顧客イベント
体験会の企画
企画案30選・案内文の例文とチェックリスト
結論から書きます。体験会の企画は、①何を体験してもらうか(一点に絞る)②誰に来てほしいか ③体験の後に何をしてほしいかの3つを先に決め、そこから時間・定員・会場・告知を逆算します。失敗の多くは、体験の中身を詰め込みすぎることと、体験の後に何も用意していないことです。このページには、業種別の企画案30、企画書の記入例、1回の体験の流れ、告知から体験後のお礼までの例文、試食・景品・SNS投稿の依頼で確認すること、当日まで使えるチェックリストをまとめました。
結論
体験会は、見込み客や既存顧客に商品・サービスを実際に試してもらうイベントです。「体験型イベント」が楽しさや話題づくりを含む広い呼び方なのに対し、体験会は購入・申込・導入といった検討を前に進めてもらうことを目的にすることが多い形式です。
最初に決めること(企画シート)
| 決めること | 決め方 | 記入例(BtoBのソフトウェア) |
|---|---|---|
| 体験する一点 | いちばん違いが伝わる使い方を一つだけ選ぶ | 請求書を1件、取り込みから送付まで操作してもらう |
| 対象 | 検討中の人・既存顧客・まだ知らない人のどれか | 資料請求から日が浅く、まだ商談していない担当者 |
| 1回の時間と定員 | 説明する人が一度に見られる人数を上限にする | 1枠あたり少人数、スタッフ1名につき参加者数名 |
| 体験後の次の一歩 | その場で決められる行動を一つ用意する | 無料トライアルの開始、または導入相談の日程決め |
| 告知の経路 | 対象が普段見ている場所を選ぶ | 資料請求者へのメール、営業担当からの個別案内 |
Point
「次の一歩」が決まっていない体験会は、楽しかったで終わります。 予約・申込・見積・相談日程・試供品の持ち帰りのうち、どれか一つを必ず用意してください。
体験会とほかのイベント形式の違い
| 形式 | 参加者がすること | 向いている目的 | 終わった後の次の一歩 |
|---|---|---|---|
| 説明会・セミナー | 話を聞く | 考え方や全体像を伝える | 資料請求・個別相談 |
| 展示会 | ブースを見て回る | 多くの人に一度に知ってもらう | 後日の訪問・商談 |
| 体験会 | 商品・サービスを自分で試す | 使い心地を確かめて検討を進めてもらう | 予約・申込・トライアル開始 |
| ワークショップ | 作る・考える作業をする | 体験そのものに価値を感じてもらう | 次の講座・会員登録 |
| 試食・試飲会 | 食べる・飲む | 味を知ってもらう | 購入・定期便 |
| 試乗会 | 乗って動かす | 操作感や乗り心地を確かめる | 見積・再試乗 |
説明を聞くだけでは伝わりにくい「使い心地」「操作の簡単さ」「味」「サイズ感」がある商品ほど、体験会が向いています。作る作業そのものを楽しんでもらうならワークショップの企画、顧客向けイベント全体の選び方は顧客イベントの企画を参照してください。
業種・場面別の体験会の企画案30
どの案も「体験する一点」と「体験後の次の一歩」をセットにしています。自社の商品に置き換えるときは、真ん中の列を一つに絞れるかを確かめてください。
| 業種・場面 | 企画案 | 体験する一点 | 体験後の次の一歩 |
|---|---|---|---|
| 生活家電 | 新旧の使い比べ体験会 | 従来品と並べて同じ作業をしてもらう | 店頭での予約購入 |
| 調理家電 | 一品だけ作る体験会 | 決まった一品を自分で作る | レシピ配布と購入相談 |
| 化粧品 | タッチアップ体験 | 顔や手の一部で色・質感を試す | サンプルの持ち帰り・次回予約 |
| アパレル | 着回し試着会 | 一着を別の組み合わせで着てみる | 取り置き・購入 |
| 寝具・家具 | 寝心地の試し比べ | 硬さの違う商品を順に試す | 自宅の寸法での見積 |
