社内文書
顛末書の書き方と例文
テンプレート・始末書との違い
結論から言うと、顛末書(てんまつしょ)は「いつ・どこで・何が起きて・どれだけ影響が出て・なぜ起きて・どう対応し・今後どう防ぐか」を事実の順に書く報告書です。お詫びや反省が中心の始末書とは目的が違います。書き方は3ステップで足ります。①下のテンプレートに8項目を埋める ②場面の近い例文(社内8・社外4)を写して自分の事実に置き換える ③提出前チェックリストで確認する。社外の相手へ先にお詫びの連絡を入れる場合はお詫びメールの例文も参照してください。
結論
顛末書は①表題・宛名・日付・差出人 ②発生日時・場所 ③経緯 ④損害・影響 ⑤原因 ⑥対応(処置) ⑦再発防止策 ⑧結びで構成します。推測と事実を分け、時刻・数量・発言は確認できたことだけを書きます。
まず結論:顛末書に書く8項目と書き方の要点
| 項目 | 書くこと | 書き方の要点 |
|---|---|---|
| 表題・宛名・日付・差出人 | 「顛末書」または「◯◯に関する顛末書」、提出先、提出日、所属・氏名 | 社外宛ては会社名・役職・代表者名で出す |
| 発生日時・場所 | トラブルが起きた日時と場所 | 「◯時頃」など、分からない部分は分からないと書く |
| 経緯 | 起きたことを時間の順に | 主語と時刻を入れ、感想を混ぜない |
| 損害・影響 | 誰に・何に・どの程度の影響が出たか | 金額・件数・人数は確認できた数字だけ。未確定なら「確認中」 |
| 原因 | 直接の原因と、それが起きた背景 | 「不注意」で止めず、手順・体制の穴まで書く |
| 対応(処置) | 発生後にすでに行ったこと | 誰が・いつ・何をしたかを並べる |
| 再発防止策 | 今後の具体的な行動 | 実施済みと今後の予定を分け、時期を書く |
| 結び | 締めの一文と「以上」 | 社内は「以上、ご報告いたします」、社外はお詫びを添える |
Point
迷ったら「読んだ人が追加で質問しなくて済むか」で判断します。 上司や取引先が知りたいのは、影響の大きさと、もう起きないと言える根拠です。
顛末書とは:読み方・意味・提出を求められる場面
「顛末(てんまつ)」は、物事の始まりから終わりまでのいきさつのことです。顛末書は、トラブルや事故の一部始終を、会社や取引先が事実関係を把握し、対策を判断できるように記録する文書です。
- 事故:社用車の事故、作業中のけが、設備の破損
- 紛失・漏えい:書類・パソコン・社員証の紛失、メールの誤送信
- 金銭・事務:請求書や見積書の金額誤り、入金・発注の処理漏れ
- 取引先への影響:納期遅延、品質の不具合、顧客からのクレーム
- イベント・現場:当日の機材トラブル、受付の混乱、開始時刻の遅れ
本人に過失がなくても、関わった担当者として経緯を書くよう求められることがあります。その場合も、書くのは事実の記録で、過失を認める文書ではありません。
顛末書と始末書・経緯報告書・反省文・謝罪文の違い
| 文書 | 目的 | 中心になる内容 | 主な提出先 |
|---|---|---|---|
| 顛末書 | トラブルの一部始終を報告する | 経緯・原因・対応・再発防止策 | 社内・社外どちらも |
| 始末書 | 過失を認め、反省とお詫びを伝える | 反省・謝罪・今後の誓約 | 主に社内 |
| 経緯報告書 | 物事の流れを報告する(トラブルに限らない) | 時系列の経過 | 社内が中心 |
| 反省文 | 本人の反省を言葉にする | 反省の気持ちと今後の心がけ | 社内(上司など) |
| 謝罪文(お詫び状) | 相手に謝意を伝える | お詫びと今後の対応 | 主に社外 |
「顛末書と始末書はどちらが重いか」は、法令で決まっているものではありません。提出した文書を人事上どう扱うかは就業規則など会社ごとの決まりによるため、提出先の上司や人事に確認してください。会社によっては両方を求められたり、呼び方が違ったりします。始末書の書き方は始末書の書き方と例文にまとめています。
コピーして使える顛末書テンプレート
顛末書
(宛名)◯◯部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
(所属)◯◯部 ◯◯課
(氏名)◯◯◯◯
◯◯の件について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)◯時◯分頃
2.発生場所:
3.経緯:
(◯時◯分)
(◯時◯分)
