法令
イベント景品の上限はいくら?
抽選・全員配布・オープン懸賞の限度額
結論から書きます。 イベントで出す景品の上限は、配り方で3通りに分かれます。①抽選・じゃんけん・クイズの正解者など「偶然や優劣で選ぶ」なら一般懸賞で、1人あたりの最高額は取引価額5,000円未満なら取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円、さらに賞品の合計は懸賞に係る売上予定総額の2%まで。②来場者全員・先着順に配るなら総付景品で、取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2まで。③来場も購入も条件にせず、広く告知して誰でも応募できる抽選(オープン懸賞)なら、景品規制は適用されず上限額の定めはありません。
結論
景品表示法第2条第3項は「景品類」を、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益(内閣総理大臣が指定するもの)と定義しています。上限があるのは、この「景品類」に当たる場合です。限度額は第4条に基づく告示で、懸賞(一般懸賞・共同懸賞)と懸賞によらない総付景品に分けて定められています。
場面別の早見表 — まずここで当たりをつける
イベントでよくある配り方を、どの区分に当たる可能性が高いかで並べました。区分が決まれば上限の式が決まります。 取引価額の決め方は後半の「取引価額の決め方」で説明します。
| イベントでの配り方 | 当たる可能性が高い区分 | 上限の考え方 |
|---|---|---|
| 有料チケット購入者の中から抽選 | 一般懸賞 | 最高額:取引価額の20倍(5,000円以上は10万円)/総額:売上予定総額の2% |
| ビンゴ大会・じゃんけん大会・宝探し | 一般懸賞(偶然性) | 同上 |
| クイズ・写真コンテスト・競技の上位者に賞品 | 一般懸賞(優劣・正誤) | 同上 |
| 来場者全員にノベルティ | 総付景品 | 1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2 |
| 先着【人数】名にプレゼント | 総付景品(先着順は懸賞に当たらない) | 同上 |
| アンケート回答者全員にギフト券 | 総付景品 | 同上 |
| 商店街・地域の事業者が共同で行う福引 | 共同懸賞(要件あり) | 最高額30万円/総額:売上予定総額の3% |
| Webで広く告知し、来場・購入不要で誰でも応募できる抽選 | オープン懸賞 | 景品規制の適用外。上限額の定めなし |
| 劇場・会場内で配る演目のパンフレット、社名入りメモ帳、試供品 | 総付景品の規制の除外に当たりうる | 正常な商慣習に照らして適当な範囲であること |
注意
表は区分の当たりをつけるためのものです。同じ「抽選」でも、来場や購入を条件にするかどうかで一般懸賞にもオープン懸賞にもなります。 最終的な当てはめは、下の各章と消費者庁の案内で確認してください。
根拠にした一次情報
本記事は次の一次情報だけに基づいています(2026年11月時点で取得・原文確認)。
- 不当景品類及び不当表示防止法(e-Gov法令検索)第2条第3項・第4条・第7条
- 消費者庁「景品規制の概要」
- 懸賞による景品類の提供に関する事項の制限(昭和52年公正取引委員会告示第3号)とその運用基準
- 一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限(昭和52年公正取引委員会告示第5号)とその運用基準
- 景品類の価額の算定基準について
注意
個別の企画で上限内に収まるかの最終判断は、消費者庁の相談窓口や弁護士に確認してください。 本記事は告示と運用基準の文言をイベントの場面に当てはめて整理したもので、個別の企画への適法性を保証するものではありません。
そもそも「景品類」に当たるか
消費者庁のページは、第2条第3項の定義を3つの要素に整理しています。3つすべてに当たると景品規制の対象です。
