事後対応
イベント後のフォロー
お礼・アンケート・商談化までの設計
イベントの成果は、終了後の数日で決まります。ここで動かないと、当日の熱量は日を追うごとに薄れていきます。フォローは「やること」ではなく「設計しておくこと」です。この記事は、お礼メールを起点に、誰に・いつ・何を送り、どう商談や次回参加につなげるかの段取りをまとめます。お礼メールの文面そのものはイベントのお礼メール例文に分けています。
結論
イベント後のフォローは当日中(記録と速報)→ 翌営業日(お礼と資料送付)→ 1週間以内(アンケート集計と関心の高い人への個別連絡)→ 1か月以内(商談化の確認と振り返り)の4段階で設計します。参加者を関心の度合いで分け、層ごとに送る内容を変えること、そして開催前に文面・送信リスト・担当者を決めておくことが実行率を決めます。
4段階のフォロー設計
| 時期 | 対象 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 当日中 | 社内 | 記録の回収、実績の速報 | 情報の散逸を防ぐ |
| 当日中 | クライアント | 来場者数と所感の速報 | 安心感と信頼 |
| 翌営業日 | 参加者 | お礼メール+当日資料 | 熱量が残っているうちに接点を作る |
| 翌営業日 | 登壇者・協力会社 | お礼 | 次回の関係 |
| 翌営業日 | 欠席者 | 資料共有と次回案内 | 関係を切らない |
| 1週間以内 | 参加者 | アンケート結果の共有、個別フォロー | 関心の高い層を特定 |
| 1週間以内 | 社内 | 振り返り、予実確認 | 次回の改善 |
| 1か月以内 | 見込み客 | 商談化の確認、個別提案 | 成果の確定 |
| 3か月以内 | クライアント | 効果測定の報告 | 次年度の予算獲得 |
Point
最も見落とされるのが欠席者へのフォローです。申し込んだが来られなかった人は、関心はあるということです。当日の資料を送るだけでも、次回の参加につながりやすくなります。
開催前に準備しておくこと
フォローが遅れる原因の多くは、終わってから準備を始めることです。次の項目を開催前に決めておけば、終了後は送るだけになります。
- お礼メールの文面(参加者向け・欠席者向け・個別向け)を、数字と写真を空欄にして用意した
- 送信リストを「参加者」「欠席者」「個別対応する人」に分けられるよう、申込データの項目を決めた
- アンケートのURLと、会場で見せるQRコードを用意した
- 関心度を判断する基準(アンケートの設問、会話メモの書き方)を決めた
- 個別連絡の担当者と期限を、関心度の層ごとに決めた
- 申込フォームの利用目的に、案内や営業での活用を含めて明示した
- 資料・アーカイブの公開範囲と期限を、登壇者と合意した
個人情報の取り扱いはイベントの個人情報の扱い、名刺の扱いは名刺の個人情報を参照してください。
フォローの起点としてのお礼メール
お礼メールは礼儀であると同時に、フォロー全体の最初の接点です。遅くとも翌営業日には送ります(例文側では当日中〜翌営業日を目安にしています)。フォローの観点では、次の4要素が入っているかを確認してください。
- 01具体的な感謝:「ご参加ありがとうございました」だけでなく、当日の具体的な場面に触れる
- 02資料の提供:登壇資料、写真、アーカイブ動画。すぐ使えるものを添付またはリンクで
- 03次の行動の提示:個別相談、資料請求、次回イベントの案内。1つに絞る
- 04担当者名と連絡先:返信しやすい形に。会社の代表アドレスだけでは返信が来にくい
注意
次の行動は1つに絞ってください。「資料請求も、個別相談も、次回イベントも」と並べると、どれも選ばれません。イベントの目的に照らして最も重要なものを1つだけ提示します。
参加者・協力者・登壇者・協賛社・社内スタッフ向けの全文例、件名の付け方、返信の書き方はイベントのお礼メール例文に、講師へのお礼は講師へのお礼メール 例文にまとめています。
参加者を関心の度合いで分ける
全員に同じフォローを送ると、関心の高い人には物足りず、低い人には多すぎます。アンケートと当日の会話をもとに、参加者を三つの層に分けて扱いを変えてください。
| 層 | 判断材料の例 | 翌営業日 | 1週間以内 | 1か月以内 |
