手順
口頭での報告の仕方
結論から話す順番と、数字の伝え方
口頭での報告は、聞き手が最初の一言で「何の話か、良い話か悪い話か」を分かるように話すのがこつです。やり方の要点は、件名を先に言う、結論から話す、理由と経緯はその後に短く、今後どうするかで締めるの四つです。見本の言い方は「◯◯課長、◯◯の件でご報告です。結論から申し上げると、予定どおり◯日に納品できます。◯◯社の◯◯様とも、今朝その日程で合意しました」。書面の報告とちがい、口頭では聞き手が読み返せないので、一文を短く、数字は比べる相手と一緒に伝えます。書面での報告書の型は報告書の書き方、報連相の意味そのものは報連相とはを見てください。
結論
口頭の報告は①何の件か(良い話か悪い話か) ②結論 ③理由・経緯 ④今後どうするか ⑤相談したいことの順に話します。数字は「予定の◯件に対して◯件」「前の月より◯件多い」のように、比べる相手と単位を添えます。
口頭で報告する手順
- 01
話す前に、要点を一文にしておく
「◯◯の件は、◯日に終わる見込み」のように、結論を一文で言えるようにしてから声をかけます。数字や日付はメモに書いて手元に置きます。
- 02
何の報告かと、どのくらい時間が要るかを伝える
「◯◯の件でご報告です。少しよろしいでしょうか」と声をかけます。悪い知らせなら、最初に「よくないご報告です」と言っておくと、上司は聞く構えができます。
- 03
結論から話す
「結論から申し上げると」と前置きして、終わったのか、遅れるのか、決まったのかを先に言います。
- 04
理由・経緯を短く話す
結論の後に、そうなった理由を話します。細かな経緯は聞かれたら答えるくらいの気持ちで、短くまとめます。
- 05
今後どうするかと、相談したいことで締める
「この後は◯◯を進めます」「◯◯の点だけ、ご判断をお願いしたいです」と、次の動きをはっきりさせて終えます。
Point
悪い報告ほど早く、結論から。言いにくいことを後回しにして経緯から話し始めると、聞き手は「結局どうなったのか」が分からないまま待たされます。ミスの報告の伝え方はミスの報告の仕方にまとめています。
数字・日付の伝え方
| 伝わりにくい言い方 | 伝わりやすい言い方 | ポイント |
|---|---|---|
| 申込みは◯件です | 申込みは◯件で、目標の◯件に対して、あと◯件です | 比べる相手(目標・予定)を添える |
| 前より増えました | 前の月より◯件増えて、◯件になりました | 増えた量と、今の数の両方を言う |
| だいたい半分くらい終わっています | 全◯件のうち◯件が終わりました | あいまいな言葉より、全体と終わった数 |
| 来週には終わります | ◯日(◯)の夕方に終わる見込みです | 日付と曜日、時刻まで |
| 費用は少し上がります | 費用は◯円から◯円に上がる見込みです | 前と後の金額を並べる |
口頭では、一度にたくさんの数字を並べないことも大切です。三つ以上の数字を伝えるなら、表やメモにして渡しながら話すほうが確実です。数字が確定していないときは「見込み」「速報」と添えて、確定の数字と区別します。
そのまま使える言い方(場面別)
予定どおり進んでいるとき(進み具合の報告)
◯◯課長、◯◯の件で進み具合のご報告です。
予定どおり進んでいて、◯日(◯)に終わる見込みです。
全◯件のうち◯件まで入力が済みました。残りは明日中に終えます。
仕事が終わったとき(完了の報告)
◯◯課長、◯◯の件、終わりましたのでご報告します。
◯◯社への見積書を、先ほど◯◯様宛てにお送りしました。
◯◯様から、◯日までに社内で検討してお返事をいただけるそうです。
注意
完了の報告では、相手からの反応や次の予定まで添えると、上司が改めて聞かずに済みます。
遅れそうなとき
◯◯課長、◯◯の件で、よくないご報告です。
結論から申し上げると、◯日の予定が◯日まで遅れる見込みです。
◯◯社からの資料の到着が◯日遅れたためです。
◯◯の作業を先に進めて、遅れを◯日以内に抑えたいと考えています。この進め方でよろしいでしょうか。
トラブルが起きたとき(第一報)
◯◯課長、急ぎのご報告です。
◯◯社から、届いた商品の数が足りないと連絡がありました。
いま分かっているのは、◯個少ないということだけです。原因はこれから確かめます。
先方には、今日の◯時までに状況をご連絡すると伝えています。
第一報では、分かっていることと、まだ分からないことを分けて話します。原因が分かるまで待たずに、まず起きたことを伝えます。
上司に聞かれて答えるとき
(上司)「◯◯の件、どうなってる?」
(自分)「はい、◯日に終わる見込みです。いま◯◯の確認待ちで、明日の午前中に返事が来る予定です」
聞かれたときも結論から答えます。「えっと、まず◯◯さんに連絡して……」と経緯から話し始めないようにします。
会議などで、複数の人の前で報告するとき
◯◯の件について、ご報告します。
お伝えしたいことは二点です。
一点目、◯◯は予定どおり◯日に終わる見込みです。
