用語
PPMとは
撮影の前に、全員で「決まったこと」をそろえる場
結論:撮影・広告の現場でいうPPMは「プリプロダクションミーティング(Pre-Production Meeting)」の略で、撮影の前に広告主・広告会社・制作会社・監督などが集まり、それまでに決めた内容を最終確認する打合せです。ひとことで言えば、撮影当日の「基準」を決裁者の前で固定する会議です。この記事では、PPMで確認すること(必須カットや販促物の撮影まで)、資料の項目チェックリスト、当日の議題の順番と言い回し、前後に送るメール例文5通、PPMのあとに変更が出たときの対応までを、そのまま使える形でまとめます。
結論
PPMはプリプロダクションミーティング(Pre-Production Meeting)の略です。広告主、広告会社、制作会社、監督などのスタッフが集まり、企画の内容、出演者、衣装、ロケ地、美術、音楽、スケジュールなどを撮影前に最終確認します。撮影当日に「聞いていない」をなくすための会議です。ビジネス一般で使う「PPM分析」や、濃度の単位の「ppm」とは別の言葉です。
PPMの意味と、ほかの「PPM」との違い
「PPM」で調べると、意味の違う言葉がいくつも出てきます。撮影・広告・映像制作の現場で使うPPMは、打合せの名前です。
| 使われる場面 | PPMの意味 | この記事との関係 |
|---|---|---|
| 撮影・広告・CM・映像制作 | プリプロダクションミーティング。撮影前の最終確認の打合せ | この記事で説明する意味 |
| 経営・マーケティング | プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM分析)。事業や商品の位置づけを整理する考え方 | 別の言葉 |
| 理科・環境・品質 | 濃度などを表す単位のppm | 別の言葉 |
| 画像ファイル | 画像形式のひとつ | 別の言葉 |
撮影の現場で「PPMの資料を作っておいて」「PPMはいつですか」と言われたら、撮影前の確認会議と、そこで配る資料のことだと考えて問題ありません。
PPMはいつ、誰が出るのか
映像の制作は、大きくプリプロダクション(撮影前の準備)→ プロダクション(撮影)→ ポストプロダクション(編集・仕上げ)と進みます。PPMは、プリプロダクションの締めくくりにあたります。
| 段階 | 主なこと | PPMとの関係 |
|---|---|---|
| 企画・提案 | 企画、絵コンテ、見積り | ここで決まった方向がPPMの前提になる |
| 準備(プリプロダクション) | キャスティング、ロケハン、衣装・美術の準備、スタッフ集め | 候補がそろった段階でPPMを開く |
| PPM | 決定事項の最終確認、残った候補の決定 | ここで決まったことが撮影の基準になる |
| 撮影(プロダクション) | 香盤表どおりに撮る | PPMの決定から外れる変更は、その場で了承を取る |
| 編集・仕上げ(ポストプロダクション) | 編集、音、テロップ、納品 | 尺・テロップ・納品の仕様はPPMで確認した内容に沿う |
日程は、出演者・衣装・ロケ地の候補が出そろい、それでいて撮影までに変更に対応できる余裕が残っている時期に置きます。PPMで差し替えが決まると、衣装や美術の手配をやり直すことになるからです。
| 出席者 | PPMでの役割 |
|---|---|
| 広告主(クライアント) | 決定事項を了承する。決裁できる人がいるかが最重要 |
| 広告会社 | 企画の意図を説明し、広告主と制作側の間を取りまとめる |
| 制作会社のプロデューサー・制作進行 | 資料を作り、進行と予算・スケジュールの面から確認する |
| 監督(演出) | 絵コンテと演出の意図を説明する |
| 必要に応じて | カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、美術、キャスティング担当など |
Point
PPMは「了承をもらう場」です。 広告主の決裁者が出ていないPPMで決めたことは、あとでひっくり返ることがあります。誰が出席すれば決まったことになるのかを、日程を決める段階で確認してください。
PPMの前後に、別の打合せをはさむ進め方もあります。呼び方や回数は会社や案件によって違うので、最初に「どの打合せで何を決めるか」を共有しておくと混乱しません。
| 打合せ | 主な目的 | 主な出席者 |
|---|---|---|
| プレPPM(事前の打合せ) | PPMで広告主に見せる内容を、制作側と広告会社で先に詰める。候補を絞り、おすすめを決める | 広告会社、制作会社、監督 |
