権利処理
社内イベントで音楽を流すときの著作権
CD・BGMの再生も「演奏」に当たる
結論から言うと、社内イベントでも、CDや配信音源をBGMとして流すことは著作権法上の「演奏」に当たります。手続きなしで流せるのは、①営利を目的としない ②参加者から料金(名目は問わない)を受けない ③演奏する人に報酬を払わないの3つをすべて満たす場合だけです。1つでも欠けるか、営利目的かどうかの判断に迷うなら、会場の契約範囲を確認し、管理団体(JASRACなど)に問い合わせるのが確実な進め方です。「生演奏じゃないから大丈夫」「無料・社内だから自由」はどちらも誤解です。以下、条文、判断手順、安心して流す方法、そのまま使える曲名リストと確認メール例文の順にまとめます。
結論
音楽を公に演奏する権利は著作権法第22条が定める演奏権です。そして第2条第7項により、「演奏」には録音されたものを再生することが含まれます。例外として第38条第1項が「営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合」に無許諾での演奏を認めていますが、実演家等に報酬が支払われる場合はこの限りでないというただし書きがあり、3つの要件すべてを満たす必要があります。
根拠となる条文
本記事の条文はe-Gov法令検索の著作権法から取得しています(2026年10月時点)。
第22条 — 演奏権
著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。
「公に」の意味が条文の中で定義されています。公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として行うことです。イベントで来場者に向けて音楽を流す行為は、ここに当たります。
注意
本記事は2026年10月時点の条文に基づく整理です。個別の利用が許諾を要するかどうかの最終判断は、権利を管理している団体や権利者、必要に応じて弁護士に確認してください。この記事は確認すべき論点を整理するためのもので、法的な断定をするものではありません。
「演奏」には録音物の再生が含まれる
ここが実務上いちばん効きます。第2条第7項の条文です。
この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
Point
「録音され、又は録画されたものを再生すること」が「演奏」に含まれます。 つまり、CDを会場で流す、音楽配信サービスを会場のスピーカーにつなぐ、スマートフォンから流す。これらはすべて演奏権が及ぶ行為として扱われます。生演奏をしないから関係ない、ということにはなりません。
イベントで実際に発生している場面
- 開場中・休憩中のBGM
- 登壇者の登場・退場時の音楽
- 表彰式のファンファーレ
- 映像コンテンツのBGM(オープニング映像、事例紹介動画)
- ダンスや演目の音源
- 懇親会の会場BGM
注意
「ほんの数十秒だから」「BGMとして小さく流しているだけだから」という理由で対象外になる、という規定は条文にありません。 長さや音量による除外を自分で判断しないでください。
無許諾でよい第38条第1項 — 要件は3つ全部
著作権法には、一定の場合に無許諾で演奏できる条文があります。第38条第1項です。
公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。
条文を要件に分解する
| # | 要件(条文の文言) | 欠けると |
|---|---|---|
| ① | 営利を目的とせず | 第38条第1項は使えない |
| ② | 聴衆又は観衆から料金を受けない | 第38条第1項は使えない |
| ③ | 実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われない(ただし書き) | 第38条第1項は使えない |
Point
3つすべてを満たして初めて第38条第1項が使えます。「無料だから大丈夫」は②しか見ていません。①と③が残っています。
「料金」の意味は条文に定義がある
第38条で用いる「料金」については、著作権法の中に定義があります。
いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう
