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店舗イベント

店舗イベントの年間計画
月別の企画と販促カレンダーの作り方

店舗の集客イベントは、思いついたときに1回ずつ企画すると、毎回「何をやるか」から悩み、告知が間に合わず、終わった後の振り返りも次に生きません。続けられる店は、1年分の「枠」を先に置いています。枠とは「この時期に、この目的で、この規模のイベントを1本やる」という予定です。目的は新規客に知ってもらう・再来店してもらう・客単価を上げる・閑散期を底上げするの4つに分け、季節の行事と自店の周年・閑散期を当てはめます。中身は後から決めてかまいません。枠が先にあれば、準備を始める時期と告知を始める時期が自動的に決まります。

更新: 2026-11-01読了:約9分PRODUCER AGENT 編集部

結論

店舗イベントの年間計画は①1年分の売上の山と谷を確認する ②目的別に枠を置く ③季節の行事・地域の催し・自店の周年を当てはめる ④枠ごとに担当と予算の上限を決める ⑤各回の準備の順番を逆算する ⑥終わった回の振り返りを、翌年の同じ枠に引き継ぐの順で作ります。単発の店頭イベントの組み立て方は店舗イベントで集客する方法、周年祭は店舗の周年祭の企画で扱っています。このページは、それらを1年の中にどう並べるかに絞ります。

結論:年間計画の型と、最初に決めること

年間計画で最初に決めるのは、企画の中身ではなく「枠」です。枠を置く順番は次のとおりです。

最初に決めること決め方これが決まると何が決まるか
売上の山と谷昨年の月別の売上・来店数を並べ、落ち込む時期と混む時期に印を付ける閑散期の底上げの枠を置く時期
1年の本数準備に割ける人手から逆算する。少なく置いて、確実に毎回振り返れる数にする1本あたりにかけられる準備の量
目的の配分新規・再来店・客単価・閑散期のどれを今年重く見るか企画の種類と、効果の測り方
動かせない日自店の周年、地域の祭り・商店街の催し、季節の行事枠の日付の候補
枠ごとの担当店長が全部持たない。枠ごとに主担当を1人決める準備が止まったときに誰が動くか
予算の上限枠ごとに上限だけを先に決める(中身は後で)景品・装飾・告知物の規模

Point

混む時期に大きなイベントを重ねないのが基本です。もともと人が来る時期にイベントを足すと、レジと接客が回らなくなり、来てくれた人の満足を下げます。イベントの力は、人が来ない時期と、来た人にもう一度来てもらう仕掛けに使ってください。

目的別の企画アイデア

目的企画の例向く時期の考え方効果の見方
新規客に知ってもらう店頭の体験会、地域のマルシェやお祭りへの出店、商店街の合同企画、ポップアップ出店地域の人通りが増える時期(祭り・商店街の催し)に重ねる初来店の数、どこで知ったか
再来店してもらう次回来店で使える特典、会員向けの先行案内会、季節の入れ替え時の内覧会、スタンプ企画前のイベントで来た人が、次に来る理由を作れる間隔で置く特典の利用数、会員の再来店
客単価を上げる組み合わせの提案フェア、試食・試着会、使い方の実演まとめ買い・贈り物の需要がある時期1人あたりの購入点数・金額
閑散期を底上げする教室・ワークショップ、常連向けの感謝デー、予約制の個別相談会昨年の売上が落ちた時期前年同時期との比較
関係を深める周年祭、常連向けの小さな会、作り手を招いた話の会自店の周年、新商品の入荷参加者の声、紹介での来店

月別の行事と企画の例

季節の行事は、告知の「理由」になります。すべてを使う必要はありません。自店の客層と商品に合うものだけを選び、上の目的のどれに当てるかを決めてください。

時期行事・きっかけ企画の例
1月新年、初売り福袋・初売り特典、新年の目標に合わせた提案
2月節分、バレンタイン贈り物の提案フェア、ラッピングの実演
3月ひな祭り、卒業、新生活の準備新生活の準備相談会、卒業・送別の贈り物
4月入学・入社、新年度新しく越してきた人向けの店舗紹介、体験会
5月連休、母の日連休中の子ども向け体験、母の日の贈り物
6月父の日、梅雨父の日の提案、雨の日の来店特典
7月七夕、夏休みの始まり願いごとの短冊、子ども向けの工作教室
8月夏休み、お盆自由研究の題材になる体験、帰省客向けの手土産提案
9月敬老の日、秋の行楽祖父母への贈り物、秋の新商品の内覧
10月ハロウィン仮装特典・子ども向けの企画(店舗のハロウィンイベント)
11月秋の味覚、年末の準備年末の贈答品の予約会、常連向けの感謝デー
12月クリスマス、年末ディスプレイと贈り物の提案(店舗のクリスマスイベント)

注意

表に加えて、自店の周年の月と、昨年の売上が落ちた月を書き込んでください。この2つは、全国共通の行事より自店にとって重要な枠です。

準備のスケジュール(順番)

