司会
会議の司会進行 例文
そのまま読める台本と始め方・締め方
会議の司会で困るのは最初の一言と最後の締め方です。途中の議論は参加者が進めてくれますが、始まりと終わりは司会が言わないと誰も言いません。まず下の全文台本を◯の部分だけ埋めて使い、困った場面が来たら場面別の例文を拾ってください。議論を引き出す役割は会議のファシリテーションの進め方、短い言い回しだけ欲しいときは会議の議長・進行役の言い回しにまとめています。
結論
会議の司会進行は①開会と目的の確認 ②資料と出席者の確認 ③議題ごとの進行 ④決定事項と宿題の確認 ⑤次回の案内と閉会の順に進めます。台本に書くのは①②④⑤の言葉で、③は議題名・説明者・終える時刻だけ書いておけば足ります。
そのまま読める全文台本(社内会議・コピー用)
◯の部分を埋めれば、そのまま読み上げられる形です。( )内は動作のメモなので読みません。
【開会】皆さん、おそろいでしょうか。定刻になりましたので、◯◯会議を始めます。本日の司会を務めます、◯◯部の◯◯です。よろしくお願いします。
【目的】今日の目的は、◯◯について◯◯を決めることです。終了は◯時を予定しています。
【資料】お手元の資料を確認します。アジェンダ、資料1「◯◯」、資料2「◯◯」です。足りない方はお知らせください。
【出席者】本日、◯◯さんは所用で欠席、◯◯さんは◯時に退席されます。議事録は◯◯さん、時間の管理は◯◯さんにお願いしています。
【議題】それでは議題1、◯◯について、◯◯さんからご説明をお願いします。(説明・意見交換)ありがとうございました。この件は◯◯で進めます。次に議題2、◯◯に移ります。
【まとめ】以上で本日の議題は終了です。決まったことを確認します。一つ目、◯◯。二つ目、◯◯。宿題は、◯◯さんが◯日までに◯◯、◯◯さんが◯日までに◯◯です。漏れがあればおっしゃってください。(間をとる)
【閉会】次回は◯月◯日◯時からの予定です。本日はありがとうございました。これで会議を終わります。
Point
台本は全文を書かなくて構いません。冒頭と締めだけ書いておき、途中は議題名と担当者を見ながら話すと、読み上げ口調にならず自然に聞こえます。
司会の流れと、事前に決めておくこと
| 場面 | 司会が言うこと | 事前に用意するもの |
|---|---|---|
| 開会 | 開会の宣言、司会の名乗り、会議の目的と終わったときの状態、終了予定時刻 | 目的を一文で書いたメモ(「◯◯を決める」「◯◯を共有する」) |
| 確認 | 資料の確認、出席者・欠席者・代理出席者、書記とタイムキーパー | 資料の一覧、出席者名簿 |
| 議題 | 議題名と説明者の紹介、議題ごとの区切り、結論の確認 | アジェンダ(議題・説明者・終える時刻) |
| まとめ | 決定事項、宿題(誰が・何を・いつまでに)、持ち越した論点 | 書記のメモ |
| 閉会 | 次回の日程、お礼、閉会の宣言 | 次回の候補日 |
司会が楽になるかどうかは、会議の前で決まります。目的(何が決まれば成功か)と、議題ごとの終える時刻を招集の案内とアジェンダに書いておけば、当日は時計を見るだけで進行を判断できます。案内の書き方は会議の案内メール、アジェンダはアジェンダの作り方、時間はタイマーを画面の端に出しておくと便利です。
冒頭(始め方)の例文|会議の種類別
取引先や他部署を交えた会議
お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。定刻となりましたので、◯◯の打ち合わせを始めます。本日の進行を務めます、◯◯株式会社の◯◯と申します。どうぞよろしくお願いいたします。はじめに、本日の出席者をご紹介します。(出席者を紹介)本日は、◯◯と◯◯の二点を確認させていただき、◯時頃の終了を予定しております。
注意
初対面の人がいる会議では、司会の名乗りは開会の宣言の直後にします。社外の人に自社の人を紹介するときは「部長の◯◯です」のように名前に敬称を付けません。紹介の順番は社内の慣例に合わせてください。名乗り方は自己紹介の例文、席は席次の決め方を参照してください。
オンライン会議
音声は聞こえていますか。(反応を確認)ありがとうございます。それでは始めます。司会の◯◯です。発言されるときは、ミュートを外してからお名前を言っていただけると、議事録がとりやすくなります。資料は画面で共有しますので、見えにくい方はチャットでお知らせください。
キックオフ・プロジェクトの初回
本日は◯◯プロジェクトの最初の会議です。今日のゴールは、目的と役割分担、次の一か月の進め方について認識をそろえることです。最初に、お一人ずつ担当と名前だけ簡単にお願いします。
アイデア出し(ブレスト)
今日は決める会ではなく、案をたくさん出す会です。人の案を否定せず、思いついたものはそのまま出してください。最後の◯分で、候補を絞ります。
報告会・定例
今週の定例を始めます。各チームから報告を一人ずつお願いします。報告は結論から短めに、相談したいことがあれば最後に一言添えてください。