| PPM | 決裁者の前で決定事項をそろえ、残った候補を決める | 広告主、広告会社、制作会社、監督ほか |
| 撮影前のスタッフ打合せ | PPMで決まったことをもとに、香盤表と当日の段取りを技術スタッフとそろえる | 制作会社、監督、撮影・照明・美術などのスタッフ |
注意
プレPPMで候補を絞っておくと、PPM当日は「どれにするか」を選ぶだけで済みます。候補を絞らずにPPMを迎えると、議論が広がって時間内に決まりきらないことがあります。
PPMで確認すること
PPMは、新しいことを決める場というより、それまでに決めてきたことを、決裁できる人の前でそろえる場です。ここで確認したことが、撮影の前提になります。
| 確認すること | 中身 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 企画意図 | 誰に、何を伝える広告か。表現の方向 | 途中で変わった点が全員に伝わっているか |
| 絵コンテ | カットの構成、尺、テロップ | 最新版がどれか。テロップの文言まで確定しているか |
| 必須カットと優先順位 | 絶対に撮るカット、時間が押したら削るカット | 撮影が押したときに、現場で誰の判断で何を削るか |
| 別バージョンの有無 | テレビ用のほかに、ウェブ用やSNSの縦型、短い尺を作るか | 縦型を同じ撮影で撮るなら、画角とカメラの段取りが変わる |
| 出演者 | キャスティングの最終案、役柄 | 競合商品の広告に出ていないか、契約の範囲 |
| 衣装・ヘアメイク | 候補と最終案 | 色が商品やロゴとぶつからないか。ブランド名が映らないか |
| ロケ地・セット | 場所、許可の状況、代わりの案 | 雨天や許可が下りない場合の代案 |
| 美術・小道具 | 商品の見せ方、映り込むもの | 他社のロゴや商品が映り込まないか |
| 音楽・ナレーション | 曲の候補、オリジナルか既存曲か、ナレーターの候補 | 使う媒体・期間で権利の手配が足りるか |
| スケジュール | 撮影日、予備日、雨天の場合 | 広告主の立会いの有無と時間帯 |
| 納品の仕様 | 尺、媒体ごとのサイズ、納品日 | バージョンごとの本数とファイル形式まで決まっているか |
| スチール・販促物 | 同じ撮影でポスター、店頭POP、ウェブ用の写真も撮るか | 出演者の契約に写真の使用が含まれるか。スチール用の時間を香盤表に取ってあるか |
スチールや販促物を同じ撮影日に撮る場合は、カメラマンとデザイナーが困らないように、次の点もPPMで確認しておきます。撮影後に「この写真ではレイアウトが組めない」となるのを防げます。
- 写真を使う物の一覧——ポスター、店頭の販促物、チラシ、ウェブのバナーなど、どれに使うか
- 縦位置か横位置か——両方必要なら、それぞれのカットを撮る時間を取る
- コピーやロゴを載せる場所——人物や商品の周りに空けておく余白をデザイナーと先に決める
- デザインの担当と締切——誰が写真を受け取り、いつまでに渡せばよいか
- 商品カットの要否——商品だけの写真を別に撮るか。背景は切り抜き用か
権利と表現の確認を、議題に入れる
PPMの議題は、企画と見た目の確認に偏りがちです。撮影のあとで揉めやすいのは、権利の範囲と、表現の規制です。
- 素材をどこまで使うか——テレビ、ウェブ、SNS、店頭。期間と地域。出演者や音楽の契約もこの範囲に合わせる(二次利用と著作権)
- SNSで第三者に投稿してもらうか——広告であることの表記(ステマ規制)
- 化粧品・医薬部外品・医療機器などか——効能・効果の表現の確認(薬機法の広告規制)
- ロケの許可は取れているか——道路、公園、施設(撮影許可申請書の書き方)
- メイキングや撮影風景を別に使うか——出演者の契約に含めるかどうか
注意
撮影が終わってから媒体を広げようとすると、出演者や音楽の契約を結び直すことになります。PPMの段階で使う予定の媒体を全部出しておくのが、いちばん安く済みます。
PPM資料の項目チェックリスト
PPM資料は、当日の説明用であると同時に、決まったことの記録になります。次の順に並べると、説明と確認がしやすくなります。各項目の右に「書いておくこと」を添えました。
| 順 | 項目 | 書いておくこと |
|---|---|---|
| 一 | 表紙 | 案件名、撮影日、資料の版と日付、作成者 |
| 二 | スタッフリスト | 会社名、役割、担当者名、当日の連絡先 |
| 三 | 企画意図 | 誰に何を伝えるか。1ページで |
| 四 | 絵コンテ(演出コンテ) | 最新版。前回からの変更点に印をつける |
