経理
協賛金の勘定科目と仕訳例
名前ではなく「見返りの中身」で決まる
結論:「協賛金」という決まった勘定科目はありません。 支払う側は、見返りの中身によって広告宣伝費・交際費・寄附金・諸会費のどれかで処理する方向が分かれ、受け取る側は売上高・協賛金収入・雑収入・寄附金収入などから選びます。分かれ目は①見返りがあるか ②誰に向けた支出か ③金額と見返りが釣り合うかの3点で、消費税も対価性で課税か不課税かが分かれます。下の早見表と場面別の仕訳例12件で、自社の協賛がどの方向かを確かめてください。最終的な当てはめは税務判断なので、顧問税理士に確認してください。
結論
法人税法第37条第7項は寄附金の額を「寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず…贈与又は無償の供与」とし、括弧書きで「広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く」としています。消費税は第2条第1項第8号の「事業として対価を得て行われる」かどうかが分かれ目です。
早見表 — 協賛の中身ごとの勘定科目の候補
まず自社の協賛がどの行に近いかを見てください。科目名は候補であり、確定させるのは税理士との確認です。
| 協賛の中身(見返り) | 支払う側の候補 | 受け取る側の候補 | 消費税の論点 |
|---|---|---|---|
| ロゴ掲出・ブース・アナウンスなど、来場者全体への宣伝 | 広告宣伝費 | 売上高/協賛金収入 | 対価性ありなら課税取引 |
| 取引先の周年行事・落成披露会などへの協賛 | 交際費 | 協賛金収入/雑収入 | 対価性の有無を確認 |
| 見返りが無い(名前も出ない、または名前だけ) | 寄附金 | 寄附金収入/雑収入 | 対価性なしなら不課税 |
| 加盟している団体の行事への分担金 | 諸会費(中身で交際費・寄附金も) | 会費収入など | 会費の実態で判断 |
| 自社商品の現物提供(現物協賛) | 広告宣伝費/寄附金(中身次第) | 受け取ったものの中身で判断 | 見返りの有無を確認 |
| 協賛金+招待券・懇親会参加などの混合 | 中身ごとに分ける | 中身ごとに分ける | 部分ごとに確認 |
Point
迷ったら「何を受け取ったか」を書き出してください。 同じ金額の協賛でも、ロゴが会場に大きく出るなら宣伝の性格が強く、取引先の社長の還暦祝いの会なら接待・贈答の性格が強く、何も受け取らないなら無償の供与です。科目は名前ではなく中身で決まる、というのが条文の書き方です(次の章)。
出発点 — 名称では決まらない
前各項に規定する寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。)をした場合における…(法人税法第37条第7項)
- 「いずれの名義をもつてするかを問わず」——「協賛金」という勘定の名前や、契約書の表題では決まらない
- 「贈与又は無償の供与」——無償かどうかが軸
- 括弧書きの除外——広告宣伝費・交際費・接待費・福利厚生費とされるべきものは、寄附金から除かれる
Point
条文の構造は「まず無償かどうか、次に他の費用に当たらないか」です。 見返りがあるなら「無償の供与」ではなく、括弧書きで寄附金から外れる方向に働きます。だから実務では「何を受け取ったか」を書き残すことが効きます。
注意
同じ構造を建設業法でも見ました。「いかなる名義をもつてするかを問わず」(第2条第2項)。日本の法令は、名前ではなく実態で判断する書き方をよく採ります(設営と建設業法)。
判断の順番 — 4つの質問で方向を決める
- 01
見返りはあるか
ロゴ掲出、ブース、招待券、登壇枠、配布物への掲載など、受け取るものを書き出します。 何も無ければ無償の供与=寄附金の方向(法人税法37条7項)。
- 02
相手は取引先など「事業に関係のある者等」で、中身は接待・贈答か
取引先の催しで、実態が接待、供応、慰安、贈答に近いなら交際費等の方向(措置法61条の4第6項)。
- 03
不特定多数に向けた宣伝か
来場者全体にロゴや社名が届く、ブースで商品を紹介できる、といった中身なら広告宣伝費の方向(37条7項の括弧書きで寄附金から除かれる費用)。
- 04
金額と見返りは釣り合っているか
見返りが金額に比べて小さいと、差額が寄附金に含まれる論点が出ます(37条8項)。見返りの中身と量を書面に残します。
注意
