挨拶
竣工式の挨拶 例文
施主・施工者・設計者・来賓・乾杯
竣工式の挨拶は、話す立場で入れる中身が決まります。施主は「工事に関わった人と近隣への感謝」と「この建物で何をするか」、施工者は「お祝い」と「工事を任せてもらったお礼」、来賓は「祝意」と「建物への期待」。このページでは、そのまま読める1分の短い挨拶と、経緯や建物の特徴まで入れた正式な挨拶を、立場ごとに並べました。式そのものの進め方は竣工式・落成式の進め方にまとめています。
結論
竣工式の挨拶は、施主=感謝・経緯・建物の役割・抱負、施工者・設計者=お祝い・お礼・無事の完成・発展の祈念、来賓=祝意・建物への期待・発展の祈念で組み立てます。長さは施主が3分ほどまで、ほかの立場は1〜2分を目安にし、話す順番は式次第に従います。
まず使える短い挨拶(1分版)
時間が短い式、挨拶を急に頼まれた場合は、次の短い形で十分に礼を尽くせます。◯◯の部分を差し替えてください。
施主の短い挨拶
本日はお忙しいなか、◯◯の竣工式にお越しいただき、誠にありがとうございます。設計・施工を担当された皆さま、工事中にご理解をいただいた近隣の皆さまのおかげで、無事にこの日を迎えることができました。この建物で◯◯に取り組み、地域のお役に立てるよう努めてまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。
施工者の短い挨拶
施工を担当いたしました◯◯建設の◯◯でございます。本日はご竣工、誠におめでとうございます。大切な建物の工事をお任せいただき、ありがとうございました。皆さまのご協力により、無事に完成の日を迎えられましたことに御礼申し上げます。◯◯様のますますのご発展をお祈りいたします。
来賓の短い祝辞
◯◯様、本日はご竣工、誠におめでとうございます。新しい建物が、◯◯の新たな拠点として大いに活用されますことを期待しております。◯◯様のますますのご発展と、皆さまのご健勝をお祈りいたしまして、お祝いの言葉といたします。
立場ごとに入れる要素と長さ
| 立場 | 入れる要素(この順で) | 長さの目安 |
|---|---|---|
| 施主 | 出席へのお礼 → 無事竣工の報告と関係者・近隣への感謝 → 建てた経緯 → 建物の特徴と役割 → 抱負 → 今後の支援のお願い | 3分ほどまで |
| 施工者 | お祝い → 名乗り → 工事を任せてもらったお礼 → 工事中の協力への感謝 → 無事の完成 → 発展の祈念 | 1〜2分 |
| 設計者 | お祝い → 名乗り → 設計で大切にしたこと → 施主・施工者への感謝 → 発展の祈念 | 1〜2分 |
| 来賓・取引先 | 名乗りと立場 → お祝い → 施主の歩みや建物への感想 → 建物への期待 → 発展と健勝の祈念 | 1〜2分 |
| 乾杯 | 名乗り → お祝い → 祈念の言葉 → 発声 | 30秒ほど |
注意
挨拶の順番は式次第で決まります。施主・施工者・司会で事前に確認し、式次第作成ツールで印刷して配っておくと、当日迷いません。
施主の挨拶(正式版と建物別の言い換え)
本日はご多用のなか、◯◯の竣工式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。おかげさまで、本日ここに無事竣工の日を迎えることができました。設計を担当された◯◯設計事務所の皆さま、施工を担当された◯◯建設の皆さまをはじめ、工事に携わったすべての方々のご尽力に、心より御礼申し上げます。また、工事期間中、騒音や車両の出入りでご迷惑をおかけしたにもかかわらず、温かく見守ってくださった近隣の皆さまにも、厚く御礼申し上げます。
この建物は、◯年前から温めてきた「◯◯」という構想を形にしたものです。◯階には◯◯を設け、来訪される方をお迎えする場所と、日々の仕事に打ち込む場所を分けました。
この建物の完成は、私どもにとって次の段階への一歩です。社員一同、ここを拠点に◯◯を通じて地域の皆さまのお役に立てるよう努めてまいります。今後とも変わらぬご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
Point
「なぜ建てたか」と「ここで何をするか」を一つずつ。 感謝だけでは誰の挨拶でも同じになります。経緯と建物の特徴を具体的に一つ入れると、施主にしか言えない挨拶になります。近隣の方が出席している場合は、工事中のお礼を必ず入れてください。
建物別に差し替える一文
| 建物 | 経緯・役割の一文の例 |
|---|---|
| 本社・新社屋 | 分かれていた部署を一つの建物に集め、部署の垣根を越えて相談できる場をつくりました。 |
