準備
展示会ノベルティの選び方
持ち帰ってもらえるかで決まる
展示会のノベルティで評価すべきは、配った数ではなく、持ち帰られた数です。来場者は1日で複数のブースを回り、両手がふさがった状態で歩いています。 重いもの、かさばるものは、会場のゴミ箱か、帰りの駅で捨てられます。この記事は、選ぶ基準と、法令上の論点をまとめます。
結論
展示会のノベルティは、①持ち帰ってもらえるか ②後で使ってもらえるか ③社名が目に入るかの3点で評価します。加えて、来場者情報と引き換えに渡す設計にする場合は、個人情報と景品表示法の両方の論点が出ます。
持ち帰られない理由
まず、捨てられる条件を知っておいてください。
| 捨てられる理由 | 対策の方向 |
|---|---|
| 重い | 軽量なものに。カタログと合わせた重さで考える |
| かさばる | 薄い・小さい。鞄に入るか |
| 使い道がない | 日常で使うもの |
| 既に持っている | 消耗品なら重複しても困らない |
| 社名が大きすぎて人前で使えない | ロゴを控えめに |
| 持ち帰るのが恥ずかしい | 袋に入れる/見た目に配慮 |
Point
来場者は、他のブースでもらった資料と袋をすでに持っています。 自社のノベルティだけを見て「軽い」と判断しないでください。1日の終わりに両手がどうなっているかを想像してから決めます。
注意
ノベルティを入れる袋を用意すると、持ち帰り率が上がります。 手で持つより肩にかけられるほうが楽だからです。ただし袋自体がかさばると逆効果なので、薄くたためるものが現実的です。
選ぶ基準
- 重さ(他の配布物と合わせて考える)
- 大きさ(鞄に入るか、袋に収まるか)
- 日常で使うか(デスク・通勤・会議で使う場面があるか)
- 社名の出方(人前で使えるか)
- 単価と数量のバランス
- 納期(名入れがあると時間がかかる)
- 在庫の扱い(余った分を次回に回せるか)
- 持ち込みと保管(会場に運ぶ重さ、ブース内に置ける量)
Point
余った在庫をどうするかを、発注の前に決めてください。 日付や「第◯回」が入っていると次回に使えません。汎用的なデザインにしておくと、余っても無駄になりません。
配るタイミングで変える
| 渡す場面 | 向くもの |
|---|---|
| ブースに立ち寄った全員 | 軽い・小さい・単価が低い |
| 説明を聞いてくれた人 | 少し良いもの。数が読める |
| 商談・アポにつながった人 | 印象に残るもの。数は少ない |
| アンケートに答えた人 | 交換条件として成立する程度のもの |
注意
全員に同じものを配る必要はありません。 段階をつけると、単価の配分が効率的になります。ただし目の前で差をつけると気まずいので、渡す場所を分けるなどの工夫が要ります。
景品表示法の論点
Point
ノベルティは、景品表示法の「総付景品」に当たりうるという論点があります。消費者庁は、懸賞によらずに提供される景品類を総付景品とし、商品・サービスの購入の申し込み順または来店の先着順により提供される金品等も該当するとしています。
総付景品の限度額は、消費者庁の案内では次のとおりです。
| 取引価額 | 景品類の最高額 |
|---|---|
| 1,000円未満 | 200円 |
| 1,000円以上 | 取引価額の10分の2 |
注意
展示会のノベルティがこれに当たるかの判断は、本記事では行いません。 景品類の定義は「取引に付随して」提供されるかどうかが鍵であり、個別の判断になります。詳しくはイベントの抽選・景品と景品表示法に整理しています。高額なものを配る企画は、事前に確認してください。
抽選にする場合
ブースで抽選を行う場合は一般懸賞の論点になり、限度額が変わります。こちらも別記事を参照してください。
情報と引き換えにする場合
「アンケートにお答えいただいた方にプレゼント」「名刺と引き換えに」という設計は、個人情報の取得を伴います。
- 利用目的を明示している(記入する前に読める位置)
- 取得する項目を必要な範囲に絞った
- 主催者に渡すかを決めている(渡すなら第三者提供の論点)
- 名刺の扱いを決めている
- 会期後のデータの扱いを決めている