加盟している商工会・業界団体などから行事の分担金を求められた場合は、会費の性格か、特定の行事への拠出かを先に確認してください。名目が会費でも、中身が接待や寄附に近ければ扱いが変わりうるのは、上の条文の書き方と同じです。
支払う側 — 4つの科目の違い
| 科目 | この科目を選ぶ方向の事実 | 法人税での扱い(条文) | 残す記録 |
|---|---|---|---|
| 広告宣伝費 | 不特定多数への露出(ロゴ、社名、ブース、配布物) | 37条7項の括弧書きで寄附金から除かれる費用 | 掲出面・サイズ・来場者数、日付入りの写真 |
| 交際費 | 相手が取引先など事業に関係のある者等で、接待・供応・慰安・贈答の性格 | 措置法61条の4。資本金等100億円以下の法人は接待飲食費の100分の50、1億円以下の法人(一定の法人を除く)は定額控除限度額(800万円×月数÷12)を選べる | 相手先、取引関係、催しの中身、参加者 |
| 寄附金 | 見返りが無い(無償の供与) | 37条1項で、政令で計算した限度額を超える部分は損金不算入。国・地方公共団体への寄附金や財務大臣の指定寄附金は3項で別扱い | 寄附先、受領書、見返りが無いこと |
| 諸会費 | 加盟団体の会費・分担金としての性格 | 中身が会費として相当かで判断(接待・寄附に近ければ上の各科目へ) | 団体の規約、請求の根拠 |
寄附金は「どこへの寄附か」で扱いが変わる
| 寄附先 | 法人税法第37条の扱い |
|---|---|
| 国・地方公共団体(特別の利益が寄附者に及ぶものを除く) | 第3項第1号:限度額計算の対象の合計額に算入しない |
| 公益法人等への寄附金のうち、財務大臣が指定したもの(広く一般に募集され、公益の増進に緊急を要する支出に充てられることが確実なもの) | 第3項第2号:同じく算入しない |
| 公益の増進に著しく寄与する法人として政令で定めるものへの、主たる目的の業務に関連する寄附金 | 第4項:政令で計算した金額まで、一般の寄附金とは別枠 |
| 上記以外(実行委員会、任意団体、企業など) | 第1項:政令で計算した限度額を超える部分は損金に算入しない |
Point
地域のお祭りの実行委員会への協賛は、市区町村への寄附とは別物です。 主催者が自治体なのか、実行委員会なのか、自治体が後援しているだけなのかで、上の表の行が変わります。請求書・募集要項の名義を確認してください(協賛・後援・協力の違い)。
注意
交際費の数字は2026年10月時点で租税特別措置法から取得したもので、適用期間の定めがあります。限度額の計算式(寄附金の政令の計算)は本記事では取得していないため書きません。
支払う側の仕訳例 8件
金額は説明用の例です(単位:円)。その科目で処理すると判断した場合の形を示しています。消費税を区分して経理する場合は、課税仕入れに当たる部分について仮払消費税等を別に立てます。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 摘要の書き方 |
|---|---|---|---|
| ①地元商店街の盆踊り大会に協賛し、会場の横断幕と公式プログラムに社名が入る | 広告宣伝費 120,000 | 普通預金 120,000 | 〇〇盆踊り大会協賛 横断幕・プログラム社名掲載 |
| ②展示会のスポンサー枠でブースとロゴ掲出を受ける | 広告宣伝費 500,000 | 普通預金 500,000 | 〇〇展シルバー協賛 ブース1小間・ロゴ掲出 |
| ③取引先の創業記念パーティーに協賛金を出す | 交際費 50,000 | 現金 50,000 | 株式会社〇〇様 創業記念式典協賛 |
| ④取引先の新社屋落成披露会に、記念品代として協賛 | 交際費 80,000 | 普通預金 80,000 | 株式会社〇〇様 新社屋落成披露会協賛(記念品代) |
| ⑤見返りの無い地域行事への寄附(名前の掲出なし) | 寄附金 20,000 | 現金 20,000 | 〇〇町内会 秋祭り寄附 受領書あり |
| ⑥加盟している商店会の行事分担金 | 諸会費 10,000 | 普通預金 10,000 | 〇〇商店会 歳末行事分担金(規約第〇条) |
| ⑦協賛金を当期に支払い、イベントは翌期に開催 | 前払費用 300,000 | 普通預金 300,000 | 翌期〇月開催〇〇協賛 開催時に振替 |
| ⑦の開催時の振替 | 広告宣伝費 300,000 | 前払費用 300,000 | 〇〇協賛 開催により費用化 |