年間計画は「年の初めに枠を置く工程」と「各回の準備の工程」の2段に分かれます。各回の準備にかかる期間は、企画の大きさと手続きの有無で変わるため、まず順番を決め、自店の過去の実績で期間を書き込んでください。

年の初め(または期の初め)にやること

  1. 01

    昨年の売上・来店数を月別に並べる

    山と谷に印を付けます。昨年のイベントの結果メモがあれば横に並べます。

  2. 02

    枠を置く

    目的・時期・規模・主担当・予算の上限を1行ずつ書きます。中身は空欄で構いません。

  3. 03

    販促カレンダーに落とす

    枠ごとに「中身を決める日」「告知を始める日」「当日」「振り返りの日」を書き込みます。告知物の制作とSNSの投稿予定も同じカレンダーに載せます。

  4. 04

    全員に共有する

    スタッフのシフトと休暇の希望は、このカレンダーを見て出してもらいます。

各回の準備の順番

  1. 01

    中身を決める

    目的に合う企画を選び、昨年の同じ枠の振り返りを読みます。

  2. 02

    手続きと条件を確認する

    店の外(歩道・駐車場・公園)を使う、食べ物を出す、景品を出す場合は、ここで確認を始めます。確認先は後の「判断基準」の表にまとめています。

  3. 03

    仕入れ・景品・材料・告知物を発注する

    発注の締切から逆に並べます。告知物の印刷は、告知を始める日より前に届くように。

  4. 04

    店頭から告知を始める

    最初に知らせるのは、いま来ている客です。レジでの声かけ、店頭の掲示、会員への案内を先にし、SNSや地域への告知を後に重ねます。

  5. 05

    スタッフに共有する

    当日の役割、特典の条件、よく聞かれる質問と答えを1枚にまとめて渡します。

  6. 06

    前日に準備する

    装飾、特典の準備、レジの設定(特典の打ち方)、在庫の確認。

  7. 07

    当日を回す

    次の章の進行例を参考に、時間帯ごとの動きを決めておきます。

  8. 08

    振り返りを書き、翌年の同じ枠に貼る

    数字(来店数・特典の利用数・売上)と、やってみて分かったことを、翌年の同じ枠の欄に残します。

準備の期限を一覧にするにはガントチャート作成ツール、逆算の考え方はイベント準備スケジュールの組み方が使えます。

当日の進行例(店内で行う1日のイベント)

時間帯やること担当
開店前装飾・特典の最終確認、朝礼で役割と特典の条件を共有、レジの特典設定の確認責任者、全員
開店直後店頭の声かけを始める。告知を見て来た人に、イベントの場所を案内する店頭担当
混む時間帯体験・実演を回す。レジに人を寄せ、待ち列が通路をふさがないようにする体験担当、レジ担当
落ち着く時間帯在庫と特典の残りを確認・補充、交代で休憩、写真で記録責任者、記録担当
閉店前翌日以降も続く特典の案内、最終回の体験の締め切りを知らせる店頭担当
閉店後来店数・特典の利用数・売上を集計、気づいたことを振り返りメモに書く責任者

体験や実演の回数・時刻は、店の広さと担当の人数で決めてください。時刻を店頭に掲示すると、人が一度に集まりすぎるのを防げます。

判断基準・決めることの表

決めること判断の基準確認先・参考
店内か店外か店の外(歩道・公道・公園)を使うと手続きが要ることがある管轄の警察署・道路管理者・公園管理者。道路使用許可、公園の許可
景品・特典を出すか購入や来店を条件に景品を出す場合は、景品表示法の限度額の対象になりうるイベントの景品と景品表示法
食べ物・飲み物を出すか試食・販売の形によって保健所の手続きが変わる管轄の保健所。イベントの飲食提供の手続き
予約制にするか体験の席が限られるなら予約制。予約の個人情報の扱いを決めるイベントの個人情報の扱い
装飾・什器を増やすか通路・非常口・消火器の前をふさがない。カーテンや展示用の合板などは防炎の対象になりうる管轄の消防署。会場装飾と防炎物品、来場者動線の設計
看板・のぼりを出すか屋外に出す掲示は自治体の条例の対象になりうる自治体の屋外広告物の担当。屋外の看板・のぼり
音楽を流すか店内のBGMとイベントでの演奏では扱いが変わることがあるイベントで音楽を流す著作権
効果を何で測るか目的ごとに1つ決める(新規なら初来店、再来店なら特典の利用)イベントのKPI

Point

景品の条件は、告知文を書く前に決めてください。「ご購入の方に」「ご来店の方に」「どなたでも」のどれにするかで、景品表示法の扱いが変わります。景品類は、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する物品・金銭その他の経済上の利益とされています(景品表示法第2条第3項)。