| 工場・物流センター | 生産(出荷)の体制を整え、お取引先さまへより安定してお届けできるようにいたします。 |
| 店舗・クリニック | 地域の皆さまに気軽に立ち寄っていただける、明るく入りやすい場所を目指しました。 |
| 福祉施設・園舎 | 利用される方とご家族が安心して過ごせるよう、段差や動線に配慮しております。 |
| 公共施設・集会所 | 地域の皆さまが集い、交流する場として、末永くご活用いただければ幸いです。 |
社員・スタッフへのねぎらいを入れる場合
最後に、日々の仕事と並行して移転の段取りを引き受けてくれた社員の皆さん。荷造りから配置の検討まで、本当によくやってくれました。この建物を、皆さんが働きやすい場所に育てていきましょう。
施工者(建設会社)の挨拶
施工を担当いたしました◯◯建設の◯◯でございます。◯◯様、本日は新社屋のご竣工、誠におめでとうございます。
このたびは、大切な建物の工事を当社にお任せいただき、心より御礼申し上げます。◯月の着工以来、◯◯様には現場へ何度も足を運んでいただき、そのつど的確なご判断をいただきました。近隣の皆さまのご理解にも支えられ、無事故で工事を終えることができました。設計の◯◯設計事務所の皆さまには、使う方の目線に立った設計で、私どもも多くを学ばせていただきました。
この建物が、◯◯様の末永いご発展の拠点となりますことを心よりお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
注意
工事中に無事故だった場合は、それに触れると施主・作業員の双方への敬意になります。事故があった場合は触れ方に注意し、社内で文言を確認してください。工期や工法に触れる場合は、自社の記録で確かめた内容だけにします。
感謝状を受け取った場合のお礼の一言
ただいまは身に余る感謝状を頂戴し、誠にありがとうございます。現場で働いた職人一人ひとりの励みになります。社に持ち帰り、全員で共有いたします。
設計者の挨拶
設計を担当いたしました◯◯設計事務所の◯◯でございます。本日はご竣工、誠におめでとうございます。設計にあたっては、◯◯様から伺った「◯◯」という思いを形にすることを、何より大切にしてまいりました。打ち合わせのたびに丁寧にお考えをお聞かせくださった◯◯様、図面の意図をくみ取り、確かな施工で仕上げてくださった◯◯建設の皆さまに、心より御礼申し上げます。この建物が、これから長く◯◯様と地域の皆さまに親しまれますことを願いまして、ご挨拶といたします。
設計者は「施主の思いをどう形にしたか」を一つ話すと、ほかの挨拶と重なりません。専門用語は避け、出席者が建物を見て分かる工夫(光の入り方、使いやすい動線など)を選びます。
来賓・取引先の祝辞
主賓(地域・団体の代表)の祝辞
ただいまご紹介にあずかりました◯◯の◯◯でございます。◯◯様、本日は新社屋のご竣工、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。◯◯様が◯◯年に◯◯を始められてから、私どもはその歩みを近くで拝見してまいりました。その積み重ねが、本日このような立派な建物になりましたことを、私どもも大変うれしく思っております。この新しい建物が、地域ににぎわいをもたらす拠点となりますことを大いに期待しております。◯◯様のますますのご発展と、本日ご列席の皆さまのご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
取引先の祝辞
◯◯株式会社の◯◯でございます。日頃より大変お世話になっております。本日はご竣工、誠におめでとうございます。入口を入ってすぐの◯◯が目に入り、御社らしい建物だと感じました。新しい拠点で、御社のお仕事がいっそう広がりますことを確信しております。私どもも、引き続きお役に立てるよう努めてまいります。御社のますますのご発展をお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。
代理で祝辞を述べる場合
◯◯株式会社の◯◯でございます。本来であれば社長の◯◯が参上してお祝いを申し上げるところですが、あいにく所用のため、代わりましてご挨拶申し上げます。◯◯からも、くれぐれもよろしく伝えてほしいとの言付けを預かっております。
注意
代理の場合は、冒頭で代理であることと本来の出席者の名前を述べ、あとは通常の祝辞を続けます。祝辞の組み立ては祝辞・謝辞の書き方にまとめています。
祝賀会・直会の乾杯と締め
ご指名いただきました◯◯です。◯◯様、本日はご竣工、誠におめでとうございます。それでは、◯◯様のますますのご繁栄と、工事に携わった皆さまのご健勝を祈念いたしまして、乾杯!
