手紙の書き方
社外文書の基本フォーマット
日付・宛先・件名の位置と見本
結論から言うと、取引先に出す社外文書は「前付け(日付・宛先・発信者)→件名→本文(前文・主文・末文)→記書き→以上」の順に並べるのが基本の形です。横書きなら日付と発信者は右、宛先は左、件名は中央。本文は「拝啓」と時候の挨拶で始め、「さて」で用件に入り、日時や数量などの細かな条件は「記」の下に箇条書きにして、最後に右寄せで「以上」と書きます。このページでは、各部分の書き方の一覧と、案内・通知・依頼・照会・回答の見本をまとめました。
結論
社外文書は、取引先やお客様など会社の外の相手に、会社として出す文書です。案内状・通知状・依頼状・照会状・回答状などの実務の文書と、挨拶状・礼状などの儀礼の文書があり、どちらも相手への礼儀を示す前文と結びを付けるのが、社内文書との大きな違いです。
そのまま使える見本(全体の形)
◯◯発第◯号
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
購買部 部長 ◯◯◯◯様
株式会社△△
営業部 部長 △△△△
新製品説明会のご案内
拝啓 ◯◯の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社ではこのたび新製品「◯◯」を発売する運びとなりました。つきましては、下記のとおり説明会を開催いたしますので、ご多用中誠に恐縮ではございますが、ぜひご出席くださいますようご案内申し上げます。
まずは略儀ながら書中にてご案内申し上げます。
敬具
記
一、日時 令和◯年◯月◯日(◯)◯時〜◯時
二、会場 弊社本社 ◯階会議室
三、お申し込み ◯月◯日(◯)までに、同封の返信用はがきにてお知らせください
以上
担当:営業部 △△(電話番号:◯◯/メールアドレス:◯◯)
注意
横書きでは、文書番号と日付は右寄せ、宛先は左寄せ、発信者は宛先より下の右寄せ、件名と「記」は中央、「敬具」「以上」は右寄せにします。担当者の連絡先は、以上の後の右下に置くことが多いですが、記書きの中に入れる会社もあります。
各部分の決まりごと一覧
| 部分 | 位置(横書き) | 書き方 |
|---|---|---|
| 文書番号 | 右上 | 社内で管理している場合だけ入れる。なければ省く |
| 発信日 | 右上(文書番号の下) | 作った日ではなく、出す日。西暦か和暦かは社内の書類に合わせる |
| 宛先 | 左 | 会社名は略さず、部署・役職・氏名。個人あては「様」、会社や部署あては「御中」 |
| 発信者 | 右(宛先より下) | 会社名・部署・役職・氏名。会社として出すなら責任者の名前 |
| 件名 | 中央 | 「◯◯のご案内」「◯◯について(お願い)」と、何の文書か一目で分かるように |
| 前文 | 本文の最初 | 頭語(拝啓など)→時候の挨拶→相手の繁栄を喜ぶ言葉→日頃のお礼 |
| 主文 | 前文の後 | 「さて」「つきましては」で用件に入り、何をしてほしいかを書く |
| 末文 | 主文の後 | 「まずは略儀ながら書中にてご案内申し上げます」など、用件をまとめる一文 |
| 結語 | 末文の下、右寄せ | 頭語と対になる言葉(拝啓なら敬具) |
| 記書き | 結語の下 | 中央に「記」、日時・場所・数量・期限などを箇条書きにする |
| 以上 | 記書きの最後、右寄せ | 文書がここで終わることを示す |
| 担当者 | 右下 | 問い合わせ先の部署・氏名・電話番号・メールアドレス |
社外文書は横書きで作るのが一般的です。挨拶状や礼状のような儀礼の文書は縦書きにすることもあり、その場合は右から本文(前文・主文・末文)を書き、結語の後に日付・発信者・宛名を左へ並べる形(後付け)になります。縦書きでは、宛名が最後の左側に来て、発信者より上の位置から書き始めるのが目安です。縦書きの配置の詳細はビジネスの手紙の書き方(縦書き)にまとめています。
Point
前文は「相手への礼儀」、記書きは「相手の手間を減らす工夫」。日時や数量を文章の中に埋めず、記書きにまとめると、読み手が必要なところだけを拾えます。
記書きの細かな書き方は「記」と「以上」の書き方、頭語と結語の組み合わせは頭語と結語の組み合わせ一覧、前文と末文の言い回しは手紙の前文と末文の書き方、月ごとの時候の挨拶は時候の挨拶 一覧(ビジネス)、宛名の「様」と「御中」の使い分けは封筒の宛名の書き方、令和の年数の確認は和暦・西暦変換が使えます。
目的別の見本(主文と記書き)