混合型(協賛+招待券)は分けて考える
| 場面 | 借方 | 貸方 | 摘要の書き方 |
|---|---|---|---|
| ⑧協賛金に、取引先を招待する懇親会の招待枠が付く | 広告宣伝費 200,000 交際費 50,000 | 普通預金 250,000 | 〇〇協賛 ロゴ掲出分/招待枠分(内訳は申込書による) |
Point
摘要には「何を受け取ったか」を一言入れてください。 「協賛金」だけの摘要は、後から見返したときに広告宣伝費なのか交際費なのかの根拠が残りません。⑧のように内訳を分けるなら、内訳の根拠(申込書のランク表など)を必ず保存します。
受け取る側 — 4つの科目と仕訳例 4件
| 科目 | 選ぶ方向の事実 | 向いている主催者 |
|---|---|---|
| 売上高(事業収益) | 協賛の受け入れが事業そのもの。見返り(掲出・ブース)を提供している | イベント運営を本業にしている会社 |
| 協賛金収入 | 協賛を独立した科目で管理したい。案件ごとの集計がしやすい | 協賛を継続的に募る主催者 |
| 雑収入 | 本業以外で、たまたま受け取った | 本業が別にある会社の単発行事 |
| 寄附金収入 | 見返りの無い寄附として受けた | NPO・公益法人など、会計基準でこの科目を使う団体 |
| 場面 | 借方 | 貸方 | 摘要の書き方 |
|---|---|---|---|
| ⑨主催イベントのゴールド協賛を受け、ロゴ掲出とブースを提供 | 普通預金 500,000 | 売上高 500,000 | 〇〇株式会社様 ゴールド協賛 |
| ⑩協賛金収入の科目で管理する場合 | 普通預金 250,000 | 協賛金収入 250,000 | 〇〇株式会社様 シルバー協賛 |
| ⑪開催前の期に入金され、開催は翌期 | 普通預金 300,000 | 前受金 300,000 | 翌期〇月開催〇〇 協賛金前受 |
| ⑫見返りの無い寄附として受け取った(NPOなど) | 現金 20,000 | 寄附金収入 20,000 | 〇〇様 寄附(返礼なし) |
注意
受け取る側が課税事業者で、協賛に対価性があると判断される場合は、課税売上として仮受消費税等を区分します。 適格請求書発行事業者であれば、協賛社からインボイスを求められることがあります(イベントとインボイス制度)。
消費税 — 対価性があるか
資産の譲渡等 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供…をいう。(消費税法第2条第1項第8号)
第4条第1項が、この「資産の譲渡等」に消費税を課すとしています。つまり対価を得て行われたかどうかが構造上の分かれ目です。国税庁の消費税法基本通達5-2-14は、寄附金・祝金・見舞金等は原則として資産の譲渡等の対価に該当しないとしつつ、寄附金等の名目で受け取った金銭が実質的に資産の譲渡等の対価を構成すべきものと認められるときは対価に該当するとしています。ここでも名目ではなく実質です。
| 対価性があると判断された場合 | 対価性が無いと判断された場合 | |
|---|---|---|
| 支払う側 | 課税仕入れとして仕入税額控除の対象になりうる(インボイスの保存などの要件あり) | 不課税。仕入税額控除の対象にならない |
| 受け取る側 | 課税売上。課税事業者なら申告の対象 | 不課税 |
Point
支払う側と受け取る側で、課税・不課税の扱いが食い違わないようにしてください。 支払う側が課税仕入れにしているのに、受け取る側が不課税で処理してインボイスを出していない、というずれは協賛でよく起きます。協賛の申込書に「対価として何を提供するか」と消費税の扱いを書いておくと、両社の処理が揃います。
見返りがあっても安心しきれない — 37条8項
内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額…に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、前項の寄附金の額に含まれるものとする。(法人税法第37条第8項)
Point
「見返りがあるから広告宣伝費」で終わらない構造です。 協賛額に対して提供される便益が釣り合っているかが論点になりえます。小さなロゴ1点だけで高額の協賛という場合は、掲出の規模・来場者数・露出期間を書面にして、税理士に相談してください。
