挨拶
祝辞の例文
場面別・長さ別、書き方と謝辞まで
祝辞は、①自己紹介 ②お祝いの言葉 ③相手との関わりや功績の具体的な一言 ④今後への期待 ⑤結びの順に並べれば形になります。いちばん短い形はこうです。「ただいまご紹介にあずかりました、◯◯の◯◯でございます。◯◯様、本日は◯◯、誠におめでとうございます。(具体的な一言)。◯◯様のますますのご発展を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。」このページでは、この型を穴埋めで使えるテンプレートにし、続けて長さ別・場面別の例文(周年、竣工、開所、就任、表彰、総会、卒業式、入学式、結婚式、送別)、代読するときの言い方、避けたい言葉、よくある失敗、紙の書き方と読み方、主催者が述べる謝辞の例文まで掲載します。例文はすべて当サイトの作文です。名前と事実を差し替えて使ってください。
結論
祝辞は来賓が主催者や主役を祝う言葉、謝辞は主催者が来賓や関係者にお礼を述べる言葉です。祝辞の中身は③の具体的な一言で決まります。取引の思い出、相手の努力を見た場面、数字ではなく出来事を一つ入れると、定型文ではない祝辞になります。長さは2〜3分が目安で、持ち時間を言われたらそれに合わせます。
そのまま使える祝辞の型(穴埋め)
◯の部分を埋めれば、どの式典でも使える基本形です。③だけは自分の言葉で書いてください。
①ただいまご紹介にあずかりました、【会社・団体名】の【肩書き】【氏名】でございます。
②【相手】様、本日は【お祝いの内容】、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
③【相手との関わり・印象に残っている出来事を一つ】。
④【これからへの期待を一文】。
⑤結びに、【相手】様のますますのご発展と、【関係者】の皆さまのご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
| 段落 | 役割 | 言い回しの例 |
|---|---|---|
| ①自己紹介 | 誰が話すかを伝える | ただいまご紹介にあずかりました/ご指名をいただきました/僭越ではございますが、ご来賓を代表いたしまして |
| ②お祝い | 何を祝うかをはっきり言う | 誠におめでとうございます/心よりお祝い申し上げます/謹んでお慶び申し上げます |
| ③具体的な一言 | その相手にしか言えない話 | ◯年前の◯◯の折に/初めてお目にかかったとき/◯◯の場面を拝見して |
| ④期待 | これからに目を向ける | 今後ますますのご活躍を期待しております/新たな一歩が実り多いものとなりますよう |
| ⑤結び | 祝いの言葉で締める | ご発展を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます/簡単ではございますが、お祝いの言葉といたします |
注意
司会がすでに名前と肩書きを紹介している場合、①は「ただいまご紹介にあずかりました◯◯でございます」と短くして構いません。
長さ別の例文(一言・1分・2〜3分)
一言(急に指名されたとき)
◯◯様、本日は誠におめでとうございます。日頃お世話になっている一人として、この場に立ち会えたことをうれしく思います。今後ますますのご発展を心よりお祈りしております。
1分(来賓が多い式典)
ただいまご紹介にあずかりました、株式会社◯◯の◯◯でございます。株式会社□□様、創立◯周年、誠におめでとうございます。弊社は□□様と◯年にわたりお取引をいただいておりますが、納期の厳しいご相談にも、いつも最後まで粘り強く向き合ってくださいました。その姿勢が、今日の節目につながっているのだと思います。□□様のますますのご発展を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
2〜3分(来賓代表・主賓)
ただいまご紹介にあずかりました、株式会社◯◯で代表取締役を務めております◯◯でございます。ご来賓を代表いたしまして、一言お祝いを申し上げます。株式会社□□様、創立◯周年、誠におめでとうございます。
私が□□様と初めてお仕事をご一緒したのは、◯◯の立ち上げのときでした。前例のない仕組みで、関係者の誰もが不安を抱えていたなかで、□□様の担当の方が毎朝現場に足を運び、一つひとつの課題を書き出しては、その日のうちに答えを持ってきてくださいました。あの現場で拝見した「その日のうちに返す」という姿勢は、いまも弊社の社員に話して聞かせております。
