進行
懇親会の進行表と司会台本テンプレート
場面別セリフ例文
懇親会の進行表は、開会→乾杯→歓談→(余興)→歓談→集合写真→締め→閉会の順に、時刻・担当・店への合図を並べれば完成します。ただし幹事が司会を兼ねるなら、進行表だけでは当日に詰まります。 この記事では、◯◯を埋めるだけで読める全文台本、会の長さ別の進行表、場面ごとのセリフ(丁寧/くだけた)、トラブル時のつなぎ方まで、そのまま使える形でまとめます。
結論
懇親会の進行表は時刻・項目・担当を並べたもの、司会台本は読み上げる文言そのものを書いたものです。幹事が司会を兼ねる場合は両方を1枚にまとめ、「続きまして」から始まる一文をそのまま書いておくのが最も確実な準備です。
結論:そのまま読める全文台本(2時間・社内の懇親会)
まず全体を1枚で示します。◯◯(会の名前)、△△(人名・役職)を書き換えれば、上から順に読むだけで会が進みます。 【 】は司会の動き、( )は店や担当者への合図です。
【19:00 開会】 皆さま、お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより◯◯の懇親会を始めます。司会は◯◯部の△△が務めます。よろしくお願いいたします。 はじめに、□□部長よりご挨拶をいただきます。□□部長、お願いいたします。 【19:03 乾杯】 □□部長、ありがとうございました。 続きまして、乾杯に移ります。皆さま、お飲み物はお手元に届いていますでしょうか。グラスをお持ちになって、少々お待ちください。 【全員の手元を見渡す】 よろしいでしょうか。それでは、◇◇本部長に乾杯のご発声をお願いいたします。◇◇本部長、お願いいたします。 【19:05 歓談】 ありがとうございました。ここからはご歓談のお時間です。お料理も順にお出ししますので、ごゆっくりどうぞ。 【19:50 余興の前】 ご歓談中のところ失礼いたします。ここで、◯◯チームによる企画をお楽しみください。◯◯さん、お願いいたします。 【20:05 余興の後】 ◯◯さん、ありがとうございました。皆さま、もう一度大きな拍手をお願いいたします。引き続き、ご歓談ください。 (店:ラストオーダーの声かけを依頼) 【20:40 集合写真】 ご歓談中のところ失礼いたします。ここで集合写真を撮影いたします。恐れ入りますが、◯◯側にお集まりください。 【20:45 締め】 ありがとうございました。皆さま、そろそろお時間となりました。 最後に、▽▽部長より締めのご挨拶をいただきます。▽▽部長、お願いいたします。 【20:50 閉会】 ▽▽部長、ありがとうございました。 以上をもちまして、◯◯の懇親会を終了いたします。お席を立たれる前に、お忘れ物がないかご確認ください。 二次会は◯◯にて◯時から行います。参加される方は、入口にお集まりください。 本日はありがとうございました。お気をつけてお帰りください。
Point
印刷するときは文字を大きめにして、名前にはフリガナを振ってください。 薄暗い店内で、片手にマイクを持って読みます。小さい文字は当日読めません。
進行表テンプレート(2時間の場合)
| 時刻(例) | 項目 | 目安 | 担当 | 司会の一言目 | 店・担当への合図 |
|---|---|---|---|---|---|
| 18:45 | 受付・入場 | 15分 | 受付係 | — | 人数の最終連絡 |
| 19:00 | 開会・主催者挨拶 | 3分 | 司会/主催部門の責任者 | 「定刻となりましたので」 | — |
| 19:03 | 乾杯 | 2分 | 上位の方 | 「お飲み物はお手元に」 | 乾杯用の飲み物が全員に届いているか |
| 19:05 | 歓談 | 最も長く取る | — | 「ご歓談のお時間です」 | 料理を出し始める |
| 19:50 | (余興・企画) | 10〜15分 | 担当者 | 「ご歓談中のところ失礼いたします」 | マイク・音響の確認 |
| 20:05 | 歓談 | 集合写真まで | — | 「引き続きご歓談ください」 | ラストオーダーの声かけ |
| 20:40 | 集合写真 | 5分 | 幹事 | 「◯◯側にお集まりください」 | 撮影係 |
| 20:45 | 締めの挨拶 | 3〜5分 | 乾杯に次ぐ方 | 「そろそろお時間となりました」 | — |
| 20:50 | 閉会・二次会の案内 | 2分 | 司会 | 「以上をもちまして」 | 会計・忘れ物確認 |
Point
