挨拶
就任挨拶の例文
社長・役員・部長のスピーチ、挨拶状、メール、返信
急いでいる方へ、結論から。就任挨拶は「◯◯に就任しました」→「前任者が大切にしてきたことを受け継ぎます」→「私は◯◯に力を入れます」→「お力を貸してください」の4文で成立します。社内は1〜2分のスピーチ、取引先には挨拶状かメールで、窓口や担当が変わるかを必ず書きます。このページでは、立場(社長・役員・部長・課長・店長・団体の会長)と場面(全社・部署・朝礼・社外の会合・挨拶状・メール・返信)ごとに、そのまま差し替えて使える例文を並べました。
結論
就任挨拶は①就任の報告(いつ・何に) ②前任者への敬意 ③方針・抱負を一つ ④協力のお願いで組み立てます。社内向けはスピーチで1〜2分、社外向けは挨拶状(拝啓〜敬具)かメールで、取引への影響(担当や窓口が変わるか)を添えます。
まず型を決める:4つの要素と場面別の長さ
| 要素 | スピーチでの言い方 | 挨拶状・メールでの言い方 |
|---|---|---|
| ①就任の報告 | このたび、◯◯に就任いたしました◯◯です | このたび◯月◯日付をもちまして ◯◯に就任いたしました |
| ②前任者への敬意 | 前任の◯◯さんが築いてこられた◯◯を受け継ぎます | 前任者同様 格別のお引き立てを賜りますよう |
| ③方針を一つ | 私が力を入れたいのは◯◯です | (社外向けは「誠心誠意努めてまいる所存です」程度に留める) |
| ④お願い | 皆さんのお力を貸してください | ご指導ご鞭撻を賜りますよう お願い申し上げます |
| 場面 | 伝え方 | 長さの目安 | 重点 |
|---|---|---|---|
| 全社の就任式・総会後の集まり | 壇上でスピーチ | 2〜3分 | 会社の方向と方針を一つ |
| 部署の顔合わせ・キックオフ | 対面のスピーチ | 1〜2分 | 仕事の進め方と、まず何をするか |
| 朝礼・会議の冒頭 | 一言 | 1分以内 | 就任の報告とお願いだけ |
| Web会議 | 画面越しに一言 | 1分以内 | 名前・役割・連絡の取り方 |
| 取引先(社長・役員の就任) | 挨拶状 | はがき・封書一枚 | 就任の事実と今後のお願い |
| 取引先(部長・担当の就任) | メール | スクロールせずに読める長さ | 何が変わるか・窓口・訪問のお願い |
注意
長さは目安です。式次第で持ち時間が決まっている場合は、そちらに合わせてください。
社内での就任スピーチ例文(立場別)
社長(全社向け・フォーマル)
皆さん、おはようございます。このたび、代表取締役社長に就任いたしました◯◯です。 前任の◯◯社長は、お客さまに誠実に向き合うことを、何より大切にしてこられました。この姿勢は、私が最も受け継ぎたいものです。 そのうえで、私が力を入れたいことを一つだけお伝えします。それは「◯◯」です。部署の垣根を越えて、現場で気づいたことがすぐ形になる会社にしたいと考えています。 そのために、まずは各拠点を回り、皆さんの話を直接うかがうところから始めます。至らない点も多いと思いますが、皆さんのお力を貸してください。どうぞよろしくお願いいたします。
社長(短く・朝礼や社内放送で)
本日付で社長に就任いたしました◯◯です。◯◯社長が築いてこられた土台を大切にしながら、◯◯に力を注いでまいります。近いうちに皆さんの職場にもうかがいます。よろしくお願いいたします。
社内から昇格した社長(元の同僚・部下の前で)
このたび、社長を務めることになりました◯◯です。皆さんとは長く同じ現場で働いてきましたので、改まってご挨拶するのは少し照れくさい気持ちです。 立場は変わりますが、困っていることを気軽に話してもらえる関係は変えたくありません。これからも、これまでと同じように声をかけてください。精一杯務めます。よろしくお願いいたします。
社外から招かれて就任した社長・役員