「いずれの名義をもつてするかを問わず」という書き方です。入場料という名前かどうかは関係ありません。参加費、資料代、会費といった名目であっても、著作物の提供又は提示につき受ける対価に当たるかどうかで判断される、という構造になっています。
企業イベントはどうなるか
注意
「営利を目的とせず」に当たるかどうかは、個別の判断です。 企業が自社の商品やサービスの紹介のために開催するイベント、採用を目的とするイベント、取引先との関係づくりを目的とする催しなどについて、本記事では「当たる/当たらない」という断定をしません。第38条第1項に頼る前に、権利を管理している団体に確認してください。 無料の社内イベントであっても、要件を満たすかどうかは内容によります。
条文が置いている要件は3つ。1つでも欠ければ、この条文は使えない。
社内イベントで音楽を流すときの判断手順
社員だけが集まる忘年会・表彰式・キックオフでも、考え方は同じです。「社内だから対象外」という規定は著作権法にありません。 結論を自社だけで決めず、次の順で当てはめ、迷うところは確認先に聞いてください。
- 01
音が出る場面を書き出す
入退場、乾杯、表彰の呼び込み、余興、オープニング映像、歓談中のBGM。進行表を見ながら「音が出る場面」を全部拾います。曲名と音源(CD・配信・映像に付いている音楽)まで書いておくと、あとの確認が早くなります。
- 02
参加者の範囲を整理する
全社か部署内か、取引先や家族も招くか、来場者に向けて流すか。第22条は「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として」行う演奏を対象にしています。自社の催しが当たるかを自分で断定せず、管理団体に伝えられるよう事実を整理します。
- 03
第38条第1項の3要件に当てはめる
会費・参加費を集めるか(名目を問わず「料金」に当たりうる)、演奏や歌など実演をする人に報酬を払うか(ただし書き)、営利を目的としない催しと言えるか。1つでも欠けるなら、この条文には頼れません。
- 04
会場の契約を確認する
ホテルの宴会場やホールが施設として音楽利用の手続きをしていることがあります。持ち込み音源やBGMが範囲に入るかを具体的に聞きます。
- 05
配信・録画・社内公開の予定を確認する
オンライン参加の同時配信、後日の社内ポータルへの動画掲載は、会場で流すこととは別の行為です。予定があるなら最初に確認先へ伝えます。
- 06
迷う点を確認先に問い合わせ、記録を残す
誰に何を聞き、どう回答を得たかを残します。翌年の担当者が同じ確認をやり直さずに済みます。
場面別に確認すること
| 場面 | よくある使い方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 忘年会・新年会 | 歓談BGM、余興の音源、ゲームの効果音 | 会費を集めるか/外部の演者に報酬を払うか/会場の契約範囲 |
| 表彰式 | 受賞者の呼び込み曲、ファンファーレ | 曲名を香盤表に書き、誰が再生するか/録画を社内公開するか |
| キックオフ・全社総会 | オープニング映像のBGM、入場曲 | 映像制作会社が付けた音源の権利処理がどの利用まで済んでいるか |
| 社内研修・勉強会 | 休憩中のBGM、教材動画 | 教材動画に含まれる音源の扱い/録画の公開範囲 |
| オンライン忘年会・同時配信 | 配信画面でBGMを流す | 会場での再生とは別の行為。配信を含めた利用形態として確認 |
確認先の使い分け
| 確認先 | 聞くこと |
|---|---|
| 会場(ホテル・宴会場・ホール) | 施設としての音楽利用の契約の有無と範囲、持ち込み音源の扱い |
| 管理団体(JASRACのJ-OPUSなど) | 自社の催しで手続きが要るか、どの形態で申請するか、著作隣接権の確認が要るか |
| 映像制作会社・音響会社 | 納品物に使った音源の権利処理の範囲(会場での上映・配信・社内公開) |
| 社内の法務・総務 | 過去の社内行事での扱い、問い合わせ窓口の一本化 |
| 弁護士 | 第38条第1項に当たるかどうかなど、判断が分かれる点 |
余興で音源を使う場面の準備は忘年会の余興、表彰式の進行は表彰式の進め方、全社の催しはキックオフイベント、配信を伴う場合はオンライン忘年会も参考にしてください。社内イベント全体の段取りは社内クリスマスパーティーにまとめています。
社内イベントで音楽を安心して流す5つの方法