- 01顧客を誘引するための手段として
- 02事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
- 03物品、金銭その他の経済上の利益
Point
鍵は②の「取引に付随して」です。 消費者庁のページは、商品・サービスの利用者や来店者を対象として金品等を提供する場合は「取引に付随」して提供するものとみなされると説明しています。チケット購入者限定・来場者限定にした時点で、景品規制の論点に入ります。
注意
条文は「くじの方法によるかどうかを問わず」としています。抽選でなく全員に配るものも景品類に当たりえます。
抽選か、全員配布か — 区分の見分け方
「懸賞」は告示で、くじその他偶然性を利用して定める方法と特定の行為の優劣又は正誤によって定める方法で、景品類の相手方や価額を決めることとされています。運用基準の例示をイベントの場面に置き換えると次のとおりです。
| 運用基準の例示 | イベントでの例 | 区分 |
|---|---|---|
| 抽せん券を用いる方法 | 受付で渡す抽選券、半券での抽選 | 懸賞 |
| レシート・容器包装等を抽せん券に使う方法 | 物販のレシートで抽選 | 懸賞 |
| 全員に添付するが価額に差等があり、受け取るまで分からない方法 | 中身の違うくじ付き袋を全員に配る | 懸賞 |
| 宝探し、じゃんけん等による方法 | じゃんけん大会、宝探しゲーム、ビンゴ | 懸賞 |
| パズル、クイズ等の解答の正誤で定める方法 | クイズ大会の正解者に賞品 | 懸賞 |
| キャッチフレーズ・写真等の募集の優劣で定める方法 | フォトコンテスト、川柳コンテスト | 懸賞 |
| 競技・演技・遊技等の優劣で定める方法 | ゲーム大会、のど自慢、ボウリング大会 | 懸賞 |
| 来店又は申込みの先着順 | 先着【人数】名にプレゼント | 懸賞に当たらない(総付景品の規制を受けうる) |
Point
「全員にくじ付きで配る」は総付ではなく懸賞です。 全員が何かを受け取れても、価額に差があり受け取るまで分からない方法は、運用基準で懸賞の例に挙げられています。
一般懸賞の上限 — 抽選会・ビンゴ・コンテスト
| 懸賞による取引価額 | 最高額(1人あたり) | 総額(賞品の合計) |
|---|---|---|
| 5,000円未満 | 取引価額の20倍 | 懸賞に係る売上予定総額の2% |
| 5,000円以上 | 10万円 | 懸賞に係る売上予定総額の2% |
運用基準は、総額の基準になる「懸賞に係る取引の予定総額」を懸賞販売実施期間中における対象商品の売上予定総額としています。イベントなら、抽選の対象になるチケットや商品の売上見込みです。
Point
同じ抽選券で2回抽選するなら合算です。 運用基準は、一枚の抽せん券で抽選を行い、同じ抽せん券でさらに抽選を行う場合は、これらを合算した額が制限額を超えてはならないとしています。「1次抽選で外れた人のダブルチャンス」も同じ取引の中で数えます。
計算例 — 1等の額より総額で詰まる
告示の式にイベントの数字を入れた例です。取引価額は、1〜3行目はチケット代、4行目は入店者向けの原則100円で置いています(数字は説明用の仮定です)。
| 企画 | 1人あたりの最高額 | 賞品総額の上限 |
|---|---|---|
| チケット2,000円×500枚の購入者で抽選 | 2,000円×20=4万円 | 売上予定100万円×2%=2万円 |
| チケット10,000円×1,000枚の購入者で抽選 | 5,000円以上なので10万円 | 売上予定1,000万円×2%=20万円 |
| チケット2,000円の来場者全員に記念品 | 2,000円×10分の2=400円 | 総額の定めは告示にない(1人あたりで判断) |
| 入場無料の店頭イベントで来場者全員に記念品(取引価額は原則100円) | 1,000円未満なので200円 | 同上 |
Point
よくある詰まり方: 1行目の例では1等4万円まで出せる計算ですが、賞品の合計が2万円で頭打ちになります。小規模イベントほど、最高額ではなく総額の2%が先に効きます。企画書には最高額と総額を並べて書いてください。
