進行
イベントタイムテーブルの作り方
手順・記入例とリカバリ設計
タイムテーブル(タイムスケジュール)は、イベント当日の時刻・内容・担当を1枚にまとめた進行の基準表です。この記事では作り方の手順と、セミナー・社員総会・式典・懇親会・ライブの記入例を載せています。よくある失敗はすべての予定を分単位で埋めてしまうことで、隙間のない表は1か所が押した瞬間に全体が崩れます。
結論
イベントのタイムテーブルは①動かせない時刻を先に置く ②プログラムを順に並べる ③所要時間を割り当てる ④押しやすい場所の直後にバッファを置く ⑤担当・場所・機材を書き込む ⑥公開版を作って読み合わせるの順で作ります。書く項目は時刻・所要・内容・場所・担当・機材・備考で、全体は15分刻み、人が動く場面だけ5分刻みにします。
タイムテーブルの作り方:6つの手順
初めて作る場合も、次の順に進めれば抜けなく作れます。最初から細かい時刻を埋めず、動かせない時刻を先に置くのがこつです。
- 01
動かせない時刻を先に書き出す
会場の入館・退館時刻、開場・開演・終了、来賓や出演者の到着と出発、配信の開始、懇親会場の予約時刻など、自分たちの都合では動かせない時刻を先に表に置きます。ほかの項目はこの間に収めていきます。
- 02
プログラムを順番に並べる
開会から閉会までの内容を、まず時刻なしで上から順に並べます。挨拶、講演、休憩、表彰、写真撮影、移動など、人が入れ替わる場面も1行として書くと抜けを防げます。
- 03
各項目に所要時間を割り当てる
登壇者に依頼した持ち時間、司会のつなぎ、移動や入れ替えの時間を、項目ごとに分で入れます。合計が動かせない時刻の間に収まらなければ、この段階で項目を減らすか短くします。
- 04
バッファを置く
来賓挨拶、表彰、休憩明け、転換など押しやすい場所の直後に、数分ずつ調整の行を入れます。置き方は下の「バッファの置き方」で説明します。
- 05
担当・場所・機材を書き込む
各行に、その時間の責任者、場所、マイクやスライドなど必要な機材を入れます。担当は個人名ではなく役割名で書くと、当日の交代にも対応できます。
- 06
公開版を作り、関係者で読み合わせる
内部版から来場者向けの公開版を作り、司会・登壇者・会場担当と上から順に読み合わせます。声に出して読むと、移動時間の不足や担当の重複に気づけます。
タイムテーブルに書く項目
| 項目 | 書く内容 | 公開版 | 内部版 |
|---|---|---|---|
| 時刻 | 開始時刻(終了は次の行の開始で分かる) | 書く | 書く |
| 所要 | その項目にかける分数 | — | 書く |
| 内容 | 何が起きるかを1行で | 書く | 書く |
| 場所 | 会場・部屋・ステージ | 複数会場なら書く | 書く |
| 担当 | その時間帯の責任者(役割名) | — | 書く |
| 機材・合図 | マイク、スライド、BGM、照明 | — | 演出があれば書く |
| 備考 | 押した場合の対応、注意点 | — | 書く |
イベント別のタイムテーブル記入例
そのまま書き換えて使える記入例です。時刻はすべて架空の設定なので、会場や規模に合わせて変えてください。運営内部版の形で、担当と備考まで入れています。流れが分かるよう主な行だけに絞っているため、実際の内部版は下の「行数の目安」のとおり、もっと細かい行に分かれます。
例1:2時間のセミナー(登壇者2名)
| 時刻 | 内容 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 12:30 | 会場入り・設営 | 統括・会場 | 机と椅子の配置、受付の設置 |
| 13:00 | 音響・投影の確認 | 音響・映像 | 登壇者2名のスライドを両方投影して確認 |
| 13:15 | 登壇者到着・打ち合わせ | 進行 | 持ち時間と質疑の進め方を確認 |
| 13:30 | 受付開始・開場 | 受付 | 名簿で出欠を記録 |
| 14:00 | 開会・主催者挨拶 | 司会 | 挨拶は3分以内で依頼済み |
| 14:05 | 講演1 | 登壇者A | 残り5分でカンペを出す |
