結論
司会の自己紹介は「本日の司会を務めます、◯◯部の◯◯と申します」が基本形です。冒頭の挨拶としては①お礼 → ②開会の宣言 → ③名乗り → ④流れと終了時刻の案内の順に並べると、そのまま読めます。名乗るのは開会の宣言の前後で、会議や社内の会では宣言の後、式典では宣言の前や開式前の諸注意のアナウンスで先に名乗る形もあります。どちらにするかは会社や場面で違います。
冒頭の挨拶の型(穴埋めで使える)
名乗りだけを言うと、会場は「で、何が始まるのか」がわかりません。名乗りの前後に次の四つを置くと、司会の最初の挨拶が一回で終わります。
| 順番 | 言うこと | 例 |
|---|---|---|
| ①お礼 | 集まってくれたことへのお礼 | 本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。 |
| ②開会 | 何を始めるか | 定刻となりましたので、ただいまより◯◯を始めます。 |
| ③名乗り | 役目・所属・名前 | 本日の司会を務めます、◯◯部の◯◯と申します。 |
| ④案内 | 流れ・終了時刻・お願い | 終了は◯時を予定しています。携帯電話はマナーモードにお願いいたします。 |
穴埋めテンプレート
皆さま、本日は[お礼の言葉]。[定刻となりましたので/お時間となりましたので]、ただいまより[会の名前]を始めます。本日の司会を務めます、[所属]の[名前]と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日は[主な流れ]を予定しており、終了は[時刻]ごろの予定です。
短い版(会議・朝礼など)
時間になりましたので始めます。本日の進行は◯◯課の◯◯が担当します。よろしくお願いします。
注意
④の案内のうち、携帯電話・撮影・避難経路などの諸注意をまとめて読む文例は式典のアナウンス 例文にあります。
名乗るタイミング
| タイミング | 流れ | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 開会の宣言の後 | お礼 → 開会の宣言 → 名乗る | 会議・研修・社内の会 |
| 開会の宣言の前 | お礼 → 名乗る → 諸注意 → 開会の宣言 | 式典・社外向けセミナー・総会 |
| 開式前のアナウンスで | 開式前の諸注意の冒頭で名乗り、開式の宣言では名乗らない | 改まった式典 |
| 開会の言葉の前に | 開会の言葉を部長などが言う会では、司会が最初に名乗ってから担当者へつなぐ | 歓迎会・送別会・忘年会 |
開会の言葉を別の人(部長など)が言う会では、司会は最初に名乗ってから「はじめに、◯◯部長にご挨拶をお願いします」とつなぎます。開会の宣言の言い方は開会の言葉にあります。
場面別の例文
歓迎会(くだけた会)
皆さん、お疲れさまです。少し早いですが全員そろったので始めます。本日の司会をします、営業部の◯◯です。今日は◯月に入った◯◯さんと◯◯さんを迎える会です。終わりは◯時の予定なので、それまでたくさん話しかけてあげてください。よろしくお願いします。
歓迎会(役員が出る改まった会)
皆さま、本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまより◯年度 新入社員歓迎会を始めます。本日の司会を務めます、人事部の◯◯と申します。最初に社長よりご挨拶をいただき、その後、乾杯、新入社員の自己紹介と続きます。◯時ごろの終了を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
歓迎会の挨拶全体は歓迎会の挨拶を参照してください。
送別会
皆さん、お集まりいただきありがとうございます。それでは◯◯さんの送別会を始めます。司会は、◯◯さんと同じチームの◯◯が務めます。今日は◯◯さんとゆっくり話せる最後の機会なので、短く進めて歓談の時間を多めに取ります。よろしくお願いします。
忘年会・新年会
皆さん、一年お疲れさまでした。ただいまより◯◯部の忘年会を始めます。本日の司会兼幹事の◯◯です。途中でビンゴもありますので、最後までお付き合いください。よろしくお願いします。
忘年会の進行は忘年会の司会、懇親会の台本は懇親会の司会台本にあります。
社外の方を交えた懇親会
皆さま、本日はお越しいただき誠にありがとうございます。これより懇親会を開会いたします。本日の司会を務めます、◯◯株式会社 ◯◯部の◯◯と申します。お料理とお飲み物をご用意しておりますので、どうぞごゆっくりご歓談ください。
社内会議
それでは時間になりましたので、◯◯会議を始めます。本日の進行を担当します、◯◯課の◯◯です。議題は三つで、◯時に終える予定です。よろしくお願いします。
定例会議で毎回司会をする場合
