司会
司会のつなぎの言葉 例文一覧
場面別の言い回し・場つなぎ・敬語の注意
結論:司会のつなぎの言葉は「続きまして」「引き続き」「ここで」「それでは」「最後に」の五つを使い分ければ足ります。別の項目へ移るなら「続きまして」、同じ人・同じ流れのまま進むなら「引き続き」、予定の流れに一つ差し込むなら「ここで」です。このページでは、そのまま台本に貼れる例文を場面別(開会から閉会まで)・呼び込み・拍手・場つなぎ・トラブル・オンラインに分けて並べ、間違えやすい敬語の言い換えと、台本を仕上げるチェックリストを付けました。開会と閉会の決まり文句は開会の言葉(ただいまより)と閉会の言葉(これをもちまして)にあります。
結論
つなぎの言葉とは、司会が一つの項目を終えて次の項目へ移るときに入れる短い言葉です。役割は①次へつなぐ ②登壇者を呼び込む ③拍手を促す ④間をつなぐの四つ。敬語は、登壇者や来賓の動作には尊敬語、司会や主催者側の動作には謙譲語を使い分けます。
まず使う五つのつなぎ言葉(使い分け早見表)
| 言い方 | 使う場面 | 例文 |
|---|---|---|
| 続きまして | 別の項目・別の人へ移るとき(最もよく使う) | 続きまして、来賓の皆さまからご祝辞を頂戴いたします。 |
| 引き続き | 同じ人が続けて話す、同じ流れのまま進むとき | 引き続き、◯◯様に乾杯のご発声をお願いいたします。 |
| ここで | 予定の流れに別の項目を差し込むとき | ここで、本日お越しになれなかった方からの祝電をご披露いたします。 |
| それでは | 準備が整い、いよいよ始めるとき | それでは、表彰に移ります。 |
| 最後に | 締めの項目に入るとき | 最後に、◯◯より閉会のご挨拶を申し上げます。 |
このほか、会議や研修などくだけた場では「次に」、話題を一段落させるときは「さて」、前の項目を受けて次へ渡すときは「◯◯様、ありがとうございました。続いては〜」のようにお礼+つなぎ言葉の形も使えます。
注意
同じつなぎ言葉が三回続いたら、一つ別の言葉に置き換えます。「続きまして」を「続いては」「次は」「ここからは」に替えるだけで、聞いている側の印象が変わります。台本の段階で見直しておきます。
場面別のつなぎの言葉(開会から閉会まで)
式典・懇親会・社内行事に共通する順番で並べました。自分の会の次第に合わせて、要る行だけ使ってください。
| 場面 | つなぎの言葉の例文 |
|---|---|
| 開会前の案内 | 本日はご来場くださり、ありがとうございます。開会は◯時を予定しております。お席にてお待ちください。 |
| 開会 | お待たせいたしました。ただいまより、◯◯を開会いたします。 |
| 主催者挨拶へ | はじめに、主催者を代表いたしまして、◯◯よりご挨拶申し上げます。 |
| 来賓祝辞へ | 続きまして、ご来賓の皆さまからご祝辞を頂戴いたします。 |
| 乾杯へ | それでは、乾杯に移ります。お飲み物がお手元にない方は、近くのスタッフにお声がけください。 |
| 歓談の開始 | ありがとうございました。ここからはお食事とご歓談の時間です。◯時◯分ごろまでを予定しております。 |
| 歓談中の案内 | ご歓談中のところ失礼いたします。お料理のご案内をいたします。 |
| 余興・ゲームへ | ご歓談中恐れ入ります。ここからは◯◯の時間です。ステージのほうへお顔をお向けください。 |
| 表彰・記念品へ | 続きまして、表彰に移ります。お名前をお呼びいたしますので、前方へお進みください。 |
| 歓談の終わり | 宴もたけなわではございますが、お開きまで残り◯分ほどとなりました。 |
| 中締めへ | ここで、◯◯様に中締めのご挨拶をお願いしたいと存じます。 |
| 閉会 | 以上をもちまして、◯◯を終了いたします。お帰りの際は、クロークの引換札とお手荷物をお確かめください。 |
歓談中に声をかけるときは、いきなり本題に入らず「ご歓談中のところ失礼いたします」と一言断ってから案内すると、会場が自然にこちらを向きます。懇親会全体の流れは懇親会の司会台本、中締めの挨拶は中締めの挨拶にあります。
登壇者を呼び込む言葉と拍手のお願い
呼び込みの言い方
- ◯◯株式会社 代表取締役社長、◯◯◯◯様より、ご挨拶を頂戴いたします。◯◯様、よろしくお願いいたします。
- 主催者を代表いたしまして、◯◯より皆さまにご挨拶申し上げます。(身内の場合)
- ◯◯様、ご登壇をお願いいたします。
- 恐れ入りますが、◯◯様、前方へお進みください。