| 14:45 | 転換・調整 | 映像 | スライドの切り替え |
| 14:50 | 講演2 | 登壇者B | 残り5分でカンペを出す |
| 15:30 | 質疑応答 | 司会 | 押している場合は短縮 |
| 15:50 | 閉会・アンケート案内 | 司会 | 回答用のQRコードを投影 |
| 16:00 | 終了・退場誘導 | 受付 | 忘れ物の確認 |
| 16:30 | 撤収完了 | 統括 | 退館時刻を会場と確認 |
例2:社員総会(午後の半日)
| 時刻 | 内容 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 9:00 | 設営・リハーサル | 統括・音響 | 表彰者の動線を一度歩いて確認 |
| 12:30 | 受付開始 | 受付 | 部署別に受付の列を分ける |
| 13:00 | 開会・社長挨拶 | 司会 | |
| 13:20 | 事業方針の説明 | 役員 | スライドの最終版を前日に受領 |
| 14:00 | 休憩 | — | 終了2分前に着席を呼びかける |
| 14:15 | 部署別の発表 | 各部署代表 | 1部署あたりの持ち時間を事前に連絡 |
| 15:15 | 表彰式 | 司会・表彰係 | 受賞者は前方の席に着席しておく |
| 15:55 | 調整 | — | 表彰の押しを吸収する行 |
| 16:00 | 閉会挨拶・集合写真 | 司会・撮影 | 撮影の並び順を事前に決めておく |
| 16:20 | 終了・撤収 | 全員 |
例3:周年記念式典と懇親会
| 時刻 | 内容 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 10:00 | 会場入り・式典の設営 | 統括 | |
| 11:00 | リハーサル | 司会・音響・照明 | 映像の頭出しと暗転のきっかけを確認 |
| 13:00 | 受付開始 | 受付 | 来賓は別の受付から控室へ案内 |
| 14:00 | 開式・主催者挨拶 | 司会 | |
| 14:10 | 来賓祝辞(2名) | 司会 | 直後に調整の行を置く |
| 14:30 | 調整 | — | 祝辞の押しを吸収する |
| 14:35 | 記念映像の上映 | 映像・照明 | 上映中は暗転 |
| 14:50 | 感謝状の贈呈 | 司会・表彰係 | 贈呈順の名簿を司会に渡しておく |
| 15:20 | 閉式・記念撮影 | 撮影 | |
| 15:40 | 懇親会場への移動・転換 | 誘導 | 移動の案内表示を出す |
| 16:00 | 懇親会開始・乾杯 | 司会 | 乾杯の発声者に事前に依頼 |
| 17:30 | 中締め・お開き | 司会 | お見送りの位置に役員が立つ |
| 18:00 | 撤収完了 | 統括 |
例4:社内の懇親会・忘年会
| 時刻 | 内容 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 17:30 | 会場入り・景品と名札の準備 | 幹事 | |
| 18:30 | 受付開始 | 受付 | 会費の徴収と名札の受け渡し |
| 19:00 | 開会挨拶・乾杯 | 司会 | 乾杯の発声者に事前に依頼 |
| 19:10 | 歓談・食事 | — | 料理の提供順を店舗と確認 |
| 19:40 | 余興・ゲーム | 幹事 | 景品の受け渡し係を決めておく |
| 20:20 | 調整 | — | 余興が伸びた分を吸収する |
| 20:25 | 中締めの挨拶 | 司会 | |
| 20:30 | お開き・忘れ物の確認 | 幹事 | |
| 21:00 | 会場退出 | 幹事 | 精算と退出時刻を店舗と確認 |
例5:ファンイベント・ライブ(出演者あり)
| 時刻 | 内容 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 10:00 | 搬入・設営開始 | 舞台 | 搬入口の利用時間を会場と確認 |
| 12:00 | 音響・照明の仕込み | 音響・照明 | |
| 14:00 | 出演者入り・リハーサル | 進行 | 控室と導線を案内 |
