PRODUCER AGENT 無料で始める

撮影の実務

CM制作の流れ
企画から撮影・編集・納品までの工程表

初めてCMや動画広告の制作を担当すると、制作会社から「次は何を確認すればいいか」を聞かれるたびに、社内の誰に回せばよいか迷うことがあります。CM制作の工程は会社や案件で多少違っても、大きな順番は共通しています。このページでは、全体の流れと、広告主の担当者が判断する場面を工程表にまとめました。

更新: 2026-11-01読了:約4分PRODUCER AGENT 編集部

結論

CM制作は、オリエンテーション → 企画・提案 → 見積・発注 → プリプロダクション(撮影の準備) → PPM → 撮影 → 編集 → MA(音の仕上げ) → 試写・修正 → 納品の順に進むのが一般的です。テレビCMでは、放送局による確認(考査)を経て放送されます。

全体の工程表

段階主な作業広告主の担当者が判断すること
オリエン広告主が目的・対象・条件を制作側に伝える何を伝えたいか、使う媒体、予算の枠
企画・提案企画書と企画コンテの提案どの案で進めるか
見積・発注制作費の見積と発注金額と範囲、支払いの条件
プリプロダクションキャスティング、ロケハン、美術・衣装、香盤出演者、撮影場所、衣装の了承
PPM撮影前の最終確認撮影内容の了承
撮影本番の撮影現場での OK(立ち会う場合)
オフライン編集素材を仮につなぎ、構成と尺を決める構成とカットの選び方
オンライン編集画質の調整、合成、テロップなどの仕上げテロップ、色味、ロゴの見え方
MAナレーション・BGM・効果音を合わせるナレーションと音の聞こえ方
試写・納品完成版の確認と、媒体の形式での納品最終の了承

準備の段階の詳しい中身は、キャスティング、ロケハン、絵コンテの書き方、PPMとは、撮影の香盤表に、撮影当日に広告主として同席するときの振る舞いは撮影立ち会いの役割とマナーにまとめています。

オリエンで伝える項目

オリエンは制作の出発点です。ここで伝え漏れたことは、企画や見積に入りません。オリエンシートとして紙にまとめて渡すと、後で確認できます。

  • 広告の目的(知ってもらう、試してもらう、申し込んでもらう など)
  • 見てほしい人(年代、立場、どんな場面で見るか)
  • 伝えたいこと(商品の特長のうち、いちばん伝えたいもの一つ)
  • 使う媒体と尺、比率(テレビ、ウェブ、SNS、縦型、店頭など)
  • 使用期間と地域
  • 予算の枠
  • 公開・放送の予定日
  • 表現の制約(言ってはいけないこと、必要な表記、社内の基準)
  • 社内の確認の流れ(誰が了承すれば決まるか)
  • 過去の広告や、参考にしたい・避けたい表現

Point

「誰の了承で決まるか」をオリエンの段階で伝えてください。 担当者が了承したあとに上の人の意見で企画が変わると、日程と費用の両方に響きます。

編集の工程と用語

用語意味
オフライン編集撮った素材を仮の画質でつなぎ、カットの選び方と順番、尺を決める作業
オンライン編集オフラインで決めた構成をもとに、本番の画質で仕上げる作業。合成やテロップもここで入れることが多い
カラーグレーディング映像の色味を整え、狙った雰囲気に仕上げる作業。色を補正する作業はカラコレ(カラーコレクション)と呼び、両者を区別する現場も、まとめてカラコレと呼ぶ現場もある
MAナレーション、BGM、効果音を合わせて音を仕上げる作業
試写関係者で完成前・完成版を見て確認すること
完パケそのまま放送・配信に使える状態に仕上がった完成品

編集に入ってから構成の修正を出すなら、オフライン編集の段階が直しやすいとされます。構成やカットの選び方をオンライン編集のあとに変えると、仕上げの作業をやり直すことになりがちです。用語の詳しい一覧は撮影用語一覧にあります。

日程は公開日から逆算する

CM制作の日程は、公開・放送の日から逆にたどって決めます。どの工程にどれだけかかるかは、案件の規模や撮影の内容、社内の確認の回数で大きく変わるため、制作会社と一緒に組み立てます。

  1. 01公開・放送の日を決める
  2. 02媒体への入稿や、テレビCMの考査に必要な時期を確かめる
  3. 03納品・MA・オンライン編集・オフライン編集の時期を置く
  4. 04撮影日と予備日を置く
  5. 05PPM、キャスティング、ロケハンの時期を置く
  6. 06企画の決定と発注の時期を置く