| 文具・日用品 | 書き比べ・使い比べ | 同じ用途の商品を並べて使う | 店頭購入・まとめ買いの案内 |
| 住宅・リフォーム | 設備の操作体験会 | キッチン・窓・収納を実際に動かす | 個別相談の日程 |
| 自動車・自転車 | 試乗会 | 決まったコースを一回走る | 見積・再試乗の予約 |
| 食品・飲料 | 試食・試飲会 | 数種類の味を比べる | 購入・定期便の案内 |
| BtoBソフトウェア | ハンズオン体験会 | サンプルデータで業務を一つ完了させる | 無料トライアル・導入相談 |
| BtoB機器・製造 | 持ち込みテスト会 | 参加者の材料やサンプルで実機を動かす | テスト結果の報告と見積 |
| ショールーム | 予約制の個別体験 | 担当者が付いて一通り操作する | 見積依頼 |
| 学習塾・スクール | 体験授業 | 通常と同じ授業を一コマ受ける | 入会面談 |
| フィットネス・ヨガ | 初心者向け体験レッスン | 初心者向けのクラスに一回参加する | 入会・回数券 |
| 音楽教室 | 楽器に触れる体験会 | 簡単なフレーズを一つ弾く | 体験レッスンの予約 |
| 料理教室 | 一品体験 | 一品を最後まで作って食べる | 入会・次の講座 |
| クラフト・ものづくり | 小物づくり体験 | 小さな作品を一つ完成させる | 次の講座の申込 |
| アプリ・ゲーム | 先行体験会 | 最初の場面だけ遊ぶ | 事前登録 |
| VR・AR・新技術 | デモ体験ブース | 短い体験を一本だけ | 法人向けの導入相談 |
| 美容室・サロン | ミニ施術体験 | 短時間で終わる施術を一つ受ける | 本予約 |
| 子ども向け | 親子体験会 | 親子で一緒に作る・遊ぶ | 会員登録・次回イベントの案内 |
| 商店街 | 店めぐり体験 | 複数の店で一つずつ体験する | 各店への再来店 |
| 地域・観光 | 収穫・伝統工芸の体験 | 工程の一つを自分で行う | 再訪・特産品の購入 |
| 工場・事業所 | 工場見学と工程体験 | 製造工程の一つを体験する | 製品の購入・取引の相談 |
| 採用 | 仕事体験会 | 実際の業務に近い課題を一つ行う | 選考の案内 |
| 社内 | 新システムの社内体験会 | 本番に近い画面で一件処理する | 本番利用の開始 |
| 既存顧客 | 新機能の先行体験会 | 新しい機能だけを試す | 上位プランの相談 |
| 展示会 | ブース内のミニ体験 | 目玉の操作を一つだけ | 後日の訪問の約束 |
| オンライン | オンライン体験会 | 画面共有で参加者に操作してもらう/事前に試供品を送る | トライアル・購入 |
| 商業施設 | 館内のアクティビティ体験 | 短く終わる参加型の遊び | 館内店舗の案内・回遊 |
注意
子ども向け・運動を伴う体験・刃物や火を使う体験は、事故の防ぎ方と、起きたときの対応を先に決めます(下の「法令と手続きで確認すること」)。
目的別の組み立て方
| 目的 | 体験の形 | 用意する次の一歩 | あとで数える数字 |
|---|---|---|---|
| 新商品を知ってもらう | 短時間で誰でもできる体験を何度も回す | 試供品・資料の持ち帰り | 体験した人数 |
| 購入を決めてもらう | 自分の使い方に近い条件で試してもらう | その場での予約・取り置き | 体験後の予約・購入の件数 |
| BtoBで導入を検討してもらう | 自社の業務に近いデータ・材料で試す | トライアル開始・導入相談 | 相談の日程が決まった件数 |
| 既存顧客に使い続けてもらう | まだ使っていない機能を試す | 設定の相談・上位プランの案内 | その機能を使い始めた件数 |
| 来店・回遊を増やす | 店内の複数の場所で体験する | 他の売場や店舗の案内 | 体験後に立ち寄った件数 |
数字は「来場者数」だけでなく、次の一歩まで進んだ件数を数えると、次回の改善点が分かります。指標の決め方はイベントのKPIにまとめています。