第38条第1項に当てはまるか迷うときは、次のどれかで進めます。1つの催しで組み合わせてもかまいません(例:歓談BGMは規約で認められた音源、入場曲は管理団体に手続き)。
| 方法 | 向いている場面 | 事前に確認すること |
|---|---|---|
| ① 管理団体に手続きする | 使いたい市販曲・ヒット曲が決まっている | 利用形態(会場での再生・生演奏・配信・録画)をまとめて伝える/著作隣接権の確認も要るか |
| ② 会場の音楽利用契約の範囲で流す | ホテル宴会場・ホールで開く | 契約がカバーする利用形態と、持ち込み音源の扱いを文書で確認 |
| ③ 利用規約で認められた音源を使う(著作権フリー等) | 歓談BGM・効果音・映像のBGM | 会場での再生・企業の催し・配信・クレジット表記が規約で認められているか |
| ④ 業務用BGMサービスなどの契約音源を使う | 日常的にBGMを流す施設・オフィス | 契約が社内イベントや貸会場での利用、配信まで含むかを提供元に確認 |
| ⑤ 曲を作る(社員が作る・制作を依頼する) | 表彰式のテーマ曲、オープニング映像 | 作った人・制作会社との間で、会場・配信・社内公開まで使えるかを書面で取り決める |
注意
どの方法でも、「どこで・何を・どう使うか」を先に書き出しておくと確認が一度で済みます。次の曲名リストをそのまま使ってください。
曲名リスト(音楽利用メモ)のテンプレート
進行表の横に置き、確認先に送る資料と翌年の引き継ぎ資料を兼ねます。記入例つきです。
| 場面 | 曲名・アーティスト | 音源 | 流し方 | 配信・録画 | 確認先と回答 |
|---|---|---|---|---|---|
| 開場〜乾杯前 | 〇〇(歓談用プレイリスト) | 規約で会場利用が認められた音源 | 音響担当がPCから再生 | なし | 配布サイトの規約を保存(〇月〇日) |
| 表彰の呼び込み | 〇〇/〇〇 | 市販CD | 音響卓で再生 | 社内ポータルに録画掲載 | 管理団体に照会中(〇月〇日) |
| オープニング映像 | 映像に付いたBGM | 制作会社が用意 | 映像として上映 | 同時配信あり | 制作会社に権利処理の範囲を確認済み |
| 余興(社員バンド) | 〇〇 | 生演奏 | ステージで演奏 | なし | 会場の契約範囲を確認中 |
当日の運用チェック
- 曲名リストにない曲を当日その場で追加しない(持ち込み曲は事前に申告してもらう)
- 再生担当者を1人に決め、音源を1台の機器にまとめておく
- リハーサルで音量と切り替えのタイミングを確認した(スピーチ中はBGMを下げる)
- 配信がある場合、配信画面に乗せる音と会場だけで流す音を分けた
- 機器トラブルに備えて予備の音源と再生機器を用意した
手続きの窓口
音楽の著作権を管理している団体に対して、利用の手続きを行います。JASRACはイベント・催物で音楽を利用するというページを設けており、コンサート・イベント等での演奏についてJ-OPUSというオンライン窓口を案内しています。
注意
使用料の金額と計算方法については、本記事では示しません。 JASRACの当該ページに金額の記載がなく、利用の形態によって扱いが変わるためです。金額は必ず管理団体の公式な案内で確認してください。他のまとめ記事に書かれている金額を自分の案件に当てはめないでください。
会場が契約している場合がある
ホールや商業施設などの会場が、施設として音楽利用の手続きを済ませていることがあります。この場合、主催者が別途手続きをする必要があるかどうかは、その契約がどの範囲をカバーしているかによります。
- 会場に音楽利用の契約があるかを確認した
- 契約がある場合、どの利用形態まで含まれるか(BGMのみか、生演奏も含むか等)を確認した
- 自分たちの利用がその範囲に収まるかを確認した
- 収まらない場合に誰が手続きをするのかを会場と取り決めた
Point
会場に契約があるからといって、あらゆる音楽利用が自動的に処理されるわけではありません。 「この会場は契約しているので大丈夫です」という口頭の説明を受けたら、どの範囲なのかを具体的に聞いて、文書で残してください。
会場への確認メールの例文
口頭で「大丈夫です」と言われたときこそ、範囲を文書で確認します。そのまま使える形にしています。
Point
件名:〇月〇日 〇〇(催し名)での音楽利用についての確認
〇〇ご担当者様