時間になりましたので、今週の定例を始めます。進行は今週も◯◯です。最初に先週の宿題の確認から入ります。
毎回同じ顔ぶれの会議では、名前を名乗るより「今日の進行役が誰か」と「何時に終わるか」が伝われば足ります。進め方は会議の司会進行へ。
社内研修
皆さん、おはようございます。ただいまより◯◯研修を始めます。本日の進行を務めます、人事部の◯◯です。講師は◯◯様にお願いしております。終了は◯時、途中で休憩を一度取ります。よろしくお願いいたします。
社外向けのセミナー・説明会
本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。開始に先立ちまして、本日の司会を務めます、◯◯株式会社 ◯◯部の◯◯と申します。どうぞよろしくお願いいたします。はじめに、資料と本日の流れについてご案内いたします。
講師の紹介へのつなぎ方は講師紹介、台本はセミナー・講演会の司会台本にあります。
オンライン会議・ウェビナー
皆さま、こんにちは。音声は聞こえておりますでしょうか。聞こえている方は、チャットでお知らせいただけますと助かります。……ありがとうございます。それでは始めます。本日の司会を務めます、◯◯株式会社の◯◯と申します。ご質問はチャットでお受けし、最後にまとめてお答えいたします。
オンラインでは名乗る前に音声の確認を一言入れると、聞こえていなかった人が出にくくなります。挨拶の言い方はオンライン会議の挨拶へ。
式典
ご来場の皆さま、本日はご多用のところ、◯◯株式会社 創立◯周年記念式典にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。本日の司会進行を務めさせていただきます、総務部の◯◯でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
総会
定刻となりましたので、ただいまより◯年度 ◯◯会 定期総会を開会いたします。本日の司会を務めます、事務局の◯◯でございます。議事に入ります前に、配布資料の確認をお願いいたします。
表彰式(社内)
皆さま、お集まりいただきありがとうございます。ただいまより◯年度 社内表彰式を始めます。本日の司会を務めます、総務部の◯◯です。受賞された皆さんは、名前を呼ばれましたら前へお進みください。
表彰式の流れは表彰式の進め方にあります。
地域の行事・PTA・町内会
皆さん、こんにちは。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。今年の◯◯祭りの司会を担当します、◯丁目の◯◯です。慣れない役ですが、精いっぱい務めます。どうぞよろしくお願いします。
取引先・主催者から頼まれて司会をする場合
主催の◯◯株式会社様からご依頼をいただき、本日の司会を務めます、◯◯株式会社の◯◯と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
二人で司会をする場合
(一人目)本日の司会は、総務部の◯◯と、
(二人目)人事部の◯◯が務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
急に代わりで司会をする場合
本来は◯◯が司会を務める予定でしたが、都合により、代わりまして◯◯部の◯◯が進行いたします。よろしくお願いいたします。
開始が遅れたとき
皆さま、お待たせいたしました。開始が遅れましたことをお詫び申し上げます。本日の司会を務めます、◯◯部の◯◯と申します。それでは、ただいまより◯◯を始めます。
名乗りに添える一言の例
社内のくだけた会なら、名乗りの後に一言だけ添えると場がほぐれます。改まった会では添えず、名乗りの一文で終えます。
- 「普段は経理で数字ばかり見ています。今日は時計を見ながら進めます」
- 「今年入ったばかりで、こうして皆さんの前に立つのは初めてです」
- 「乾杯まではきっちり、その後はゆるく進めます」
- 「進行が止まったら、温かい拍手で助けてください」
- 「◯◯さんとは同期で、今日を一番楽しみにしていた一人です」(送別会・歓迎会)
「務めます」「務めさせていただきます」の選び方
| 言い方 | 印象 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 司会を務めます、◯◯と申します | 簡潔で丁寧 | 多くの場面で使える |
| 司会進行を務めさせていただきます | へりくだった改まった言い方 | 式典・来賓がいる場 |
| 司会を担当します、◯◯です | くだけた丁寧語 | 社内会議・社内の会 |
| 司会を仰せつかりました◯◯でございます | 頼まれて務めることを強調する言い方 | 改まった式典。多用すると堅く聞こえる |
