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法令

薬機法の広告規制
3要件・NG表現・罰則と「何人も」

結論から言うと、薬機法の広告規制は「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」を規制します。 第66条は「何人も」で始まるため、広告主だけでなく制作会社・代理店・インフルエンサーも条文の上で対象です。広告に当たるかは3要件で判断し、表現の中身は厚生労働省の「医薬品等適正広告基準」で確認します。この記事は、条文と厚生労働省の通知の原文を取得したうえで、制作の現場で使える形に整理します。

更新: 2026-11-01読了:約14分PRODUCER AGENT 編集部

結論

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)第66条第1項は、「何人も」、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならないと定めています。

出典: 医薬品医療機器等法 e-Gov法令検索、厚生労働省 医薬品等の広告の該当性について、医薬品等適正広告基準の改正について、同 解説及び留意事項等(いずれも2026年10〜11月取得)

1分でわかる:薬機法の広告規制の全体像

ルール中身根拠
広告に当たるか誘引の意図・商品名・一般人が認知できる状態の3つすべてを満たすと広告平成10年 医薬監第148号
虚偽・誇大の禁止名称・製造方法・効能・効果・性能について、明示でも暗示でも虚偽・誇大は不可。主語は何人も第66条第1項
医師などの保証医師その他の者が保証したと誤解されるおそれがある記事は、虚偽・誇大に当たる第66条第2項
特殊疾病用の医薬品一般人向けの広告方法を制限できる第67条
承認前の広告承認・認証前の医薬品・医療機器・再生医療等製品は広告できない。主語は何人も第68条
表現の物差し承認範囲を超える効能、保証、最大級、医薬関係者の推薦などを具体的に示す医薬品等適正広告基準(平成29年)
違反したら2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金(併科あり)。第66条第1項違反は課徴金4.5%第85条・第75条の5の2

Point

制作側の実務に置き換えると: ①商品名と効能を一緒に出すなら広告として扱う ②コピーは承認・届出の範囲内か ③保証・最大級・推薦・体験談に見えないか ④承認前なら名称も効能も出さない、の4点を毎回確認します。

「何人も」は、作る側も含む

第66条第1項と第68条は、どちらも「何人も」で始まります。広告主に限らず、広告を作る制作会社、扱う代理店、発信するインフルエンサーも、条文の文言の上では対象に含まれます。

ステマ規制(景品表示法)薬機法の広告規制
誰が対象か広告主(事業者)。依頼を受けたインフルエンサー等は対象外(消費者庁)何人も(第66条第1項・第68条)
何が問題か広告であることを隠すこと虚偽・誇大な内容、承認前の広告
直接の罰則なし(措置命令に違反すると罰則)あり(第85条)
課徴金対象外第66条第1項違反は対価合計額の4.5%

Point

「広告主のチェックを通ったから大丈夫」とは言えません。 第66条は表現の中身を規制しており、主語が「何人も」です。制作の段階で、効能・効果の表現を確認する工程を持ってください。

注意

ステマ規制の詳細はステマ規制とはにまとめています。PR表記をしていても、表現そのものが誇大であれば、薬機法の問題は別に残ります。

条文で何が規制されているか(第66〜68条)

対象の製品(第66条第1項)

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の5つです。規制されるのは、これらの名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する、虚偽または誇大な記事です。明示的か暗示的かを問いません。

医師などが保証したと誤解される表現(第66条第2項)

効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事は、第1項の虚偽・誇大な記事に該当するものとされます。白衣の人物に推薦させる、専門家のコメントのように見せる、といった演出は、この条文との関係で確認が必要です。

堕胎の暗示・わいせつな文書図画(第66条第3項)

医薬品等に関して、堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いることも禁止されています。罰則(第85条)の対象です。

特殊疾病用の医薬品(第67条)

がんその他の特殊疾病に使用される医薬品などで、厚生労働省令で指定されたものは、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法が制限されます。

承認前の広告の禁止(第68条)

何人も、まだ承認・認証を受けていない医薬品、医療機器、再生医療等製品について、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはなりません。発売前の先行告知や、展示会での予告を企画するときは、承認・認証の状況を必ず確認してください。

広告に当たる3要件と、場面ごとの考え方

厚生労働省の通知(平成10年9月29日 医薬監第148号)は、医薬品等の広告に当たるかどうかについて、次のいずれの要件も満たす場合に広告に該当すると判断しているとしています。

