挨拶
開式の辞 例文
閉式の辞と対で。入社式・竣工式・表彰式・周年式典ほか
開式の辞は「ただいまより、◯◯式を挙行いたします」の一文で足ります。閉式の辞は「以上をもちまして、◯◯式を閉式いたします」。長さはそれぞれ十数秒です。そのまま読める基本形は次の二つです。
開式の辞:「ただいまより、◯◯年度 株式会社◯◯ 入社式を挙行いたします。」
閉式の辞:「以上をもちまして、◯◯年度 株式会社◯◯ 入社式を閉式いたします。」
このページでは、穴埋めテンプレートと、入社式・内定式・竣工式・起工式・表彰式・周年式典・就任披露・学校の式・お別れの会の例文を開式と閉式の対で載せています。起立・礼の号令の入れ方、司会が読む場合と役員が読む場合の違い、よくある失敗もまとめました。会議や総会の始まりの言葉は開会の言葉・開会の挨拶 例文、会合の終わりの言葉は閉会の言葉・閉会の挨拶 例文にあります。
結論
開式の辞(かいしきのじ)は式典の開始を、閉式の辞(へいしきのじ)は式典の終わりを告げる言葉で、式次第では最初と最後の項目に置かれます。「開式の言葉」「閉式の言葉」と書く式次第もあり、中身は同じです。式典でも「開会の辞」「閉会の辞」と書く例があり、表記は主催者の慣例によって違います。
すぐ使える基本形と穴埋めテンプレート
式の名前を入れ替えるだけで使える形です。式の名前は案内状・式次第と同じ正式名称にします。
| 言い方 | 開式の辞 | 閉式の辞 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 改まった形 | ただいまより、◯◯式を挙行いたします | 以上をもちまして、◯◯式を閉式いたします | 周年式典・竣工式・入社式など来賓のいる式 |
| 標準の形 | ただいまより、◯◯式を開式いたします | 以上をもちまして、◯◯式を閉式いたします | 社内表彰式・内定式など社内中心の式 |
| やわらかい形 | これより、◯◯式を始めます | これをもちまして、◯◯式を終わります | 学校・地域・社内の小さな式 |
号令と案内まで入れた、司会台本用の穴埋めテンプレートです。不要な行は消して使います。
【開式】
(司会)皆さま、お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより、[年度・回][主催者名][式の正式名称]を挙行いたします。
(ト書き:起立の号令を入れる場合)一同、ご起立ください。――礼。――ご着席ください。
(司会)本日の司会を務めます、[部署]の[氏名]です。どうぞよろしくお願いいたします。
【閉式】
(司会)以上をもちまして、[年度・回][主催者名][式の正式名称]を閉式いたします。(一同、ご起立ください。――礼。)
本日は、誠にありがとうございました。[このあとの案内:記念撮影・祝賀会会場・退場の順番]
Point
開式で「挙行いたします」「開式いたします」と言ったら、閉式は「閉式いたします」。始めと終わりの言葉を対にすると台本が揃います。式次第の項目名も「開式の辞」と「閉式の辞」、または「開式の言葉」と「閉式の言葉」のように揃えます。
式次第の中での位置と、話す順番
企業の式典では、開式の辞と閉式の辞が式次第の両端に置かれます。間に入る項目は式ごとに違うので、下は一例です。
| 順番 | 項目 | 話す人の例 |
|---|---|---|
| ① | 開式の辞 | 司会、または役員(副社長・式典委員長など) |
| ② | 式辞・主催者挨拶 | 社長 |
| ③ | 来賓祝辞・祝電披露(ある場合) | 来賓/司会 |
| ④ | 式の中心となる項目 | 辞令交付、表彰、神事、記念品贈呈など |
| ⑤ | 謝辞・答辞(ある場合) | 受賞者代表・新入社員代表など |
| ⑥ | 閉式の辞 | 司会、または役員 |
| 項目 | 役割 | 長さの目安 | 中身 |
|---|---|---|---|
| 開式の辞・閉式の辞 | 式の始まり・終わりを告げる | 十数秒 | 一文+必要なら号令と案内 |
| 式辞 | 主催者の代表が式の趣旨や思いを述べる | 数分 | お礼、式の目的、今後への思い |
| 開会の挨拶 | 会合や懇親会の冒頭で、お礼と会の目的を述べる | 1分前後 | お礼、会の目的、楽しんでほしいというひと言 |
開式の辞は短い宣言で、社長などが趣旨を述べる「式辞」とは別の項目です。懇親会や忘年会の冒頭で述べる「開会の挨拶」とも役割が違います。式辞や祝辞の組み立ては祝辞・謝辞の書き方と例文、式次第全体の組み方は式次第の作り方を参照してください。
式典別の例文(開式と閉式の対)
入社式(司会が読む)
開式:皆さま、お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより、◯◯年度 株式会社◯◯ 入社式を挙行いたします。一同、ご起立ください。礼。ご着席ください。
閉式:以上をもちまして、◯◯年度 株式会社◯◯ 入社式を閉式いたします。新入社員の皆さんは、係の案内に従って、このまま会場にお残りください。