二点目、◯◯について、ご判断いただきたいことがあります。
注意
最初に「お伝えしたいことは◯点です」と数を言っておくと、聞き手は話の全体をつかみやすくなります。
外出先から電話で報告するとき
◯◯課長、◯◯です。いまお電話よろしいでしょうか。
◯◯社との打ち合わせが終わりましたので、ご報告です。
結論から申し上げると、◯月の開催で進めることになりました。
詳しい内容は、戻りましたらメールでお送りします。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 困ること | 直し方 |
|---|---|---|
| 経緯から話し始める | 聞き手が結論を待たされ、途中で遮ることになる | 「結論から申し上げると」で始める |
| 悪い報告を後回しにする | 手を打つ時間がなくなる | 分かった時点で、「よくないご報告です」と先に言う |
| 一文が長く、「〜で、〜して、〜なので」と続く | どこが大事か伝わらない | 一文を短く切り、結論・理由・今後に分ける |
| 事実と自分の推測が混ざる | 上司が判断を誤る | 「ここまでは確かです」「ここからは私の見込みです」と分ける |
| 数字をたくさん口頭で並べる | 聞き手が覚えきれない | 大事な数字に絞り、残りはメモや資料で渡す |
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 気になる点 | こう言う |
|---|---|---|
| たぶん大丈夫だと思います | 確かなのか見込みなのか分からない | ◯日に終わる見込みです。◯◯の返事次第で変わります |
| 一応終わりました | 本当に終わったのか、心配になる | 終わりました。◯◯だけ確認待ちです |
| ◯◯さんがやってくれなくて | 人のせいにしているように聞こえる | ◯◯さんの作業が◯日に終わる予定のため、それを待っています |
| ご報告させていただきます | 「ご〜する」に「させていただく」が重なり、くどく感じる人もいる | ご報告します/ご報告いたします |
| (社外の人の話を上司に)◯◯様が申しておりました | 社外の人の動作に謙譲語を使っている | ◯◯様がおっしゃっていました |
社外の人の言ったことを上司に伝えるときは、その人に対しては尊敬語(おっしゃる)を使います。一方、社外の人に自社の上司の言ったことを伝えるときは、身内なので謙譲語(申しておりました)を使います。
後日のフォロー(記録・お礼・お詫び)
口頭の報告の後に、要点をチャットで残す
◯◯課長
先ほどご報告した◯◯の件、要点を残しておきます。
・納品は◯日の見込み(◯日から遅れ)
・原因:◯◯社からの資料の到着の遅れ
・対応:◯◯の作業を先に進める(ご了承いただいた進め方)
判断をもらったことへのお礼
◯◯課長
先ほどはすぐにご判断いただき、ありがとうございました。
◯◯社には、今日中にその内容でご連絡します。
報告が遅れてしまったときのお詫び
◯◯課長、◯◯の件で、ご報告が遅くなり申し訳ありません。
◯日の時点で遅れが分かっていたのに、取り戻せると思ってお伝えしていませんでした。
結論から申し上げると、◯日まで遅れる見込みです。今後は、遅れが分かった時点ですぐにご報告します。
注意
決まった日にまとめて報告する習慣を作るなら、日報の書き方や途中経過の報告メールも参考にしてください。報告が遅れたときのお詫びの書き方は報告・連絡が遅れたお詫びにまとめています。
この記事の要点
- 最初に「◯◯の件でご報告です」と何の話かを言う。悪い話なら先にそう伝える。
- 結論→理由・経緯→今後→相談の順に話す。
- 数字は比べる相手(目標・前の月)と単位を添え、たくさん並べない。
- 事実と自分の見込みを分けて話す。
- 大事な報告は、口頭の後に要点を文字で残す。
FAQ
よくある質問
失礼にはなりません。「申し上げる」は「言う」の謙譲語で、上司への報告で使えます。毎回付けると少し硬く聞こえるので、短い報告なら「◯◯の件、終わりました」と結論から言うだけでも十分です。
話さなくてよいわけではありませんが、結論の後に短くまとめます。上司が詳しく知りたければ聞き返してくれるので、まずは結論と、その理由の要点だけを伝えます。
急ぎのこと、悪い知らせ、判断をもらいたいことは口頭で伝えるのが基本です。数字が多い報告や、後で見返す必要がある内容は文字で送ります。大事な報告は、口頭で伝えた後に要点をチャットやメールで残しておくと行き違いを防げます。どの手段を使うかは職場の決まりに従ってください。
話す前に、結論を一文でメモに書いておきましょう。「◯◯の件、◯日に終わる見込み」と書いたメモを手元に置き、それを読み上げるところから始めれば、話が迷っても戻れます。
急ぎでない報告なら、チャットで「◯◯の件で報告があります。お手すきの時に少しお時間をいただけますか」と都合を聞きます。悪い知らせや急ぎの報告は、「急ぎのご報告です」と添えてその場で声をかけてかまいません。