◯年という歳月は、良い時ばかりではなかったと拝察いたします。それでもお客様との約束を守り続けてこられたことが、本日このように多くの方が集まっていることに表れていると感じます。
次の◯年に向けて、□□様がさらに大きな役割を担っていかれることを、取引先の一人として楽しみにしております。結びに、株式会社□□様のますますのご発展と、社員の皆さまのご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
注意
原稿が持ち時間に収まるかは、声に出して読み、大画面タイマーで計るのが確実です。字数から時間の見当をつけるならスピーチ文字数・時間換算、考え方はスピーチの文字数と時間の目安にまとめています。
場面別の祝辞の例文
周年記念式典(取引先として)
株式会社□□様、創立◯周年、誠におめでとうございます。弊社が□□様とお取引を始めて◯年になりますが、◯◯の際に、無理なお願いにも誠実に応えていただいたことを、今もよく覚えております。その誠実さこそが、◯年の歩みを支えてきたのだと拝察いたします。□□様のますますのご発展と、社員の皆さまのご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
竣工式・落成式
◯◯ビルのご竣工、誠におめでとうございます。設計から施工まで携わられた皆さまのご尽力により、無事故でこの日を迎えられましたことを、心よりお喜び申し上げます。この建物が、働く方々にとって誇りとなり、地域のにぎわいの拠点となることを期待しております。施主様のますますのご繁栄を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
開所式・新店舗オープン
◯◯営業所のご開所、誠におめでとうございます。この地域に拠点を構えていただいたことで、私どもも、これまで以上に近くでご一緒できることを心強く思っております。新しい拠点が、お客様と地域の皆さまに長く親しまれる場所となりますよう、心からお祈り申し上げます。
就任祝賀会
◯◯様、代表取締役社長へのご就任、誠におめでとうございます。営業本部長として、取引先の声を一つひとつ製品に反映してこられた◯◯様のお姿を、私どもは間近で拝見してまいりました。新しいお立場でも、その現場を大切になさる姿勢で、会社を力強く導いていかれることと存じます。◯◯様のご活躍と、貴社のますますのご発展を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
表彰式(来賓として)
受賞された皆さま、誠におめでとうございます。本日の受賞は、日々の地道な積み重ねが形になったものだと思います。先ほど功績のご紹介を伺い、◯◯の取り組みには、私ども同業の者としても学ぶところが多くございました。この受賞を励みに、さらにご活躍されることを期待しております。
総会・大会(来賓として)
第◯回◯◯総会のご開催、誠におめでとうございます。日頃より会員の皆さまが◯◯のために力を尽くしておられることに、深く敬意を表します。本日の総会での議論が、会のさらなる発展につながることを期待しております。会員の皆さまのご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
卒業式(来賓として:地域・PTA・企業)
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。保護者の皆さまにも、心よりお祝い申し上げます。私は、皆さんが登下校のときに元気に挨拶をしてくれる姿を、毎朝見てきました。その一言に、地域の大人たちがどれだけ励まされてきたか、今日はそれを伝えたくてこの場に立っています。新しい場所でも、その挨拶を続けてください。この町の大人たちは、これからも皆さんを応援しています。ご卒業、本当におめでとうございます。
入学式(来賓として)
ご入学、おめでとうございます。◯◯町内会の◯◯です。私たちは毎朝、通学路の交差点で皆さんの登校を見守っています。困ったことがあったら、黄色い旗を持った大人に、遠慮なく声をかけてください。分からないことを「分からない」と言えるのは、立派な力です。一日一日を、元気に過ごしてください。保護者の皆さま、本日は誠におめでとうございます。
結婚式(新郎・新婦の上司として)
◯◯君、◯◯さん、ご結婚誠におめでとうございます。ご両家の皆さまにも、心よりお祝い申し上げます。◯◯君は入社以来、お客様からの急なご相談にも嫌な顔一つせず向き合い、職場では後輩から頼りにされる存在です。その思いやりを、これからはご家庭でも存分に発揮してくれることと思います。お二人の末永いお幸せと、ご両家の皆さまのご健勝をお祈りいたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