前文(拝啓と時候の挨拶、日頃のお礼)と結語は、上の見本と同じ形を使います。ここでは用件ごとに変わる主文と記書きの見本を並べます。
通知(お知らせ)
さて、弊社では◯月分のご請求より、請求書の締め日を下記のとおり変更いたします。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
記
一、変更前 毎月◯日締め
二、変更後 毎月末日締め
三、適用 ◯月分のご請求から
以上
依頼(お願い)
さて、弊社では取引先の皆様の登録情報を更新しております。つきましては、お手数をおかけいたしますが、同封の書類にご記入のうえ、◯月◯日までにご返送くださいますようお願い申し上げます。
記
一、ご返送いただく書類 取引先登録票 一通
二、ご返送の期限 令和◯年◯月◯日
三、ご返送の方法 同封の返信用封筒にて
以上
講演や後援など、相手に時間を割いてもらう依頼の文書は依頼状の書き方と例文にまとめています。
照会(問い合わせ)
さて、貴社製品「◯◯」の購入を検討しております。つきましては、下記の点についてお知らせくださいますようお願い申し上げます。
記
一、在庫の有無(◯◯個)
二、ご注文から納品までの期間
三、お見積り金額
四、ご回答の期限 ◯月◯日(◯)
以上
回答
さて、◯月◯日付でお問い合わせいただきました「◯◯」の件につきまして、下記のとおりご回答申し上げます。
記
一、在庫 ございます
二、納品までの期間 ご注文の確定から◯営業日
三、お見積り 別紙のとおり
以上
案内(開催のお知らせ)
さて、弊社では日頃のご愛顧に感謝し、下記のとおり内覧会を開催いたします。ご多用中とは存じますが、ぜひお立ち寄りくださいますようご案内申し上げます。
記
一、日時 令和◯年◯月◯日(◯)◯時〜◯時
二、会場 ◯◯
三、ご来場の際は、受付で本状をお見せください
以上
注意
同じ内容をメールで送るときは、前文を「いつもお世話になっております」に置き換え、記書きの部分は「■日時」のように見出しを付けて並べると読みやすくなります。メールの組み立てはビジネスメールの基本の構成、日時の書き方はメールで日時・場所を伝える書き方を見てください。
よくある間違い
| ありがちなこと | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 日付が作った日のまま | 相手は出された日として受け取る | 発信する日に直してから印刷する |
| 宛先の会社名を「(株)」と略す | 略さず書くのが一般的 | 「株式会社◯◯」と正式な名前で書く |
| 「◯◯株式会社御中 ◯◯様」と書く | 御中と様は一緒に使わない | 担当者が分かれば「様」だけにする |
| 件名がない | 何の文書か読み進めないと分からない | 「◯◯のご案内」「◯◯について(お願い)」を中央に入れる |
| 日時や金額を文章の中に書き込む | 読み手が必要な情報を探しにくい | 「下記のとおり」として記書きにまとめる |
| 記書きの後に「以上」がない | どこで文書が終わるのか分かりにくい | 記書きの最後に右寄せで「以上」と書く |
| 「拝啓」と「草々」を組み合わせる | 頭語と結語が対になっていない | 拝啓には敬具を使う |
この記事の要点
- 並びは前付け(日付・宛先・発信者)→件名→前文→主文→末文→結語→記書き→以上。
- 横書きでは日付と発信者は右、宛先は左、件名と「記」は中央。
- 本文は「拝啓」と時候の挨拶で始め、「さて」で用件に入る。
- 日時・数量・期限は記書きにまとめ、最後に「以上」。
- 縦書きでは日付・発信者・宛名を本文の後に左へ並べ、宛名が最後に来る。
FAQ
よくある質問
日時や数量など、本文とは別に示したい事柄があるときに記書きを使います。記書きを使ったら、最後に右寄せで「以上」と書いて締めるのが一般的です。本文だけで済む文書なら、記書きを使わなくても構いません。
どちらでも構いません。社内のほかの書類や、相手先の書類に合わせるのが無難です。一つの文書の中では、どちらかにそろえます。
会社として出す文書は、内容に責任を持つ部署の長や役員の名前にすることが多いです。実際のやり取りをする人は、文書の最後に担当者として連絡先を書きます。
実務の文書は横書きが一般的です。挨拶状や礼状など儀礼の文書は縦書きにすることもあります。縦書きの場合は、本文の後に日付・発信者・宛名を左へ並べます。
メールでは頭語や時候の挨拶は省き、「いつもお世話になっております」で始めるのが一般的です。改まった文書をメールに添付する場合は、添付する文書のほうに前文を付けます。