Point

社内の確認にかかる時間も、工程として書き込んでください。 制作側の作業だけで日程を組むと、広告主の確認待ちで止まります。誰が何日に見て返すかまで決めておくと、遅れが出ても原因が分かります。

ウェブ広告・SNS動画の場合

ウェブ広告やSNS動画では、テレビCMより素材の数と種類が増えることがよくあります。

  • 尺の違うもの(長い版・短い版)を作る
  • 比率の違うもの(横型・縦型・正方形)を作る
  • 冒頭やテロップを変えた複数の案を作り、配信しながら比べる
  • SNSの投稿では、広告であることの表示を確かめる(ステマ規制とは)

作る素材の数と使い道は、撮影の前に決めておくのが基本です。比率の違う素材は撮り方から変わり、出演者の使用範囲にもかかわります(二次利用とは)。

この記事の要点

  • CM制作はオリエン→企画→準備→PPM→撮影→編集→MA→試写→納品の順。
  • オリエンでは目的・対象・媒体・期間・予算と誰の了承で決まるかを伝える。
  • 構成の修正はオフライン編集の段階で出すと直しやすい。
  • 日程は公開日から逆算し、社内の確認時間も工程に入れる。
  • ウェブ広告は尺・比率・案の数が増える。撮影前に素材の数を決める。

FAQ

よくある質問

01CM制作はどんな流れで進みますか?

一般的には、オリエンテーション、企画・提案、見積・発注、プリプロダクション(キャスティング・ロケハンなどの準備)、PPM、撮影、オフライン編集、オンライン編集、MA、試写・納品の順に進みます。テレビCMでは放送局の考査を経て放送されます。

02広告主の担当者はどの段階で何を確認しますか?

企画の選定、見積の了承、出演者や撮影場所の了承、PPMでの撮影内容の了承、撮影の立ち会い、編集の確認、最終の試写が主な場面です。それぞれ社内で誰が了承するかを先に決めておくと、日程が崩れにくくなります。

03オフライン編集とオンライン編集の違いは何ですか?

オフライン編集は、素材を仮の画質でつなぎ、構成と尺を決める作業です。オンライン編集は、決まった構成をもとに本番の画質で仕上げ、合成やテロップを入れる作業です。構成の修正はオフラインの段階で出すのが基本です。

04完パケとは何ですか?

そのまま放送や配信に使える状態に仕上がった完成品のことです。映像・音・テロップがすべて入り、媒体が求める形式で書き出されたものを指します。

Related

関連記事

実務ガイド

PPMとは撮影の前に、全員で「決まったこと」をそろえる場

撮影・広告のPPM=プリプロダクションミーティング。撮影前の最終確認の打合せ。資料の項目、議題の順番、メール例文、よくある失敗。

実務ガイド

絵コンテの書き方初心者でも書ける手順とテンプレート・記入例

絵コンテは、映像をカットごとに絵と文字で書き出した設計図。書く順番は「伝えたいことを一文に→シーンに分ける→カットに割る→絵→動き→セリフ・音・テロップ→尺の調整」。絵は棒人間でよく、大事なのは各カットの内容・音・尺がそろっていること。

実務ガイド

キャスティングとはモデル・出演者の決め方と依頼メール例

キャスティングは出演者を選び出演を決めること。依頼の前に、役柄だけでなく撮影日・媒体・期間・地域・競合の条件をそろえる。

実務ガイド

ロケハンとは意味・やり方・確認事項とチェックリスト

ロケハンはロケーション・ハンティングの略で、撮影場所の下見。画の良さだけでなく、光・音・電源・車両・控室・許可まで確かめ、写真と資料で持ち帰る。

実務ガイド

二次利用とは意味・具体例と、契約で決めておくこと

最初に決めた範囲の外で使うこと。使える範囲は許諾の条件次第。譲渡でも翻案権は特掲、人格権は譲れない。

実務ガイド

製作・制作・作製の違い使い分けと例文、作成との区別

映像・デザイン・印刷物・Webサイトなど「作品・コンテンツ」を作るなら「制作」、機械・道具・什器など「実用的な物」を作るなら「製作」、図面・模型・標本・合鍵など、図や型をもとに作るなら「作製」が一般的。書類や計画を作るなら「作成」。分野によって揺れがあるので、業界や社内の慣例があればそれに合わせる。

#面白いを実現しろ

Produce your IDEA.

イベント・撮影実務のテンプレートを、登録不要で配っています。