4.損害・影響:
5.原因:
6.対応(処置):
7.再発防止策:
(実施済み)
(◯月◯日までに実施)
以上
注意
社内で決まった様式があれば、そちらが優先です。手書きかパソコンか、押印が要るかも、過去に提出された顛末書に合わせてください。
社内向けと社外向けの書き分け
| 比べる点 | 社内向け | 社外向け |
|---|---|---|
| 目的 | 上司・会社が事実を把握し、処分や対策を判断する材料にする | 相手に経緯を説明し、再発しないと納得してもらう |
| 差出人 | 本人(所属・氏名) | 会社(会社名・役職・代表者名や部門長名) |
| 宛名の敬称 | 会社の慣例に合わせる(殿・様) | 「様」 |
| 冒頭 | 「◯◯の件について、下記のとおりご報告いたします」 | お詫びの一文を置いてから「下記のとおりご報告いたします」 |
| 本文の形 | 記書きの箇条書きで、項目を短く | 記書きでよいが、一文ずつ丁寧に。社内事情や個人名は必要な範囲だけ |
| 書かないこと | 感想・言い訳・他人の評価 | 社内の処分内容、担当者個人への責任の押しつけ、未確定の見通し |
| 結び | 「以上」 | 再発防止の決意とお詫び、「以上」 |
| 出す前の確認 | 直属の上司 | 上司と関係部署(法務・総務など) |
同じトラブルで社内用と社外用の両方を書くときは、先に社内用で事実を固め、そこから社外に出してよい情報だけを抜き出して社外用を作ると、内容の食い違いが起きません。
軽いミス向けの簡易版と、メールで提出するときの文例
損害が小さく、上司から「簡単でいいので経緯をまとめて」と言われた場合は、項目を5つに絞った簡易版で足ります。正式な様式が決まっている会社では、そちらに従ってください。
◯◯の件に関する顛末書
令和◯年◯月◯日
◯◯部 ◯◯◯◯
1.何が起きたか:
2.影響:
3.原因:
4.対応済みのこと:
5.今後の対策(◯月◯日から):
以上
顛末書をファイルで作り、メールに添付して提出するときの送付文の例です。
件名:◯◯の件に関する顛末書の提出
◯◯部長
お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
◯月◯日に発生した◯◯の件について、顛末書を作成しましたので添付いたします。
損害の範囲のうち◯◯については現在確認中のため、判明しだい追ってご報告いたします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
添付:◯◯に関する顛末書(PDF)
注意
紙での提出が決まっている会社では、メールは「提出のお知らせ」にとどめ、原本は手渡しします。押印の要否も確認してください。
項目ごとの書き方:NG例とOK例
| 項目 | NG例 | OK例 |
|---|---|---|
| 経緯 | 急いでいたので、うっかり間違えてしまいました。 | ◯時◯分、見積書を◯◯様へメールで送付しました。◯時◯分、◯◯様からのご連絡で金額の誤りが分かりました。 |
| 損害・影響 | 多くの方にご迷惑をおかけしました。 | 誤った金額の見積書が◯◯株式会社◯◯様の1名に届きました。社外への転送はないとご確認いただいています。 |
| 原因 | 私の確認不足です。 | 前回の見積書を複製して作成した際、単価の欄を更新しておらず、送付前に別の人が見る手順もありませんでした。 |
| 対応 | すぐに対応しました。 | ◯時◯分に上司へ報告し、◯時◯分に訂正した見積書をお詫びとともに再送しました。 |
| 再発防止策 | 今後は気をつけます。 | 見積書は毎回ひな形から作成し、送付前に課内の一人が金額を確認してから送ります(◯月◯日から実施)。 |
推測が入る部分は「◯◯と考えられます」「◯◯の可能性があり、確認中です」と書き分けます。分からないことを埋めるより、未確定と書いて後で追記するほうが信頼を損ないません。
宛名・宛先と差出人の書き方(社内・社外)
- 社内:「代表取締役 ◯◯◯◯ 殿」「◯◯部長 ◯◯◯◯ 殿」など、提出先の役職と氏名。会社の慣例で「様」を使うこともあるので、過去の文書に合わせる。
- 社外:「◯◯株式会社 ◯◯部 部長 ◯◯◯◯ 様」。社外宛ては「殿」より「様」が無難。
- 差出人:提出日、所属、氏名。社外宛てで会社として出すときは、会社名・役職・代表者名で出す。
注意
社外に出す顛末書は、会社としての公式な説明になります。担当者個人の判断で出さず、上司や法務・総務の確認を経てから提出してください。