よくある失敗 7つ
- 01「協賛金」という名前のまま全件を同じ科目にする——中身の違う協賛が混ざり、後から根拠を説明できない
- 02摘要に「協賛金」としか書かない——何を受け取ったかが残らない
- 03取引先の催しへの協賛を、名前が載るからと広告宣伝費にしてしまう——相手が事業関係者で中身が接待・贈答に近いなら交際費等の論点がある
- 04実行委員会への協賛を、自治体への寄附と同じに考える——37条3項1号の「国又は地方公共団体」に対する寄附金とは名義が違う
- 05協賛+招待枠の混合型を一つの科目にまとめる——内訳を分けないと、交際費の部分が埋もれる
- 06翌期開催の協賛を支払時に全額費用にする——開催時期と費用・収益を計上する期がずれる
- 07受け取る側が対価性のある協賛にインボイスを出していない——支払う側の仕入税額控除の処理と食い違う
残しておくもの — チェックリスト
判断は税理士に委ねるとして、判断に必要な材料は、イベントを運営する側と協賛する側しか作れません。
- 協賛の申込書・契約書——提供内容が具体的に書かれているか
- 提供した便益の一覧(掲出面、ロゴのサイズ、配布物、招待券の枚数、登壇枠)
- 実際に提供したことの記録——日付入りの写真(ロゴの掲出方法は協賛ロゴの並べ方)
- 来場者数・リーチの実績
- 協賛金額と提供内容の対応(どのランクに何が付くか)
- 混合型の内訳の根拠(宣伝分と招待分の金額の分け方)
- 現物協賛の場合——提供されたものと、その内容
- 請求書・領収書・インボイス(登録番号の有無)
- 主催者の名義(自治体か、実行委員会か、企業か)
- 相手が取引先かどうか(措置法61条の4第6項の「事業に関係のある者等」の論点)
そのまま使える「協賛内容明細」のひな形
協賛を募る側は、申込書に次の項目を入れておくと、協賛社の経理と稟議がそのまま通りやすくなります。協賛する側は、この項目を主催者に依頼してください。
- 主催者の名称(名義):〇〇実行委員会/株式会社〇〇
- イベント名・開催日・会場:〇〇フェス/〇年〇月〇日/〇〇ホール
- 協賛ランクと金額:シルバー協賛 〇〇〇,〇〇〇(税込/税抜を明記)
- 提供内容:会場看板へのロゴ掲出(〇cm×〇cm)、公式サイトへのロゴ掲載(〇月〇日〜〇月〇日)、ブース1小間、招待券〇枚
- 想定来場者数:〇〇〇名(前回実績〇〇〇名)
- 消費税の扱い:対価として上記を提供(課税)/見返りなしの寄附(不課税)
- インボイス:登録番号 T〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇/未登録
- 実施報告:開催後〇日以内に掲出写真と来場者数を報告
Point
日付入りの写真が、最も強い記録です。 看板にロゴが出ている、配布物に掲載されている、ブースが設置されている。提供した便益を証明できる記録は、イベント当日にしか作れません(協賛ロゴの扱い)。
支払う側・受け取る側で、見るところが違う
| 立場 | 確認すること |
|---|---|
| 支払う側(協賛企業) | 何を受け取るのか。相手は取引先か。金額と便益が釣り合うか。主催者の名義。消費税とインボイス |
| 受け取る側(主催者) | 提供内容を書面化。実施の記録。課税売上か。インボイスの交付。開催前入金なら前受金 |
| 両者共通 | 名称ではなく実態で判断されるという前提 |
Point
協賛を募る側は、支払う側の経理が通るかを考えてください。 提供内容が曖昧だと、先方の社内で稟議が止まります。「何を受け取れるか」が1枚で説明できる提案書は、それだけで通りやすくなります(協賛の獲得)。
注意
後援名義や協力との違いは協賛・後援・協力の違い、社内行事の費用の扱いは懇親会費用と交際費を参照してください。
根拠と、この記事の限界
本記事の条文は法人税法、消費税法、租税特別措置法をe-Gov法令検索から、通達は国税庁の消費税法基本通達 第5章第2節から取得しています(2026年10月時点)。
Point
早見表と仕訳例は「その科目で処理すると判断した場合の形」です。 個別の協賛がどの科目に当たるか、課税か不課税かは税務判断です。顧問税理士または所轄の税務署に確認してください。
注意
取得していない通達・質疑応答事例は引用しません。 本記事で引用した通達は消費税法基本通達5-2-14だけです。法人税の通達は取得していないため、番号も内容も書きません(編集方針)。