取引価額の決め方 — 無料イベント・物販つきの場合
総付景品の運用基準は「取引の価額」を次のように定めており、懸賞の場合にも(1)〜(4)が準用されます。
| 場面 | 取引の価額 | イベントでの例 |
|---|---|---|
| 購入額に応じて景品を出す | その購入額 | 物販5,000円以上購入で特典 |
| 購入者が対象だが購入額の多少を問わない | 原則100円(最低の取引価額が明らかに100円を下回るならその額、通常の最低額が100円を超えるならその額にできる) | グッズを1点でも買った人に配る |
| 購入を条件とせず店舗への入店者に提供する | 原則100円(その店舗で通常行われる取引の最低額が100円を超えるならその額にできる) | 入場無料の店頭イベントの来場者に配る |
取引価額が100円なら、総付景品の上限は200円です(10分の2が200円未満のときは200円)。
Point
同じ取引に複数の景品をつけたら合算です。 運用基準は、同一の取引に付随して二以上の景品類提供を行う場合、同一の事業者が行うときは別々の企画であっても合算するとしています。来場特典とアンケート謝礼を同じ人に渡すなら、合計で上限に収めます。
注意
景品の価額の数え方:算定基準は、景品と同じものが市販されていれば受け取る人が通常購入するときの価格、市販されていなければ入手価格や類似品の市価等を勘案して算定するとしています。仕入れ値ではなく、受け取る側の購入価格で数えます。
総付景品 — 来場者全員・先着順に配るもの
| 取引価額 | 景品類の最高額 |
|---|---|
| 1,000円未満 | 200円 |
| 1,000円以上 | 取引価額の10分の2 |
消費者庁のページは、商品・サービスの利用者や来店者に対してもれなく提供する金品等を総付景品とし、購入の申し込み順又は来店の先着順により提供される金品等も総付景品に該当するとしています。
上限の対象から外れるもの(告示第2項)
告示は、景品類に当たる場合でも、次の4つには総付景品の上限を適用しないとしています。いずれも正常な商慣習に照らして適当と認められるものに限ります。
| 告示第2項の区分 | 運用基準の例 | イベントでの当てはめ候補 |
|---|---|---|
| ① 商品の販売・使用、役務の提供のため必要な物品・サービス | 劇場内で配布する筋書等を書いたパンフレット、講習の教材、交通の不便な場所にある旅館の送迎サービス | 公演の演目パンフレット、セミナーの配布資料 |
| ② 見本その他宣伝用の物品・サービス | 食品や日用品の小型の見本・試供品、試食品、スポーツスクールの一日無料体験、社名入りのカレンダーやメモ帳、他の事業者の依頼で配る見本 | 展示会ブースの試供品、社名入りボールペン、協賛社から預かったサンプルの配布 |
| ③ 自己の取引で使う割引券など割引を約する証票 | 金額を示して対価に充てる金額証、自他共通で同額の割引を約する証票 | 会場物販で使える○円引きクーポン |
| ④ 開店披露、創業記念等の行事で提供する物品・サービス | (告示の文言のとおり) | 新店オープン記念、創業○周年記念イベントの記念品 |
注意
運用基準は、商品そのものを見本として提供する場合は最小取引単位のもので、試食・試用等のためのものである旨が明確に表示されていなければならないとしています。展示会のノベルティ設計は展示会のノベルティで詳しく扱っています。
共同懸賞 — 商店街・地域の事業者が合同で行う福引
| 区分 | 最高額 | 総額 |
|---|---|---|
| 共同懸賞 | 取引価額にかかわらず30万円 | 懸賞に係る売上予定総額の3% |
告示が共同懸賞として認めるのは次の3つです。他の事業者の参加を不当に制限する場合は認められません。
- 01一定の地域における小売業者又はサービス業者の相当多数が共同して行う場合
