ビジネス用語
ナーチャリングとは?意味と使い方
言い換えと例文
「ナーチャリング」は、まだ買う段階にない見込み客に、役立つ情報を届け続けて関係を深め、検討が進むのを待つ取り組みのことです。日本語に言い換えるなら「見込み客の育成」「継続的なフォロー」。使った一文は「名刺交換だけの方は、月一回の事例メールでナーチャリングしていきましょう。」。見込み客(リード)を対象にするので「リードナーチャリング」とも呼ばれます。このページでは、意味と元の英語、展示会やセミナーのあとの進め方、会議・メール・チャットの例文、「フォロー」「追客」との違い、社外での言い換えをまとめました。
結論
「ナーチャリング」は英語のnurture(育てる・はぐくむ)の ing 形nurturingから来た言葉です。マーケティングでは、見込み客との関係を時間をかけて育て、購入や商談に向けて検討を進めてもらう取り組みを指して使われます。
「ナーチャリング」の意味と元の英語
英語の nurture は、子どもや植物などを大切に育てることを表す語です。マーケティングでの「ナーチャリング」はこの意味を借りて、すぐには買わない見込み客との関係を、少しずつ育てていくことを指します。
展示会やセミナーで接点ができた相手の中には、「いつかは検討したいが、今ではない」という人が多くいます。そうした相手に売り込みを続けるのではなく、役に立つ情報を届けて、思い出してもらえる状態を保つのがナーチャリングの考え方です。
| ナーチャリングの手段 | 内容の例 |
|---|---|
| メールマガジン・定期メール | 業界の動き、事例、使い方のコツ |
| セミナー・ウェビナーの案内 | 関心のあるテーマの勉強会への招待 |
| 資料・事例の送付 | 導入事例、比較表、チェックリスト |
| 個別の連絡 | 以前の会話を踏まえた近況の確認 |
Point
ナーチャリングは「売り込む」より「役に立ち続ける」。相手の検討が進んだときに、最初に思い出してもらえることをめざします。
展示会・セミナーのあとの進め方
ナーチャリングは、リードを温度感で分けるところから始まります。すぐに商談になりそうな相手は営業が直接連絡し、まだ検討の途中の相手をナーチャリングの対象にする、という分け方をすることが多いです。
| 段階 | すること |
|---|---|
| 分ける | 名刺やアンケートから、検討の進み具合で見込み客を分ける |
| 届ける内容を決める | 相手の関心(業種・課題)に合わせて、役立つ情報を用意する |
| 続ける | 間隔を決めて、メール・セミナー案内などを続ける |
| 反応を見る | 資料のダウンロード、セミナー参加、問い合わせなどの反応を記録する |
| 営業に渡す | 反応が強くなった相手を、営業の個別連絡に切り替える |
注意
会期後すぐのお礼と連絡は展示会のお礼メール、イベント後のフォロー全体の流れはイベント後のフォローにまとめています。メール配信にはアドレスの扱いや配信停止の方法など確認ごとがあるので、社内の担当部署のルールに合わせてください。
使い方の例文(会議・メール・チャット)
会議で(社内)
今回の展示会のリードのうち、導入時期が未定の方はナーチャリングの対象にして、四半期ごとにセミナーの案内を送りましょう。
ナーチャリングのメールが製品の紹介ばかりになっているので、事例やお役立ち情報の割合を増やしたいです。
チャットで(社内)
ナーチャリング中の◯◯社の方が、今朝料金表のページを見てくれたみたいです。営業から連絡してもらえますか?
来月の事例メール、どの業種向けに書くか決めたいので、今週中に候補を出してもらえますか?
