社内文書
報告書の書き方
業務報告書の基本の型とテンプレート
報告書は、結論を最初に書き、そのあとに経緯・結果・課題・今後の対応を並べるのが基本の型です。読む上司や関係者は忙しく、全部を読む前に「何の報告で、結果はどうだったか、自分は何か判断する必要があるか」を知りたいからです。出張・研修・展示会・イベントなど種類が違っても、骨組みはこの順番で共通です。このページでは、どの報告書にも使える項目とテンプレート、場面別の記入例を並べ、種類ごとの詳しい書き方は各ページに振り分けています。
結論
報告書は①表題 ②宛先・日付・報告者 ③結論(要旨) ④経緯・内容 ⑤結果 ⑥課題 ⑦今後の対応 ⑧添付資料で構成します。事実と自分の意見(所感・考察)は分けて書き、意見の部分には「所感」「考察」などの見出しを付けます。様式が会社で決まっている場合は、その様式に従ってください。
まず見本:短い報告書の形
◯◯部長
令和◯年◯月◯日
営業部 □□
◯◯の調査結果について(報告)
1.結論
候補の◯社のうち、◯◯株式会社のサービスが条件に最も合うと判断しました。
2.調査の内容
◯月◯日〜◯日に、◯社の資料を取り寄せ、担当者に説明を受けました。
3.結果
比較表を添付します。費用・使い勝手・サポートの三点で比べました。
4.課題
◯◯株式会社は、導入までの準備期間が他社より長くかかります。
5.今後の対応
◯月◯日までに見積もりを取り、稟議を上げる予定です。ご意見がございましたら、◯日までにお知らせいただけますと幸いです。
以上
Point
「1.結論」だけ読めば要点が分かるように書くのが、読みやすい報告書のいちばんのコツです。結論の段落には、結果と、相手にしてほしいこと(承認・意見・確認)を入れます。
報告書に書く項目と順番
| 項目 | 書くこと | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| 表題 | 何についての報告か | 「◯◯の件(報告)」「◯◯の結果報告」と対象を入れる |
| 宛先・日付・報告者 | 誰に、いつ、誰が出すか | 宛先は役職と名前。日付は提出日 |
| 結論(要旨) | 結果と、読み手にしてほしいこと | 二〜三行で。最初に書く |
| 経緯・内容 | いつ・どこで・誰が・何をしたか | 時系列か項目ごとに箇条書き |
| 結果 | どうなったか | 事実だけを書く。比較や数字は表にする |
| 課題 | うまくいかなかったこと、残っていること | 隠さずに書く。原因が分かれば添える |
| 今後の対応 | 次に誰が何をいつまでにするか | 担当と期限をはっきり書く |
| 所感・考察 | 自分の意見・気づき | 見出しを分けて、事実の部分と混ぜない |
| 添付資料 | 資料の名前 | 本文では要点だけにして、詳しい内容は添付に回す |
注意
会社によって「要旨」「概要」「総括」など呼び方が違います。社内に決まった様式や過去の報告書があれば、それに合わせるのがいちばん早く通ります。
報告書の種類と、詳しい書き方のページ
| 報告書の種類 | この型に足すこと | 詳しい書き方 |
|---|---|---|
| 出張報告書 | 訪問先・面談者・商談の内容 | 出張報告書の書き方と例文 |
| 研修・セミナー報告書 | 学んだこと・業務への生かし方 | 研修報告書の書き方 |
| 展示会の報告書 | 名刺の数・商談の見込み・次回の改善 | 展示会の報告書の書き方 |
| イベントの報告書 | 参加者の反応・費用・次回への引き継ぎ | イベント報告書の書き方 |
| 日報 | 一日の業務・明日の予定・相談 | 日報の書き方と例文 |
| トラブルの報告 | 発生日時・原因・対応・再発防止策 | 顛末書の書き方と例文 |
週ごと・月ごとにまとめる定期の報告は、このページの型を短くした形で書けます(週報・月報の例文は関連記事にまとめています)。会議の内容を残す文書は議事録のテンプレートを使ってください。
コピーして使えるテンプレート