| 16:00 | リハーサル終了・場内清掃 | 舞台 | |
| 16:30 | 物販開始 | 物販 | 列の最後尾に案内係を置く |
| 17:00 | 開場 | 受付・誘導 | 入場列の整理、手荷物の確認 |
| 17:30 | 開演(第1部) | 進行 | |
| 18:30 | 転換 | 舞台 | 転換中はBGMを流す |
| 18:40 | 第2部 | 進行 | |
| 19:30 | 終演・規制退場 | 誘導 | ブロックごとに退場を案内 |
| 20:00 | 出演者退館 | 進行 | 退館の導線を一般の動線と分ける |
| 21:30 | 撤収完了 | 統括 |
公開版の例(例1のセミナー)
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 13:30 | 受付開始 |
| 14:00 | 開会 |
| 14:05 | 講演1「(タイトル)」 |
| 14:50 | 講演2「(タイトル)」 |
| 15:30 | 質疑応答 |
| 16:00 | 終了予定 |
Point
記入例では12行あった例1が、公開版では6行になります。設営・打ち合わせ・調整の行は公開版に出しません。来場者に必要なのは、いつ来ればよいか、何が見られるか、いつ帰れるかの3点です。
粒度の設計:5分刻みと15分刻みの使い分け
粒度は一律にしません。何かが切り替わる場所だけ細かくし、それ以外は粗く置くのが原則です。
| 刻み幅 | 使う場面 | 行数の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 30分刻み | 終日イベントの全体像、参加者への事前告知 | 1日で10〜16行 | 実務の管理には粗すぎる |
| 15分刻み | 全体の骨格、セッションの開始終了、休憩 | 半日で12〜20行 | 標準。まずこの粒度で組む |
| 5分刻み | 開場前後、転換、表彰、来賓挨拶、閉会前 | 該当区間のみ | 全体を5分刻みにしない |
| 1分刻み | 生配信の切り替え、中継、カウントダウン演出 | 該当区間のみ | 専任の進行担当が必要 |
5分刻みに落とすべき区間
- 開場から開演まで:受付の滞留、着席の完了、司会の前説が重なる
- セッションの転換:登壇者の入れ替え、マイクの受け渡し、スライドの切り替え
- 来賓の挨拶・表彰:人が動く。呼び込みと移動に時間がかかる
- 休憩の前後:戻りが遅れる。着席の呼びかけタイミングが重要
- 閉会から懇親会への移行:会場転換と誘導が同時に発生する
- 撤収:搬出業者の入り時刻が固定されていることが多い
Point
「人が動く場面」だけ5分刻みにすると覚えてください。話しているだけの時間は15分刻みで足ります。逆に、10人が舞台に上がる表彰式は、5分刻みでも足りず、1人あたりの秒数まで詰めることがあります。
行数の目安
| イベントの長さ | 内部版の行数 | 公開版の行数 |
|---|---|---|
| 2時間のセミナー | 25〜40行 | 5〜7行 |
| 半日のカンファレンス | 40〜70行 | 8〜12行 |
| 1日の展示会併催イベント | 70〜120行 | 10〜20行 |
| 2日間のフェス形式 | 150行以上(日別に分割) | ステージ別の一覧表 |
注意
内部版が100行を超えたら、時間帯で分割してください。1枚に押し込むと文字が小さくなり、当日の会場照明では読めません。「設営」「本編」「懇親会・撤収」の3枚に分けるのが実務的です。
バッファの置き方
バッファは「余った時間」ではなく、設計として確保する時間です。量は、押しやすい場所がいくつあるかで決めます。来賓挨拶、表彰、登壇者の入れ替え、休憩明けといった押しやすい場所を数え、その直後に数分ずつ置いていくと、全体の量が自然に決まります。
置く場所
| 位置 | 長さの目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 開演前 | 5〜10分 | 受付の滞留、遅参の吸収。最も効く |
| 各セッションの末尾 | 2〜3分 | 質疑が伸びた分を吸収する |