社内向けの顛末書 例文8つ
例文1:社用車の事故
顛末書
◯◯部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
営業部 ◯◯◯◯
社用車の接触事故について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)◯時頃
2.発生場所:◯◯市◯◯町 ◯◯株式会社 駐車場内
3.経緯:取引先訪問後、駐車場から出る際に後退したところ、後方に停車していた車両の前部に接触しました。
4.損害・影響:相手車両の前部バンパーに擦り傷、社用車の後部に凹みが生じました。双方にけが人はいません。
5.原因:後方確認をバックモニターのみで行い、目視での確認をしなかったためです。
6.対応:その場で相手の運転者に謝罪し、警察に連絡して事故の届出を行いました。◯時に上司へ電話で報告しています。修理については保険会社を通じて対応中です。
7.再発防止策:後退時は必ず車外に出るか窓を開けて目視で確認します。部内で事故の内容を共有し、同様の確認を行うよう提案します。
以上
例文2:請求書の金額誤り
顛末書
経理部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
営業部 ◯◯◯◯
◯◯株式会社様への請求書の金額誤りについて、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日 請求書発行時
2.経緯:◯月分の請求書を発行・送付したところ、◯月◯日に先方のご担当者様から、金額が見積額と異なるとのご連絡をいただきました。
3.損害・影響:請求額が本来より◯◯円多くなっていました。入金前に判明したため、金銭の授受は発生していません。
4.原因:途中で変更になった数量を、請求書の作成時に反映していなかったためです。変更の記録が個人のメールにしか残っておらず、作成時に参照できませんでした。
5.対応:同日中に先方へお詫びし、訂正した請求書を再発行しました。誤った請求書は破棄していただくようお願いし、ご了承いただいています。
6.再発防止策:見積・数量の変更は案件管理表に記録し、請求書は管理表を見ながら作成します。発行前に課長の確認を受けます。
以上
例文3:社用パソコンの紛失
顛末書
総務部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
企画部 ◯◯◯◯
社用パソコンの紛失について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)◯時頃から◯時頃の間
2.発生場所:◯◯駅から◯◯駅までの電車内と考えられます
3.経緯:帰宅途中、網棚に置いた鞄を降車時に持ち出すのを忘れました。◯時頃に気づき、駅に届け出ました。
4.損害・影響:パソコン本体1台。ログインにはパスワードが必要で、保存していた資料の範囲は現在確認中です。
5.原因:荷物を網棚に置き、降車時の確認をしなかったためです。
6.対応:◯時に上司と情報システム担当へ報告し、アカウントのパスワード変更と遠隔での利用停止の手続きを依頼しました。警察署に遺失届を提出しています。
7.再発防止策:社用パソコンは網棚に置かず、身から離さずに持ち運びます。保存する資料は共有フォルダに置き、端末内に残さないようにします。
以上
顧客や参加者の個人情報が含まれていた可能性がある場合は、顛末書より先に個人情報が漏れたときの初動に沿って社内の担当部署へ報告してください。
例文4:メールの誤送信
顛末書
◯◯部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
◯◯部 ◯◯◯◯
メールの誤送信について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)◯時◯分
2.経緯:◯◯株式会社様宛ての打ち合わせ資料を、宛先候補に表示された別の取引先◯◯様に送信しました。◯時◯分、送信済みフォルダを見て気づきました。
3.損害・影響:資料には社内の検討中の日程が記載されていました。取引先の個人情報は含まれていません。
4.原因:宛先の自動入力で表示された候補を、名前を確認せずに選んだためです。
5.対応:◯時◯分に上司へ報告し、誤って送信した先へお詫びと削除のお願いをお送りしました。削除済みとのご返信をいただいています。