| 五 | 出演者 | 写真、役柄、決定か候補か |
| 六 | 衣装・ヘアメイク | 写真つきで。出演者ごと、シーンごと |
| 七 | ロケ地・セット | 写真、地図、許可の状況、雨天の代案 |
| 八 | 美術・小道具 | 商品の置き方、映り込む物の写真 |
| 九 | 音楽・ナレーション | 候補曲、ナレーション原稿、ナレーター候補 |
| 十 | スケジュールと香盤表 | 全体の日程と、撮影日の流れ(撮影の香盤表) |
| 十一 | 使用範囲と納品の仕様 | 媒体、期間、地域、尺、サイズ、納品日 |
| 十二 | 確認事項・宿題 | その場で決めたいこと、決めきれないものの担当と期限 |
Point
「決定」と「候補」を書き分けてください。 写真が並んでいるだけだと、どれが決まったものか分からなくなります。各ページの右上に「決定」「候補」「確認中」のどれかを書いておくと、PPMのあとで迷いません。
- 表紙に資料の版と日付がある
- 絵コンテが最新版で、前回からの変更点が分かる
- 各ページに決定・候補・確認中の区別がある
- 候補が複数あるページには制作側のおすすめと理由が書いてある
- ロケ地に許可の状況と雨天の代案がある
- 使用範囲(媒体・期間・地域)のページがある
- 最後にこの場で決めたいことの一覧がある
- 事前に送る場合、送付日と版を出席者と共有している
PPM当日の議題の順番と、進行の言い回し
PPMは、資料を頭から読み上げるだけだと時間が足りなくなります。「決定」の確認を短く済ませ、「候補」「確認中」に時間を使うのが進め方の基本です。
- 01
出席者と決裁者を確認する
冒頭で、広告主側の誰がこの場で了承できるのかを確かめる。
- 02
企画意図と絵コンテをそろえる
ここがずれていると、衣装やロケ地の議論がかみ合わない。
- 03
出演者・衣装・ロケ地・美術・音楽を順に確認する
資料の順に、決定・候補・確認中を一つずつ読み合わせる。
- 04
使用範囲と表現の確認
媒体・期間・地域、PR表記、効能表現など、権利と規制にかかわる点を確認する。
- 05
スケジュールと宿題を読み上げる
撮影日の流れと、決めきれなかったものの担当・期限をその場で確認する。
進行役(多くは制作会社のプロデューサーや広告会社の担当者)がそのまま使える言い回しです。
| 場面 | 言い回しの例 |
|---|---|
| 始める | 「本日は◯◯案件のPPMです。資料は第◯版をお手元にご用意ください。最後に決定事項と宿題を読み上げて終わります」 |
| 決裁者の確認 | 「本日この場でご了承いただける方は、◯◯様でよろしいでしょうか」 |
| 決定事項を短く流す | 「ここからの数ページは前回までに決定したものです。変更がなければ次に進みます」 |
| 候補を決めてもらう | 「衣装はA案とB案です。制作としてはA案をおすすめします。理由は商品の色と重ならないためです。いかがでしょうか」 |
| その場で決まらない | 「こちらは持ち帰りとさせてください。◯月◯日までに◯◯からご連絡します」 |
| 話が広がったとき | 「大事なご指摘なので、宿題として残し、先に残りの確認を進めてもよろしいでしょうか」 |
| 新しい要望が出たとき | 「承知しました。この変更で撮影時間と費用にどの程度影響するか、制作で確認して◯日までにご報告します」 |
| 必須カットを確認する | 「当日、時間が押した場合は◯番のカットから調整させていただきます。◯番と◯番は必ず撮る前提でよろしいでしょうか」 |
| 使用範囲を確認する | 「今回の素材は、テレビとウェブで◯か月の使用を前提に契約を進めます。ほかに使うご予定はございますか」 |
| 締める | 「本日の決定事項と宿題を読み上げます。認識が違う点があれば、この場でお知らせください」 |
注意
当日の流れは、PPMのあとに撮影の香盤表として固めます。PPMの時点では、撮影の順番と、出演者・衣装の入れ替えの前提がそろっていれば十分です。会議の進め方全般は会議のファシリテーションも参考になります。
PPMの前後に送るメールの例文
PPMでは、開催の案内 → 資料の送付 → 前日のリマインド → 決定事項の共有の順にメールを送ります。PPMのあとに変更の依頼が来たときの返信も載せました。◯の部分を差し替えて使ってください。
開催の案内
件名:【ご案内】◯◯案件 PPMの日程について
◯◯株式会社
◯◯様
いつもお世話になっております。◯◯の◯◯です。
◯◯案件のPPM(撮影前の最終確認の打合せ)を、下記の日程で開催したく存じます。
■日時:◯月◯日(◯)◯時〜
■場所:◯◯(オンライン併用)