〇月〇日に貴施設で開催する〇〇について、音楽の利用を予定しています。手続きの要否を判断するため、次の点についてご教示ください。
1. 貴施設として音楽利用の契約をされているか
2. 契約がある場合、BGMの再生・生演奏・持ち込み音源の再生のうち、どこまでが範囲に含まれるか
3. 当日の同時配信や録画を行う場合、その扱いは範囲に含まれるか
4. 範囲外の利用について、主催者側で手続きが必要か
当日の利用予定:開場中のBGM、表彰時の入場曲、オープニング映像の上映(曲名一覧を添付します)
お手数をおかけしますが、ご回答をメールでいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇(氏名)
電話:〇〇 メール:〇〇
「著作権フリー」のBGMを使うときの確認
「著作権フリー」「ロイヤリティフリー」と書かれた音源を使う方法もあります。ただし表示の意味は配布しているサイトごとに違い、使える範囲は利用規約に書かれています。 名前だけで「どこでも自由に使える」と判断しないでください。
- イベント会場での再生が利用規約で認められている
- 配信・録画・SNSへの公開まで認められているか確認した
- 企業の催し・商用の利用が認められているか確認した
- クレジット表記が条件になっていないか確認した(必要なら投影資料や配信の概要欄に入れる)
- 管理団体が管理している曲ではないか、規約の記載で確認した
- 利用規約の画面とダウンロードした日を保存した
注意
社員バンドが既存の曲を演奏する、社員が歌う、という場合も、演奏権の考え方は録音物の再生と同じく第22条と第38条第1項の話です。「自分たちで演奏するから手続きはいらない」とはなりません。
著作権だけでは終わらない — 著作隣接権
ここは、見落とすと事故になるところです。音楽には著作権のほかに、著作隣接権という別の権利が存在します。実演家(演奏した人、歌った人)や、レコード製作者が持つ権利です。
Point
「JASRACに手続きをすれば、音楽に関することは全部済む」とは限りません。 管理している権利の範囲が違うためです。市販の音源をそのまま使う場合や、録音・配信を伴う場合は、著作権とは別の権利についても確認が必要かどうかを、手続きの段階で管理団体に質問してください。
注意
本記事では著作隣接権の条文を扱っていません。 範囲外の事項について断定的な整理を書かないためです。該当しそうな場合は、管理団体への照会と、必要に応じて弁護士への相談を前提にしてください。
配信・録画をするなら論点が増える
イベントを配信する、録画してあとから公開する、ダイジェスト動画をSNSに出す。これらは会場で流すこととは別の行為です。会場での演奏について手続きをしたから配信も含まれる、とは考えないでください(配信の準備全体はイベント配信のやり方)。配信や公開の予定がある場合は、企画段階で管理団体に利用の形態を伝えて確認してください。
企画段階からの進め方
社外向けの催しでも、前半は社内イベントの判断手順と同じです。音が出る場面の書き出し→第38条第1項の3要件の当てはめ→会場の契約範囲を文書で確認→配信・録画の有無を決める。そのうえで、次の2つを加えます。
- 01
管理団体に利用の形態を伝えて手続きする
JASRACはコンサート・イベント等での演奏についてJ-OPUSというオンライン窓口を案内しています。配信・録画の予定は後から追加すると間に合わないことがあるので、ここで一緒に伝えます。著作隣接権についても確認が必要かを、この場で質問してください。
- 02
当日の運用に落とす
誰が音源を管理し、誰が再生するのかを決めます。当日に出演者が持ち込んだ曲を急に流す、という運用は、手続きの前提を崩します。香盤表に曲名まで書いておくのが確実です。
注意
許認可全体の中での位置づけはイベント開催に必要な許可・届出に整理しています。音源を当日どう扱うかはイベント運営チェックリストと合わせて設計してください。
この記事の要点
- 第2条第7項により、録音物の再生も「演奏」に含まれる。 CD・配信音源をBGMで流すことも演奏権が及ぶ。
- 演奏権の根拠は第22条。「公に」とは公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として行うこと。
- 無許諾でよい第38条第1項の要件は3つ。①非営利 ②料金を受けない ③実演家等に報酬なし。1つでも欠ければ使えない。
