨拶者・講師の肩書きと氏名:正式名称で、本人に確認済みか
- 時刻:開演・休憩明け・終了の三つ。香盤表の時刻と一致しているか
- 撮影・録音の可否:主催者と講師の両方に確認したか
- 休憩中の案内:お手洗い・喫煙所・飲み物の場所
- 押したときに省く項目:どこを削るかを台本に書いたか
- アンケートの回収方法:紙か、QRコードか
- お知らせの中身:資料の送付、次回の案内、物販など。主催者が言ってほしいことを漏れなく
注意
開会と閉会の言い回しは、開会の言葉 例文と閉会の言葉 例文に場面別の文例があります。懇親会や表彰式の司会台本は、懇親会の進行表と司会台本、表彰式の進行と司会台本、セミナーに特化した台本はセミナー司会の台本に全文で掲載しています。
場面別の言い換え例(格式・雰囲気で選ぶ)
全文テンプレートの読み上げ文は、改まった社外向けの言い方です。社内向けで少しやわらかくしたいとき、格式を上げたいとき、オンラインのときは、該当する場面の文を次の例と入れ替えてください。
開会
- 格式を上げる(式典・周年行事):「ご来賓の皆さま、ならびにご列席の皆さま、本日はご多用の中ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。ただいまより、◯◯を挙行いたします。」
- やわらかく(社内・地域のイベント):「皆さん、こんにちは。お待たせしました。これから◯◯を始めます。今日は最後まで、どうぞ気軽に楽しんでいってください。」
- オンライン・ハイブリッド:「会場にお越しの皆さま、そして画面の向こうでご覧の皆さま、本日はご参加いただきありがとうございます。定刻となりましたので、◯◯を始めます。」
登壇者の紹介
- 経歴を添える:「続いてご登壇いただくのは、◯◯の◯◯様です。◯◯様は◯◯に携わってこられ、現在は◯◯を担当されています。本日は『◯◯』と題してお話しいただきます。拍手でお迎えください。」
- 短く呼び込む:「それでは、◯◯様にお話しいただきます。◯◯様、お願いいたします。」
- 社内の登壇者:「次は、◯◯部の◯◯さんから、◯◯の取り組みについて発表してもらいます。◯◯さん、お願いします。」
休憩の前と後
- 休憩に入る:「前半はここまでです。ここで◯分間の休憩に入ります。後半は◯時◯分から始めますので、それまでにお席へお戻りください。」
- 休憩中の呼びかけ:「まもなく後半を始めます。ロビーにいらっしゃる方は、お席へお戻りください。」
- 再開する:「お待たせいたしました。皆さまお揃いのようですので、後半を始めます。後半は◯◯からです。」
質疑応答の始め方
- 挙手で受ける:「ここからは質疑応答の時間です。ご質問のある方は、その場で手を挙げてください。お一人一問でお願いいたします。」
- 質問の入口をつくる:「お話の中で、もう少し詳しく聞きたかったところはございましたか。感想でも構いません。」
- オンライン:「画面下の質問欄に書き込まれたご質問から、順に◯◯様に伺います。」
閉会
- 改まって締める:「以上をもちまして、◯◯を閉会いたします。ご登壇いただいた皆さま、ご参加いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。」
- やわらかく締める:「これで今日のプログラムはすべて終わりです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。お気をつけてお帰りください。」
- 次の行動を促して締める:「本日の内容についてのご相談は、出口横の受付で承っております。お帰りの前に、ぜひお立ち寄りください。以上で◯◯を終了いたします。」
Point
一つの台本の中で言い方の格式をそろえるのが大事です。開会を改まった言い方にしたら、閉会も同じ調子で締めます。社内の登壇者を「さん」で呼ぶか役職で呼ぶかも、台本全体で統一してください。
司会台本の基本の流れと、各項目で台本に書くこと