このたび、取締役に就任いたしました◯◯です。前職では◯◯の仕事に携わってまいりました。 この会社のことは、まだ外から見た姿しか知りません。最初の数か月は、皆さんに教わる立場だと思っています。そのうえで、前職の経験が役に立つ場面では、遠慮なく力を出してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
役員(担当部門の前で)
このたび、取締役◯◯本部担当に就任いたしました◯◯です。これまで◯◯部で取り組んできた経験を生かし、◯◯を進めてまいります。 判断に迷ったときは、現場の声を聞いてから決めるようにします。気づいたことがあれば、役職を気にせず聞かせてください。よろしくお願いいたします。
部長
本日付で◯◯部長を拝命いたしました◯◯です。前任の◯◯さんから、この部の良いところをたくさん引き継ぎました。 まずは皆さん一人ひとりと話す時間をつくり、仕事の進め方を知るところから始めます。そのうえで、今期は◯◯に取り組みたいと考えています。一緒に良い部にしていきましょう。よろしくお願いします。
課長・チームリーダー
このたび◯◯課の課長に就任しました◯◯です。課長になったからといって、急に何かを変えるつもりはありません。困ったときに相談しやすい課長でいたいと思っています。仕事の割り振りで気になることがあれば、早めに声をかけてください。よろしくお願いします。
店長・所長(現場で)
今日からこの店の店長を務めます◯◯です。前の店では◯◯を担当していました。この店のお客さまのことは、皆さんのほうがずっと詳しいはずです。まずは一緒に店に立ちながら教えてください。よろしくお願いします。
協会・団体・町内会などの会長
ただいまご承認をいただき、会長に就任いたしました◯◯でございます。身に余る大役ですが、前会長の◯◯様が積み重ねてこられた活動を絶やさぬよう、精一杯務めてまいります。 会員の皆さまの声をうかがいながら進めてまいりますので、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
簡単に済ませる一言の就任挨拶
このたび◯◯に就任いたしました◯◯です。前任の◯◯さんが大切にしてこられたことを引き継ぎ、精一杯務めます。皆さんのお力を貸してください。よろしくお願いいたします。
Point
方針は一つに絞ってください。 就任のスピーチで挙げた言葉は、その後何度も引用されます。多く並べると、どれも覚えてもらえません。
社外の会合・パーティーでの就任挨拶
取引先や関係者を前にした場では、社内向けよりお礼とお願いを厚く、方針は短くします。
皆さま、本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。このたび、株式会社◯◯の代表取締役社長に就任いたしました◯◯でございます。 弊社がここまで歩んでこられましたのは、ひとえに皆さまのお力添えのおかげです。前任の◯◯同様、皆さまとのご縁を何より大切にしてまいります。 未熟者ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
就任披露パーティーの進行や乾杯の挨拶は就任披露パーティーの挨拶にまとめています。
取引先への就任挨拶状の文例(はがき・封書)
社長に就任したとき
拝啓 ◯◯の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます 平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます さて 私こと このたび◯月◯日開催の定時株主総会ならびに取締役会において 代表取締役社長に就任いたしました もとより微力ではございますが 社業の発展に誠心誠意努めてまいる所存でございます 何卒前任者同様 格別のご指導ご鞭撻を賜りますよう お願い申し上げます まずは略儀ながら 書中をもちましてご挨拶申し上げます 敬具 令和◯年◯月 株式会社◯◯ 代表取締役社長 ◯◯◯◯
退任・就任を一通にまとめるとき
……さて このたび弊社代表取締役社長◯◯◯◯が退任し 後任として私◯◯◯◯が就任いたしました 在任中に賜りましたご厚情に対し 前任者ともども深く御礼申し上げます 今後は新体制のもと 一層の努力を重ねてまいりますので 変わらぬご支援を賜りますよう お願い申し上げます ……