| 休憩 | 予定より2〜5分長く | 戻りの遅れを吸収する。最も削られやすい |
| 転換 | 3〜5分 | 機材の入れ替え、登壇者の待機 |
| 閉会前 | 5分 | ここまでの押しをまとめて吸収する最後の砦 |
| 懇親会の開始前 | 10分 | 会場転換と移動。ここは短くできない |
Point
バッファを1か所にまとめないでください。最後に30分の余裕を置いても、途中で押した時点で参加者は「押している」と感じます。2〜5分ずつ、押しが発生する場所の直後に分散して置くのが効果的です。
バッファを表に書く方法
- 01独立した行として書く:「15:18〜15:20 調整」のように、明示的に行を立てる。削られにくい
- 02各項目の所要時間に含める:「セッション(内訳:講演+予備5分)」。表がすっきりする
- 03終了予定時刻を2つ書く:「最短16:30/最長16:45」。関係者の期待値が揃う
注意
3つ目の「終了時刻を2つ書く」は、会場や外部業者との調整で特に有効です。会場の利用終了時刻、撤収業者の入り時刻、懇親会場の開始時刻を押さえる際、幅を伝えておくと当日の交渉が不要になります。
バッファが足りているかの確認
- 開演前に5分以上の余裕がある
- 各セッションの間に、最低2分の切り替え時間がある
- 休憩は予定の所要より長めに取っている
- 登壇者が複数いる場合、入れ替えの時間を個別に取っている
- 押しやすい場所の直後に、それぞれバッファが置かれている
- 最後の1時間にバッファが3分以上残っている
公開版と内部版の作り分け
タイムテーブルは2種類作ります。1つの表で両方を兼ねようとすると、どちらも使いにくくなります。
| 観点 | 来場者向け公開版 | 運営内部版 |
|---|---|---|
| 粒度 | 15〜30分刻み | 5〜15分刻み |
| 含める時間帯 | 開場から終了まで | 設営から撤収まで |
| 記載内容 | 内容のタイトルと場所 | 内容、担当、機材、合図、備考 |
| 列の数 | 2〜3列 | 5〜8列 |
| 変更したとき | 原則変えない。変えるなら告知が必要 | 直前まで更新する |
| 終了時刻 | 「終了予定」と書く | 最短と最長の両方 |
| 配布形式 | Webページ、案内状、当日の掲示 | A3印刷、PDF、共有シート |
公開版で気をつけること
- 時刻は幅を持たせない:「13:30開演」と書く。「13:30〜13:40頃」は不親切
- 終了時刻は必ず書く:参加者は帰りの予定を組んでいる。書かないと問い合わせが増える
- 休憩の時刻と長さを書く:連絡や移動の計画に使われる
- 場所を併記する:複数会場がある場合、部屋名は必須
- 確定前は「予定」と明記する:後で変更しても問題にならない
- 変更したら告知する:一度公開した時刻は、参加者の予定に組み込まれている
内部版に入れる列
| 列名 | 内容 | 必須度 |
|---|---|---|
| 時刻 | 開始時刻。終了は次の行の開始で分かる | 必須 |
| 所要 | その項目にかける分数 | 必須 |
| 内容 | 何が起きるか。1行で | 必須 |
| 担当 | その時間帯の責任者。役割名で統一 | 必須 |
| 場所 | 会場・部屋・ステージ | 複数会場なら必須 |
| 音響・映像 | BGM、マイク本数、スライドの投影 | 配信や演出があれば必須 |
| 照明 | 明転・暗転・スポット | 演出がある場合 |
| 備考 | 注意点、押した場合の対応 | 推奨 |
Point
内部版の「担当」列の呼び名は、運営マニュアルの役割名と完全に揃えてください。片方が「受付A」、もう片方が「受付担当(田中)」だと、当日照合できません。
配信を伴う場合の進行設計はハイブリッドイベントの設計、合図レベルまで詰める場合は香盤表の作り方を参照してください。
Excelでの作り方
無料で作るなら表計算ソフトが最も実務的です。時刻を手入力しないことが、作成時間を最も短縮します。
- 01
列を先に決める
A列:時刻、B列:所要(分)、C列:内容、D列:担当、E列:場所、F列:音響映像、G列:備考。列を決めてから中身を書くと、後から列を足す手戻りがなくなります。