多くのイベントは、次の順番の一部を組み合わせてできています。自分のイベントに当てはまる行だけ残せば、台本の骨組みになります。
| 項目 | 司会の役目 | 台本に必ず書くこと |
|---|---|---|
| 開場・客入れ | 席への誘導を促す | 開場時刻、BGM、影ナレの読み上げ時刻 |
| 開演前の影ナレ | 注意事項を先に伝える | 携帯電話・撮影・非常口・開演時刻 |
| 開会 | 会の始まりを宣言する | 会の正式名称、司会者の名乗り、照明のきっかけ |
| 流れの説明 | 全体の見通しを示す | 主なプログラムと終了予定時刻 |
| 主催者挨拶 | 挨拶者を呼び込む | 肩書き・氏名・ふりがな、登壇の位置 |
| 本編(講演・発表・ステージ) | 登壇者を紹介し、つなぐ | 紹介文、演題、映像・スライドのきっかけ |
| 休憩 | 再開時刻を伝える | 再開時刻、お手洗いの場所、再開前の呼びかけ |
| 質疑応答 | 質問者を指名し、時間で締める | マイクの回し方、質問が出ないときの一言、打ち切りの言い方 |
| 記念撮影・お知らせ | 集合を促し、主催者の伝達事項を読む | 撮影の位置、お知らせの全文 |
| 閉会・送り出し | 会の終わりを宣言し、退場を促す | 閉会の言葉、アンケート回収、忘れ物の注意 |
影ナレ(開演前アナウンス)の文例
影ナレは、司会者が姿を見せずにマイクだけで流す案内です。客席が落ち着かない開演前に注意事項を伝えておくと、開会後の司会は本題から始められます。読む時刻を台本に書き、開場時・開演直前・休憩中・終演後で使い分けます。
本日は「◯◯」にお越しいただき、誠にありがとうございます。
開演は◯時を予定しております。
お席は自由席です。前方のお席から順にお掛けください。
■開演前(注意事項)【開演5分前】
ご来場の皆さまにお願いいたします。
携帯電話など音の出る機器は、マナーモードに設定いただくか、電源をお切りください。
会場内での録音・撮影は、ご遠慮ください。
非常口は、会場の左右と後方にございます。
万一の際は、係員の誘導に従ってください。
■開演直前【開演1分前】
まもなく開演いたします。
お席にお着きになって、お待ちください。
■休憩中
ただいまより休憩です。後半は◯時◯分に始まります。
ロビーではお飲み物をご用意しております。
■終演後
本日の「◯◯」は、すべて終了いたしました。
出口付近は混み合いますので、前方のお席の方から順にご退場ください。
お手元のアンケートは、出口の係にお渡しください。
本日はご来場いただき、誠にありがとうございました。
Point
影ナレは同じ文を2回読む前提で書いてください。開場直後に一度読んでも、後から入った人には届きません。読み上げる時刻を台本の【 】に書いておくと、音響担当とタイミングを合わせられます。
イベントの種類別:台本の差し替え例
全文テンプレートの骨組みはそのままに、イベントの種類で変わるのは主に開会の一言・本編のつなぎ・締め方です。差し替える箇所と文例をまとめました。
| イベントの種類 | 台本で変わる部分 | 加える項目 |
|---|---|---|
| 社内行事(キックオフ・社員総会) | 「ご来場」ではなく「お集まりいただき」。社外向けの丁寧すぎる表現を減らす | 役員挨拶の順番、表彰、乾杯または一本締め |
| 展示会のステージ・ブース | 通りがかりの人を呼び止める一言から始める | 次回の開始時刻、ブースへの誘導、資料の受け取り方 |
| 懇親会・パーティー | 開会の宣言のあとに乾杯へ進む。食事中は進行を止める | 乾杯の発声者、歓談の時間、中締め |
| オンライン配信・ハイブリッド | 拍手や表情が伝わらないため、状況を言葉で補う | チャットや質問機能の使い方、通信が切れたときの案内 |
| 式典(周年・表彰) | 読み上げを完全固定にし、アドリブを減らす | 来賓の紹介順、祝電の披露、記念撮影 |
社内行事(キックオフ)の開会
皆さん、おはようございます。