代理出席者がいるとき
本日は、◯◯部長の代理として、◯◯さんにご出席いただいています。持ち帰りが必要な点は、その場で伺いますのでお知らせください。
役職者に冒頭の挨拶をお願いするとき
開会にあたり、◯◯部長からひと言お願いいたします。(挨拶)ありがとうございました。それでは議題に入ります。
進行中の例文|議題の切り替え・困った場面
| 場面 | そのまま使える一言 |
|---|---|
| 議題を切り替える | ありがとうございました。この件は◯◯の方向で進めます。それでは議題2、◯◯について◯◯さんからお願いします。 |
| 報告を求める | ◯◯さん、進み具合のご報告をお願いします。結論から伺えると助かります。 |
| 指名して発言を促す | ◯◯さん、現場の立場からはいかがでしょうか。 |
| 全体に意見を求める | まだご発言いただいていない方からも、一言ずついただけますか。 |
| 意見が出ない | では、賛成か反対かだけでも伺えますか。気になる点が一つでもあれば教えてください。 |
| 発言が長くなった | ありがとうございます。要点は◯◯ということでよろしいでしょうか。時間の都合で、ほかの方のご意見も伺います。 |
| 話が脱線した | 大事なお話なので、この件は別に時間をとりましょう。いったん議題に戻ります。 |
| 意見が対立した | お二人とも◯◯という点は同じで、違うのは◯◯ですね。判断に必要な材料を整理してから決めましょう。 |
| 反対意見が出た | ご指摘ありがとうございます。その懸念を踏まえて、案のどこを直せばよいか伺えますか。 |
| 結論を確かめる | ここまでをまとめると、◯◯ということでよろしいでしょうか。異論がなければ、これで決定とします。 |
| 結論が出ない | 今日は決めきれないので、◯◯さんが◯日までに材料をそろえ、次回決めることにします。 |
| 時間が押している | 予定の時間が迫っています。この議題は今日はここまでとし、続きはメールで確認させてください。 |
| 延長をお願いする | 申し訳ありません、◯分ほど延長してもよろしいでしょうか。ご予定のある方は退席されて構いません。 |
| 途中退席者がいる | ◯◯さんは◯時でご退席と伺っていますので、先に議題3を扱わせてください。 |
| 遅れて来た人がいる | ◯◯さん、お疲れさまです。いま議題2の◯◯を話しているところです。 |
| 休憩を入れる | ここで◯分休憩します。◯時◯分に再開します。 |
| 音声・画面のトラブル | ◯◯さんの音声が途切れているようです。いったんチャットで内容をいただけますか。その間に次の方へ進みます。 |
Point
「別に時間をとりましょう」「メールで確認させてください」は、議論を切るときの決まり文句です。切った話題は、締めのときに宿題として読み上げると、言いっぱなしになりません。決め方そのものに迷うときは会議で意見をまとめる方法を参照してください。
締め方と最後の挨拶の例文
社内会議
以上で、本日の議題はすべて終了です。最後に、本日決まったことを確認します。一つ目、◯◯は◯◯の方向で進めます。二つ目、◯◯は次回までに◯◯さんが案をまとめます。宿題は、◯◯さんが◯日までに◯◯、◯◯さんが◯日までに◯◯です。漏れがあればおっしゃってください。(間をとる)次回は◯月◯日◯時からを予定しています。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。これで会議を終わります。
取引先との会議
本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました。本日確認した点は、◯◯と◯◯です。こちらからは◯日までに◯◯をお送りします。今後ともよろしくお願いいたします。
予定より早く終わったとき
予定より早いですが、議題はすべて終わりましたので、これで終わります。残りの時間はそれぞれのお仕事にお使いください。
欠席者への共有を伝える
本日欠席の◯◯さんには、議事録と合わせて、私から決定事項をお伝えします。
注意
決定事項は、その日のうちに議事録で共有します。書き方は議事録を短時間で仕上げる手順を参照してください。役職者に開会・閉会の挨拶をお願いする場合の文例は開会の挨拶と閉会の挨拶にあります。
社内・社外・オンラインで言い方を変えるところ
| 場面 | 社内会議 | 取引先との会議 | オンライン会議 |
|---|---|---|---|
| 開会 | 定刻になりましたので始めます | お忙しいところありがとうございます。定刻となりましたので始めます | 音声は聞こえていますか。それでは始めます |
| 名乗り | 司会の◯◯です | 本日の進行を務めます、◯◯株式会社の◯◯と申します | 司会の◯◯です(画面の名前表示もそろえる) |
| 自社の人の呼び方 | ◯◯部長 | 部長の◯◯(敬称を付けない) | 対面と同じく、社内か社外かで使い分ける |