  1. 01顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
  2. 02特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
  3. 03一般人が認知できる状態であること

インターネットについては、厚生労働省の質疑応答集(平成26年5月22日 薬食監麻発0522第9号)が、次のような考え方を示しています。

場面通知・Q&Aの考え方制作側の受け止め
会員ログインが必要なページID・パスワードでログインを求めても、それだけで一般人が認知できる状態でなくなるわけではない(Q&A Q3)「会員限定だから広告ではない」とは扱わない
トップに商品名がないサイト別のページで3要件を満たしていれば、広告していると見なせる(Q&A Q2)カテゴリページ・商品ページまで含めて確認する
サイト内検索で初めて商品名が出る能動的に広告しているとはみなせず、原則として広告に該当するとはいえない。ただし他の医薬品等の購入を誘導する表示が出る場合は広告に該当(Q&A Q1)検索結果画面のおすすめ枠・関連商品の表示に注意
注意書きに同意しないと進めないページ未承認薬が表示されるなら広告に該当し、第68条違反で指導の対象(Q&A Q4)同意ボタンを挟んでも、承認前の製品は出さない
紹介・誘導サイト販売事業者と同一、または同一とみなせる場合などは広告に該当する可能性(Q&A Q5)アフィリエイト・比較サイトの制作も表現確認の対象にする

Point

3つすべてを満たすと「広告」です。 ブログやSNS、イベントの配布物は「一般人が認知できる状態」になりやすい媒体です。商品名と効能を一緒に出す企画は、広告に当たる前提で表現を確認してください。

注意

この通知は、医薬品等の広告の監視指導を「薬事法第66条から第68条までの規定に基づき実施している」としています。薬事法は、現在の薬機法の旧名称です。企業が依頼したSNS投稿では、広告であることの表記も別に問題になります(ステマ規制)。

医薬品等適正広告基準:表現を判断する物差し

厚生労働省の「医薬品等適正広告基準」(平成29年9月29日 薬生発0929第4号で全面改正)は、医薬品等の広告が虚偽、誇大にわたらないようにするとともにその適正を図ることを目的とした基準です。対象は新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体の広告です。

解説通知は、基準の第4の1〜3(名称、製造方法、効能効果・性能・安全性)が第66条第1項の解釈を示したものであり、第4の4以降は消費者の使用を誤らせる、乱用を助長させる、信用を損なうことがないよう遵守すべき事項だとしています。また、違反に当たるかは事例や文面だけで形式的に判断せず、媒体の性質や広告全体の構成・文脈などを総合的に考慮するとしています。

基準の項目要点(制作側の言葉で)
第4の1 名称承認・届出された名称(または一般的名称)以外を使わない
第4の2 製造方法実際と違う製造方法や、優秀性を誤認させる表現をしない
第4の3 効能効果・安全性承認等の範囲を超えない。化粧品は「化粧品の効能の範囲」の通知の範囲を超えない。保証・最大級・速効性の誇張をしない
第4の4 過量消費・乱用助長飲みすぎ・使いすぎを促す広告をしない
第4の5 医療用医薬品医師等の処方・指示で使う医薬品は、一般人向けに広告しない
第4の6 一般向けの効能表現医師の診断・治療によらなければ治癒が期待できない疾患を、それなしで治せるように表現しない
第4の8 使用上の注意注意を特に喚起する必要がある製品は、注意事項または留意すべき旨を付記・付言する
第4の9 他社誹謗他社製品を誹謗する広告をしない
第4の10 医薬関係者等の推薦医薬関係者、理容師、美容師、病院、学会などが推薦・公認している等の広告をしない
第4の11 懸賞・賞品射こう心をあおる過剰な懸賞をしない。医薬品を懸賞・賞品にしない(家庭薬の見本程度は除く)
第4の12 不快・不安不快、迷惑、不安、恐怖を与える表現をしない。広告メールは連絡先・件名の広告表示・配信停止方法が必要
第4の13 番組・映画提供番組等で出演者が特定製品の効能などに言及・暗示しない
第4の14 用法の強調医薬品の化粧品的・食品的用法、医療機器の美容器具的・健康器具的用法を強調しない