定刻になりましたので、ただいまより「◯年度 ◯◯部 キックオフ」を始めます。
本日の司会を務めます、◯◯課の◯◯です。よろしくお願いします。
はじめに、◯◯本部長より今期の方針についてお話しいただきます。
◯◯本部長、お願いいたします。
展示会ステージの呼び込みと締め
ブース前をお通りの皆さま、まもなく◯◯のデモンストレーションを始めます。
どうぞお立ち止まりのうえ、ご覧ください。
(終了時)ご覧いただき、ありがとうございました。
次回は◯時◯分から行います。
詳しい資料はブースの受付でお渡ししておりますので、お気軽にお立ち寄りください。
懇親会の乾杯への流れ
それでは、乾杯に移ります。
皆さま、お手元にお飲み物のご用意をお願いいたします。
乾杯のご発声は、◯◯株式会社 ◯◯様にお願いしております。
◯◯様、よろしくお願いいたします。
(乾杯のあと)ありがとうございました。しばらくの間、ご歓談をお楽しみください。
オンライン配信の開会と、通信トラブル時
画面の前の皆さま、こんにちは。
音声と映像は届いておりますでしょうか。聞こえにくい場合は、チャットでお知らせください。
ご質問は、画面下の質問機能からいつでもお送りいただけます。
(通信トラブル時)ただいま配信が不安定になっております。
復旧まで少々お待ちください。画面はそのままでお待ちいただけますと幸いです。
注意
キックオフの挨拶文はキックオフの挨拶、社員総会は社員総会の挨拶、展示会の説明は展示会ブースのプレゼン、乾杯と締めは乾杯の挨拶と中締めの挨拶、配信の台本はウェビナーの台本、会場と配信を両立させる運営はハイブリッドイベントを参照してください。
つなぎ・押したとき・トラブル時の文例
台本どおりに進まない場面で使う一言を、あらかじめ台本の末尾に貼っておくと、司会が言葉に詰まりません。
| 場面 | そのまま使える言い回し |
|---|---|
| 休憩明けの再開 | 「お待たせいたしました。それでは、後半を始めます。」 |
| 次のプログラムへのつなぎ | 「ここからは、◯◯についてお話を伺います。」 |
| 拍手を促す | 「皆さま、拍手でお迎えください。」「いま一度、大きな拍手をお願いいたします。」 |
| 場を和ませる(誰も傷つけない話題) | 「本日はあいにくの雨の中、お越しいただきありがとうございます。」「会場の後方の方まで、声は届いておりますでしょうか。」 |
| 進行が押しているとき | 「お時間の都合により、◯◯は割愛させていただきます。」 |
| 予定より早く進んでいるとき | 「予定より少し早く進んでおりますので、ここで◯◯についてご案内いたします。」 |
| 登壇者の準備待ち | 「登壇の準備をしております。まもなく始まりますので、そのままお席でお待ちください。」 |
| マイク・映像のトラブル | 「ただいま機材を確認しております。恐れ入りますが、そのままお待ちください。」 |
| 登壇者の到着が遅れる | 「◯◯様のご到着が遅れておりますので、順番を入れ替え、先に◯◯を行います。」 |
| 質問が出ない | 「最初の質問は手を挙げにくいものです。どんな小さなことでも結構です。」それでも出なければ「それでは、事前にいただいたご質問をご紹介します。」 |
| 質問が長くなった | 「ありがとうございます。お時間の都合上、ご質問の要点を一つに絞っていただけますでしょうか。」 |
| 終了時刻を過ぎそう | 「予定の時刻を少し過ぎておりますが、もうしばらくお付き合いください。」 |
| 名前・肩書きを言い間違えた | 「失礼いたしました。訂正いたします。正しくは◯◯でございます。」 |
| 記念撮影 | 「これより記念撮影を行います。恐れ入りますが、前方にお集まりください。」 |
台本に入れない方がよい一言
- 特定の人をいじる冗談:内輪では笑えても、初めて来た人や本人が困ります。
- 「時間がないので」:登壇者が急かされたように感じます。「お時間の都合により」に言い換えます。
- 「簡単ではございますが」の連発:謙遜は一度で足ります。
