撮影の実務
撮影立ち会いの役割とマナー
広告主の服装・持ち物・確認事項
広告の撮影に初めて立ち会う担当者が戸惑うのは、「自分はいつ、何を言えばいいのか」です。立ち会いは見学ではなく、その場で OK を出したり、直してほしい点を伝えたりする役目です。一方で、意見の伝え方を間違えると現場が混乱します。このページでは、撮影に立ち会う広告主・代理店・デザイナー向けに、準備から当日の振る舞い、確認することまでをまとめました。
結論
撮影の立ち会いとは、広告主や代理店、デザイナーなどが撮影現場に同席し、撮れた映像や写真を確かめて判断することです。表記は「立ち会い」が一般的で、「立ち合い」と書かれることもあります(「立ち合い」は相撲などで向かい合って立つ意味に使う表記とされます)。
立ち会う人の役割
| 立ち会う人 | 主な役割 |
|---|---|
| 広告主の担当者 | 商品の見え方、表現、ブランドの決まりの確認。撮れたものに OK を出す |
| 広告主の決裁者 | 大きな判断(差し替えや追加の撮影)をその場で決める |
| 代理店 | 広告主の意見をまとめ、制作側に伝える。企画の意図からずれていないかの確認 |
| デザイナー | 印刷物やバナーに使う写真のレイアウト・余白・トリミングの確認 |
Point
現場で意見を伝える人は、一人に決めておいてください。 立ち会う人がそれぞれ監督や出演者に話しかけると、指示が食い違い、時間が押します。広告主側の意見は代表者がまとめ、監督やプロデューサーに伝えるのが一般的な作法とされます。
立ち会う前にすること
- 01
- 02
その場で決めてよい範囲を確かめる
現場で出た変更の案を、自分の判断で了承してよいか、社内に持ち帰る必要があるかを、上司や決裁者と事前に決めておきます。
- 03
商品や小道具を準備する
広告主が用意する商品は、傷や汚れのない予備も含めて持っていきます。パッケージの最新版かも確かめます。
- 04
入り時間と場所を確かめる
スタジオやロケ地の入口、受付での名乗り方、駐車場の有無を制作側に確かめます。
服装と持ち物
服装
- 動きやすく、汚れても困らない服。スタジオは床にケーブルが多く、ロケは長く立つことが多い
- 歩きやすく、音が鳴りにくい靴
- ガラスや光る物に映り込まないよう、落ち着いた色の服が無難とされることがある
- 屋外のロケでは、寒さ・暑さ・雨に備えた上着や帽子
- 取引先として名刺を渡す場面もあるため、会社の基準に合わせた清潔感のある服
式典やセミナーとは基準が違います。ほかの場面の服装はセミナー・展示会の服装も参考にしてください。
持ち物
- 絵コンテ、香盤表、PPM資料(印刷か端末)
- 商品と予備、パッケージの最新版
- ブランドの決まり(ロゴの使い方、色の指定)をまとめたもの
- 名刺
- 筆記具とメモ(意見を書き留めて、まとめて伝えるため)
- モバイルバッテリー、飲み物
- 社内の決裁者の連絡先
現場での振る舞いと確認すること
振る舞い
- 撮れた画は、制作側が用意するモニターの前で確かめる
- 本番中は話さず、携帯電話は音が鳴らないようにする
- 出演者に直接演技の指示をしない。気になる点は監督やプロデューサーに伝える
- 意見はカットの合間に、まとめて伝える。テイクのたびに細かく言わない
- 撮影現場の写真や公開前の情報を、個人のSNSに載せない
- 差し替えや追加の撮影を頼むときは、時間と費用に響くかをその場で確かめる
モニターで確認すること
- 商品のロゴ・パッケージの向きと見え方、汚れや傷
- 商品名や表記に誤りがない、古いパッケージが映っていない
- 他社のロゴや、映ってはいけないものが映り込んでいない
- 出演者の衣装や小道具が、競合の商品を思わせない
- テロップや文字を入れる余白がある
- 縦型・横型など、使う予定の比率の素材が撮れている
- 念のための別の撮り方(押さえ)が撮れている
撮影のあとにすること
- 01当日に出た宿題(差し替えの検討、追加の素材など)を、期限つきで制作側と共有する
- 02社内の決裁者に、撮れたものと変更点を報告する
- 03制作会社や協力先にお礼を伝える(撮影のお礼メール例文)
- 04編集の確認の日程を確かめ、社内の確認者の予定を押さえる
この記事の要点
- 撮影の立ち会いは見学ではなく、その場で判断する役目。
- 現場で意見を伝える人は一人に決め、監督やプロデューサーに伝える。
- 事前にその場で決めてよい範囲を社内で確かめておく。
- 服装は動きやすく、映り込みにくい落ち着いた色が無難とされる。
- モニターでは商品の見え方・表記・映り込み・比率・押さえを確かめる。
FAQ
よくある質問
撮れた映像や写真をモニターで確かめ、商品の見え方や表現に問題がないかを判断し、OK を出したり直してほしい点を伝えたりします。意見は代表者がまとめて、監督やプロデューサーに伝えるのが一般的です。
動きやすく、汚れても困らない服と、歩きやすく音の鳴りにくい靴が向いています。映り込みを避けるため落ち着いた色が無難とされることもあります。屋外のロケでは寒さや暑さ、雨への備えも必要です。
撮影や工事などに同席して確かめる意味では「立ち会い」と書くのが一般的です。「立ち合い」と書かれることもあります。社内の表記の決まりがあれば、それに合わせてください。
演技や動きについての指示は、監督やディレクターを通して伝えるのが基本です。立ち会う人が直接指示すると、監督の演出と食い違って現場が混乱することがあります。挨拶やお礼を伝えるのは差し支えないことが多いですが、本番の合間など相手の手が空いているときを選びます。