■確認する内容:企画意図、絵コンテ、出演者、衣装、ロケ地、美術、音楽、スケジュール、使用範囲
当日その場でご了承いただきたい事項がございますので、ご決裁いただける方にもご出席いただけますと幸いです。ご都合をお聞かせいただけますでしょうか。
資料の送付
件名:【資料送付】◯◯案件 PPM資料(第◯版)
◯◯様
お世話になっております。◯◯の◯◯です。
◯月◯日のPPMで使う資料(第◯版)をお送りします。
前回からの主な変更点は次のとおりです。
・ロケ地をB案に変更(許可申請中)
・衣装の候補を追加
当日ご判断いただきたいのは、資料末尾の「この場で決めたいこと」の各項目です。事前にご覧いただけますと、当日の確認がスムーズに進みます。
決定事項の共有(PPMのあと)
件名:【共有】◯月◯日 PPMの決定事項と宿題(◯◯案件)
関係者各位
本日はPPMにご出席いただき、ありがとうございました。決定事項と宿題を共有します。認識の違いがあれば、◯月◯日(◯)までにご返信ください。
■決定事項
・出演者:◯◯さんで決定
・衣装:A案で決定(小物は◯日までに再提案)
・ロケ地:◯◯(許可申請中、◯日に結果)
■宿題(担当/期限)
・使用範囲(媒体・期間)の最終確認:◯◯様/◯月◯日
・香盤表の確定版の共有:◯◯/◯月◯日
最新のPPM資料(第◯版)を添付します。
前日のリマインド
件名:【明日】◯◯案件 PPMのご案内(◯月◯日 ◯時〜)
◯◯様
お世話になっております。◯◯の◯◯です。
明日のPPMについて、改めてご案内します。
■日時:◯月◯日(◯)◯時〜◯時
■場所:◯◯
■オンライン参加用URL:◯◯
■資料:第◯版(◯月◯日にお送りしたもの)
当日は資料末尾の「この場で決めたいこと」から優先して確認いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
PPMのあとに変更の依頼を受けたとき
件名:Re: 衣装変更のご相談(◯◯案件)
◯◯様
お世話になっております。◯◯の◯◯です。
衣装の変更について、ご相談ありがとうございます。PPMで決定した内容からの変更となるため、影響を整理しました。
■変更内容:衣装をA案からC案へ
■影響:衣装の再手配が必要です。撮影日は変更なしで対応できますが、追加費用として◯◯円(税別)が発生します
■ご判断の期限:手配の都合上、◯月◯日(◯)◯時までにご返答をいただけますと幸いです
変更する/しないのどちらでも対応いたしますので、ご判断をお知らせください。
注意
資料送付のメール全般は会議資料の送付メール、議事録の送り方は議事録の送付メールにまとめています。
PPMのあとにすること
- 01
決まったことを文書にして送る
当日の発言は記憶で変わります。決まったことを箇条書きにして、出席者全員に送ります。
- 02
宿題に担当と期限をつける
「確認します」で終わったものに、誰がいつまでに、を必ずつける。
- 03
資料を最新版に差し替える
PPMでの変更を反映した版を、撮影の基準にする。
- 04
撮影の香盤表を確定する
PPMで決まった内容で、当日の流れを固める。
- 05
スタッフに変更点を伝える
PPMに出ていないスタッフにも、変わった点だけを短く共有する。
PPMのあとに変更を求められたら
PPMのあとでも、変更の依頼が来ることはあります。断るか受けるかの前に、何が、どれだけ変わるのかを相手に見える形にするのが先です。
| 確認すること | 相手に伝える内容 |
|---|---|
| 手配のやり直し | 衣装・美術・ロケ地など、何を手配し直すか |
| 日程への影響 | 撮影日や納品日を動かす必要があるか |
| 費用への影響 | 追加でかかる費用の見込み |
| 判断の期限 | いつまでに決めてもらえば間に合うか |
影響を書面で伝え、了承をもらってから動くと、「言った・言わない」になりません。
注意
議事録をAIで作り、打合せで決まったことを取り出す方法はAI議事録をイベント案件で使うにまとめています。
PPMでよくある失敗と防ぎ方
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 決裁者が欠席 | 撮影直前に決定が覆る | 日程調整の段階で、了承できる人の出席を依頼する |
| 絵コンテの版が混在 | 古いコンテで準備したスタッフが出る | 表紙に版と日付。前回からの変更点に印 |
| 候補を並べるだけ | その場で決まらず持ち帰りが増える | 候補ごとに制作側のおすすめと理由を添える |
| 使用範囲を後回し | 撮影後に契約の結び直しが必要になる | PPMの議題に使用範囲を必ず入れる |