宴もたけなわではございますが、ここで締めの挨拶をさせていただきます。新しい建物とともに、◯◯様がますます発展されることを願いまして、皆さまご唱和をお願いいたします。お手を拝借、よーお!(一本締め)ありがとうございました。
注意
直会(なおらい)は、神事の後に神前に供えたお神酒などをいただく席です。神事を行わない式典では、直会の代わりに祝賀会で乾杯をします。乾杯の型は乾杯の挨拶 例文を参照してください。
そのまま差し替えられる言い換え表
| 部分 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 書き出し | 本日はご多用のなか、ご臨席を賜り/施工を担当いたしました◯◯でございます/ただいまご紹介にあずかりました |
| 季節を添える | 春の訪れを感じる佳き日に/新緑のまぶしい季節に/秋晴れの佳き日に |
| 感謝 | ひとえに皆さまのご尽力の賜物と/工事期間中のご理解とご協力に |
| 建物への期待 | 新たな拠点として/地域に親しまれる場として/次の世代へ引き継がれる建物として |
| 結び | ますますのご発展をお祈り申し上げ/皆さまのご健勝を祈念いたしまして/ご挨拶とさせていただきます |
避けたい言葉と準備のチェックリスト
竣工式は建物の門出を祝う式なので、建物の災いを連想させる言葉は、縁起を気にする方への配慮として避けます。
| 避けたい言葉 | 言い換え |
|---|---|
| 崩れる・倒れる・傾く | 「揺るぎない」「しっかりとした」 |
| 燃える・火 | 「熱意」「意気込み」 |
| 壊れる・終わる | 「締めくくる」「結びに」 |
| 流れる・落ちる | 「進む」「整う」 |
- 式次第で、自分の挨拶の順番と持ち時間を確認した
- 施主・設計者・施工者の会社名と名前の読み方を確認した
- 建物の名称(正式名称)を確認した
- 近隣の代表や行政の方が出席するかを確認した
- 工事中の出来事(無事故など)に触れる場合、事実を確認した
- 原稿を声に出して読み、時間を計った
この記事の要点
- 施主は感謝・経緯・建物の役割・抱負。近隣へのお礼を忘れずに。
- 施工者はお祝い・任せてもらったお礼・無事の完成・発展の祈念。
- 設計者は施主の思いをどう形にしたかを一つ。
- 来賓は祝意・建物への期待・発展の祈念で1〜2分。
- 崩れる・倒れる・燃えるなど建物の災いを連想させる言葉は避ける。
FAQ
よくある質問
「本日はご多用のなか、◯◯の竣工式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。おかげさまで、無事に竣工の日を迎えることができました。設計・施工を担当された皆さまのご尽力、工事期間中にご協力いただいた近隣の皆さまに、心より御礼申し上げます」に、建てた経緯と建物の役割、今後のお願いを続けます。
竣工へのお祝い、名乗り、工事を任せてもらったお礼、関係者と近隣の協力で無事に完成したこと、建物が施主の発展の拠点になることへの祈念、の順で述べます。無事故で終えた場合はそれに触れます。
「◯◯様、本日はご竣工、誠におめでとうございます。新しい建物が、◯◯の新たな拠点として大いに活用されますことを期待しております。◯◯様のますますのご発展と、皆さまのご健勝をお祈りいたしまして、お祝いの言葉といたします」が短い形です。施主の歩みや建物の感想を一つ加えると、正式な祝辞になります。
施主は3分ほどまで、施工者・設計者・来賓は1〜2分、乾杯は30秒ほどを目安にします。挨拶が続く式では、短いほうが出席者の負担になりません。
崩れる・倒れる・傾く・燃える・壊れる・流れる・落ちるなど、建物の災いを連想させる言葉です。縁起を気にする方への配慮として、別の言い方に置き換えます。
式次第で決まります。会社や地域の慣行によって違うので、事前に施主・施工者・司会で確認してください。挨拶の後に、直会や祝賀会で乾杯をします。