企画の手順
- 01
目的と次の一歩を決める
体験の後にしてほしい行動を一つ決めます。ここが決まると、体験の中身と対象が絞れます。
- 02
体験してもらうことを一つに絞る
「新商品のすべて」ではなく、「いちばん違いが分かる使い方」を一つ選びます。
- 03
対象と告知の経路を決める
検討中の人か、既存顧客か、まだ知らない人か。対象によって告知の場所が変わります。
- 04
1回の時間と定員を決める
短い体験を何度も回すか、少人数でじっくり行うかを決めます。説明する人が一度に見られる人数が上限です。
- 05
会場・備品・人の配置を決める
体験用の商品・機材の数、予備、試せる場所、待っている人の居場所、受付と案内の担当を決めます。
- 06
法令と手続きを確認する
試食・試飲、抽選やプレゼント、SNS投稿のお願い、申込者情報の扱い、火気やけがの対策を確認します。
- 07
告知と予約の受付を始める
予約制にすると待ち時間が減り、準備する数も読めます。予約の確定とリマインドの連絡も用意します。
- 08
リハーサルをする
社内の人に参加者役をしてもらい、体験の説明が短く済むか、つまずく場所がないかを確かめます。
- 09
当日の運営と記録
体験した人数、出た質問、次の一歩に進んだ人を記録します。
- 10
体験後のフォロー
お礼と、その場で答えきれなかった質問への回答を送ります。
企画書の記入例
| 項目 | 記入例(店舗の新商品) |
|---|---|
| 名称 | 新商品「◯◯」先行体験会 |
| 目的 | 発売前に使い心地を知ってもらい、予約購入につなげる |
| 対象 | 会員登録済みのお客さま |
| 体験する一点 | 従来品と並べて、同じ作業をしてもらう |
| 日時・場所 | ◯月◯日(◯)◯時〜◯時/◯◯店 催事スペース |
| 1回の体験 | 予約制。1枠あたり少人数、スタッフが一人ずつ案内 |
| 次の一歩 | その場での予約購入、または取り置き |
| 告知 | 会員向けメール、店頭ポスター、SNS |
| 必要なもの | 体験用の商品と予備、比較用の従来品、予約表、アンケート、案内チラシ |
| 確認事項 | 試食の有無、プレゼントの有無、写真撮影とSNS掲載の可否 |
| 振り返りで見る数字 | 予約数、来場数、体験後の予約購入の件数 |
1回の体験の流れ(予約枠の例)
| 時刻(例) | すること | スタッフの動き |
|---|---|---|
| 10:00 | 受付・体験の流れを短く説明 | 名前の確認、荷物の置き場所の案内 |
| 10:05 | スタッフが一度だけ見本を見せる | 説明は短く。触る時間を長くとる |
| 10:10 | 参加者が自分で試す | つまずいたときだけ声をかける |
| 10:25 | 感想を聞く・質問に答える | 「どこがいちばん気になりましたか」と聞く |
| 10:30 | 次の一歩を案内する | 予約・資料・相談の日程をその場で |
| 10:40 | 片付け・次の枠の準備 | 体験用の商品を元の状態に戻す |
時刻は一例です。体験の中身に合わせて伸び縮みさせ、説明よりも参加者が触る時間が長くなるように組みます。枠の間に準備の時間を入れておくと、遅れが次の枠に広がりません。予約枠の表はタイムテーブル作成ツールでも作れます。
成功させるポイントとよくある失敗
- 告知を見ただけで何を体験できるか分かる:「◯◯を自分で試せます」と具体的に書く
- 体験は短く、繰り返せる形に:待ち時間が長いと、体験の前に帰ってしまう
- 参加者自身の条件に近づける:BtoBなら業務に近いデータ、店舗なら自宅の使い方に近い場面
- スタッフは説明しすぎない:触っている間は見守り、質問されたら答える
- 写真を撮りたくなる場所を一つ:撮影してよい場所と、撮影を控えてほしい場所を分けて掲示する
- 体験の出口に次の一歩を置く:予約・申込・相談の受付を、体験した場所のすぐ近くに