6.再発防止策:社外宛てのメールは送信前に宛先の会社名を声に出して確認し、添付のある社外メールは送信を一定時間保留する設定にします。
以上
例文5:イベント当日の機材トラブル
顛末書
◯◯部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
イベント運営チーム ◯◯◯◯
◯月◯日開催「◯◯セミナー」における開始遅延について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)◯時◯分頃
2.発生場所:◯◯会館 ◯階 ◯◯ホール
3.経緯:開演直前、登壇者のパソコンをプロジェクターにつないだところ映像が映りませんでした。予備の変換アダプタに交換して復旧し、予定より遅れて開始しました。
4.損害・影響:開始時刻が遅れ、終了時刻も同じだけ延びました。参加者の方から会場アンケートで遅れについてのご意見をいただいています。
5.原因:登壇者のパソコンの端子を事前に確認しておらず、当日のリハーサルも登壇者の機材ではなく会場のパソコンで行ったためです。
6.対応:開始の遅れを司会から参加者へお詫びし、終了後に登壇者へも経緯をご説明しました。
7.再発防止策:登壇者へ事前に使用機材と端子の種類を確認し、リハーサルは本番の機材で行います。変換アダプタは複数の種類を受付に常備します。
以上
例文6:顧客対応の不手際によるクレーム
顛末書
◯◯課長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
カスタマーサポート課 ◯◯◯◯
◯◯様からのお問い合わせ対応に関するクレームについて、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)◯時頃(最初のお問い合わせ)
2.経緯:◯◯様から製品の返品についてお電話でお問い合わせがあり、私が折り返しのご連絡をお約束しました。翌日までにご連絡できず、◯月◯日に◯◯様から再度お電話があり、対応の遅さについてお叱りを受けました。
3.損害・影響:◯◯様に二度お電話をおかけいただくことになりました。返品の手続きは◯月◯日に完了しています。
4.原因:折り返しの約束を手元のメモにだけ残し、課内の対応記録に登録していなかったため、自分が不在の日に引き継がれませんでした。
5.対応:再度のお電話の際にお詫びし、その場で返品の手順をご案内しました。◯時に課長へ報告しています。
6.再発防止策:折り返しの約束はその場で対応記録に登録し、期限を入れます。期限を過ぎた案件を朝に課内で確認する運用を提案します。
以上
例文7:発注数量の誤り
顛末書
購買部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
購買部 ◯◯◯◯
◯◯の発注数量の誤りについて、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日 発注時
2.経緯:◯◯を◯◯個発注すべきところ、単位を「箱」と「個」で取り違え、◯◯箱を発注しました。◯月◯日の納品時に、倉庫担当の◯◯さんからの指摘で判明しました。
3.損害・影響:必要数を超える在庫が入荷しました。仕入先と返品の可否を相談中で、費用の発生の有無は確認中です。
4.原因:発注画面の単位の欄を確認せず、前回の入力内容のまま数量だけを変えて発注したためです。
5.対応:判明した当日に部長へ報告し、仕入先へ連絡して返品の相談を始めました。
6.再発防止策:発注前に単位と数量を声に出して読み上げて確認し、一定数量を超える発注は課内の別の人の承認を受けてから確定します(◯月◯日から実施)。
以上
例文8:会場の予約漏れ(社内イベント)
顛末書
総務部長 ◯◯◯◯ 殿
令和◯年◯月◯日
総務部 ◯◯◯◯
◯月◯日の全社説明会における会場の予約漏れについて、下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)◯時頃(判明時)
2.経緯:全社説明会の会場として◯◯会議室を予約したつもりでいましたが、前日の準備の際に、予約が仮押さえのまま確定していなかったことが分かりました。同じ時間帯は別部署の予約で埋まっていました。
3.損害・影響:会場を◯◯に変更し、参加者へ前日に変更のお知らせを送りました。当日は予定どおり開始しています。
4.原因:予約システムの仮押さえと確定の違いを確認しておらず、確定の通知が届いたかを見ていなかったためです。