- 02
時刻を計算式で出す
A2に開始時刻を入力し、A3以降は「A2の時刻+B2の分数」で自動計算します。所要時間を1か所変えるだけで、以降の時刻がすべてずれる状態を作ってください。手入力だと、1か所の変更で全行を直すことになります。
- 03
セルの表示形式を時刻にする
時刻列の表示形式を「h:mm」に設定します。B列の所要は分の数値のまま置き、A3には「=A2+TIME(0,B2,0)」のように、TIME関数で分を時刻の値に変えてから足します。Excelの時刻は0から1未満の小数で扱われるため、分の数値をそのまま足すと正しい時刻になりません。
- 04
バッファ行を独立させる
「調整」「予備」という内容の行を立て、行全体に薄い色を付けます。色で区別しておくと、調整のために確保した時間だと誰が見ても分かり、ほかの項目の延長に流用されにくくなります。
- 05
区分ごとに行の色を変える
設営・本編・懇親会・撤収で背景色を分けます。当日の薄暗い会場でも、今どのブロックかが一目で分かります。
- 06
印刷設定を先に決める
A3横、1ページに収める、タイトル行を各ページに繰り返す。作ってから印刷設定を詰めると、フォントサイズの調整で崩れます。
- 07
公開版は別シートで参照する
内部版のシートから必要な行だけを参照する形にすると、時刻を変えたときに公開版も自動で追従します。ただし公開前に必ず目視で確認してください。
あると便利な仕掛け
- 累計時間の列:開始からの経過分。押しの計算が楽になる
- 予定と実績の2列:当日は実績を記入する。次回の見積の精度が上がる
- 担当者別のフィルタ:自分の行だけ抽出して印刷できる
- 条件付き書式:所要が一定を超える行に色を付け、長すぎるブロックを検出する
- 行番号列:当日「◯番の項目」と言えるようにする。無線での伝達が速くなる
注意
共有シートで作る場合は、当日の編集権限を1人に絞ってください。複数人が同時に時刻を書き換えると、誰も正しい版を判断できなくなります。当日は編集を1人に限定し、他は閲覧のみにする運用が安全です。
押したときのリカバリ設計
進行は押します。前提として、押した場合にどこを削るかを事前に決めておくのがリカバリ設計です。当日その場で判断すると、必ず遅れます。
削れる場所を司会が判断できるよう、短縮版の文言を台本に併記しておく方法は司会台本・進行台本の書き方に、人が動く場面の多い式の時間の積み上げ方は表彰式の進行と司会台本にまとめています。
削る優先順位を事前に決める
| 優先度 | 削る対象 | 削れる時間の目安 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 1 | 休憩の延長分、バッファ行 | 各2〜5分 | ほぼなし |
| 2 | 質疑の時間 | 各5分 | 参加者の満足度は下がるが許容範囲 |
| 3 | 展示・デモの見学時間 | 5〜10分 | 体験が主目的なら削れない |
| 4 | 司会のつなぎ、紹介の尺 | 各1〜2分 | 慌ただしい印象になる |
| 5 | セッションの本編 | 各5〜10分 | 登壇者への事前合意が必要 |
| 削らない | 開会挨拶、来賓挨拶、表彰 | — | 関係者の面子に関わる。短縮依頼は事前のみ |
Point
来賓挨拶と表彰は、当日には削れません。ここが押す前提で、その直後に必ずバッファを置いてください。事前に「◯分でお願いします」と依頼し、それでも超える前提で組むのが現実的です。
押しの判断ポイントを決めておく
- 01チェックポイントを3か所決める:開演直後、中盤の休憩前、閉会の1時間前。この時刻に予定と実績を突き合わせる
- 02各ポイントで許容する押しを決める:「5分以内なら何もしない」「10分を超えたら質疑を短縮」のように、数値で決める
- 03判断する人を1人決める:統括、または進行担当。司会ではない。司会は舞台上で判断できない
- 04伝達の方法を決める:司会への合図(カンペ、インカム)、登壇者への残り時間の提示、スタッフへの一斉連絡
司会に渡しておくもの
- 短縮版の台詞:通常版と、押している場合の短い版を両方用意する