文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年)は、「(さ)せていただく」を、自分側が行うことを相手側または第三者の許可を受けて行い、そのことで恩恵を受ける場合に使われる形と説明しています。同じ指針は、研究発表の冒頭の「それでは,発表させていただきます。」について、許可という条件がない場合には「発表いたします。」の方が簡潔に感じられるようだとしています。
司会は主催者から役目を任されて務めるので、式典の名乗りで「務めさせていただきます」を使うことはあります。ただし一つの台本の中で何度も重ねるとくどく聞こえます。名乗りで一度使ったら、あとは「いたします」「申し上げます」で進めるのがおすすめです。詳しくは「させていただく」の使い方、言い回し全般は司会のつなぎ言葉と言い回しにあります。
自分の名乗り方で気をつけること
- 自分の名前に「さん」「様」は付けない(「◯◯さんが司会です」は誤り)
- 社外の方がいる場では、所属は会社名から言う(「◯◯株式会社 総務部の◯◯」)
- 社外の方の前で自社の上司に触れるときは、役職を名前の前に置き、敬称を付けない(「部長の◯◯」)
- 役職のある人が司会をする場合も、名乗りは「総務部長の◯◯です」と簡潔に
よくある失敗と直し方
| 失敗 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 名乗らずに始める | 誰に質問すればよいか、会場がわからない | 開会の前後に一文だけ名乗る |
| 「不慣れですが」を何度も言う | 会場が不安になり、進行が頼りなく聞こえる | 言うなら一度だけ。改まった会では言わなくてよい |
| 自己紹介が長い・内輪の話をする | 主役は司会ではない。知らない人が置いていかれる | 名乗りは一文、添える一言は全員に通じる話に |
| 「させていただきます」を重ねる | 回りくどく聞こえる | 名乗りで一度。後は「いたします」 |
| 台本に目を落としたまま名乗る | 声が下に向き、聞き取りにくい | 最初の一文だけ覚えて、顔を上げて言う |
| マイクの確認をせずに話し始める | 最初の名乗りが聞こえない | 開始前にマイクを入れ、会場の後ろまで届くか確かめる |
名乗る前のチェックリスト
- 会の正式な名前(「第◯回」「◯年度」を含む)を台本に書いたか
- 自分の所属の言い方を決めたか(社内向けは部署から、社外向けは会社名から)
- 開会の宣言を誰が言うか(司会か、部長などか)を決めたか
- 終了時刻と、名乗りの後に案内することを台本に書いたか
- 来賓・登壇者の名前と役職の読み方を確かめたか
- マイクの入れ方と、会場の後ろまで声が届くかを確かめたか
- 二人で司会をする場合、どちらが何を読むかを台本に書いたか
Point
最初の一文は覚えて、顔を上げて言うのがおすすめです。台本を見ながらでも構いませんが、名乗りだけは会場を見ると、その後の進行が聞いてもらいやすくなります。
この記事の要点
- 基本形は「本日の司会を務めます、◯◯部の◯◯と申します」。
- 冒頭はお礼 → 開会 → 名乗り → 流れと終了時刻の順に並べる。
- 名乗るのは開会の宣言の直前か直後。式典では開式前のアナウンスで名乗る形も。
- 「させていただきます」は名乗りで一度。重ねない。
- 社外では会社名から名乗り、自分に敬称は付けない。
- 名乗りは一文で、顔を上げて。添える一言はくだけた会だけ。
FAQ
よくある質問
「本日の司会を務めます、◯◯部の◯◯と申します。どうぞよろしくお願いいたします」が基本形です。式典では「本日の司会進行を務めさせていただきます、総務部の◯◯でございます」のように改まった言い方にします。
会議や社内の会では「定刻となりましたので、ただいまより◯◯を始めます」の後に名乗る形がよく見られます。式典や社外向けのセミナーでは、開会の宣言の前、または開式前の諸注意のアナウンスの冒頭で名乗る形もあります。
その日の主な流れと終了時刻、携帯電話や撮影などのお願いを伝えます。開会の言葉を別の人が言う会なら、「はじめに、◯◯部長にご挨拶をお願いします」とつなぎます。
式典などの名乗りで使われる言い方です。「敬語の指針」は「(さ)せていただく」を相手の許可を受けて行い恩恵を受ける場合の形と説明しており、許可の条件がない場合は「いたします」の方が簡潔に感じられるとしています。名乗りで一度使ったら、あとは「いたします」で進めるのがおすすめです。
全員が顔見知りでも、「本日の司会の◯◯です」と一言名乗ると、進行役が誰かがはっきりします。くだけた会なら、名乗りの後に一言添えても構いません。
名乗る前に「音声は聞こえておりますでしょうか」と確認し、質問の受け方(チャットか口頭か)を名乗りの後に伝えます。