5.対応:判明後すぐに部長へ報告し、空いていた会場を確保して、参加者と登壇者へ変更を連絡しました。
6.再発防止策:会場の予約は確定の通知を受け取ったところで準備表に記録し、開催の一週間前に予約状況を再確認します。
以上
社外向けの顛末書 例文4つ
例文9:納期遅延
◯◯株式会社
◯◯部 部長 ◯◯◯◯ 様
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
代表取締役 ◯◯◯◯
納品遅延に関する顛末書
このたびは、◯月◯日納品予定の◯◯につきまして、納品が遅れ、多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。経緯と今後の対策について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.経緯:◯月◯日、製造工程の検査で不具合が見つかり、該当品の作り直しが必要となりました。ご連絡は◯月◯日となり、ご報告が遅れたことも重ねてお詫びいたします。
2.影響:納品が◯日遅れ、貴社の◯◯のご予定を変更いただくことになりました。
3.原因:検査工程の前段階で確認すべき項目が、作業手順書から漏れていたためです。
4.対応:作り直した製品を◯月◯日に納品いたしました。
5.再発防止策:作業手順書を見直し、確認項目を追加しました。また、納期に影響が出る可能性が分かった時点で、すぐにご連絡する体制に改めました。
今後このようなことがないよう、再発防止に努めてまいります。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
以上
例文10:イベント受付の混乱(主催者のクライアント宛て)
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯◯◯ 様
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
代表取締役 ◯◯◯◯
「◯◯展示会」受付の混雑に関する顛末書
このたびは、◯月◯日の「◯◯展示会」において受付が大変混雑し、ご来場の皆様と貴社にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。
記
1.発生日時:令和◯年◯月◯日(◯)開場の◯時から◯時頃まで
2.経緯:開場直後、事前登録の確認に使う端末の通信が不安定になり、受付の処理が止まりました。紙の名簿での受付に切り替えるまでに時間を要し、入口に列ができました。
3.影響:ご来場の方に屋外でお待ちいただくことになり、一部の方は入場前にお帰りになりました。
4.原因:受付端末の通信を会場の回線一本に頼っており、止まった場合の切り替え手順を事前に決めていなかったためです。
5.対応:紙の名簿での受付に切り替え、受付の人員を増やしました。待ち時間が生じた方には、入口で係員からお詫びいたしました。
6.再発防止策:通信手段を二系統用意し、端末が使えない場合の紙の受付手順と担当者を事前に決めて、リハーサルで確認します。
今後このようなことがないよう、運営体制を見直してまいります。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
以上
例文11:誤った請求書の送付(取引先宛て)
◯◯株式会社
経理部 ◯◯◯◯ 様
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
営業部長 ◯◯◯◯
請求書の金額誤りに関する顛末書
このたびは、◯月分の請求書に誤りがあり、お手数をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。
記
1.経緯:◯月◯日にお送りした請求書の金額が、ご注文の数量変更を反映しないものとなっておりました。◯月◯日に貴社からのご連絡で判明しました。
2.原因:数量変更の記録が担当者間で共有されておらず、請求書作成時に参照されなかったためです。
3.対応:◯月◯日に訂正した請求書をお送りしました。お手数ですが、先にお送りした請求書は破棄していただきますようお願い申し上げます。
4.再発防止策:注文内容の変更は社内の管理表に記録し、請求書の発行前に担当者以外の者が金額を確認する手順に改めました。
今後このようなことがないよう、確認を徹底してまいります。引き続きよろしくお願い申し上げます。