- 延長用のつなぎ:機材トラブルなどで逆に時間が余る場合の話題を2〜3本
- 残り時間の伝え方の取り決め:カンペの出し方、数字の見せ方を事前に確認
- 削ってよい項目のリスト:自分の判断で飛ばせるものを明示しておく
当日のタイムキープ
- 時刻を管理する担当を1人決めている
- 会場内に、進行側から見える時計がある
- 登壇者から見える位置に残り時間を示す手段がある
- チェックポイントの時刻を関係者が共有している
- 押した場合に削る項目を、司会と進行担当が把握している
- 終了時刻の許容幅を、会場と懇親会場に伝えてある
注意
終了時刻だけは死守してください。会場の利用時間、参加者の帰りの予定、懇親会場の予約、撤収業者の入り時刻。すべてが終了時刻に紐づいています。途中の押しは吸収できますが、終了の押しは費用と信用の両方に響きます。
全体の日程逆算はイベントのスケジュール設計、当日の担当配置はイベントのスタッフ体制を参照してください。
注意
開始時刻と所要時間から時刻を自動で計算し、A4横で印刷・CSVで保存できる香盤表・進行表の作成ツールを無料で用意しています。
この記事の要点
- 動かせない時刻を先に置き、プログラムを並べてから所要時間を割り当てる。
- 全体は15分刻み、人が動く場面だけ5分刻み。全部を細かくしない。
- バッファは1か所にまとめず、押しやすい場所の直後に数分ずつ分散する。
- 公開版と内部版を分ける。1つの表で両方を兼ねるとどちらも使いにくくなる。
- Excelでは時刻を手入力せず、所要時間から計算式で出す。1か所の変更が全体に反映される。
- 押したときに削る優先順位を事前に決める。来賓挨拶と表彰は当日には削れない。
- 終了時刻は死守する。会場・参加者・懇親会・撤収がすべて紐づいている。
FAQ
よくある質問
イベントの実務ではほぼ同じ意味で使われ、どちらも当日の時刻と内容の対応を示す表を指します。社内では「タイムスケジュール」、来場者向けの告知では「タイムテーブル」と呼び分けることもあります。準備期間の工程表(何日前に何をするか)は、別に準備スケジュールとして作ります。
全体は15分刻みを基本とし、人が動く場面だけ5分刻みに落とすのが実務的です。開場前後、セッションの転換、来賓挨拶、休憩の前後、懇親会への移行がその対象になります。すべてを5分刻みにすると行数が増えすぎ、当日に読めなくなります。
所要時間を割り当てた案を早めに作り、登壇者や会場と時刻を確定させたうえで、本番前に司会・進行・各担当と読み合わせます。内部版は運営スタッフ全員と会場・外部業者に、公開版は参加者に共有します。変更が出たら版の日付を入れて配り直し、古い版が現場に残らないようにしてください。
この記事の記入例の表は、そのまま書き換えて使えます。時刻を自動で計算したい場合は、開始時刻と所要時間から時刻を出し、印刷やCSV保存ができる当サイトの香盤表・進行表の作成ツールも無料で使えます。
押しやすい場所の数で決めます。重要なのは総量より配置で、1か所にまとめるのではなく、押しが発生しやすい場所の直後に2〜5分ずつ分散させてください。
開演、主要なコンテンツ、休憩、終了予定の4点が分かれば十分です。15〜30分刻みで、5〜12行程度に収めてください。終了予定時刻は必ず書きます。参加者は帰りの予定を組んでいるため、書かないと問い合わせが増えます。
Excelを推奨します。時刻を所要時間から計算式で出せるため、1か所の変更が以降の行にすべて反映されます。手入力の表では、途中に5分の項目を足すだけで全行の修正が必要になります。印刷はA3横、タイトル行の繰り返し設定を先に決めておいてください。
バッファ行と休憩の延長分、次に質疑の時間の順に削ります。逆に、開会挨拶や来賓挨拶、表彰は当日には削れません。これらが押す前提で直後にバッファを置き、削る優先順位を司会と進行担当が事前に共有しておいてください。
別のものです。タイムテーブルは時刻と内容の対応を示す進行表で、香盤表は音響・照明・映像の合図まで含めた、より詳細な進行指示書です。小規模なイベントではタイムテーブルに担当と機材の列を足して兼ねることもありますが、演出や配信を伴う場合は香盤表を別に作ります。