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 体験の中身を詰め込む | 一つひとつが浅くなり、何が良かったか残らない | 体験する一点を決め、ほかは資料で渡す |
| 体験用の商品が足りない | 待ち時間が延び、体験しないまま帰る人が出る | 同時に体験できる数と予備を事前に決める |
| 説明が長い | 触る時間が減り、セミナーと変わらなくなる | 見本は一度だけ。説明は体験の後の質問で補う |
| 次の一歩がない | 感想は良くても申込につながらない | その場で決められる行動を一つ用意する |
| 予約なしで受け付ける | 混む時間と空く時間の差が大きくなる | 予約枠を作り、当日の空き枠だけ飛び込みを受ける |
| 参加者の記録を取らない | 誰に何をフォローすればよいか分からない | 受付で名前と関心の高さを記録する |
| 体験後の連絡が遅い | 体験の記憶が薄れてから連絡することになる | お礼の文面を事前に用意しておく |
集客の方法
| 対象 | 告知の場所 | 書くこと |
|---|---|---|
| 既存顧客 | 会員向けメール、DM、営業担当からの声かけ | 先行して試せること、予約の方法 |
| 検討中の見込み客 | 問い合わせや資料請求をした人へのメール | 資料では分からないことを確かめられること |
| まだ知らない人 | SNS、店頭のポスター、チラシ、地域の情報サイト | 何を体験できるか、所要時間、参加の手軽さ |
| BtoBの新規 | 展示会で名刺交換した人、ウェビナー参加者 | 自社の業務に近い条件で試せること |
告知の順番と人が集まらないときの見直し方はイベント集客の方法にまとめています。予約の時間枠を案内するなら日程調整ツールが使えます。
告知文・案内文・お礼の例文
注意
案内文には何を体験できるか・日時と場所・所要時間・予約の要否・持ち物・対象を書きます。体験の後に商品の説明や案内があるなら、それも書いておくと安心して参加してもらえます。
1. 既存顧客へのメール(店舗・BtoC)
件名:新商品「◯◯」先行体験会のご案内
いつも◯◯をご利用いただき、ありがとうございます。このたび発売予定の新商品「◯◯」を、ひと足早くお試しいただける体験会を開催します。お手持ちの◯◯との違いを、実際に手に取って確かめていただけます。ご予約制で、お一人ずつスタッフがご案内いたします。ご都合のよい時間をお選びのうえ、お申し込みください。
2. 資料請求した見込み客への案内(BtoB)
件名:◯◯の操作をお試しいただける体験会のご案内
先日は◯◯の資料をご請求いただき、ありがとうございました。資料だけでは伝わりにくい操作の流れを確かめていただけるよう、少人数の体験会を開催します。サンプルデータを使い、実際の業務と同じ手順を一通りお試しいただけます。ご質問にはその場でお答えしますので、導入をご検討中の方はぜひお越しください。
3. 取引先の担当者への個別の招待(BtoB)
◯◯様
いつもお世話になっております。◯◯の◯◯です。新しい機能「◯◯」の先行体験会を、既存のお客さま向けに開催いたします。御社で日頃お使いの◯◯の作業が、どのくらい短くなるかをお試しいただける内容です。ご関心がありましたら、ご都合のよい枠を返信でお知らせください。
4. SNSでの告知
新商品「◯◯」の体験会を開催します。◯月◯日(◯)、◯◯にて。実際に触って、使い心地を確かめてみませんか。予約制です。お申し込みはプロフィールのリンクから。
5. 店頭のPOP・ポスター
「◯◯」を、買う前に試せます。◯月◯日(◯)◯時から ◯◯売場にて ご予約の方を優先してご案内します(空きがあれば当日もご参加いただけます)。
6. 予約完了の連絡
件名:体験会のご予約を承りました
◯◯様、体験会にお申し込みいただき、ありがとうございます。ご予約の内容は次のとおりです。日時:◯月◯日(◯)◯時〜/場所:◯◯(地図:◯◯)/持ち物:◯◯。ご都合が悪くなった場合は、このメールへの返信でお知らせください。当日お会いできるのを楽しみにしております。