以上
例文12:納品物の内容誤り(取引先宛て)
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯◯◯ 様
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
制作部長 ◯◯◯◯
納品物の内容誤りに関する顛末書
このたびは、◯月◯日に納品いたしました◯◯(パンフレット)に誤りがあり、貴社に多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。経緯と今後の対策について、下記のとおりご報告いたします。
記
1.経緯:◯月◯日に納品したパンフレットのうち、◯ページの問い合わせ先の電話番号が、校了前の古い番号のまま印刷されておりました。◯月◯日、貴社◯◯様からのご連絡で判明しました。
2.影響:配布前に判明したため、お客様への配布は行われておりません。
3.原因:最終校正で貴社からいただいた修正指示のうち一件が、印刷用データに反映されていないことを見落としたためです。修正指示とデータの照合を担当者一人で行っておりました。
4.対応:◯月◯日に修正したデータで刷り直し、◯月◯日に納品いたしました。誤りのある分は弊社で回収し、廃棄いたしました。
5.再発防止策:修正指示は一覧表にして一件ずつ反映済みの確認を記録し、印刷用データは担当者とは別の者が一覧表と照合してから入稿いたします。
今後このようなことがないよう、確認体制の徹底に努めてまいります。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
以上
納期遅延を先にメールで知らせる場合は納期遅延のお詫びメール、上司への最初の報告はミスを上司に報告するときの例文が使えます。
原因と再発防止策の書き方
- 01
原因は「仕組み」まで掘る
「確認不足」で止めず、なぜ確認が漏れたのか(手順書にない・担当が曖昧・時間がなかった)まで書く。「なぜ」を二、三回くり返すと、手順や体制の穴に行き着きます。
- 02
再発防止策は「誰が見ても実行できる」形に
「注意する」「徹底する」だけでは対策になりません。手順の追加、チェック表、二人での確認、設定の変更など、行動で書きます。
- 03
実施時期と担当を書く
すでに実施したものと、これから実施するものを分け、いつから・誰が行うかを書く。
- 04
自分の範囲を超える対策は「提案」と書く
部署全体の手順変更など、自分だけでは決められない対策は「◯◯を提案します」と書き、決めたかのように書かない。
顛末書でよくある失敗
| よくある失敗 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| お詫びの言葉ばかりで経緯が短い | 何が起きたかが伝わらず、聞き直しが必要になる | お詫びは冒頭か結びの一文にし、本文は事実で書く |
| 時刻や数量をあいまいに書く | 後で事実と違うと分かると、報告全体の信頼が落ちる | 確認できない部分は「◯時頃」「確認中」と明記する |
| 他人や状況のせいにする書き方 | 責任逃れに読まれる | 関係者の行動も事実として並べ、評価は書かない |
| 原因が「不注意」だけ | 対策が「気をつける」しか出てこない | 手順・道具・体制のどこに穴があったかを書く |
| 対策が大きすぎて実行できない | 実施されず、同じことが起きる | 明日から確実にできる行動に絞る |
| 提出が遅れる | 隠していたと受け取られる | 事実が固まった部分から出し、未確定部分は追って報告する |
提出するときの注意点
- タイミング:まず口頭やメールで上司へ第一報を入れ、顛末書はその後、事実がそろった段階で出す。トラブルが続いている間は、確定した部分だけで先に出し、残りは追って報告する。
- 期限:会社が期限を決めていればそれに従う。決まっていなければ、指示を受けたときに提出日を確認する。
- 提出方法:紙で手渡しか、ファイルをメールに添付するかは会社の運用による。メールで出すなら、書き換えられないようPDFにして添付する。
- 形式:手書きかパソコンか、押印が要るかは会社の様式と過去の例に合わせる。
- 提出前の確認:社外向けは必ず上司・関係部署の確認を受ける。社内向けも、関係者の名前や発言は本人に事実確認しておく。
- 控え:提出したものの写しを残し、追加の報告をするときに内容が食い違わないようにする。