- ◯◯様には、お席からご挨拶をいただきます。(マイクを渡す場合)
- それでは◯◯様、お願いいたします。(紹介を終えて話を渡すとき)
社外の方は「様」と尊敬語で、自社の人は敬称を付けず(役職は「社長の◯◯」のように名前の前に置き)謙譲語で紹介します。社内だけの場では「◯◯社長」と呼ぶ会社もあるため、会社の慣行に合わせます。
話し終えた方へのお礼
- ◯◯様、ありがとうございました。
- ◯◯様、心のこもったご挨拶をありがとうございました。
- ◯◯様、温かいお言葉をありがとうございました。お席へお戻りください。
拍手を促す言い方
- 皆さま、拍手でお迎えください。
- いま一度、盛大な拍手をお願いいたします。
- 受賞者の皆さまに、改めて大きな拍手をお送りください。
- ◯◯様のご退場です。皆さま、拍手でお送りください。
Point
拍手は司会が先にたたくと、会場がついてきやすくなります。言葉で促したあと、自分から手をたたき始めるのがこつです。
間が空いたときの場つなぎ(時間が押した・余った)
登壇者の到着が遅れる、機材の準備に時間がかかるなど、予定外に間が空くことがあります。何も言わずに待つより、状況を短く伝えるほうが会場は落ち着きます。
待ってもらうとき
- ただいま準備を整えております。恐れ入りますが、今しばらくお待ちください。
- お待たせいたしました。準備が整いましたので、再開いたします。
- 大変お待たせいたしました。それでは、続きを始めます。
時間が押しているとき
- 進行の都合により、◯◯は短縮してお送りいたします。
- 時間の都合上、ご質問はこのあとの懇親会でお願いできれば幸いです。
- ご歓談中恐れ入ります。この後の予定がございますので、まもなく次の項目に移ります。
時間が余ったとき(話題の引き出し)
- その間に、本日の流れを改めてご紹介いたします。
- この後の会場のご案内をいたします。お手洗いは◯◯、クロークは◯◯でございます。
- お手元のアンケートは、お帰りの際に受付へお出しください。次回は◯月に開催の予定です。
- ◯◯様、よろしければ一言、本日のご感想をお聞かせいただけますでしょうか。(事前に了承を得た方へ)
場つなぎの話題は流れの再確認・会場や持ち物の案内・アンケートや次回の告知・事前に了承を得た方への一言インタビューの四種類を台本の余白に書いておくと、慌てずに済みます。
トラブルのときのつなぎの言葉
| 状況 | そのまま言える例文 |
|---|---|
| マイクが入らない・音が出ない | 失礼いたしました。マイクを切り替えますので、そのままお待ちください。 |
| 映像・スライドが映らない | ただいま映像の準備をしております。先に◯◯をお送りし、映像は後ほどご覧いただきます。 |
| 登壇者が遅れている | ◯◯様は会場へ向かっておられます。順番を入れ替えまして、先に◯◯に移ります。 |
| 登壇者が急に欠席になった | 予定しておりました◯◯様は、やむを得ないご事情によりお見えになれなくなりました。このあとのご挨拶は、△△様にお願いしております。 |
| 祝辞の代読 | ◯◯様からお預かりしたお言葉を、代読させていただきます。 |
| 名前・役職を言い間違えた | 大変失礼いたしました。◯◯様でございます。改めまして、よろしくお願いいたします。 |
| 会場がざわついて聞こえない | 皆さま、恐れ入りますが、前方にご注目ください。 |
言い間違えたときは、長く謝らず一度だけ訂正して先へ進むのが基本です。祝電や代読の進め方は祝電披露の司会にまとめています。
オンライン・ハイブリッドで足すつなぎの言葉
画面越しの参加者は、会場の空気や合図が見えません。いま何が起きているかを言葉で補うのが、オンラインの司会のつなぎ方です。
- オンラインでご参加の皆さま、音声は届いておりますでしょうか。聞こえにくい場合はチャットでお知らせください。
- ただいまから画面を共有いたします。資料が表示されましたら、そのままご覧ください。
- ご質問はチャット欄にお書きください。後ほど、いくつか取り上げます。
- 会場の皆さまの拍手を、オンラインの皆さまにもお送りいたします。
- 通信が不安定になっております。再接続まで少々お待ちください。
オンライン会議の進め方全体はオンライン会議のマナーにあります。
間違えやすい敬語と言い換え
| 避けたい言い方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| おっしゃられました | 「おっしゃる」に「られる」を重ねた二重敬語 | おっしゃいました |