- 02一の商店街に属する小売業者又はサービス業者の相当多数が共同して行う場合(中元・年末等の時期に、年3回を限度とし、年間通算70日の期間内に限る)
- 03一定の地域において一定の種類の事業を行う事業者の相当多数が共同して行う場合
- 「一定の地域」:小売業者・サービス業者の場合、店舗の所在する市町村(東京都は特別区又は市町村)の区域として扱う(運用基準)
- 「相当多数」:参加者がその地域の事業者の過半数であり、かつ通常共同懸賞に参加する者の大部分である場合(運用基準)
- 商店街振興組合が主催する懸賞は、商店街の共同懸賞として扱う(運用基準)
- 参加資格を売上高や特定団体の加入者・特定事業者の取引先に限ると、参加の不当な制限に当たる(運用基準)
注意
数社が協賛しているだけでは共同懸賞になりません。 「相当多数」の要件を満たさなければ、各社の一般懸賞として考えることになります。
オープン懸賞 — 高額賞品を出したいとき
消費者庁のページは、次の条件を満たす企画をオープン懸賞と呼び、景品規制は適用されないとしています。
- 新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイト等で企画内容を広く告知し
- 商品・サービスの購入や来店を条件とせず
- 郵便はがき、ファクシミリ、ウェブサイト、電子メール等で申し込むことができ
- 抽選で金品等が提供される
オープン懸賞で提供できる金品等の最高額は、従来、1000万円とされていましたが、平成18年4月に規制が撤廃され、現在では、提供できる金品等に具体的な上限額の定めはありません。(消費者庁「景品規制の概要」)
Point
「当日会場で抽選」「来場者限定」にすると、来店を条件にしていることになります。 高額賞品を出すなら、Webで応募でき、当選の連絡や賞品の発送も来場を前提にしない設計にできないかを企画段階で検討してください。
注意
景品規制が適用されないだけで、告知文の表示に関する規制や、応募者の個人情報の取扱いは別に存在します。 インフルエンサーに告知を依頼する場合はステルスマーケティング規制も確認してください。
スタンプラリー・コンプリート企画の注意
懸賞告示第5項は、二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法(いわゆるカード合わせ)による景品類の提供を、金額にかかわらず禁止しています。
| 企画の形 | 運用基準での扱い |
|---|---|
| 参加者が自分でブースを選んで回れば全種類のスタンプが揃う | 購入の際の選択で組合せを完成できる場合はカード合わせに当たらない(総付景品などの規制を受けることはある) |
| 中身が分からない袋で異なる種類のカードを配り、特定の組合せを揃えた人に景品 | カード合わせに当たりうる。実施しない |
| 中身が分からない状態で配る点数券を集めて合計点で景品 | カード合わせには当たらないが、懸賞の方法に当たる |
よくある失敗
- 011等の額だけ確認して、総額2%を見ていない。 小規模イベントでは総額が先に上限に達します。
- 02来場特典・アンケート謝礼・先着プレゼントを別々に数えている。 同じ事業者が同じ取引に付随して出すなら合算です。
- 03「全員当たるくじ」を総付景品だと思っている。 価額に差があり受け取るまで分からなければ懸賞です。
- 04仕入れ値で景品の価額を数えている。 算定基準は受け取る人が通常購入するときの価格です。
- 05ダブルチャンス抽選を別枠で数えている。 同じ抽せん券による再抽選は合算です。
- 06「協賛社が多いから共同懸賞」と考えている。 共同懸賞には「相当多数」などの要件があります。
- 07オープン懸賞のつもりで「当日会場で抽選・その場で受け取り」にしている。 来場が条件になり、景品規制の対象になります。
そのまま使える告知文テンプレート
応募条件と抽選の方法をはっきり書くための例文です。【 】内を企画に合わせて書き換えてください。
① チケット購入者向けの抽選会(一般懸賞)