- 個人情報:相手方や顧客の氏名・連絡先は、報告に必要な範囲にとどめる。
顛末書を受け取る上司・管理者が確認すること
顛末書は、書いた本人を責めるためではなく、同じことを起こさないために使う文書です。受け取った側は次の点を見て、足りなければ本人に聞き直します。
- 事実と推測が分かれているか:「確認中」の部分は、いつまでに誰が確認するかを決める。
- 原因が個人の注意で終わっていないか:手順・道具・体制の側で直せることがないかを一緒に考える。
- 再発防止策が本人の権限で実行できるか:部署の手順を変える必要があれば、管理者の側で決めて周知する。
- 社外への説明が必要か:必要なら社外用の顛末書やお詫びの連絡を、誰の名前で出すか決める。
- 共有するか:個人名を伏せて部署内で経緯と対策を共有すると、同じ種類のミスを防ぎやすくなる。
顛末書の提出が同じ部署で何度も続く場合は、個人の問題ではなく、業務量・手順書・引き継ぎの仕組みに原因があることを疑います。
提出前のチェックリスト
- 表題(「◯◯に関する顛末書」)・宛名・提出日・所属・氏名が入っている
- 発生日時と場所が書いてある(不明な部分は不明と明記)
- 経緯が時間の順に並び、主語がある
- 損害・影響の範囲と、未確定の部分が分かる
- 推測は「◯◯と考えられます」と書き分けた
- 原因が「不注意」で止まっていない
- 対応(処置)に、誰が・いつ・何をしたかがある
- 再発防止策が具体的な行動で、実施時期がある
- 敬語・宛名(殿・様)が提出先と過去の文書に合っている
- 社外向けは上司・関係部署の確認を経た
この記事の要点
- 顛末書は経緯の報告、始末書は反省とお詫び。
- 構成は発生日時・場所・経緯・損害・原因・対応・再発防止策。
- 事実と推測を分け、分からないことは「確認中」と書く。
- 再発防止策は「注意する」ではなく具体的な行動と実施時期で書く。
- 社外向けは会社としての説明になるので、必ず社内の確認を経て出す。
FAQ
よくある質問
顛末書はトラブルの経緯と原因を事実の順に報告する文書で、始末書は過失を認めて反省とお詫びを伝える文書です。顛末書では再発防止策の正確さ、始末書では反省と今後の誓約が中心になります。人事上の扱いは会社ごとに違うので、提出先に確認してください。
法令で重さが決まっているわけではなく、人事上の扱いは就業規則など会社ごとの決まりによります。気になる場合は、提出を求めた上司や人事に、提出後どう扱われるかを確認してください。
「てんまつしょ」と読みます。顛末は、物事の始まりから終わりまでのいきさつという意味です。
社内なら「◯◯部長 ◯◯◯◯ 殿」のように提出先の役職と氏名を書きます。会社の慣例で「様」を使うこともあるので過去の文書に合わせてください。社外宛ては「◯◯株式会社 ◯◯部 部長 ◯◯◯◯ 様」のように、会社名・部署・役職・氏名に「様」を付けるのが無難です。
会社の様式や過去の例に合わせます。指定がなければ、修正しやすく控えも残しやすいパソコンで作成し、押印が要るかを提出先に確認してください。
書くよう求められることがあります。顛末書は経緯の記録なので、自分の過失を認める必要はありません。起きたことを事実の順に書き、関係者の行動も評価を加えずに並べます。
原因を「なぜ」で掘り下げ、手順・道具・確認の仕組みのどこを変えれば防げたかを考えます。自分だけで決められない対策は「◯◯を提案します」と書けます。
会社や上司が期限を決めていればそれに従います。決まっていなければ指示を受けたときに提出日を確認し、まず口頭やメールで第一報を入れたうえで、事実がそろった段階で顛末書を出します。
会社の運用によります。メールで出してよい場合は、顛末書をPDFにして添付し、本文に件名と確認中の事項を書き添えます。紙と押印が必要な会社では、メールは提出のお知らせにとどめます。
分かっている事実だけを書き、原因の欄には「現在調査中で、◯月◯日までに追ってご報告いたします」と書きます。推測で原因を書くと、後で訂正が必要になったときに報告全体の信頼が下がります。
どの項目が足りないかを上司に確認します。よく指摘されるのは、経緯に時刻や主語がない、原因が「不注意」だけ、再発防止策が「気をつける」だけ、といった点です。この記事の「項目ごとの書き方:NG例とOK例」の表を見ながら直してください。
社内向けは「以上、ご報告いたします」で終えます。社外向けは「今後このようなことがないよう、再発防止に努めてまいります」とお詫びを添え、最後に「以上」と書きます。