この記事の要点
- 「協賛金」という決まった勘定科目は無い。 見返りの中身で決まる。
- 支払う側の候補は広告宣伝費・交際費・寄附金・諸会費。 受け取る側は売上高・協賛金収入・雑収入・寄附金収入。
- 判断の順番は、見返りの有無 → 相手と中身(接待・贈答か) → 不特定多数への宣伝か → 金額との釣り合い。
- 寄附金は寄附先で扱いが変わる。 実行委員会への協賛と、自治体への寄附は別。
- 消費税は対価性。 名目が寄附金でも、実質が対価なら対価に該当する(消基通5-2-14)。
- 摘要に「何を受け取ったか」、混合型は内訳、翌期開催は前払費用・前受金。
- 最終判断は税理士へ。 判断の材料(申込書・写真・来場者数)は当事者しか作れない。
FAQ
よくある質問
「協賛金」という決まった科目はありません。支払う側は、来場者全体への宣伝なら広告宣伝費、取引先への接待・贈答の性格なら交際費、見返りが無ければ寄附金、加盟団体の分担金なら諸会費が候補です。法人税法第37条第7項は名義を問わず無償の供与を寄附金とし、広告宣伝費・交際費などとされるべきものを除いているため、何を受け取ったかで方向が決まります。最終的な当てはめは税理士に確認してください。
見返り(ロゴ掲出・ブースなど)を提供していて、それが事業そのものなら売上高、協賛を独立して管理したいなら協賛金収入、本業以外の単発の受け取りなら雑収入、見返りの無い寄附として受けたNPO・公益法人などは寄附金収入が候補です。開催前の期に入金された場合は前受金で受けて、開催時に収益へ振り替えます。
条文上の分かれ目は、無償かどうかです。法人税法第37条第7項は、名義を問わず金銭などの贈与又は無償の供与を寄附金としています。見返りがあれば無償の供与ではない方向に働きますが、第8項により、対価が時価に比べて低い場合の差額は寄附金に含まれるとされています。「協賛金」と呼んでいても、中身で判断されます。
来場者全体にロゴや社名が届くなど、不特定多数への宣伝の中身があれば広告宣伝費の方向です。法人税法第37条第7項の括弧書きは「広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用」を寄附金から除いています。ただし相手が取引先で中身が接待・贈答に近い場合や、金額に対して見返りが小さい場合は別の論点があるため、提供内容を書面に残して税理士に確認してください。
租税特別措置法第61条の4第6項は交際費等を「得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と定義しています。相手が取引先で、協賛の中身が接待・贈答に近ければ交際費等の論点に関わります。名前が載るだけで広告宣伝費と決めずに、中身を確認してください。
消費税法第2条第1項第8号は「事業として対価を得て行われる」資産の譲渡等に消費税を課す構造で、対価性が分かれ目です。国税庁の消費税法基本通達5-2-14は、寄附金等は原則として対価に該当しないとしつつ、実質的に資産の譲渡等の対価を構成すべきものと認められるときは対価に該当するとしています。ロゴ掲出などの見返りが対価に当たるかは税務判断のため、税理士に確認してください。
中身ごとに分けて考えます。たとえばロゴ掲出の部分は広告宣伝費、取引先を招く懇親会の招待枠の部分は交際費、というように内訳を分け、その根拠として申込書のランク表や提供内容の一覧を保存してください。一つの科目にまとめると、交際費に当たる部分が見えなくなります。
支払う側は支払時に前払費用とし、開催時に広告宣伝費などへ振り替える形があります。受け取る側は入金時に前受金とし、開催時に売上高や協賛金収入へ振り替えます。どの期に費用・収益を計上するかは決算に影響するため、金額が大きい場合は税理士に確認してください。
同じとは限りません。法人税法第37条第3項第1号は「国又は地方公共団体」に対する寄附金を限度額計算の合計額に算入しないとしていますが、主催者が実行委員会や任意団体なら名義が違います。請求書や募集要項で主催者の名義を確認し、見返りの有無もあわせて税理士に相談してください。
協賛の申込書や契約書に提供内容が具体的に書かれているか、提供した便益の一覧(掲出面、ロゴサイズ、配布物、招待券、登壇枠)、実際に提供したことを示す日付入りの写真、来場者数の実績、協賛金額と提供内容の対応、インボイスの交付状況です。とくに写真は、提供した便益を示す記録で、イベント当日にしか撮れません。