注意
社長や新入社員代表の挨拶は入社式の挨拶 例文にあります。
内定式(人事担当の司会が読む)
開式:内定者の皆さん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまより、株式会社◯◯ ◯◯年度入社 内定式を開式いたします。
閉式:以上をもちまして、株式会社◯◯ 内定式を閉式いたします。このあと、隣の会議室で懇親会を行います。荷物はそのままで結構ですので、係の案内に従ってご移動ください。
竣工式(施主側の司会が読む)
開式:皆さま、本日はご多用のところ、◯◯ビル竣工式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。ただいまより、◯◯ビル竣工式を挙行いたします。
閉式:以上をもちまして、◯◯ビル竣工式を閉式いたします。ご臨席いただきました皆さま、誠にありがとうございました。引き続き、◯階にて祝賀会を催しますので、係の案内に従ってご移動ください。
神事を伴う式では、神事の部分を神職が進め、その前後を施主側の司会が進めるなど、分担が式によって違います。開式・閉式を誰が告げるかは、神社や施工会社と事前に確認してください。流れは落成式・竣工式とは、挨拶は竣工式の挨拶 例文にあります。
起工式(施主側の司会が読む)
開式:ただいまより、(仮称)◯◯工場新築工事 起工式を挙行いたします。皆さま、ご起立をお願いいたします。
閉式:以上をもちまして、(仮称)◯◯工場新築工事 起工式を閉式いたします。お帰りの際は、足元にお気をつけください。
注意
神事を伴う場合は、開式・閉式を神職が告げることもあるので、竣工式と同じく神社や施工会社と事前に確認します。起工式の流れは起工式・地鎮祭の進め方にあります。屋外の式は、閉式のあとの足元や駐車場の案内まで台本に入れておきます。
社内表彰式(司会が読む)
開式:ただいまより、◯◯年度 社長賞表彰式を開式いたします。本日の司会を務めます、総務部の◯◯です。どうぞよろしくお願いいたします。
閉式:以上をもちまして、◯◯年度 社長賞表彰式を閉式いたします。受賞された皆さん、おめでとうございます。受賞者の皆さんは記念撮影がございますので、前方にお集まりください。
注意
進行全体は表彰式の式次第・司会台本、挨拶は表彰式の挨拶 例文にあります。
周年記念式典(役員が登壇して読む)
開式:(司会)開式の辞。副社長 ◯◯よりお願いいたします。
(副社長)ただいまより、株式会社◯◯ 創立◯周年記念式典を挙行いたします。
閉式:(司会)閉式の辞。専務取締役 ◯◯よりお願いいたします。
(専務)以上をもちまして、株式会社◯◯ 創立◯周年記念式典を閉式いたします。本日は、誠にありがとうございました。
役員が読む場合も中身は一文です。登壇したら一礼し、読み終えたら一礼して降壇する形がよく見られます。社外の来賓がいる場では、司会は自社の役員に「さん」「様」を付けずに紹介します。社長の挨拶は周年の挨拶にあります。
社長就任披露・就任式(司会が読む)
開式:皆さま、本日はご多用のところお越しいただき、誠にありがとうございます。ただいまより、株式会社◯◯ 代表取締役社長 就任披露式を挙行いたします。
閉式:以上をもちまして、代表取締役社長 就任披露式を閉式いたします。引き続き、ささやかではございますが、懇親の席をご用意しております。どうぞごゆっくりお過ごしください。
注意
新社長の挨拶は就任の挨拶 例文、披露パーティーの挨拶は就任披露パーティーの挨拶にあります。
学校・地域・団体の式(教職員や役員が読む)
開式(卒業式など):ただいまより、◯◯年度 ◯◯市立◯◯小学校 卒業証書授与式を挙行いたします。
閉式:以上をもちまして、◯◯年度 卒業証書授与式を閉式いたします。卒業生が退場いたします。拍手でお送りください。
開式(自治会・団体の周年式典):これより、◯◯町内会 創立◯周年記念式典を始めます。皆さま、ご起立ください。礼。ご着席ください。
閉式:これをもちまして、◯◯町内会 創立◯周年記念式典を終わります。ご参列の皆さま、ありがとうございました。
学校の式で誰が開式の辞を述べるかは、学校ごとに決まっています。前年の式次第と台本を引き継いで確認するのが確実です。
お別れの会・社葬(司会が読む)
開式:ただいまより、株式会社◯◯ 元代表取締役会長 故 ◯◯◯◯ お別れの会を執り行います。
閉式:以上をもちまして、故 ◯◯◯◯ お別れの会を閉式いたします。本日はご参列いただき、誠にありがとうございました。
弔事では「挙行」より「執り行います」「開式いたします」が使われます。祝いの言葉や「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉は、気にする人がいるので入れません。社葬での挨拶は社葬の挨拶 例文にあります。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 開式の辞の中でお礼や趣旨を長く述べる | 直後の式辞と内容が重なり、式辞が言いにくくなる | 開式の辞は一文。趣旨は式辞に任せる |