7. 前日のリマインド
件名:【明日】◯◯体験会のご案内
◯◯様、明日の体験会のご案内です。◯時に◯◯の受付までお越しください。お持ちいただくものは◯◯です。ご都合が悪くなった場合は、ご連絡いただければ別の日時もご案内いたします。
8. 当日の受付・体験中・体験後の声かけ
受付:「本日はお越しいただき、ありがとうございます。最初に一度だけ見本をお見せして、その後はご自由にお試しいただきます」
体験中:「分かりにくいところがあれば、いつでもお声がけください」
体験後:「実際に使ってみて、いかがでしたか。気になったところがあれば、何でもお聞かせください。もう少し詳しくご覧になりたい場合は、ご自宅(御社)での使い方を想定したご相談の日程も、この場でお決めいただけます」
9. 体験後のお礼メール
件名:体験会へのご参加ありがとうございました
◯◯様、本日は◯◯の体験会にお越しいただき、ありがとうございました。当日いただいた「◯◯」というご質問について、改めてお答えします。◯◯。ご検討の参考になる資料も添付いたしました。ご相談やお申し込みは、このメールへの返信でも承ります。
10. 来られなかった人への連絡
件名:◯◯体験会のご案内(別日程のお知らせ)
◯◯様、先日の体験会にお申し込みいただき、ありがとうございました。当日はお目にかかれず残念でしたので、改めてご案内いたします。◯月◯日にも体験会を開催しますので、ご都合が合えばお申し込みください。個別にお試しいただける日程のご相談も承ります。
体験会のチラシの作り方
- 01何を体験できるかを見出しに。「◯◯を試せます」と具体的に
- 02日時・場所・所要時間
- 03対象:どなたでも、初めての方向け、など
- 04予約の方法:申込フォームのQRコードを大きく
- 05体験の様子の写真:人が使っている写真があると参加の様子が想像できる
- 06費用と持ち物:無料か有料か、持ってくるものがあるか
申込フォームのQRコードはQRコード作成ツールで作れます。チラシの構成はセミナーチラシの作り方も参考になります。
法令と手続きで確認すること
| こんなとき | 確認すること | 相談先・詳しい記事 |
|---|---|---|
| 試食・試飲を出す | 東京都の例では、縁日などで簡易な施設を設けて不特定多数に食品を提供する場合、臨時営業の許可申請または臨時出店の届出が必要です。手続きは自治体ごとに異なります | 会場を管轄する保健所に事前に相談。イベントの飲食の手続き |
| 来場者に抽選やプレゼントを用意する | 取引に付随して提供する物品などは、景品表示法の「景品類」に当たる場合があります。総付景品の最高額は、消費者庁のページでは取引価額1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です | イベントの景品と景品表示法 |
| 参加者にSNS投稿をお願いする | 消費者庁の運用基準では、第三者の表示に対する対価には、イベント招待などのきょう応も含まれるとされています。依頼した投稿は「広告」「PR」などで事業者の表示だと分かるようにします | ステマ規制 |
| 申込フォームで名前や連絡先を集める | 本人から直接書面(フォームを含む)で個人情報を取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示します(個人情報保護法第21条第2項) | イベントと個人情報 |
| 刃物・火・運動を伴う体験 | けがが起きた場合、主催者や従業員の過失が損害賠償の論点になります(民法第709条・第715条)。補償の内容は保険会社・代理店に相談します | イベントの賠償責任 |
| 火を使う器具を出す(東京都) | 東京都の火災予防条例では、火気使用器具等を使う露店等は、開設の3日前までに消防署長へ届け出ます。条例は自治体ごとに異なります | 会場を管轄する消防署。催しの火災予防 |
注意