| ご挨拶をしていただきます | 謙譲の「ご〜する」に「いただく」を付けた形で、来賓の動作に謙譲語を使うことになる | ご挨拶をいただきます/ご挨拶を頂戴いたします |
| ◯◯会長様 | 役職名に敬称の意味があるとされ、「様」と重なる | ◯◯会長/◯◯様 |
| ご覧になられてください | 二重敬語 | ご覧ください |
| お越しになられました | 「お越しになる」に「られる」を重ねた二重敬語 | お越しになりました |
| 弊社の社長の◯◯さんが | 身内に「さん」を付けている | 弊社社長の◯◯が |
| ◯◯様が申されました | 「申す」は謙譲語で、来賓の動作には使わない | ◯◯様がおっしゃいました |
| 司会させていただきます、乾杯させていただきます、お願いさせていただきます | 「させていただく」の重ねすぎ | 司会を務めます/乾杯いたします/お願いいたします |
「させていただく」をどこまで使ってよいかはさせていただくの使い方、名乗りの敬語の選び方は司会の自己紹介 例文、来賓を紹介するときの言い方は来賓紹介の司会 例文にまとめています。
つなぎの言葉でよくある失敗
- 「えー」「あのー」でつないでしまう:つなぎ言葉を台本に書いておき、言葉が出ないときは一拍黙ってから「続きまして」と言う。
- 内輪の話や自分の感想を長く挟む:司会のつなぎは短く。感想を言うなら「心に残るお話でした」程度にとどめる。
- 前の登壇者へのお礼を忘れて次へ進む:「◯◯様、ありがとうございました」を挟んでから、つなぎ言葉に入る。
- 次の登壇者が準備できていないのに呼び込む:呼び込む前に、本人が席にいるか、マイクが手元にあるかを目で確かめる。
- トラブルのときに謝りすぎる:謝罪は一度で、すぐに「少々お待ちください」「先に◯◯に移ります」と次の行動を伝える。
台本を仕上げるチェックリスト
- 項目ごとに、使うつなぎ言葉を台本に書き込んだか
- 同じつなぎ言葉が三回以上続いていないか
- 登壇者ごとに、話し終えた後のお礼の一言を入れたか
- 社外の方は「様」、自社の人は呼び捨てでそろっているか
- 二重敬語がないか(おっしゃられる・ご覧になられる・お越しになられる)
- 「させていただく」が一つの場面で重なっていないか
- 登壇者の名前と役職の読み方にふりがなを振ったか
- 時間が余ったときの話題を台本の余白に書いたか
- 押したときに削る項目を進行の責任者と決めたか
- マイク・映像が止まったときの一言を用意したか
この記事の要点
- つなぎ言葉は続きまして・引き続き・ここで・それでは・最後にの五つを使い分ける。
- 続きましては別の項目へ、引き続きは同じ人・同じ流れのまま次へ。
- 歓談中は「ご歓談中のところ失礼いたします」と断ってから案内する。
- 場つなぎは状況を短く伝える。余ったときの話題は台本の余白に用意しておく。
- 社外の方は「様」と尊敬語、自社の人は呼び捨てと謙譲語。二重敬語と「させていただく」の重ねすぎを台本で直す。
FAQ
よくある質問
「続きまして」「引き続き」「ここで」「それでは」「最後に」です。「続きまして」は別の項目へ移るとき、「引き続き」は同じ人や同じ流れのまま次へ進むとき、「ここで」は予定の流れに別の項目を差し込むときに使います。
「続きまして」は別の項目に移るとき、「引き続き」は同じ人が続けて話す、同じ流れのまま進むときに使います。例えば祝辞を述べた方がそのまま乾杯の発声もする場合は「引き続き」が合います。
「続いては」「次は」「ここからは」「ここで」に置き換えるほか、「◯◯様、ありがとうございました」とお礼を挟んでから次の項目名を言う形にすると、同じ言葉の繰り返しを避けられます。
「ただいま準備を整えております。恐れ入りますが、今しばらくお待ちください」と状況を短く伝えます。時間が余りそうなら、本日の流れの再確認や会場の案内でつなぎます。順番を入れ替える場合は、進行の責任者に合図をもらってから案内します。
「ご歓談中のところ失礼いたします」と一言断ってから、「皆さま、前方にご注目ください」と続けます。会場が静かになるのを少し待ってから本題に入ります。
「おっしゃられる」「ご覧になられる」「お越しになられる」などの二重敬語、来賓の動作に「していただきます」や「申される」を使う誤り、「会長様」のような敬称の重ね、身内に「さん」を付ける言い方、「させていただく」の重ねすぎがよく見られます。