| 雨天や許可の代案がない | 当日に判断がつかず撮影が止まる | ロケ地のページに代案と判断の基準を書く |
| 決定事項を送らない | 「言った・言わない」になる | 当日中に決定事項と宿題をメールで共有 |
| 必須カットを決めていない | 時間が押したとき、現場で何を削るか決められない | PPMで必須カットと削ってよいカットを確認する |
| 販促物の撮影を後から頼まれる | 画角や余白が足りず、写真が使えない | スチール・販促物の要否と用途をPPMで確認する |
この記事の要点
- 撮影・広告のPPMはプリプロダクションミーティングの略。 撮影前に、関係者全員で決まったことを最終確認する場。PPM分析や濃度のppmとは別の言葉。
- 決裁できる人が出席しているかを先に確認する。 いないと、決まったことがあとで覆る。
- 権利の範囲(媒体・期間・地域)と表現の規制を議題に入れる。 撮影後に揉めやすいのはここ。
- PPM資料は「決定」「候補」「確認中」を書き分け、候補にはおすすめと理由を添える。
- 終わったら、決まったことと宿題(担当・期限)を文書にして送る。
FAQ
よくある質問
撮影や広告・CM制作の現場でいうPPMは、プリプロダクションミーティング(Pre-Production Meeting)の略です。撮影の前に、広告主、広告会社、制作会社、監督などが集まり、企画の内容、出演者、衣装、ロケ地、美術、音楽、スケジュールなどを最終確認する打合せを指します。新しいことを決める場というより、それまでに決めてきたことを決裁できる人の前でそろえる場です。
PPMの前に、広告会社と制作会社、監督などで内容を詰めておく打合せを指して使われることがあります。広告主に見せる候補を絞り、制作側のおすすめを決めておくことで、PPM当日は決めることに時間を使えます。呼び方や開くかどうかは、会社や案件によって違います。
まず、手配のやり直し、日程、費用への影響と、判断の期限を整理して書面で伝えます。そのうえで変更するかどうかを決めてもらい、了承をもらってから手配に動きます。決まった変更は、資料を新しい版にしてスタッフ全員に共有します。
違います。広告・撮影のPPMは撮影前の打合せのことです。PPM分析はプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略で、事業や商品の位置づけを整理する経営・マーケティングの考え方です。同じ略語ですが、使われる場面がまったく違います。
企画意図、絵コンテ、出演者、衣装・ヘアメイク、ロケ地・セット、美術・小道具、音楽・ナレーション、スケジュール、納品の仕様を確認します。あわせて、素材を使う媒体・期間・地域、SNSで投稿してもらう場合の広告表記、化粧品などの効能表現、ロケの許可の状況も議題に入れておくと、撮影後に揉めにくくなります。
広告主、広告会社、制作会社のプロデューサー、監督などが中心で、案件によってカメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、美術などのスタッフも加わります。大事なのは、広告主側に決裁できる人がいるかどうかです。決裁者がいないPPMで決めたことは、あとで覆ることがあります。
制作会社のプロデューサーや制作進行がまとめることが多く、絵コンテや演出の意図は監督、企画意図は広告会社が用意した内容を入れます。誰が最終版を管理するかを決めておくと、版の混在を防げます。
表紙(案件名・撮影日・版と日付)、スタッフリスト、企画意図、絵コンテ、出演者、衣装・ヘアメイク、ロケ地・セット、美術・小道具、音楽・ナレーション、スケジュールと香盤表、使用範囲と納品の仕様、確認事項と宿題、の順に並べると説明と確認がしやすくなります。各ページに「決定」「候補」「確認中」を書き分けておくと、あとで迷いません。
その場で「持ち帰り」とし、誰がいつまでに答えるかを決めて読み上げます。PPMのあと、決定事項と一緒に宿題(担当・期限)をメールで共有し、答えが出たら資料を新しい版に差し替えて関係者に送ります。
できます。その場合は、資料を事前に送って版をそろえておき、衣装や美術の色・質感など画面では伝わりにくいものは、実物の写真を複数の角度で用意するか、別に確認の機会を設けると安心です。
確認しておくのが安全です。撮影が終わってから使う媒体を広げると、出演者や音楽の契約を結び直すことになります。PPMの段階で、テレビ、ウェブ、SNS、店頭など使う予定の媒体と期間・地域を出しておくと、契約をそれに合わせられます。SNSで第三者に投稿してもらう場合の表記や、化粧品などの効能表現もここで確認してください。