【イベント名】のチケットをお持ちの方を対象に、終演後に抽選会を行います。賞品は1等【賞品名】【本数】本、2等【賞品名】【本数】本です。抽選は入場時にお渡しする抽選券の番号で行い、当選番号は会場のスクリーンと公式サイトで発表します。賞品のお渡しは当日会場のみです。
② 来場不要のWeb抽選(オープン懸賞として設計する場合)
【イベント名】の開催を記念して、プレゼントキャンペーンを実施します。応募にチケットの購入やご来場は必要ありません。応募期間は【開始日】から【終了日】まで、応募は公式サイトのフォームから1人1回です。当選者には【発表日】までにメールでご連絡し、賞品はご登録の住所へ発送します。
③ 来場者全員・先着の特典(総付景品)
ご来場の方に、先着【人数】名様まで【特典名】を差し上げます。受付でチケットをご提示ください。なくなり次第終了します。お一人様1点限りです。
④ アンケート回答のお礼
会場アンケートにご回答いただいた方全員に、【特典名】をお渡しします。回答後、出口の受付で画面をご提示ください。
注意
②は「来場不要」と書くだけでなく、当選連絡と賞品の受け取りも来場を前提にしないことが要点です。応募フォームで個人情報を集める場合の扱いはイベント後のフォローと合わせて設計してください。
企画に当てはめる手順とチェックリスト
- 01
配るものを全部書き出す
抽選の賞品、来場特典、先着プレゼント、アンケートのお礼、ノベルティ、ダブルチャンス。同じ人に渡る可能性があるものを1枚の表にします。
- 02
取引に付随するかを見る
購入や来場が条件か。条件でなければオープン懸賞として設計できる余地があります。
- 03
懸賞か総付かを分ける
偶然性・優劣・正誤で決まるなら懸賞、全員・先着なら総付。価額に差があるくじ付き配布は懸賞です。
- 04
除外に当たるものを分ける
パンフレット・資料・試供品・社名入り品など、告示第2項に当たりうるものを別にします。
- 05
取引価額と景品の価額を決める
購入額に応じるか、購入額を問わないか、入店者向けか。景品は受け取る人の通常購入価格で数えます。
- 06
最高額と総額を並べて計算する
懸賞は最高額と売上予定総額の2%(共同懸賞は3%)の両方。同じ取引に付く景品は合算します。
- 07
業種別の告示を確認する
新聞業、雑誌業、不動産業、医療用医薬品業・医療機器業・衛生検査所業には業種別の景品告示があります。主催者や協賛社が当たる場合は別の上限です。
- 08
迷う点は事前に相談する
当てはめに迷う点は、消費者庁の相談窓口や弁護士に企画書を持って確認します。
- 来場者に渡るものを全部書き出し、同じ人に重なるものを合算した
- 懸賞(偶然性・優劣・正誤)と総付(全員・先着)を分けた
- くじ付きで全員に配る企画を、総付ではなく懸賞として計算した
- 懸賞の最高額と総額(売上予定総額の2%)の両方を計算した
- ダブルチャンスなど同じ抽選券による再抽選を合算した
- 景品の価額を仕入れ値ではなく通常の購入価格で数えた
- パンフレット・試供品・社名入り品など除外に当たりうるものを分けた
- 高額賞品はオープン懸賞にできないか検討した(応募・当選連絡・受け取りが来場不要か)
- 共同懸賞にするなら「相当多数」などの要件を確認した
- 協賛社を含め、業種別景品告示の対象業種がないか確認した
- 告知文に応募資格・抽選方法・当選者への連絡方法・受け取り方法を書いた
上限を超えたらどうなるか
第4条は、内閣総理大臣が景品類の価額の最高額・総額、種類、提供の方法などを制限し、又は景品類の提供を禁止することができるとしています。第7条は、この第4条の規定による制限若しくは禁止に違反する行為があるとき、事業者に対してその行為の差止め、再発防止に必要な事項、これらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる(措置命令)としています。
注意
措置命令は、違反行為がすでになくなっている場合でも、その事業者に対して行うことができると第7条に書かれています。終わったイベントでも対象になりうるということです。
この記事の要点