|---|---|---|---|---|
| 高い | 個別相談を希望、具体的な課題を話した、見積や資料を求めた | 会話を引用した個別のお礼と日程の提案 | 打ち合わせの実施 | 提案・商談化の確認 |
| 中くらい | 「次の行動」で資料請求や次回参加を選んだ、質問をした | 一斉のお礼+資料 | 関連する事例や資料を個別に送る | 検討状況を一度確認する |
| 低い・不明 | アンケート未回答、特に意向なし | 一斉のお礼+資料 | なし(アンケート結果の共有程度) | 次回イベントの案内 |
| 欠席者 | 申込はしたが来場なし | 資料・アーカイブの案内 | なし | 次回イベントの案内 |
Point
層を分ける基準は開催前に決め、当日の記録の書き方を揃えておくことが大切です。担当者ごとに「関心が高い」の意味がずれると、翌営業日の個別連絡の対象がぶれます。
アンケートの回収率を上げる
その場で取るのが最も確実
退場動線で紙のアンケートを回収する方法は、一般に回答を集めやすいとされます。後日メールで送る方式は、回答が集まりにくくなりがちです。紙が難しい会場では、QRコード作成でアンケートのURLをQRにして、閉会のスライドや配布資料に載せ、その場で回答してもらってください。
設問は5問程度に絞る
- 総合満足度(5段階)
- 推奨意向(NPS:0〜10)
- 目的に紐づく設問(理解度、関心度)
- 次の行動の意向(個別相談、資料請求、次回参加)
- 自由記述(任意)
4つ目が最も重要です。当日中に取れる数少ない行動変容の先行指標であり、翌日以降のフォロー対象を特定する材料になります。
回答のインセンティブ
回答者に資料や特典を提供する方法は有効ですが、回答内容が歪むことに注意してください。満足度が高めに出ることがあります。インセンティブを使う場合は、経年比較の際に条件を揃えてください。
商談につなげる導線
BtoBイベントでは、ここが最終的な成果になります。イベント前から設計しておく必要があります。
- 01
イベント前:受け皿を作る
参加者リストと営業システムの連携方法を決めます。申込時に示す利用目的に、営業での活用を含めて明記しておかないと、後から使いにくくなります。
- 02
当日:関心度を記録する
アンケートの「次の行動の意向」と、ブースや個別相談での会話内容。誰が何に関心を持ったかを記録します。
- 03
翌営業日:温度の高い層に個別連絡
全員に同じメールを送るのではなく、関心を示した層には個別に。日が空くほど温度は下がりやすくなります。
- 04
1週間:中温度層にコンテンツを送る
すぐには動かないが関心はある層に、関連資料や事例を送ります。
- 05
1か月:商談化を確認する
何件が商談になったか、受注額はいくらか。この数字がイベントの投資対効果になります。測り方はイベントのKPI設計を参照してください。
追客メールの文例:1週間後、中温度層へ
件名:◯◯セミナーで反響の大きかった◯◯の事例をお送りします
株式会社◯◯
◯◯様
先日は◯◯セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。株式会社◯◯の◯◯です。
アンケートで「◯◯に関心がある」とお答えいただきましたので、当日はご紹介しきれなかった◯◯の事例をまとめた資料をお送りします。
https://example.com/case
貴社の状況に合わせた進め方をご相談いただくこともできます。ご希望の際は、本メールにご返信ください。
追客メールの文例:1か月後、検討状況の確認
件名:その後のご検討状況はいかがでしょうか(◯◯セミナー)
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
先日は◯◯セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。
その後、◯◯のご検討状況はいかがでしょうか。社内でのご説明用に、要点を一枚にまとめた資料もご用意できます。
◯月◯日(◯)か◯月◯日(◯)であれば、オンラインでご説明にうかがえます。ご都合をお聞かせいただけますと幸いです。
注意
追客メールは毎回、新しい情報を一つ持っていきます。「その後いかがですか」だけの連絡が続くと、配信停止や無視につながります。展示会のあとに電話でつなぐ場合は展示会後のフォロー電話を参照してください。