送別・定年退職(職場の代表として)
◯◯さん、長い間、本当にお疲れさまでした。そして、定年のご退職、おめでとうございます。私が新人のころ、◯◯さんに教わった「迷ったらお客様に聞きに行く」という言葉は、いまも仕事の指針になっています。これからは、ご家族との時間や、楽しみにされていた◯◯を存分に味わってください。◯◯さんのご健康とご多幸をお祈りし、お祝いの言葉といたします。
立場別の名乗り方と結び
| 立場 | 名乗り方の例 | 結びの例 |
|---|---|---|
| 取引先の代表 | 株式会社◯◯で代表取締役を務めております◯◯でございます | 貴社のますますのご発展を祈念いたしまして |
| 来賓の代表 | 僭越ではございますが、ご来賓を代表いたしまして、一言お祝いを申し上げます | ご列席の皆さまのご健勝を祈念いたしまして |
| 団体・協会の代表 | ◯◯協会で会長を務めております◯◯でございます | 会員の皆さまのご健勝とご活躍を祈念いたしまして |
| 職場の上司 | ◯◯君の職場で上司をしております、◯◯部の◯◯でございます | お二人の末永いお幸せをお祈りいたしまして |
| 地域・PTAの代表 | ◯◯町内会の会長をしております◯◯です | この町の大人たちは、これからも皆さんを応援しています |
子どもに向ける祝辞(卒業式・入学式)は、難しい言葉を避け、「です・ます」で短い文にすると伝わります。保護者や先生へのお祝いは、最初か最後に一言添えます。
祝辞を代読するときの言い方
本人が出席できず、部下や代理の方が祝辞を読み上げる場合は、冒頭で代読であることを伝え、本文は本人の言葉のまま読みます。
本来であれば、弊社代表取締役の◯◯が参上し、お祝いを申し上げるべきところでございますが、やむを得ない事情により出席がかないません。◯◯より祝辞を預かってまいりましたので、代読させていただきます。
(本文)
令和◯年◯月◯日 株式会社◯◯ 代表取締役 ◯◯
(続けて)代読、株式会社◯◯ ◯◯部 ◯◯
注意
出席できない場合に文書でお祝いを届ける方法として、祝電もあります。文例はビジネスの祝電 例文を参照してください。
祝辞で避けたい言葉
お祝いの場では、縁起が悪いと受け取られる言葉を避ける慣習があります。気にされる方がいる前提で、言い換えておくと安心です。
| 場面 | 避けたい言葉の例 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 周年・開所・開店 | 倒れる、傾く、つぶれる、失う、閉じる | 「閉会」→「お開き」、「最後に」→「結びに」 |
| 竣工・落成 | 燃える、崩れる、倒れる、流れる | 火事や崩落を連想させる話題は持ち出さない |
| 結婚式 | 別れる、切れる、離れる、終わる、重ね重ね・たびたびなどの重ね言葉 | 「重ね重ね」→「心より」、「最後に」→「結びに」 |
| 卒業式・入学式 | 落ちる、すべる(受験を連想させる) | 失敗談は「つまずいた」程度の軽い表現にとどめる |
祝辞でよくある失敗と直し方
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 自分の話が長い | 誰を祝っているのか分からなくなる | 自分の話は③の一言に必要な分だけにする |
| 定型文だけで終わる | どの会社にも言える祝辞になる | 相手との出来事を一つだけ具体的に入れる |
| 前の来賓と同じ話になる | 会場が退屈する | ③を二つ用意し、重なったらもう一方に切り替える |
| 社名・肩書き・名前を言い間違える | 相手に失礼になる | 原稿にふりがなを振り、事前に主催者へ確認する |
| 内輪の話や冗談 | 一部の人しか分からない | 会場の誰が聞いても分かる話に絞る |
| 持ち時間を超える | 式全体の進行が押す | 声に出して時間を計り、削る段落を決めておく |
本番前のチェックリスト
- 相手の正式名称・肩書き・氏名を主催者の資料で確認した
- お祝いの内容(創立◯周年、ご竣工、ご就任など)を正しく言えている
- 具体的な一言が一つ入っている
- 避けたい言葉が入っていない
- 持ち時間に収まることを声に出して確認した
- 紙を手渡すか、読み終えたら持ち帰るかを確認した
- 登壇の順番と前後の登壇者を知っている
祝辞と謝辞の違い