- 「えー」「まあ」を台本に書く:書くと本当に言います。間は( )で指示します。
司会台本でよくある敬語の間違い
台本の誤りは、書いた本人より読み上げる司会者が恥をかきます。初稿を書いたら、次の表で読み上げ文を見直してください。
| 間違いやすい表現 | 直した表現 | 理由 |
|---|---|---|
| ◯◯様がおっしゃられたように | ◯◯様がおっしゃったように | 「おっしゃる」と「られる」の二重敬語 |
| ◯◯様が参られます | ◯◯様がお見えになります/お越しになります | 「参る」は自分側の動作に使う謙譲語 |
| ◯◯様にご講演していただきます | ◯◯様にご講演いただきます | 「ご〜する」は謙譲の形で、相手の動作には合わない |
| 資料を拝見してください | 資料をご覧ください | 「拝見する」は自分が見るときの謙譲語 |
| 弊社社長の◯◯様より | 弊社 代表取締役の◯◯より | 社外の参加者の前では、自社の人に「様」や敬称を付けない |
| 講演後に「ご清聴いただいた◯◯様に拍手を」 | 「ご講演いただいた◯◯様に拍手を」 | 「ご清聴」は聞いてくれた参加者へのお礼に使う言葉 |
注意
社内行事で、社内の参加者だけに向けて話す場合は、役員に「◯◯本部長」と役職で呼びかけて構いません。社外のお客さまがいる場では、自社の人は役職を名前の前に置き、敬称を付けずに紹介します。
台本の書き方:1項目に4つの要素
1つの進行項目について、次の4要素をセットで書きます。上の全文テンプレートも、この書式で書いています。
| 要素 | 内容 | 書式の工夫 |
|---|---|---|
| ト書き | 動作や状況の指示 | 【 】で囲む、または斜体 |
| 読み上げ文 | そのまま話す文言 | 通常の書体。改行は息継ぎの位置で |
| 補足指示 | 間の取り方、トーン、注意点 | ( )で囲み、小さめの文字 |
| 持ち時間 | その項目の目安時間 | 右端に固定位置で |
記載例
【照明が明るくなる/MC上手より登場】
皆さま、本日はお忙しい中お集まりいただき、
誠にありがとうございます。
(一礼/2秒の間)
ただいまより、株式会社◯◯ 創立30周年記念式典を
開催いたします。
(拍手を受ける/拍手が収まるまで待つ)
[目安:2分]
Point
改行の位置は息継ぎのタイミングで入れてください。文法の区切りではありません。原稿を目で追いながら話す人にとって、改行位置が読みやすさを決めます。
読み間違いを防ぐ書式
- 固有名詞にふりがな:人名・社名・地名。とくに難読の姓は必須です。
- 数字は読み方も書く:「30周年(さんじゅっしゅうねん)」「1日(ついたち)」。
- 肩書きは正式名称で:省略形で覚えていると、本番で言い間違えます。
- 1行は30字以内:長い行は読み飛ばしの原因になります。
- 文字サイズは12pt以上:暗い会場でも読める大きさに。
- ページをまたがない:一連の発話が次ページに続くと、めくる動作で間が空きます。
- 両面印刷にしない:めくる音と時間を避けるため、片面で。
- ページ番号と版を入れる:「第3版」のように書くと、古い台本との取り違えを防げます。
リハーサルではストップウォッチのラップで項目ごとの実際の時間を計ると、台本の時刻が実測で組めます。読み上げ文の長さから話す時間の見当をつけるならスピーチの文字数と時間が使えます。
注意
台本は本番と同じ環境で読めるかを確認してください。手元のライトがない演台で、12ptの文字が読めるかは実際に試さないと分かりません。
アドリブ部分の指定
すべてを台本化すると硬くなり、すべてを任せると事故が起きます。次の3段階で指定すると、現場で判断しやすくなります。
- 01
完全固定(読み上げ)
開会・閉会の宣言、社名・肩書き、注意事項、協賛社の読み上げ。一字一句その通りにと明記します。
- 02
骨子固定(趣旨は守る)
登壇者の紹介、次のコーナーへの繋ぎ。含めるべき要素だけ指定し、表現は任せます。「経歴3点に触れ、30秒程度で」のように。