ここに書いたのは確認の入口です。手続きの要否と最終的な判断は、管轄の窓口に確認してください。参加者の写真をSNSに載せる場合の同意の取り方はイベント写真のSNS掲載を参照してください。
体験会のチェックリスト
企画
- 体験の後にしてほしい行動を一つに決めた
- 体験する一点を決め、ほかは資料で渡すことにした
- 対象(既存顧客・見込み客・まだ知らない人)を決めた
- 1回の時間と定員、1日の枠の数を決めた
- 振り返りで数える数字(予約数・来場数・次の一歩の件数)を決めた
準備
- 体験用の商品・機材と予備の数をそろえた
- 待つ人の居場所と、荷物の置き場所を決めた
- 受付・案内・体験・次の一歩の受付の担当を決めた
- 試食・景品・SNS投稿の依頼・個人情報・火気の確認を済ませた
- 申込フォームに利用目的を書いた
- 予約完了・前日リマインド・お礼の文面を用意した
- 社内でリハーサルをして、説明の長さを確かめた
当日
- 撮影してよい場所と、控えてほしい場所を掲示した
- 参加者の名前、出た質問、関心の高さを記録している
- 体験の出口で次の一歩を案内している
体験後
- お礼と、答えきれなかった質問への回答を送った
- 関心が高かった人に、担当者から個別に連絡した
- 来られなかった人に別日程を案内した
- 数えた数字と出た質問を、次回の企画に残した
イベント全体の準備はイベント準備のチェックリスト、体験後の連絡の考え方はイベント後のフォローにまとめています。
この記事の要点
- 企画は体験する一点・対象・体験後の次の一歩を先に決める。
- 体験は短く、参加者が触る時間を長く。説明は一度だけ。
- 次の一歩(予約・申込・相談)を体験の出口に置く。
- 試食・景品・SNS投稿の依頼・申込者情報は、開催前に確認する。
- 体験後はお礼と質問への回答を早めに送り、来られなかった人にも別日程を案内する。
FAQ
よくある質問
体験の後にしてほしい行動を一つ決め、そこから体験してもらうことを一つに絞り、誰に来てほしいかを決めます。そのうえで、1回の時間・定員・会場・備品・告知を決めます。
体験型イベントは、参加して楽しむ形のイベント全般を指す広い呼び方です。体験会は、その中でも商品・サービスを試してもらい、購入や申込などの検討を前に進めてもらうことを目的にするものを指すことが多い言い方です。
開けます。むしろ一人ずつ質問に答えられるので、BtoBの導入検討や高価な商品では少人数の予約制が向いています。人数が少ない分、体験後の個別の相談につなげやすくなります。
会場費、体験用の商品・機材と消耗品、スタッフの人件費、告知(チラシ・広告)、試食や配布物の費用が主な内訳です。金額は内容と規模で大きく変わるため、項目ごとに見積もりを取って積み上げてください。イベントの予算の立て方も参考になります。
既存顧客には会員向けメールや営業担当からの声かけ、検討中の見込み客には資料請求した人へのメール、まだ知らない人にはSNSや店頭のポスター、チラシで告知します。予約制にすると当日の待ち時間を減らせます。
何を体験できるか、日時と場所、所要時間、予約が必要かどうか、持ち物、対象です。体験の後に商品の説明があるなら、そのことも書いておくと安心して参加してもらえます。
不特定多数に食品を提供する場合は、保健所の許可や届出が必要になることがあります。行事の種類や期間で手続きが異なり、自治体ごとにも違うため、会場を管轄する保健所に事前に相談してください。
お願いすること自体はできますが、事業者が内容の決定に関わった投稿は事業者の表示として扱われ、広告であることが分かるようにする必要があります。消費者庁の運用基準では、イベントへの招待なども対価に含まれるとされています。参加の条件にするかどうかにかかわらず、依頼した投稿には「PR」などの表示をお願いしてください。
体験のお礼と、その場で答えきれなかった質問への回答を送ります。体験中に関心が高かった人には、担当者から個別に相談の日程を提案します。予約したのに来られなかった人には、別の日程を案内します。