準備のチェックリスト

  • 昨年の月別の売上・来店数と、昨年のイベントの結果を並べた
  • 1年分の枠を、目的・時期・規模・主担当・予算の上限で書いた
  • 混む時期に大きなイベントを重ねていない
  • 各枠に「中身を決める日」「告知を始める日」「振り返りの日」を書いた
  • 店外・食べ物・景品・装飾・看板・音楽のうち、該当するものの確認先を書いた
  • 装飾や体験コーナーで、通路・非常口・消火器の前をふさいでいない
  • 景品・特典の条件(購入・来店・条件なし)を告知前に決めた
  • レジでの特典の打ち方をスタッフ全員が分かる形にした
  • スタッフ向けの1枚(役割・特典の条件・よくある質問)を作った
  • 効果を測る数字を、目的ごとに1つ決めた
  • 振り返りを翌年の同じ枠に残す場所を決めた

スタッフの配置はシフト表作成ツール、店頭の掲示はお知らせ・張り紙作成ツールで作れます。

当日の運用(役割・連絡・アナウンス文例)

役割

役割やること
責任者全体を見て、在庫・特典の補充と、混雑時の判断をする。問い合わせの最終受け皿
店頭担当通りがかりの人への声かけ、イベントの場所の案内、待ち列の整理
体験・実演担当時刻どおりに回す。参加者に次回の案内を渡す
レジ担当特典の適用。特典の条件の質問に答える
記録担当写真と数字の記録。写真を撮る旨を店内に掲示する

連絡のルール

  • 特典・景品がなくなりそう:気づいた人→責任者。終了の告知をするかどうかを責任者が決める
  • 待ち列が店外や通路にはみ出した:店頭担当→責任者。整理券や時刻指定に切り替える
  • 体調不良・けが:見つけた人→責任者。救急への連絡が必要かを判断する

店内アナウンス文例

【開始のご案内】本日は◯◯フェアを開催しております。店内奥のコーナーで、◯時から◯◯の実演を行います。どうぞお立ち寄りください。

【特典のご案内】本日お買い上げのお客様に、次回ご来店時にお使いいただける◯◯をお渡ししております。お会計の際にお受け取りください。

【終了のお知らせ】◯◯の特典は、ご好評につき本日分を終了いたしました。楽しみにご来店いただいたお客様には、誠に申し訳ございません。

よくある失敗

失敗起きる理由防ぎ方
告知が当日の直前になる中身を決めてから告知の日を考えている枠を置いた時点で告知を始める日をカレンダーに書く
混む時期にイベントを重ねて、レジが回らない季節の行事だけで時期を決めた昨年の売上の山を確認し、山にはイベントを重ねない
毎年同じ企画で、効果が落ちても気づかない振り返りを残していない数字と気づきを翌年の同じ枠に貼る
特典の条件をスタッフが説明できない条件を口頭でしか共有していないスタッフ向けの1枚に条件と答え方を書く
景品の条件を後から変えて告知と食い違う景品表示法の確認を告知の後にした景品の条件は告知前に決める
担当が店長だけで、繁忙期に準備が止まる枠ごとの主担当を決めていない枠ごとに主担当を1人置く

この記事の要点

  • 店舗イベントは単発で考えず、1年分の「枠」(目的・時期・規模・主担当・予算の上限)を先に置く。
  • 目的は新規客・再来店・客単価・閑散期の4つに分け、混む時期に大きなイベントを重ねない。
  • 季節の行事は告知の理由になる。自店の周年と昨年の売上が落ちた月も枠に入れる。
  • 告知は店頭(いま来ている客)から始め、SNSや地域への告知を後に重ねる。
  • 景品の条件は告知前に決める。振り返りは翌年の同じ枠に残す。

FAQ

よくある質問

01店舗のイベントは年に何回やればよいですか?

一律の回数はありません。準備に割ける人手から逆算し、毎回振り返りを書ける数にしてください。少なく置いて確実に回すほうが、翌年の計画に生きます。

02販促カレンダーには何を書けばよいですか?

枠ごとに、目的、時期、規模、主担当、予算の上限、中身を決める日、告知を始める日、当日、振り返りの日を書きます。告知物の制作やSNSの投稿予定も同じカレンダーに載せると、抜けが見えます。

03閑散期のイベントは何がよいですか?

予約制の教室・ワークショップ、常連向けの感謝デー、個別相談会など、少人数でも成り立つ企画が向いています。昨年の同じ時期の数字と比べて効果を見てください。

04来店した人全員にプレゼントを配っても問題ありませんか?

購入や来店を条件に景品を出す場合は、景品表示法の限度額の対象になりうるため、条件と景品の価格を告知前に確認してください。詳しくはイベントの景品と景品表示法で整理しています。

05店の前の歩道でイベントをしてもよいですか?

歩道や公道を使う場合は、管轄の警察署や道路管理者への手続きが要ることがあります。内容と場所を伝えて事前に相談してください。

06単発の店頭イベントの組み立て方を知りたいです。

企画の型と告知の順番は店舗イベントで集客する方法、周年祭は店舗の周年祭の企画にまとめています。

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