歓談の時間をいちばん長く取ってください。 懇親会の目的は話すことです。企画を詰め込むと、話す時間が無くなります。余興は入れないという選択肢も有効です。
注意
集合写真は締めの挨拶の前に置いてください。 締めが終わると人が動き始めます。解散してから「写真を撮っていない」と気づくのが、最も多い失敗です。
時刻の表はタイムテーブル作成ツールで作って印刷できます。歓談の残り時間を会場に示したいときはタイマーも使えます。
会の長さ・形式で変わるところ
| 項目 | 90分(店の飲み放題枠など) | 2時間(標準) | 社外の来賓を招く場合 |
|---|---|---|---|
| 開会 | 主催者挨拶を短く、または省いて乾杯へ | 主催者挨拶 1〜2分 | 主催者挨拶のあとに来賓挨拶を入れる |
| 乾杯 | そのまま | そのまま | 乾杯の発声を来賓にお願いすることもある |
| 余興 | 入れない | 入れるなら1つ | 社内向けの内輪の企画は避ける |
| 歓談の途中 | — | ラストオーダーの案内 | 祝電・メッセージの紹介、来賓の席への挨拶回り |
| 締め | 締めの挨拶のみ | 中締め、または締めの挨拶 | 締めは主催側の上位の方。手締めを入れる場合は先に方式を伝えておく |
| 閉会 | 店の退店時刻から逆算 | 二次会の案内 | 来賓のお見送りを先に |
注意
店の利用時間が決まっている場合は、退店時刻から逆算して締めの時刻を先に決めてください。開会が遅れても、締めの時刻は動かさないのが原則です。
場面別のセリフ例文(丁寧/くだけた)
全文台本の各場面について、言い換えを並べます。役員や社外の方がいる会は「丁寧」、部署内の会は「くだけた」を目安に選んでください。
開会
【丁寧】皆さま、本日はお忙しいなかお集まりいただき、誠にありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまより◯◯懇親会を開会いたします。進行役は、◯◯部の△△でございます。至らない点もあるかと存じますが、最後までお付き合いください。
【くだけた】皆さん、お疲れさまです!時間になりましたので、◯◯懇親会を始めます。司会の△△です。短い時間ですが、たくさん話して帰ってください。
【社外の方を招く場合】本日は、日頃お世話になっております◯◯株式会社の皆さまにもお越しいただいております。誠にありがとうございます。
主催者・来賓の挨拶の紹介
【主催者】はじめに、主催者を代表して、□□部長よりご挨拶をいただきます。□□部長、お願いいたします。
【社外の来賓】ここで、ご来賓の方からご挨拶を頂戴いたします。◯◯株式会社 営業本部長、◇◇様です。◇◇様、よろしくお願いいたします。
【挨拶のあと】□□部長、ありがとうございました。皆さま、いま一度拍手をお願いいたします。
乾杯
【丁寧】続きまして、乾杯に移ります。お飲み物がまだお手元にない方は、お近くのスタッフにお申し付けください。……皆さま、よろしいでしょうか。それでは◇◇本部長、乾杯のご発声をお願いいたします。
【くだけた】では乾杯にいきます!グラス、行き渡っていますか? まだの方、手を挙げてください。……大丈夫ですね。◇◇さん、お願いします!
注意
「グラスをお持ちください」と、全員の手元を見渡す間を必ず入れてください。 これが無いと、乾杯の発声が始まってから慌てて準備することになります。
歓談の開始と途中のアナウンス
【歓談の開始】ありがとうございました。お料理が順に運ばれてまいります。召し上がりながら、どうぞご歓談ください。
【席の移動を促す】ご歓談中のところ失礼いたします。ここからは、ぜひ普段お話しする機会の少ない方のお席にも足をお運びください。
【ラストオーダー】ご歓談中のところ失礼いたします。お飲み物のラストオーダーのお時間です。追加のご注文は、お近くのスタッフにお声がけください。
【祝電・メッセージ】ここで、本日ご出席が叶わなかった方からお預かりしているメッセージをご紹介いたします。(読み上げ)◯◯様、ありがとうございました。
余興・企画の前後
【前】ご歓談中のところ失礼いたします。ここで、◯◯チームの皆さんによる企画をお楽しみください。お食事はそのままお続けいただいて構いません。
【後】◯◯チームの皆さん、ありがとうございました。もう一度大きな拍手をお願いいたします。それでは、引き続きご歓談ください。
ビンゴやクイズを入れる場合の読み上げ文はビンゴ大会の司会台本にあります。
中締め・締め
【中締め】皆さま、宴もたけなわではございますが、このあたりで中締めに移りたいと存じます。▽▽部長、お願いいたします。