- 03
自由(尺のみ指定)
場を温める、時間調整。「1〜2分で自由に」と書き、押した場合の短縮指示も併記します。
Point
時間調整の指示を必ず入れてください。「押している場合はこの部分を省略」「巻いている場合はここを膨らませる」と書いておくと、司会が自分で調整できます。
香盤表・タイムテーブルとの使い分け
| 観点 | 進行台本 | 香盤表 | タイムテーブル |
|---|---|---|---|
| 書くこと | 話す内容と話し方 | 誰が何をいつ動かすか | 何が何時に始まるか |
| 読み手 | 司会、登壇者 | 運営、技術、会場 | 参加者、出演者 |
| 粒度 | 文単位 | 項目とキュー単位 | プログラム単位 |
| 変更頻度 | 文言の推敲で頻繁に変わる | 構成が変わると変わる | 告知後はほぼ変えない |
三つを1つにまとめようとすると、どの用途にも使いにくくなります。時刻という共通の軸で紐づけ、別の資料として管理してください。香盤表については香盤表の作り方、時間割の表はタイムテーブルのテンプレートを参照してください。
本番で台本を読むときのコツ
台本ができても、読み方で伝わり方が変わります。台本の( )に書き込んでおくと、本番で思い出せます。
- 大事な語の前で間を取る:会の名前、登壇者の名前、再開時刻の直前で一拍置くと、聞き手が聞き取る準備をできます。
- 緩急をつける:注意事項はゆっくり区切って、つなぎの一言は軽めに。全部を同じ調子で読むと、どこが大事か伝わりません。
- 読み終えたら顔を上げる:一文ごとに客席を見ます。台本を指でなぞりながら読むと、顔を上げても戻る位置を見失いません。
- 名前は少し大きく、はっきり:登壇者の名前と肩書きは、言い直しが一番目立つ箇所です。
- 時間との差は司会で埋める:押していれば台本の「省く項目」を使い、巻いていればお知らせや次の予告を丁寧に読みます。差を感じさせない一言を用意しておきます。
- 言い間違えても止まらない:「失礼いたしました」と一言添えて正しく言い直し、そのまま次へ進みます。
司会台に置いておくもの
- 司会用の台本(最新版)と予備の1部
- 変更を書き込む赤ペン
- 時計(司会台から見える位置に)
- 水
- 登壇者の名前の読みを書いたメモ(台本と別に一枚)
本番までの運用と直前チェックリスト
- 01初稿は構成が固まった時点:文言の推敲は後回しで、流れだけ作ります
- 02登壇者に事前確認:肩書き・社名・経歴は本人確認が必須
- 03読み合わせをする:黙読では気づかない言いにくさが出ます
- 04リハーサルで尺を測る:声に出して計った時間で、台本の時刻を組み直します
- 05確定版を印刷して配る:司会用は文字を大きく、予備を1部
- 06変更は赤で:直前の変更は、元の文を残して見え消しにします
本番直前に司会が確認すること
- 手元の台本が最新の版か(運営の控えと版が一致しているか)
- 登壇者の名前の読みを、本人または秘書に口頭で確認したか
- マイクの電源・音量を、実際に声を出して確かめたか
- 予備のマイクと電池の置き場所を知っているか
- 進行の変更を伝える合図(カンペ・手信号)を運営と決めたか
- 登壇者の待機位置と、登壇・降壇の方向(上手・下手)を確認したか
PRODUCER AGENTでは、案件の進行情報から運営マニュアル・進行台本・緊急連絡網を自動生成し、変更を差分つきで管理します。詳しくは運営マニュアル・台本の機能をご覧ください。
この記事の要点
- 台本は全文テンプレートをコピーし、会の名前・氏名・時刻を差し替えて初稿にする。
- 開演前の注意事項は影ナレで先に伝え、同じ文を2回読む前提で時刻を書いておく。
- 社内行事・展示会・懇親会・配信では、開会の一言・つなぎ・締め方を差し替える。
- 押したとき・トラブル時・質問が出ないときの一言は、台本の末尾に貼っておく。
- 二重敬語や謙譲語の取り違え、自社の人への「様」は、初稿の段階で直す。