注意

第4の7(習慣性医薬品の付記)は医療用医薬品の広告に関する項目のため、表では省略しています。基準は行政の監視指導の物差しで、最終的な判断は個別の広告ごとに行われます。

NG表現と書き換えの方向(例文)

下の表は、基準の解説通知が「認められない」としている表現の型を、制作の現場で出てきやすいコピーに当てはめたものです。右列はそのまま使えるOK例ではなく、書き換えの方向です。書き換え後も、承認・届出の範囲内であることの確認が前提です。

表現の型見直すコピーの例書き換えの方向根拠(解説通知)
保証「飲めば必ず治る」「根治」「副作用の心配はありません」承認された効能効果をそのまま書く。確実さ・安全の保証をしない第4の3(5)
最大級「最高のききめ」「胃腸薬のエース」「売上No.1」最大級をやめ、製品の特徴を事実で書く(No.1表記の例外は下の注)第4の3(6)
速効・持続「すぐ効く」「1回で3日続く」時間を約束しない。承認された用法用量の説明にとどめる第4の3(7)
強調キャッチで大きく「よくきく○○」「よくききます」「すぐれたききめ」を見出し・大きな文字・強い発音で使わない第4の3(5)
安全性「副作用が少ない」「刺激が少ない」「絶対安全」安全性を売りにしない。低刺激性などは立証があり安全性を強調しない場合に限る第4の3(5)・(6)
体験談「私もこれで良くなりました」「愛用者の感謝の声」体験談で効能を語らない。目薬・外皮用剤・化粧品等の使用感の説明、タレントの単なる製品説明は例外第4の3(5)
写真・図使用前・使用後の比較写真、炎症が消えるアニメ承認外の効能、効く時間、安全を想起させる画にしない第4の3(5)
臨床データ一般向け広告に試験結果のグラフを大きく掲載一般向けでは臨床データや実験例の例示は原則行わない第4の3(5)
推薦「皮膚科医が推薦」「〇〇学会公認」「厚生労働省認可」推薦・公認の表現を外す。事実でない推薦は第66条第2項の問題第4の10
新しさ発売から長く経っても「新発売」「新発売」「新しい」は発売後12ヵ月間が目安第4の3(6)

注意

「売上No.1」が認められない例として挙げられている箇所には、新指定医薬部外品以外の医薬部外品と化粧品を除くという注記があります。その場合も、景品表示法など別の規制の確認は必要です。

製品の種類ごとに見るポイント

製品見直すコピーの例確認すること
一般用医薬品「この1錠で頭痛から解放」承認された効能効果・用法用量の範囲か。速効・保証になっていないか
医療用医薬品患者向けサイトで製品名と効能を紹介一般人向けの広告は不可(基準第4の5)。疾患啓発と製品広告を分ける
医薬部外品「薬用」で「肌荒れが治る」承認された効能効果の範囲か。治療をうたっていないか
化粧品「シミが消える」「肌が若返る」化粧品の効能の範囲(平成23年の局長通知)を超えていないか。範囲の原文で照合する
医療機器家庭用治療器で「安全です、安心してお使いください」漠然とした安全性の表現は抵触(解説通知の医療機器の項)。承認・認証の範囲か

健康食品・雑貨は対象外か

第66条の対象は医薬品等の5つで、食品や雑貨は列挙されていません。ただし、法第2条第1項は「医薬品」を、日本薬局方に収められている物のほか、人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物や、人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物(機械器具等や医薬部外品などを除く)と定めています。

Point

食品や雑貨の広告で「治る」「予防する」「体の機能を変える」と書くと、医薬品の定義との関係が問題になる余地があります。 どこからが医薬品に当たるかは個別の判断になり、この記事ではその判断基準までは扱っていません。健康食品・サプリメント・美容雑貨の案件は、都道府県の薬務担当課や専門家に確認してください。

違反すると何が起きるか(罰則・課徴金)

内容条文
罰則二年以下の拘禁刑若しくは二百万円以下の罰金、又は併科。第66条第1項・第3項、第68条の違反第85条
法人への罰金行為者を罰するほか、法人にも罰金刑(第85条の罰金)第90条
課徴金第66条第1項の違反に対し、対象期間の対価の額の合計額の百分の四・五第75条の5の2第1項
課徴金がかからない場合計算した額が二百二十五万円未満なら命じることができない第75条の5の2第4項