【中締めのあと】ありがとうございました。お時間の許す方は、◯時まで引き続きお楽しみください。お帰りの方は、どうぞお気をつけてお帰りください。
【締め】皆さま、そろそろお時間となりました。最後に、▽▽部長より締めのご挨拶をいただきます。▽▽部長、お願いいたします。
締めの挨拶に一本締めや三本締めを入れる場合、音頭を取る人のやり方は一本締めのやり方、中締めの挨拶の例文は中締めの挨拶にまとめています。
閉会
【二次会あり】以上をもちまして、本日の懇親会を終了いたします。二次会は◯◯にて◯時から行います。参加される方は、入口にお集まりください。本日はありがとうございました。
【二次会なし】以上をもちまして、本日の懇親会をお開きといたします。コートやお荷物をお忘れになりませんよう、お席の周りをご確認ください。本日はありがとうございました。
【来賓がいる場合】ご来賓の皆さまがお帰りになります。皆さま、拍手でお見送りをお願いいたします。
Point
「お気をつけてお帰りください」で締めると、自然に解散に向かいます。 言わないと、店の退店時刻を過ぎても残る人が出ます。
トラブル時のつなぎ方(そのまま言える一言)
| 起きること | その場で言う一言 | 事前に台本へ書いておくこと |
|---|---|---|
| 時間が押している | 「お時間の都合により、◯◯は割愛させていただきます」 | 削る順番(通常は余興→歓談の途中の案内) |
| 時間が余った | 「もうしばらくご歓談の時間とさせていただきます」 | 歓談を延ばす。無理に企画を足さない |
| 挨拶を頼んだ人が来ていない | 「◯◯部長は少し遅れて到着されますので、先に乾杯に移ります」 | 代役の名前。幹事内で事前に合意 |
| マイクが入らない | 「失礼いたしました。少々お待ちください」→地声で続ける | 地声で届く位置に立つ。予備の電池 |
| 乾杯の飲み物が届いていない | 「まだお手元にない方、手を挙げていただけますか」 | 乾杯の飲み物を先に頼むよう、店に伝えておく |
| 急に挨拶したいという方が出る | 「それでは、締めの前に◯◯さんから一言いただきます」 | 締めの前に枠を1つ空けておく |
| 乾杯の挨拶が長い | (途中では止めない) | 事前の依頼でしか防げない(依頼のしかた) |
Point
言い間違えたら「失礼いたしました」と言い直して先に進んでください。 謝り続けるほうが、会の流れが止まります。
司会の言い回しで気をつけること
| 避けたい言い方 | 言い換え | 理由 |
|---|---|---|
| 「□□部長がご挨拶されます」 | 「□□部長よりご挨拶をいただきます」 | 敬語の指針(文化審議会答申)は「ご……される」を、本来の尊敬語の適切な形ではないとしている |
| 「◯◯部長様」 | 「◯◯部長」 | 役職名で呼べば足りる。「様」は重ねない |
| (社外の来賓の前で)「弊社の◯◯社長がお話しになります」 | 「弊社代表の◯◯よりご挨拶申し上げます」 | 社外の方の前では、自社の人を立てる言い方をしない |
| 「えーと、次は……」 | 「続きまして」 | 台本の各行を「続きまして」「ここで」から始めておく |
| 内輪のあだ名・社内でしか通じない話 | 名前と役職で呼ぶ | 部署外の方や新しく入った人が置いていかれる |
「本日司会を務めさせていただきます」は使ってかまいませんが、台本のすべての文を「させていただく」で終えると冗長になります。「務めます」「始めます」で十分です。
台本に書き込んでおくことと、前日・当日のチェックリスト
台本に書き込んでおくこと
- 氏名のフリガナ(読み間違いは全員が気づく)
- 役職(最新のものか確認する。4月・10月の異動後はとくに)
- 各枠の持ち時間と、締めの時刻(動かさない)
- 代役の名前(挨拶を頼んだ人が来ない場合)
- 押したときに削る箇所(通常は余興)
- 店のスタッフへの合図(料理を出すタイミング、ラストオーダー、退店時刻)
- 二次会の情報(店名・時刻・集合場所)
- 会費の集金を誰がいつやるか
前日までに
- 挨拶・乾杯・締めをお願いする方に、順番と時刻、話す長さを伝えた
- 店に、乾杯の飲み物を最初に出すこと、ラストオーダーと退店の時刻を確認した
- マイクの有無を確認した(無ければ地声で届く位置を決めた)
- 台本を大きめの文字で印刷し、予備を1部用意した
- 撮影係を決めた
当日、開会前に
- 挨拶をお願いした方が来ているか、顔を確認した
- マイクの音が出るか試した