| 式の名前を略す・言い間違える(「周年式」など) | 案内状や看板と違い、来賓に不正確な印象を与える | 式次第の正式名称を台本にそのまま書き、読み上げる |
| 式次第は「開式の辞」なのに「開会いたします」と言う | 誤りではないが、閉式の言葉と揃わず台本がちぐはぐになる | 「開式いたします」「挙行いたします」と揃える |
| 閉式の辞を「これで終わります」で済ませる(来賓のいる式で) | 式典の締めとしてはくだけた響きになる | 「以上をもちまして、◯◯式を閉式いたします」 |
| 「開式させていただきます」と言う | 許可を得る相手がいない場面では、回りくどく聞こえる | 「開式いたします」で十分に丁寧 |
| 起立の号令のあと、着席の号令を忘れる | 参列者が立ったまま次の項目に進む | 台本に「礼」「ご着席ください」までト書きで書く |
| 閉式のあとの案内がない | 参列者が動けず、来賓の退場や記念撮影が遅れる | 閉式の辞の直後に、次の動きを一言で案内する |
| 竣工式で「火」「燃える」「倒れる」「崩れる」「傾く」などを使う | 新築や建物の行事では、縁起を気にする人がいる | 言い換える。迷ったら施主側に確認する |
忌み言葉を気にするかどうかは、地域や宗教、施主の考え方によって違います。全員が気にするわけではありませんが、開式・閉式の辞は短いので、迷う言葉は入れないのが無難です。
当日までに確認すること(チェックリスト)
- 誰が読むか(司会か、役員か)を式次第に書いた
- 式の正式名称(年度・回・主催者名)を案内状と照らし合わせた
- 開式と閉式の言葉を対にした(挙行・開式/閉式)
- 起立・礼の号令を入れるか、誰が号令をかけるかを決めた
- 来賓の入場が終わってから開式する段取りにした
- 閉式の前に来賓の退場を先にするか、閉式のあとにするかを決めた
- 開式の時刻を守る。遅れる来賓がいる場合の待ち方は、主催者が決めておく
- 閉式のあとの案内(記念撮影・祝賀会への移動・退場の順番)を一言用意した
- 原稿を声に出して読み、十数秒に収まるかを測った
- 01
前週:台本に書く
式次第の正式名称、号令、案内の文言を台本に入れ、読む人に渡す。
- 02
前日:リハーサル
登壇の位置、礼のタイミング、マイクの高さを式場の担当者と確かめる。
- 03
当日:開式前
来賓の着席と時刻を確認し、司会と読む人が目で合図できる位置に立つ。
- 04
当日:閉式後
来賓の退場や記念撮影の案内を続け、次の会場への移動を促す。
国旗・社旗の扱いや礼の仕方は会社や式場で違うので、リハーサルで式場の担当者と確認してください。服装は式典・表彰式の服装、作法は式典の作法、開始前の諸注意や閉式後のアナウンスは式典のアナウンス 例文、司会台本全体はイベント司会台本の例文にあります。
この記事の要点
- 開式の辞は「ただいまより、◯◯式を挙行いたします(開式いたします)」の一文。
- 閉式の辞は「以上をもちまして、◯◯式を閉式いたします」の一文。開式と言葉を対にする。
- 式の名前は案内状・式次第と同じ正式名称で読む。
- 司会が読む式と、役員が登壇して読む式がある。誰が読むか、号令を入れるかは式次第と台本に書く。
- お礼や趣旨は式辞に任せる。閉式のあとは次の動きを一言で案内する。
FAQ
よくある質問
「かいしきのじ」と読みます。閉式の辞は「へいしきのじ」です。
司会がそのまま読む式と、副社長や式典の委員長などの役員が登壇して読む式があります。決まりはないので、式次第で誰が読むかを決め、司会台本にも書いておきます。
役割は同じで、始まりを告げる言葉です。式典では「開式の辞」、会議や大会では「開会の辞」と書く例が多く見られますが、式典でも「開会の辞」と書く主催者があります。閉じるほうの言葉と揃えておけば、どちらでもかまいません。
どちらも式典の開始に使います。「挙行いたします」のほうが改まった響きがあり、周年式典や竣工式など来賓のいる式で使いやすい言い方です。弔事では「執り行います」を使います。閉式ではどれも「閉式いたします」で受けます。
どちらも使えます。「ただいまより」のほうが改まった響きがあるので、来賓のいる式では「ただいまより」、社内や学校の小さな式では「これより」でも自然です。
開式の辞は式の始まりを告げる一文、式辞は社長など主催者の代表が式の趣旨や思いを述べる挨拶です。式次第では別の項目として並べます。
「本日は、誠にありがとうございました」と一言添えるのは自然です。そのあとに記念撮影や祝賀会への移動の案内を続けます。
必須ではありません。入れる式もあれば、入れない式もあります。入れる場合は、誰が号令をかけるかを決め、「礼」「ご着席ください」まで台本にト書きで書いておきます。
かまいません。一文でも式の正式名称を言い間違えないよう、台本や紙を手元に置いて読む人が多くいます。読み終えたら顔を上げ、一礼してから下がります。