社内の振り返り
1週間以内に実施します。遅れるほど記憶が薄れ、改善につながりません。次の4点を構造化して記録してください。
- うまくいったこと:再現したい要素。なぜうまくいったかの仮説まで
- うまくいかなかったこと:原因と、次回の対策
- 予実の差異:どの費目が想定と違ったか。次回の見積精度に直結
- 実測値:転換にかかった時間、受付の処理速度、来場のピーク時刻
Point
4つ目の実測値の記録が、長期的に最も効きます。「転換は◯分で足りる」を経験ではなく記録で持てると、次回の香盤表の精度が上がります。この蓄積が、そのまま見積と進行の精度になります。
PRODUCER AGENTでは、予実の登録により粗利率の低下を検知し、蓄積した案件が次回の予算推計と既視感チェックの判断材料になります。詳しくは見積・予算の機能をご覧ください。
フォローの成果を測る
フォローがうまくいったかは、段階ごとの数字で確認します。目標値は業種やイベントで大きく違うため、自社の過去の回と比べて改善しているかで判断してください。
| 段階 | 見る指標 | 記録する場所 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | お礼メールの送信完了時刻、開封・クリック | 配信ツール |
| 1週間以内 | アンケート回収数、「次の行動」の希望件数、個別連絡への返信件数 | アンケート集計、営業管理の表 |
| 1か月以内 | 打ち合わせ・商談になった件数 | 営業管理の表 |
| 数か月後 | 受注件数と金額、次回イベントへの再参加 | 営業管理の表、申込データ |
指標の設計はイベントのKPI設計、結果のまとめ方はイベント報告書の書き方、参加者データの保管と削除はイベント終了後のデータ処理を参照してください。
この記事の要点
- 成果は終了後の数日で決まる。当日中・翌営業日・1週間・1か月の4段階で設計する。
- 文面・送信リスト・担当者・関心度の基準は開催前に決めておく。終わってから準備すると遅れる。
- お礼メールはフォローの起点。提示する次の行動は1つに絞る。
- 参加者を関心の度合いで分け、高い層には翌営業日に会話を引用した個別連絡を送る。
- 追客メールは毎回新しい情報を一つ持っていく。「その後いかがですか」だけを繰り返さない。
- アンケートはその場で、設問は5問程度に絞る。振り返りでは実測値を記録する。
FAQ
よくある質問
当日中に記録の回収と速報、翌営業日に参加者へのお礼と資料送付、1週間以内にアンケートの集計と関心の高い人への個別連絡、1か月以内に商談化の確認と振り返り、の4段階で進めます。欠席者にも資料を送ると、次回の出席につながります。
お礼メールは参加への感謝と資料の提供を目的に、翌営業日までに参加者全体へ送るものです。フォローメールはその後、関心の度合いに応じて個別に送るもので、事例や資料の追加、打ち合わせの提案、検討状況の確認などが中心になります。お礼メールの文例はお礼メール例文の記事にまとめています。
関心の高い人には翌営業日のお礼の時点で個別に日程を提案し、中くらいの人には1週間以内に関連資料を、1か月以内に検討状況の確認を送るのが目安です。毎回新しい情報を添え、同じ内容の催促を繰り返さないようにしてください。
その場で回収する紙の方式と、後日のメール方式では大きく差が出ます。自社の過去実績を基準にして、回を重ねて改善していくのが確実です。回収率そのものより、回答者の属性が偏っていないかに注意してください。
取得時に示した利用目的に営業での活用が含まれていれば、その範囲で使えます。含まれていない場合は利用目的の範囲外になるおそれがあるため、イベントの申込フォームや受付時に、営業活用を含む利用目的を提示しておいてください。
すべきです。申し込んだ時点で関心はあります。当日の資料や要点をまとめて送るだけでも、次回の参加につながりやすくなります。「来なかった人」として切り離すと、関係が途切れます。
関心の度合いの層ごとに、開催前に担当者と期限を決めておきます。関心の高い層は当日に会話した本人か営業担当、一斉のお礼と欠席者への案内は事務局、と分けると抜け漏れが起きにくくなります。