役員の変更をまとめて知らせるとき(会社名義)
……さて 弊社では◯月◯日開催の定時株主総会ならびに取締役会におきまして 新しい役員体制が下記のとおり決まりましたので 謹んでお知らせ申し上げます 役員一同 心を新たに社業の発展に努めてまいります 今後とも変わらぬお引き立てのほど よろしくお願い申し上げます …… 記 代表取締役社長 ◯◯◯◯ 専務取締役 ◯◯◯◯(新任) 取締役 ◯◯◯◯(新任) 監査役 ◯◯◯◯ 以上
社長から会長に就任するとき(本人名義)
……さて 私こと このたび代表取締役社長を退任し 取締役会長に就任いたしました 社長を務めました◯年間 皆さまから温かいお力添えをいただきましたこと 心より感謝申し上げます 新しい社長には◯◯◯◯が就きました 新社長にも変わらぬお引き立てをいただけますと幸いです 私は会長として 新社長を後ろから支えてまいります 引き続きよろしくお願い申し上げます ……
部長・支店長などに就任したとき(本人名義)
……さて 私こと このたび◯月◯日付をもちまして◯◯支店長に就任いたしました 前任の◯◯は本社◯◯部へ異動いたしましたが これまでのお取引はすべて引き継いでおります 微力ではございますが 皆さまのご期待に沿えるよう努めてまいります ……
注意
挨拶状は句読点を使わず、一字あけで区切る書き方が慣例として多く使われています(句読点を使う会社もあります)。時候の挨拶は送る月に合わせます。縦書きの文面では一覧が本文の左側にくるため、「下記」の代わりに「左記」と書くことがあります。
前任者の退任挨拶は退任挨拶 例文、代表者の交代を社外へ知らせる文書は代表者変更のお知らせにまとめています。
就任挨拶メールの例文
取引先へ(部長・担当の就任)
件名:就任のご挨拶(株式会社◯◯ ◯◯) 株式会社□□ ◯◯様 いつも大変お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。 このたび、◯月◯日付で◯◯部長に就任いたしました。 前任の◯◯は◯◯部へ異動いたしましたが、これまでのお取引の内容はすべて引き継いでおります。ご連絡の窓口は、引き続き担当の◯◯となります。 至らぬ点もあるかと存じますが、前任者同様ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。 近日中にあらためてご挨拶にうかがえればと存じます。ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。
取引先へ(社長就任をメールで知らせる)
件名:代表取締役社長就任のご挨拶(株式会社◯◯) 株式会社□□ 代表取締役 ◯◯様 平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 このたび、◯月◯日付で株式会社◯◯の代表取締役社長に就任いたしました◯◯でございます。 前社長の◯◯は取締役会長に就任し、引き続き経営に携わってまいります。 本来であれば直接うかがってご挨拶すべきところ、略儀ながらメールにてご挨拶申し上げます。 今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
社内の全員へ
件名:就任のご挨拶(◯◯部長 ◯◯) 皆さま お疲れさまです。◯月◯日付で◯◯部長に就任しました◯◯です。 前任の◯◯さんの方針を引き継ぎつつ、今期は◯◯に力を入れていきます。 今月中に部内の皆さんと順番にお話しする時間をいただく予定です。関係部署の皆さまにも、あらためてご挨拶にうかがいます。 どうぞよろしくお願いいたします。
Point
取引先が知りたいのは「何が変わるか」です。窓口・担当・連絡先が変わるなら、必ず書いてください。挨拶回りのアポイントの取り方は着任挨拶 例文にもあります。
就任挨拶を受け取ったときの返信例文
取引先から就任挨拶メールが届いたとき