メールで(社内の上司へ)
件名:展示会後の見込み客への継続的なご案内について
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯展で名刺を交換した方のうち、今すぐの検討ではない方への対応案をまとめました。
・月に一度、導入事例と業界の情報をメールでお送りする
・◯月のセミナーにご招待する
・資料請求などの反応があった方は、営業担当から個別にご連絡する
営業の負担をかけずに、検討が進んだ方を逃さないための案です。ご確認いただけますでしょうか。
メールで(見込み客へ・ナーチャリングとは書かない形)
件名:【事例のご紹介】◯◯業界での◯◯の使い方
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
以前◯◯展でお話しした際、◯◯の運用でお困りとうかがっておりました。
同じ業界のお客様の取り組みをまとめた事例がございますので、ご参考までにお送りいたします。
ご不要の場合は、お手数ですがこのメールにその旨ご返信ください。
似た言葉との違い
| 言葉 | 表す内容 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| ナーチャリング | 見込み客との関係を時間をかけて育てる取り組み全体 | マーケティングの計画 |
| フォロー | 接点があった相手への連絡・確認全般 | 社内外どちらでも |
| 追客 | 見込み客に連絡を重ねて購入につなげること | 営業・不動産・住宅などの現場 |
| 育成 | 人や関係を時間をかけて育てること | 日本語での言い換え |
| クロージング | 商談をまとめて契約に結びつけること | 検討の最終段階 |
「フォロー」は一回の連絡にも使える広い言葉で、「ナーチャリング」は計画を立てて続ける取り組みを指すことが多い言葉です。「追客」は購入に向けてこちらから働きかける響きが強く、ナーチャリングは相手の検討が進むのを待ちながら関係を保つ響きがあります。検討の最後の段階で契約をまとめる話はクロージングの意味を参考にしてください。
社外・目上の人に使ってよいか
「ナーチャリング」はマーケティングの専門用語に近く、マーケティングの担当者どうしでなければ通じにくい言葉です。社内でも営業以外の部署や上司には、日本語で言い換えたほうが伝わります。また、見込み客本人に「ナーチャリングしています」と言うのは避けます。育てられる側として扱われていると感じさせることがあるためです。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| マーケティング担当どうし | ナーチャリング/リードナーチャリング |
| 社内の他部署・上司 | 見込み客への継続的なご案内/関係づくり |
| 協業先・代理店 | 継続的な情報提供 |
| 見込み客本人 | (言葉を使わず)事例や情報をお送りする |
使うときに気をつけたいこと
| ありがちなやり方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 全員に同じ売り込みメールを送り続ける | 関心のない内容が続くと、読まれなくなることがある | 業種や関心ごとに内容を分ける |
| 配信停止の方法を書かない | 相手が困り、印象を悪くすることがある | 配信を止める方法を毎回わかる場所に書く |
| 反応があっても営業に知らせない | 検討が進んだ相手を逃す | 反応の基準を決め、営業に渡す流れを作る |
| 社内の会議で説明なく「ナーチャリング」 | 営業以外の人に伝わらないことがある | 見込み客への継続的なご案内(ナーチャリング) |
この記事の要点
- 「ナーチャリング」は見込み客との関係を、情報を届けながら育てる取り組み。
- 日本語なら「見込み客の育成」「継続的なフォロー」。
- まず見込み客を温度感で分け、今すぐではない相手を対象にする。
- 売り込みより、役に立つ情報を続けて届ける。
- 社内の他部署や見込み客本人には言葉を使わず中身で伝える。
FAQ
よくある質問
まだ買う段階にない見込み客に、役立つ情報を届け続けて関係を深め、検討が進むのを待つ取り組みのことです。英語の nurture(育てる)から来た言葉で、「見込み客の育成」と言い換えられます。
マーケティングの話では、ほぼ同じ意味で使われます。見込み客(リード)を対象にしていることをはっきりさせたいときに「リードナーチャリング」と言います。
メールマガジンや定期メール、セミナー・ウェビナーへの招待、事例や資料の送付、以前の会話を踏まえた個別の連絡などがあります。相手の関心に合わせて内容を選ぶのが基本です。
「フォロー」は一回の連絡にも使える広い言葉で、「ナーチャリング」は計画を立てて、時間をかけて関係を育てる取り組み全体を指すことが多い言葉です。
社内では「見込み客への継続的なご案内」「関係づくり」、社外では「継続的な情報提供」などが使いやすい言い方です。