注意
詳しくは展示会の名刺交換と個人情報、アンケートの注意書きを参照してください。ブースで記入してもらう用紙は、記入欄と同じ面の上部に利用目的を置いてください。
数量の読み方と運用
- 01
来場者数の見込みを確認する
主催者の発表数と、自社ブースに立ち寄る割合は別です。前回の実績があれば、それが最も確かな根拠になります。
- 02
段階ごとに数を割る
全員配布・説明を聞いた人・商談につながった人。単価の高いものほど数は少なく。
- 03
予備を持つが、持ち込みすぎない
会場に運ぶ重さと、ブース内の保管スペースの制約があります。追加搬入ができるかを確認してください。
- 04
配る担当と置き場所を決める
誰が渡すか、どこに置くか。 通路側に山積みにすると持ち去られます。
- 05
残数を記録する
次回の数量を決める根拠になります。1日の終わりに数えるだけです。
- 06
余りの扱いを決める
持ち帰るのか、会場で処分するのか。撤収のチェックリストに入れる(チェックリスト)。
Point
残数の記録が、次回の最大の資産です。 「持って行った数と、余った数」が1行あるだけで、次回の発注が正確になります。毎回これをやっていない展示会が多い。
注意
出展の準備全体は初めての展示会出展、ブースの設計は展示会ブースの作り方、会期後のフォローはイベント後のフォローを参照してください。
この記事の要点
- 評価すべきは配った数ではなく、持ち帰られた数。 重さとかさばりが最大の敵。
- 自社のノベルティだけを見て判断しない。 来場者は他のブースの資料と袋をすでに持っている。
- 余った在庫の扱いを発注前に決める。 日付や「第◯回」が入ると次回に使えない。
- 全員に同じものを配る必要はない。 段階をつけると単価の配分が効率的になる。
- 景品表示法の総付景品に当たりうる。 消費者庁は来店の先着順による提供も該当するとしている。
- 残数の記録が次回の最大の資産。 1日の終わりに数えるだけ。
FAQ
よくある質問
来場者は1日で複数のブースを回るため、軽くてかさばらず持ち帰れること、後で実際に使えること、使うたびに社名が目に入ることの3点を満たすものが選ばれやすくなります。配るタイミング(声をかける前か、話を聞いた後か)でも向くものが変わります。品目の人気ではなく、この条件に照らして選んでください。
持ち帰ってもらえるか、後で使ってもらえるか、社名が目に入るかの3点です。とくに重さとかさばりが重要で、来場者は1日で複数のブースを回り、他社の資料と袋をすでに持っています。自社のノベルティだけを見て「軽い」と判断せず、1日の終わりに両手がどうなっているかを想像してから決めてください。
総付景品に当たりうるという論点があります。消費者庁は、懸賞によらずに提供される景品類を総付景品とし、商品・サービスの購入の申し込み順または来店の先着順により提供される金品等も該当するとしています。限度額は取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です。個別の判断は行いませんので、高額なものを配る企画は事前に確認してください。
個人情報の取得を伴うため、記入する前に読める位置に利用目的を明示してください。あわせて、取得する項目を必要な範囲に絞る、主催者に渡すかを決める(渡すなら第三者提供の論点)、会期後のデータの扱いを決める、といった準備が要ります。ブースで記入してもらう用紙は、記入欄と同じ面の上部に利用目的を置いてください。
主催者が発表する来場者数と、自社ブースに立ち寄る割合は別です。前回の実績があれば、それが最も確かな根拠になります。そのうえで、全員配布・説明を聞いた人・商談につながった人の段階ごとに数を割り、単価の高いものほど数を少なくしてください。あわせて、会場に運ぶ重さとブース内の保管スペースの制約も確認してください。
残数です。「持って行った数と、余った数」が1行あるだけで、次回の発注が正確になります。1日の終わりに数えるだけで済みますが、これをやっていない展示会が多くあります。あわせて、余った分を持ち帰るのか会場で処分するのかを撤収のチェックリストに入れてください。