| 祝辞 | 謝辞 | |
|---|---|---|
| 話す人 | 来賓(取引先、関係団体、自治体など) | 主催者(社長、代表者、施主など) |
| 向ける相手 | 主催者・主役 | 来賓・関係者・参加者 |
| 中心になる言葉 | お祝い、功績へのたたえ、期待 | お礼、支えへの感謝、決意 |
| 式次第での位置 | 主催者挨拶の後 | 祝辞の後、閉会の前 |
謝辞の例文(祝辞へのお礼)
周年記念式典の謝辞
本日はご多用のなか、多数のご来賓の皆さまにご臨席を賜り、また心温まるご祝辞をいただき、誠にありがとうございました。◯◯様からいただいた「◯◯」というお言葉を胸に刻み、社員一同、これからも◯◯に努めてまいります。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。
竣工式の謝辞(施主として)
本日は、◯◯ビルの竣工式にご臨席を賜り、誠にありがとうございました。また、ただいまは温かいご祝辞を頂戴し、心より御礼申し上げます。工事にあたられた皆さまのおかげで、無事にこの日を迎えることができました。この建物を大切に使い、地域の皆さまのお役に立てるよう努めてまいります。今後ともご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
Point
謝辞では、祝辞の言葉を一つ引用すると効果的です。 「ちゃんと聞いていた」ことが伝わり、来賓への何よりのお礼になります。その場で引用できるよう、祝辞の間にメモを取っておきます。
祝辞の紙の書き方と読み方
- 奉書紙や巻紙に書く正式な形と、便箋や白い紙に書いて封筒に入れる形がある。会の格式に合わせる
- 書く順番は、冒頭に「祝辞」、本文、最後に日付と肩書き・氏名。縦書きが多い
- 読むときは紙を胸の高さに持ち、ときどき顔を上げて会場を見る
- 読み終えたら、主催者に手渡すか、所定の場所に置く(式次第で確認)
- ゆっくり読む。速さは普段の会話より遅めでちょうどよい
注意
正式な書式の細かな決まりは、会の格式や地域によって違います。主催者に事前に確認すると確実です。
祝辞を依頼する側が伝えること
- 式の名前・日時・場所
- 祝辞の順番と前後の登壇者
- 持ち時間(2〜3分など具体的に)
- 紙を手渡すかどうか
- 読み上げる肩書き・氏名の確認(司会の紹介用)
この記事の要点
- 祝辞は自己紹介→お祝い→具体的な一言→期待→結び。
- 中身を決めるのは相手との出来事を一つ入れた具体的な一言。
- 長さは2〜3分が目安。持ち時間を言われたらそれに合わせる。
- 代読は冒頭で代読と伝え、本文は本人の言葉のまま読む。
- お祝いの場では縁起の悪い言葉と重ね言葉を言い換える。
- 謝辞では祝辞の言葉を一つ引用すると、聞いていたことが伝わる。
FAQ
よくある質問
「◯◯様、本日は誠におめでとうございます。日頃お世話になっている一人として、この場に立ち会えたことをうれしく思います。今後ますますのご発展を心よりお祈りしております」が一言の形です。時間があれば、自己紹介と具体的な一言を足します。
自己紹介、お祝いの言葉、相手との関わりや功績の具体的な一言、今後への期待、結び、の順です。具体的なエピソードを一つ入れると、定型文ではない祝辞になります。長さは2〜3分が目安です。
冒頭で「本来であれば◯◯が参上し、お祝いを申し上げるべきところでございますが、やむを得ない事情により出席がかないません。祝辞を預かってまいりましたので、代読させていただきます」と伝え、本文は本人の言葉のまま読みます。最後に本人の肩書き・氏名を読み上げ、続けて「代読、◯◯部◯◯」と自分の名前を添えます。
周年や開店では「倒れる」「つぶれる」「閉じる」、竣工では「燃える」「崩れる」、結婚式では「別れる」「切れる」や「重ね重ね」などの重ね言葉を避ける慣習があります。「最後に」は「結びに」と言い換えると安心です。
奉書紙や巻紙に書く正式な形と、便箋や白い紙に書いて封筒に入れる形があり、会の格式に合わせて選びます。読み終えた紙を主催者に手渡すか所定の場所に置くかは式次第によるので、主催者に事前に確認してください。
式典では、主催者が閉会の前に謝辞を述べ、来賓へのお礼を伝えます。謝辞の中で祝辞の言葉を一つ引用すると、きちんと聞いていたことが伝わり、何よりのお礼になります。そのために、祝辞の間にメモを取っておきます。
祝辞は来賓が主催者や主役に向けて述べるお祝いの言葉、謝辞は主催者が来賓や関係者に向けて述べるお礼の言葉です。式典では、来賓の祝辞の後、閉会の前に主催者の謝辞を置くことがあります。