Point

薬機法は、措置命令を挟まずに直接の罰則があります。 ステマ規制(措置命令に違反して初めて罰則)とは順番が違います。

制作の流れに組み込む確認手順

  1. 01

    企画:製品区分と承認状況を確定する

    医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品のどれか、承認・認証・届出は済んでいるかを広告主から書面でもらう。承認前なら名称も効能も出さない。

  2. 02

    コピー:承認書・届出の文言と突き合わせる

    効能効果・用法用量の表現を、承認書や届出の範囲と1行ずつ照合する。化粧品は効能の範囲の通知と照合する。

  3. 03

    ビジュアル:写真・図・アニメを確認する

    使用前後の比較、患部が消える演出、浸透シーンが効能や安全の保証に見えないかを見る。

  4. 04

    出演者:推薦・体験談に見えないか

    白衣の人物、医師・美容師のコメント、愛用者の声が、推薦や体験談として効能を語っていないかを確認する。

  5. 05

    SNS・インフルエンサー:投稿文を事前に確認する

    投稿文の効能表現と、ステマ規制の広告表記を両方確認する。勝手な言い回しの追加がないよう、確認済みの文言を渡す。

  6. 06

    記録:誰が、どの版を、いつ確認したか残す

    確認した版、確認者、日付、根拠にした条文・基準の項目を残す。修正の経緯もあわせて保存する。

公開前チェックリストと確認シート

  • 製品が5つのどれに当たるか——医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品(食品・雑貨なら治療・予防をうたっていないか)
  • 承認・認証は済んでいるか——済んでいなければ、効能や名称を出す告知はできない(第68条)
  • 効能・効果の表現は承認の範囲か——明示的でも暗示的でも、誇大なら第66条
  • 保証・最大級・速効の表現がないか——「必ず」「最高」「すぐ」「No.1」
  • 安全性を売りにしていないか——「副作用が少ない」「絶対安全」
  • 医師や専門家の推薦、公的機関の認可に見えないか——第66条第2項、基準第4の10
  • 体験談・使用前後の写真で効能を語っていないか
  • 会員限定ページ、比較サイト、検索結果のおすすめ枠も確認したか
  • インフルエンサーの投稿文を、誰が確認するか決めたか——「何人も」なので、発信する側の表現も対象
  • 確認の記録を残したか——誰が、どの版を、いつ確認したか

確認シートは、次の列で作ると漏れが減ります。

列書く内容(例)
媒体・掲載面LP本文/SNS投稿(インフルエンサーA)/展示会パネル
該当箇所見出しコピー、画像内の文字、ナレーション
表現実際の文言をそのまま貼る
照合した根拠承認書の効能効果欄、第66条第2項、基準第4の10 など
判定と修正案要修正→修正後の文言
確認者・日付・版制作担当・広告主担当それぞれ

注意

表現のチェックを外部に依頼する場合も、制作会社としての確認工程は持っておいてください。発注や業務委託の注意点は制作会社・フリーランスへの発注と下請法にあります。

よくある失敗

  • 「PR表記を付けたから問題ない」——表記はステマ規制の話。効能の誇大は薬機法で別に問われる。
  • 「広告主が言ったコピーだから」——第66条は「何人も」。制作側も条文の上では対象。
  • 「会員限定ページだから広告ではない」——ログインを求めても、それだけで広告に当たらなくなるわけではない(Q&A Q3)。
  • 「商品名を伏せた体験談だから大丈夫」——同じページやリンク先で商品名が分かれば、全体で3要件を見られる。
  • 「発売前のティザーで効能だけ出す」——承認前の製品の名称や効能の広告は第68条。
  • 「本文は直したが画像の文字が残った」——画像内のテキスト、動画のテロップ、ナレーションも確認対象。

この記事の要点

  • 薬機法第66条第1項は「何人も」。 広告主だけでなく、制作会社・代理店・発信者も条文の上で対象に含まれる。
  • 広告に当たる3要件は、誘引の意図・商品名・一般人が認知できる状態(平成10年 医薬監第148号)。会員限定ページでも広告に当たりうる。
  • 表現の物差しは医薬品等適正広告基準。 承認範囲超え、保証、最大級、速効、推薦、体験談、使用前後の写真が典型的な見直し対象。
  • 医師などが保証したと誤解される表現も誇大に当たる(第66条第2項)。承認前の広告は禁止(第68条)。
  • 直接の罰則は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金(併科あり)。課徴金は対価合計額の4.5%(225万円未満は命じない)。

FAQ

よくある質問

01薬機法の広告の3要件とは何ですか?