- 時計(スマートフォン)を見える位置に置いた
- 二次会の店に人数を連絡した
Point
店とのやり取りを台本に入れてください。 ラストオーダーの時刻、料理を出すタイミング、延長の可否。当日その場で店員を探すことになるのを防げます。
よくある失敗
| 失敗 | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 乾杯の前に飲み物が揃っていない | 「お飲み物はお手元に」の確認が無い | 台本に書き、全員の手元を見渡す間を取る |
| 集合写真を撮り忘れる | 締めの後に回した | 締めの前に固定する |
| 名前や役職を間違える | 当日に覚えて読もうとした | フリガナと最新の役職を台本に書く |
| 退店時刻を過ぎる | 締めの時刻を決めていなかった | 退店時刻から逆算して締めの時刻を先に決める |
| 司会が集金に追われて進行が止まる | 幹事が全部を兼ねた | 人手があれば司会と会計を分ける |
注意
進行台本のExcelテンプレート(台本と想定問答の2シート)を配布しています。式典形式の場合は式次第の作り方、表彰を伴う場合は表彰式の進行と台本、忘年会・新年会に絞った読み上げ文は忘年会の司会進行 台本と例文を参照してください。
この記事の要点
- 進行表は「開会→乾杯→歓談→(余興)→歓談→集合写真→締め→閉会」。 時刻・担当・店への合図を並べる。
- 幹事が司会を兼ねるなら、読み上げる文言まで書く。「続きまして」から始まる一文をそのまま書いておく。
- 歓談の時間をいちばん長く取る。 90分の会なら余興は入れない。
- 乾杯の前に「お飲み物はお手元に届いていますか」と聞き、手元を見渡す間を入れる。
- 集合写真は締めの前、締めの時刻は退店時刻から逆算して固定する。
- トラブル時の一言と代役の名前を台本に書いておく。 言い間違えたら「失礼いたしました」で先へ進む。
FAQ
よくある質問
時刻・項目・目安の時間・担当の4つに、店や担当者への合図(料理を出すタイミング、ラストオーダーなど)を加えてください。項目は開会、乾杯、歓談、余興(入れる場合)、歓談、集合写真、締め、閉会の順が基本です。幹事が司会を兼ねる場合は、各行に司会が最初に言う一言も書いておくと、進行表と台本を1枚で兼ねられます。
読み上げる文言をそのまま書いておいてください。進行表に「乾杯」と書いてあるだけだと、当日その場で何と言うかが出てきません。「続きまして、◯◯部長より乾杯のご発声をいただきます。◯◯部長、お願いいたします」のように一字一句書いておけば、緊張していても読み上げるだけで進みます。氏名のフリガナと最新の役職も書き込んでおきます。
歓談の時間をいちばん長く取ってください。本文の2時間の例では、開会と乾杯で5分、余興を入れるなら10〜15分、集合写真5分、締めと閉会で5〜7分程度を取り、残りを歓談に充てています。店の利用時間が決まっている場合は、退店時刻から逆算して締めの時刻を先に決めてください。90分の会なら余興は入れないほうが回ります。
中締めは、会の途中でいったん区切りをつけ、帰る人が帰りやすくするためのものです。中締めのあとも会は続き、残る人は引き続き歓談します。締めは会そのものを終えるときの挨拶です。中締めを入れる場合は、司会が「お時間の許す方は◯時まで引き続きお楽しみください」と、続く時刻を案内してください。
歓談の時間を延ばしてください。「もうしばらくご歓談の時間とさせていただきます」と一言添えれば十分です。無理に企画を足すより、話す時間が増えるほうが懇親会の目的に合います。逆に押した場合に削る順番(通常は余興から)も、台本に書いておきます。
開会の最初に、所属と名前を一言で伝えてください。「司会は◯◯部の△△が務めます。よろしくお願いいたします」で足ります。部署をまたぐ会や社外の方がいる会では、誰が進行しているかが分かるだけで、参加者が動きやすくなります。
主催者挨拶のあとに来賓挨拶を入れ、来賓の名前は会社名・役職・氏名の順で紹介します。自社の人を紹介するときは「弊社代表の◯◯よりご挨拶申し上げます」のように、身内を立てない言い方にしてください。内輪の企画やあだ名は避け、閉会では来賓のお見送りを先に案内します。
人手があるなら、司会と会計を分けてください。幹事が司会をやると、集金・店とのやり取り・進行が同時に重なります。分けられない場合は、会費を事前徴収やキャッシュレスにして当日の集金作業を減らす、店とのやり取りの時刻を台本に書いておく、といった準備で負荷を下げてください。