| 発言を求める | ◯◯さん、いかがですか | ◯◯様のお考えを伺えますでしょうか | ミュートを外して、お名前からお願いします |
| 締め | これで会議を終わります | 今後ともよろしくお願いいたします | 退出は各自でお願いします |
オンラインならではの準備はオンライン会議のマナーにまとめています。
司会の敬語で間違えやすい言い方
| 避けたい言い方 | 直した言い方 | 理由 |
|---|---|---|
| ◯◯部長がおっしゃられたように | ◯◯部長がおっしゃったように | 「おっしゃる」に「られる」を重ねた二重敬語 |
| ◯◯さんがご説明されます | ◯◯さんがご説明になります/説明されます | 「ご……される」は尊敬語の適切な形ではないとされている |
| (取引先に)弊社の◯◯部長からご説明します | 弊社部長の◯◯からご説明します | 社外に対して自社の人に敬称を付けない |
| 資料を拝見してください | 資料をご覧ください | 「拝見」は自分側の行為に使う謙譲語 |
二重敬語と「ご……される」の扱いは、文化審議会答申「敬語の指針」によります。「させていただく」を重ねすぎると回りくどく聞こえるので、迷ったら「させていただく」の使い方を参照してください。
司会のよくある失敗と防ぎ方
| 失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 目的を言わずに始める | 報告が長引き、何も決まらない | 冒頭で「今日は◯◯を決めます」と一文で言う |
| 終了時刻を言わない | 議論が延び、後ろの議題が残る | 冒頭で終了時刻を言い、議題ごとの終える時刻を決めておく |
| 司会が自分の意見を長く話す | ほかの人が発言しにくくなる | 自分の意見は最後に短く、または別の人に司会を頼む |
| 声の大きい人だけで決まる | 後から反対が出て決定がくつがえる | 発言していない人を名前で指名して聞く |
| 決定事項を読み上げずに閉会 | 人によって受け取り方が違い、宿題が漏れる | 締めで「誰が・何を・いつまでに」を口に出す |
| 脱線した話を放置 | 持ち越した論点が消える | 「別に時間をとりましょう」で切り、宿題に入れる |
司会を任されたときの準備チェックリスト
前日まで
- 会議の目的を一文で言えるか(「◯◯を決める」「◯◯を共有する」)
- アジェンダに議題・説明者・終える時刻が書いてあるか
- 資料の名前と数を確認したか
- 欠席者・途中退席者・代理出席者を把握したか
- 書記とタイムキーパーを頼んだか
- オンラインなら、会議URLと画面共有の担当を決めたか
当日・終わったあと
- 冒頭と締めの台本を手元に置いたか
- 時計かタイマーが見える位置にあるか
- 次回の候補日を手元に用意したか
- 決定事項と宿題を読み上げたか
- 議事録の共有と、欠席者への連絡を済ませたか
この記事の要点
- 会議の司会は開会・確認・議題・まとめ・閉会の5段階。
- 台本は冒頭と締めの言葉だけ書いておけば足りる。全文台本を◯だけ埋めて使える。
- 冒頭で目的と終了時刻を言うと、議論が散らかりにくい。
- 意見が出ない・対立・脱線・時間切れは、決まり文句を一つずつ用意しておく。
- 最後に決定事項と宿題(誰が・何を・いつまでに)を必ず口に出して確認する。
FAQ
よくある質問
「定刻になりましたので、◯◯会議を始めます。本日の司会を務めます◯◯です。今日の目的は◯◯を決めることで、終了は◯時の予定です。まず資料を確認します」が基本形です。開会の宣言、名乗り、目的、終了時刻、資料確認の順に言います。
開会の宣言の直後です。「ただいまより◯◯を始めます。本日の進行を務めます◯◯です」と続けて言うのが自然です。全員が顔見知りの社内会議なら、名前だけで構いません。
「以上で本日の議題は終了です。本日決まったことを確認します。(決定事項と宿題を読み上げる)次回は◯月◯日を予定しています。本日はありがとうございました。これで会議を終わります」です。決定事項の読み上げを省かないことが大切です。
社内の会議なら「始めます」で十分です。取引先を招いた会議や改まった場では「始めさせていただきます」も使われますが、一つの挨拶の中で「させていただく」を何度も重ねると回りくどく聞こえます。
「賛成か反対かだけでも伺えますか」と答えやすい形に変えるか、「◯◯さん、現場の立場からはいかがでしょうか」と名前を挙げて聞きます。それでも出なければ、意見の締め切りを決めてメールで集めます。
構いませんが、ほかの人の意見を聞き終えてから短く言うと、議論が司会の意見に引っ張られにくくなります。自分が議題の当事者なら、その議題だけ別の人に進行を頼む方法もあります。
冒頭と締めの言葉を紙に書いておき、アジェンダに議題ごとの終える時刻を書き込むことから始めてください。途中の議論は参加者に任せ、司会は時計を見て区切ることに集中すると楽になります。