- 開会・紹介・休憩・質疑・閉会は、場の格式に合う言い方を選び、台本全体で調子をそろえる。
- 改行は息継ぎの位置で。固有名詞にふりがな、数字に読み方。1行30字以内、12pt以上、片面印刷。
- 台本・香盤表・タイムテーブルは分け、時刻を共通軸に紐づける。
FAQ
よくある質問
この記事の全文テンプレートが、開演前の案内・開会・流れの説明・主催者挨拶・講師紹介・休憩・質疑応答・お知らせ・閉会までの一式です。コピーして会の名前・氏名・時刻を差し替え、固有名詞にふりがなを振れば初稿になります。
時系列に、ト書き(動作の指示)、読み上げ文、補足指示(間やトーン)、持ち時間の四つを区別して書きます。ト書きは【 】、補足は( )で囲み、持ち時間は右端の同じ位置にそろえると、本番中に一目で読み取れます。
司会者などが客席から姿を見せずに、マイクだけで流す案内のことです。開場時・開演前・休憩中・終演後に、注意事項や再開時刻を伝えます。司会者本人が舞台袖や音響席から読む場合も、別のアナウンス担当を立てる場合もあります。文例は影ナレの文例にまとめています。
言葉づかいの丁寧さと、加える項目が変わります。社内だけなら「ご来場」より「お集まりいただき」が自然で、役員は役職名で呼んで構いません。一方で役員挨拶の順番、表彰、乾杯や締めの段取りが加わるため、その部分は読み上げ文を固定しておきます。
台本の段階で「押したら省く項目」を決めて書いておき、本番では「お時間の都合により、◯◯は割愛させていただきます」と伝えます。質疑応答を短くする場合は、残りの質問をアンケートで受け付けると案内すると、参加者の不満が残りにくくなります。
まず「どんな小さなことでも結構です」と一度だけ促し、それでも出なければ事前に集めた質問を紹介します。事前の質問もなければ「ご質問はアンケートでも受け付けております」と伝え、「◯◯様、ありがとうございました」と講師へのお礼と拍手で締めます。沈黙を長く待つより、台本に用意した一言で次へ進む方が場が冷えません。
項目ごとに持ち時間を決め、読み上げて計るのが確実です。リハーサルでストップウォッチを使って項目ごとに計り、持ち時間を超えた項目は文を削ります。
進行台本は司会や登壇者が「何をどう話すか」を文単位で書いたもので、香盤表は運営・技術・会場が「誰が何をいつ動かすか」を項目単位で書いたものです。参加者に配るタイムテーブルとも別物です。一つにまとめると、どの用途にも使いにくくなるため、時刻を共通の軸にして別の資料として管理します。
1週間前が目安です。プロの司会者であれば前日でも対応できますが、固有名詞の確認や言い回しの調整に時間が必要です。社内の人が司会を務める場合は、2週間前に渡して読み合わせの機会を設けてください。
格式が求められる式典や大規模イベントでは外部のプロを推奨します。社内イベントや、親しみやすさを重視する場面では社内の方が適することもあります。判断の基準は、進行の精度と場の空気のどちらを優先するかです。依頼の手順はイベント司会の依頼にまとめています。
台本を声に出して何度か読み、最初の一言(開会の宣言と名乗り)だけは台本を見ずに言えるようにしておくと、出だしで落ち着けます。会場で実際にマイクを持って声を出し、自分の声の聞こえ方を一度確かめておくのも有効です。言い間違えたときの言い直し方(トラブル時の文例)を台本の末尾に貼っておくと、慌てずに済みます。
主催者や登壇者と同じか、少し改まった装いに合わせます。社外向けのセミナーや式典ならスーツ、社内の懇親会なら主催者に合わせた服装が無難です。迷ったら主催者に確認し、マイクを付けることがある場合は、ピンマイクを留められる襟や前立てのある服を選んでください。
変わります。会場の拍手や反応が配信では伝わりにくいため、状況を言葉で補う指示を入れてください。また画面切り替えのタイミングを台本に書き込むと、スイッチャーとの連携が取りやすくなります。配信向けの台本はウェビナーの台本にまとめています。