厚生労働省の通知(平成10年9月29日 医薬監第148号)が示しているもので、①顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること、②特定医薬品等の商品名が明らかにされていること、③一般人が認知できる状態であること、のいずれの要件も満たす場合に広告に該当すると判断するとしています。

02薬機法の広告規制は、広告主だけが対象ですか?

条文の上ではそうではありません。第66条第1項は「何人も」、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならないと定めています。第68条の承認前の広告の禁止も「何人も」です。制作会社、代理店、インフルエンサーも含まれます。

03一般人のSNS投稿も、薬機法の広告規制の対象になりますか?

第66条は「何人も」として、広告主に限らず誰でも対象にしています。投稿が広告に当たるかどうかは3要件で判断するとした通知があり、3つすべてを満たす場合は広告として扱われえます。また医薬品等適正広告基準は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを含むすべての媒体の広告を対象としています。企業が依頼して投稿してもらう場合は、表現の確認とあわせてステマ規制の表記も確認してください。

04医薬品等適正広告基準とは何ですか?

医薬品等の広告が虚偽、誇大にわたらないようにし、その適正を図ることを目的とした厚生労働省の基準です。平成29年9月29日の局長通知で全面改正されました。名称、製造方法、効能効果・安全性、医療用医薬品の広告の制限、医薬関係者等の推薦、懸賞・賞品などの項目があり、解説通知に具体的な表現の考え方が示されています。

05「No.1」「最高」と書いてもよいですか?

基準は、効能効果等または安全性について最大級の表現やこれに類する表現を禁じています。解説通知は「最高のききめ」「売上げNo.1」などを認められない例として挙げています。売上No.1の例には、新指定医薬部外品以外の医薬部外品と化粧品を除くという注記がありますが、その場合も景品表示法など別の規制の確認が必要です。

06体験談や口コミを広告に使えますか?

解説通知は、愛用者の感謝の言葉や「私も使っています」のような使用経験・体験談的広告は、客観的裏付けとはなりえないとして、原則として行ってはならないとしています。例外は、目薬・外皮用剤・化粧品等の広告で使用感を説明する場合と、タレントが単に製品の説明や呈示を行う場合で、いずれも過度な表現や保証的な表現にならないよう注意が必要です。

07使用前・使用後の写真は使えますか?

解説通知は、使用前・後にかかわらず、図面や写真で承認等外の効能効果を想起させるもの、効果が出るまでの時間や持続時間の保証になるもの、安全性の保証になるものは認められないとしています。写真や図を使うときは、この3点に当たらないかを確認してください。

08医師に推薦してもらう広告は問題がありますか?

第66条第2項は、医師その他の者が効能などを保証したものと誤解されるおそれがある記事を、虚偽・誇大な記事に該当するものとしています。さらに医薬品等適正広告基準は、医薬関係者、理容師、美容師、病院、学会などが推薦・公認している等の広告を行ってはならないとし、解説通知は事実であっても不適当とする趣旨だと説明しています。

09発売前の医療機器を展示会で紹介できますか?

承認や認証の状況を確認してください。第68条は、何人も、まだ承認又は認証を受けていない医薬品、医療機器、再生医療等製品について、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならないと定めています。

10健康食品の広告には薬機法は関係ありませんか?

第66条が列挙する対象に食品は入っていません。ただし法第2条第1項は、疾病の診断・治療・予防に使用されることが目的とされている物や、身体の構造・機能に影響を及ぼすことが目的とされている物を医薬品と定義しています。食品の広告で治療や予防をうたうと、この定義との関係が問題になる余地があるため、都道府県の薬務担当課や専門家に確認してください。

11薬機法の広告違反の罰則はどうなっていますか?

第85条により、第66条第1項・第3項や第68条に違反した者は、2年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金に処され、又は併科されます。第90条により法人にも罰金刑が科されます。さらに第66条第1項の違反には、第75条の5の2により対価の額の合計額の4.5%の課徴金が課されます(計算した額が225万円未満なら命じることができません)。

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