宛先:◯◯部 ◯◯部長
提出日:令和◯年◯月◯日
報告者:◯◯部 □□
件名:◯◯について(報告)
1.結論
(結果を二〜三行で。判断してほしいことがあれば、ここに書く)
2.経緯・内容
・◯月◯日 (何をしたか)
・◯月◯日 (何をしたか)
3.結果
(事実だけ。比較や数字は表にする)
4.課題
(残っていること、うまくいかなかったこと)
5.今後の対応
・(誰が)(何を)(いつまでに)
6.所感
(自分の意見・気づき。必要なときだけ)
添付:◯◯一覧、◯◯比較表
以上
メールで報告する場合も、本文をこの順番で書けば形になります。件名は「【報告】◯◯の結果について」のように、報告であることと対象を入れます。メールでの業務連絡の書き方は業務連絡メールの書き方にまとめています。
場面別の記入例
作業完了の報告(総務・システムの入れ替え)
件名:社内プリンターの入れ替え作業完了について(報告)
1.結論
◯階のプリンターの入れ替えが、予定どおり◯月◯日に完了しました。皆さまの作業に影響はありません。
2.内容
・◯月◯日 業者による旧機の撤去と新機の設置
・◯月◯日 各部署のパソコンへの設定
3.課題
◯◯部の一部のパソコンで、両面印刷の設定が反映されていません。
4.今後の対応
◯月◯日までに、総務部の□□が該当のパソコンを個別に設定します。
以上
調査の報告(企画・マーケティング)
件名:顧客アンケートの集計結果について(報告)
1.結論
満足度は前回と大きな差はありませんでした。一方で「申込みの手順が分かりにくい」という声が複数ありました。申込み画面の見直しをご検討いただきたく、ご報告いたします。
2.調査の内容
実施期間:◯月◯日〜◯月◯日
対象:◯◯をご利用のお客様
3.結果
集計表を添付します。自由記述の主な意見は、別紙にまとめました。
4.今後の対応
◯月◯日の定例会議で、申込み画面の改善案をご提案します。
以上
中間報告(プロジェクトの途中経過)
件名:◯◯導入プロジェクトの進み具合について(中間報告)
1.結論
全体は予定どおり進んでいますが、◯◯の作業が◯日ほど遅れています。最終の期限には影響しない見込みです。
2.進み具合
・完了:要件の整理、業者の選定
・作業中:◯◯の設定(◯日遅れ)
・未着手:社内向けの説明会
3.課題
◯◯の設定に必要な情報が、◯◯部からまだ届いていません。
4.お願い
◯◯部への依頼について、部長からも一言お声がけいただけますでしょうか。
以上
注意
途中経過の報告では、遅れていることを先に書き、期限に影響するかどうかを添えます。遅れを最後に小さく書くと、読み落とされて対応が遅れます。
問い合わせ・クレーム対応の報告(営業・カスタマー対応)
件名:◯◯株式会社からのお問い合わせ対応について(報告)
1.結論
◯◯株式会社◯◯様からの、納品物の不足についてのお問い合わせは、◯月◯日に不足分をお届けし、解決しました。
2.経緯
・◯月◯日 ◯◯様よりお電話。納品物が◯点足りないとのご連絡
・同日 出荷記録を確認し、梱包の際の確認漏れと判明。◯◯様にお詫びし、不足分の発送をお伝えした
・◯月◯日 不足分をお届けし、◯◯様にご確認いただいた
3.今後の対応
出荷の際の確認表に、点数の確認欄を追加します(◯月◯日から)。
以上
原因や再発防止策まで詳しく求められた場合は顛末書の形にします。ミスに気づいた直後の口頭・チャットでの第一報はミスの報告の例文を参考にしてください。
業務改善の結果報告(事務)
件名:経費精算の手順見直しの結果について(報告)
1.結論
申請書の様式を一つにまとめたことで、差し戻しが減りました。この手順を正式に採用したいと考えています。
2.実施した内容
・◯月から、部署ごとに違っていた申請書を共通の様式に統一
・記入例を社内ポータルに掲載
3.課題
出張の精算だけは、旧様式で出す人がまだいます。
4.今後の対応
◯月の部内会議で、改めて新様式の案内をします。
以上
読みやすくするための書き方
- 結論が最初の段落にあるか