- 抽選・ビンゴ・コンテスト(一般懸賞):最高額は取引価額5,000円未満なら20倍、5,000円以上なら10万円。総額は売上予定総額の2%。
- 来場者全員・先着順(総付景品):1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2。
- 来場も購入も条件にしないWeb抽選(オープン懸賞):景品規制の適用外で、上限額の定めはない。
- 購入額を問わない場合や入店者向けの場合、取引価額は原則100円。同じ取引に付く景品と、同じ抽選券での再抽選は合算。
- 演目パンフレット、試供品、社名入りメモ帳、割引券、開店披露・創業記念の記念品は、総付景品の上限の対象外になりうる。
- 共同懸賞は30万円・総額3%だが、「相当多数」などの要件がある。カード合わせは金額にかかわらず禁止。
FAQ
よくある質問
一般懸賞として、取引価額が5,000円未満なら取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円が1人あたりの最高額です。あわせて賞品の合計が、懸賞に係る売上予定総額の2%以内である必要があります。小規模なイベントでは、最高額より総額の2%が先に上限に達することがあります。
総付景品として、取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2が最高額です。消費者庁のページは、来店の先着順により提供される金品等も総付景品に該当するとしています。
総付景品の運用基準は、購入を条件とせずに店舗への入店者に景品類を提供する場合の取引価額を原則100円とし、その店舗で通常行われる取引の最低額が100円を超えるときはその額にできるとしています。取引価額が100円なら上限は200円です。イベント会場がこの「店舗」と同じに扱えるかは、主催者の取引との関係で変わるため、迷う場合は消費者庁の相談窓口で確認してください。
来場や購入を条件とせず、広く告知してウェブサイトや電子メール等で誰でも応募できる抽選にすれば、オープン懸賞として景品規制の適用外になります。消費者庁によれば、オープン懸賞の最高額は平成18年4月に規制が撤廃され、現在は具体的な上限額の定めがありません。当選連絡や受け取りも来場を前提にしない設計にしてください。
運用基準は、同一の取引に付随して二以上の景品類提供を行う場合、同一の事業者が行うときは別々の企画であっても合算するとしています。同じ人に両方渡るなら、合計額で上限に収めてください。
景品類の価額の算定基準は、景品と同じものが市販されている場合は、受け取る人がそれを通常購入するときの価格によるとしています。市販されていない場合は、入手価格や類似品の市価等を勘案して、受け取る人が通常購入するとしたときの価格を算定します。仕入れ値が安くても、市販価格で数えます。
全ての人に景品が当たっても、その価額に差があり受け取るまで分からない方法は、懸賞の運用基準で「くじその他偶然性を利用して定める方法」の例に挙げられています。総付景品ではなく懸賞として計算してください。
総付景品の告示は、役務の提供のため必要な物品や、見本その他宣伝用の物品で、正常な商慣習に照らして適当と認められるものには上限を適用しないとしています。運用基準は、劇場内で配布する筋書等を書いたパンフレットや社名入りのカレンダー・メモ帳を例に挙げています。適当な限度を超えるものは除外されません。
なるとは限りません。告示は一定の地域や商店街の事業者の相当多数が共同して行う場合などに限っており、運用基準は「相当多数」を、その地域の事業者の過半数で、かつ通常共同懸賞に参加する者の大部分である場合としています。数社の協賛だけでは各社の一般懸賞として考えることになります。
上限が問題になるのは、提供するものが景品表示法の「景品類」、つまり顧客を誘引するための手段として自己の商品・サービスの取引に付随して提供される経済上の利益に当たる場合です。社内の催しがこれに当たるかは本記事では断定しないため、3つの要素に照らして確認してください。税務上の扱いは社内イベントの景品と税金で整理しています。