件名:Re: 就任のご挨拶(株式会社◯◯ ◯◯) 株式会社◯◯ ◯◯様 ご丁寧にご挨拶をいただき、ありがとうございます。 ◯◯部長へのご就任、誠におめでとうございます。 こちらこそ、今後ともよろしくお願い申し上げます。お越しいただける件、◯日か◯日の午後でしたらお時間を取れますので、ご都合はいかがでしょうか。お目にかかれるのを楽しみにしております。
社内の就任挨拶メールに、部下・同僚として返すとき
◯◯部長 ご就任おめでとうございます。◯◯課の◯◯です。 ◯◯の件で、近いうちにご相談の時間をいただけますと助かります。これからよろしくお願いいたします。
お祝いの気持ちを改めて伝えるメッセージや祝電は就任祝いのメッセージにまとめています。
よくある失敗と言い換え
| ありがちな言い方 | なぜ避けるか | 言い換え |
|---|---|---|
| 前任のやり方を変えていきます | 前任者と、その下で働いてきた人を否定して聞こえる | 受け継ぐものを先に話し、「そのうえで◯◯に力を入れます」 |
| 抱負を五つ六つ並べる | どれも覚えてもらえない | 方針は一つ。残りは後日の会議で |
| 私なんかが社長でいいのか | へりくだりが過ぎると、聞く側が不安になる | 「身の引き締まる思いです」「精一杯務めます」 |
| 就任させていただきました | 「させていただく」は相手の許可や恩恵を受ける場面の言い方で、多用すると回りくどい | 「就任いたしました」 |
| 取引先への挨拶状に方針を長く書く | 相手が知りたいのは就任の事実と今後の関係 | 方針は「誠心誠意努めてまいる所存です」程度に |
| メールで担当・窓口に触れない | 相手が誰に連絡すればよいか分からない | 「窓口は引き続き◯◯です」と一文入れる |
就任挨拶の前に確認するチェックリスト
- 就任日と正式な役職名(「取締役◯◯本部長」など)を辞令・通知のとおりに書いた
- 前任者の名前と、今後の立場(退任・会長就任・異動先)を確認した
- 方針は一つに絞り、短い言葉で言えるようにした
- スピーチの持ち時間を式次第で確認し、声に出して時間を測った
- 取引先向けに、担当・窓口・連絡先が変わるかを書いた
- 挨拶状の時候の挨拶が、送る月に合っている
- 前任者の退任挨拶と内容が食い違っていない(同時に送る場合)
この記事の要点
- 就任挨拶は就任の報告・前任者への敬意・方針を一つ・お願いの4文で成立する。
- 社内のスピーチは1〜2分。方針は一つに絞る。
- 前任者を否定しない。受け継ぐものから話す。
- 取引先には挨拶状かメールで、窓口・担当が変わるかを書く。
- 受け取った側は、お祝い・お礼・次の約束を短く返す。
FAQ
よくある質問
「このたび◯◯に就任いたしました◯◯です。前任の◯◯さんが大切にしてこられたことを引き継ぎ、精一杯務めます。皆さんのお力を貸してください。よろしくお願いいたします」のように、就任の報告・前任者への敬意・お願いの3つだけでも挨拶になります。朝礼や会議の冒頭など、時間が短い場面に向いています。
就任の報告、前任者への敬意、自分の方針を一つ、協力のお願いの4つです。部署向けなら1〜2分が目安です。方針を多く並べると何も残らないので、一つに絞ってください。
「さて 私こと このたび◯月◯日開催の定時株主総会ならびに取締役会において 代表取締役社長に就任いたしました」で就任を伝え、「何卒前任者同様 格別のご指導ご鞭撻を賜りますよう お願い申し上げます」で結びます。拝啓・時候の挨拶で始め、敬具で終えます。役員をまとめて知らせる場合は、会社名義で「記」以下に新役員を並べます。
「就任のご挨拶(株式会社◯◯ 氏名)」のように、何のメールで誰からかが件名だけで分かるようにします。
就任は役職や地位に就くこと、着任は新しい職場や任地に移ることを伝える挨拶です。異動して新しい部署の長になる場合は、両方の要素を入れます。着任の例文は着任挨拶 例文にまとめています。
お祝いの言葉、挨拶へのお礼、今後のお願いを短く書きます。訪問の申し出があれば、候補日を添えて返すと、やり取りが一往復で済みます。