- 「料金」はいずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価。入場料という名前かどうかは関係ない。
- 迷うときは①管理団体に手続き ②会場の契約範囲 ③規約で認められた音源 ④業務用BGMサービスの契約範囲 ⑤曲を作るのいずれかで進め、曲名リストで管理する。
- 社内イベントでも「社内だから対象外」という規定はない。 音が出る場面の書き出し→3要件の当てはめ→会場の契約→配信の有無→確認先への問い合わせ、の順で進める。
- 会場の契約がどの範囲をカバーするかは必ず文書で確認する。
- 「著作権フリー」の音源は利用規約の範囲で使う。会場での再生・配信・企業利用・クレジット表記を確認する。
- 著作権と著作隣接権は別。「管理団体に申請すれば全部済む」とは限らない。配信・録画は会場での演奏とも別の行為。
FAQ
よくある質問
社内イベントだからといって対象外になる規定は、著作権法にはありません。手続きなしで流せるのは、第38条第1項の「営利を目的としない」「聴衆から料金を受けない」「演奏する人に報酬を払わない」の3つをすべて満たす場合だけです。参加費などを集める(名目を問わず「料金」に当たりうる)、演奏する人に謝礼を払う、といった事情があれば当てはまらない可能性があります。営利目的に当たるかどうかは個別の判断なので、迷う場合は管理団体に確認してください。
著作権法には「社内イベントは非営利」「企業の催しは営利」と決める規定はなく、催しの目的や内容による個別の判断です。商品の紹介、採用、取引先との関係づくりなど事業とのつながりがある催しは、自社だけで「非営利」と決めずに、管理団体や弁護士に確認してください。判断に迷う場合は、会場の契約範囲の確認や管理団体への手続き、規約で認められた音源の利用といった方法で進められます。
既存の曲を公に演奏することは、録音物の再生と同じく第22条の演奏権の対象で、無許諾でよいかは第38条第1項の3要件で判断します。演奏する社員に謝礼を払う、参加費などを集めるといった事情があれば、要件を欠く可能性があります。自分たちで演奏するから手続き不要、とはなりません。
著作権法第2条第7項の「演奏」は、公衆送信に該当するものを除いています。配信や録画の公開は会場で流すこととは別の行為として確認が必要です。会場での利用について手続きをしていても配信が含まれるとは限らないので、配信・録画の予定は企画段階で管理団体に伝えてください。
著作権法第2条第7項は、「演奏」に録音されたものを再生することを含むと定めています。つまりCDや配信音源を会場で流すことも演奏権が及ぶ行為です。生演奏でないから対象外、ということにはなりません。無許諾でよいのは第38条第1項の3要件をすべて満たす場合に限られるため、該当するかを確認したうえで、必要なら管理団体に手続きをしてください。
「著作権フリー」「ロイヤリティフリー」という表示の意味は配布しているサイトごとに違い、使える範囲は利用規約で決まっています。イベント会場での再生、配信や録画、企業の催しでの利用、クレジット表記の要否を規約で確認してください。規約の画面とダウンロードした日を保存しておくと、あとで確認を求められたときに説明できます。
料金を受けないことは第38条第1項の要件の1つですが、それだけでは足りません。条文は「営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合」としたうえで、ただし書きで「実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない」としています。3つの要件すべてを満たす必要があります。
著作権法は「料金」を「いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価」と定義しています。入場料という名前かどうかで決まる構造ではありません。名目を変えれば要件を満たす、という判断はしないでください。
どの利用形態まで契約の範囲に含まれるかを具体的に確認してください。BGMのみなのか生演奏も含むのか、配信や録画が含まれるのか。口頭の説明ではなく文書で残してください。また、音楽には著作権とは別に著作隣接権があり、管理している範囲が異なります。手続きの段階で、著作隣接権についても確認が必要かを質問してください。