- 一文が長くなりすぎていないか(「〜で、〜し、〜ので」と続けない)
- 事実と意見を分けたか(意見には「所感」「考察」の見出しを付けたか)
- 「いつ・誰が・何を」が抜けていないか
- 比較や数字は表や箇条書きにしたか
- 今後の対応に担当と期限が入っているか
- 読み手に判断してほしいことをはっきり書いたか
報告・連絡・相談の基本の考え方は報連相とはにまとめています。
避けたい書き方・言い方
| 避けたい書き方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 「ご報告させていただきます」 | 回りくどく感じる人もいる | 「ご報告いたします」 |
| 「〜と思われます」を何度も使う | 事実か推測か分からない | 確認できたことは「〜です」、推測は「〜と考えられます」と書き分ける |
| 「いろいろ」「など」「なるべく」 | 中身が伝わらない | 何を・いつまでに、を具体的に書く |
| 「今後は気をつけます」「頑張ります」 | 次に何をするか分からない | 「◯月から確認表を使います」など行動で書く |
| 「◯◯さんの指示どおりにしたので」 | 責任を押しつけているように読める | 「◯◯さんと確認のうえ、◯◯としました」と経緯として書く |
| 悪い結果を最後に小さく書く | 読み落とされ、対応が遅れる | 結論の段落に書く |
提出したあとのお礼・お詫び
上司からコメントや助言をもらったとき
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯の報告書にコメントをいただき、ありがとうございました。
ご指摘の◯◯の点は、来週の打ち合わせまでに確認し、改めてご報告いたします。
提出が遅れたとき
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯の報告書の提出が、お約束の◯日より遅れてしまい、申し訳ございません。
本日、添付のとおり提出いたします。ご確認をお願いいたします。
提出後に誤りに気づいたとき
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
先ほど提出した◯◯の報告書に、誤りがありました。申し訳ございません。
「3.結果」の◯◯の日付を、正しくは◯月◯日に直しました。修正版を添付いたします。
注意
報告そのものが遅れてしまったときのお詫びの例文は報告・連絡が遅れたお詫びにまとめています。
この記事の要点
- 報告書は結論→経緯・内容→結果→課題→今後の対応の順。
- 結論の段落だけで結果と、読み手にしてほしいことが分かるようにする。
- 事実と意見は分け、意見には「所感」の見出しを付ける。
- 今後の対応には担当と期限を書く。
- 社内に様式や過去の報告書があれば、それに合わせる。
FAQ
よくある質問
結論から書きます。「何の報告で、結果はどうなったか、読み手に何をしてほしいか」を最初の二〜三行にまとめ、そのあとに経緯や詳しい内容を続けます。書く順番に迷ったら、先に「今後の対応」を決めておくと、結論もまとめやすくなります。
様式に欄がある場合や、上司に求められた場合に書きます。所感は自分の意見や気づきを書く欄なので、事実を書く部分とは見出しを分けます。出張や研修の報告書の所感は、それぞれのページの例文を参考にしてください。
文書の形なら、最後に「以上」と書いて締めます。メールで報告する場合は「以上、ご報告いたします」「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」と結びます。
記録として残す必要があるもの、複数の人が読むもの、会社に様式があるものは報告書にします。急ぎの連絡や短い経過の共有はメールやチャットで先に伝え、あとで報告書にまとめる形でも構いません。どちらを求めるかは会社の決まりに従ってください。
社内に決まりがなければ、パソコンで作って構いません。様式が紙で決まっている場合や、手書きを求められた場合はそれに従います。