挨拶
就任祝賀会の祝辞 例文
取引先の社長・会長就任に来賓として
取引先の社長・会長の就任祝賀会で来賓として述べる祝辞は、2〜3分が目安です。話す順番は①名乗りと主役との関係 ②就任のお祝い ③人柄が伝わる話を一つ ④前任者への敬意と会社への期待 ⑤結び(貴社のご発展とご健勝を祈る)。短く済ませるなら、次の文でそのまま読めます。
「ただいまご紹介にあずかりました、株式会社△△の□□でございます。◯◯様、このたびは代表取締役社長へのご就任、誠におめでとうございます。◯◯様とは◯年来、◯◯の仕事でご一緒してまいりましたが、どんな難しい局面でも、まずお客さまの立場で考える方だと感じてまいりました。◯◯様の新しいかじ取りのもと、◯◯株式会社がますます発展されますことを確信しております。貴社のご発展と、◯◯様のご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。」
以下に、話す順番の表、立場別の例文、避けたい話題と言葉、当日に確かめておくことをまとめました。就任祝いのメールや花の立札は就任祝いのメッセージ 例文、祝賀会全体の挨拶の順番と主催者側の挨拶は祝賀会の挨拶 例文にあります。
結論
就任祝賀会(就任披露パーティー)は、新しく社長・会長などに就いた人を、取引先や関係者に披露してお祝いする会です。来賓の祝辞は個人へのお祝いであると同時に、会社どうしのお付き合いの挨拶でもあるため、主役の人柄を一つ語り、相手の会社の発展を祈る言葉で結ぶのが基本の形です。
祝辞の組み立て(話す順番)
| 順番 | 話すこと | 例 | 長さの目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 名乗り・主役との関係 | ただいまご紹介にあずかりました、株式会社△△の□□でございます | 15秒ほど |
| 2 | 就任のお祝い | このたびは代表取締役社長へのご就任、誠におめでとうございます | 10秒ほど |
| 3 | 人柄が伝わる話を一つ | 一緒に仕事をした場面、印象に残った言葉 | 1分ほど |
| 4 | 前任者への敬意・会社への期待 | 前社長(現会長)が築かれた土台の上に…… | 30秒ほど |
| 5 | 結び | 貴社のご発展と◯◯様のご健勝を祈念いたしまして…… | 15秒ほど |
祝賀会の会場では、来賓の祝辞の前後に主催者の挨拶・乾杯・主役の謝辞が続きます。祝辞を頼まれたら、何番目に話すか、ほかに誰が祝辞を述べるか、乾杯の発声も兼ねるかを主催者に確かめておきます。
注意
読み上げにかかる時間はスピーチ時間の計算ツールで確かめられます。祝辞全般の型は祝辞・謝辞の書き方にまとめています。
立場別の例文
取引先の社長として(社長就任・2〜3分)
ただいまご紹介にあずかりました、株式会社△△の□□でございます。ご指名をいただきましたので、僭越ながらお祝いの言葉を申し上げます。
◯◯様、このたびは代表取締役社長へのご就任、誠におめでとうございます。ご列席の皆さまとともに、心からお喜び申し上げます。
◯◯様と初めてお会いしたのは、◯◯様が◯◯部長でいらした頃でした。私どもの納品に不備があり、お詫びに伺った席で、◯◯様は責めるより先に「次はどう防ぎましょうか」と一緒に考えてくださいました。その姿勢に、私どもの社員もどれほど助けられたか分かりません。
前社長の◯◯会長が築かれた信頼の土台の上に、◯◯様の行動力が加わることで、◯◯株式会社はますますご発展なさることと確信しております。私どもも、これまで以上にお役に立てるよう努めてまいります。
結びに、貴社のますますのご発展と、◯◯様のご健勝とご活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
会長就任(前社長が会長に就いた場合・2分ほど)
株式会社△△の□□でございます。◯◯様、このたびは代表取締役会長へのご就任、誠におめでとうございます。
◯◯様が社長に就かれてからの◯年間、私どもは何度も、◯◯様の決断の早さに驚かされてまいりました。◯◯の新工場を立ち上げられた際に、「お客さまを待たせない会社にする」とおっしゃった言葉は、今も私の手帳に書き留めてあります。
新しく社長に就かれた◯◯様とともに、これからは会長というお立場から、貴社をさらに大きく導いていかれることと存じます。
貴社のますますのご発展と、◯◯会長、◯◯社長のご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
注意
会長と新社長の両方が主役になる会では、どちらか一方だけをほめる形にならないよう、二人に触れて結びます。
長いお付き合いのある取引先の役員として(1〜2分)
株式会社△△で営業を担当しております、取締役の□□でございます。
◯◯様、このたびの社長ご就任、誠におめでとうございます。
◯◯様とは、お互いに担当者だった頃から◯年来のお付き合いをいただいております。夜遅くまで見積の数字を詰めた日々を、懐かしく思い出します。その◯◯様が貴社の先頭に立たれることを、私ども一同、心からうれしく思っております。
貴社のますますのご発展と、◯◯様のご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
業界団体・同業の立場で(1〜2分)
◯◯協会の□□でございます。◯◯様、代表取締役社長へのご就任、誠におめでとうございます。
◯◯様には、協会の◯◯委員会で長く委員をお務めいただき、業界全体のことを考えたご意見をいつもいただいてまいりました。
貴社の新たな歩みが、業界全体の励みになることを期待しております。貴社のますますのご発展と、◯◯様のご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
祝辞のあとに乾杯の発声を兼ねる場合(1分ほど)
株式会社△△の□□でございます。◯◯様、社長へのご就任、誠におめでとうございます。
お祝いの言葉は手短にとどめ、さっそく乾杯に移らせていただきます。皆さま、グラスをお持ちください。
◯◯株式会社のますますのご発展と、◯◯社長のご健勝、そしてご列席の皆さまのご多幸を祈念いたしまして、乾杯!
ありがとうございました。
乾杯の挨拶の型は乾杯の挨拶 例文にもあります。乾杯の前は皆がグラスを持って待っているので、長い祝辞にしないのが心づかいです。
避けたい話題と言葉
| 避けたい話題・言葉 | 気になる点 | 言い換え・代わりに話すこと |
|---|---|---|
| 交代の理由や社内の人事の事情 | 会社の内情に触れることになり、主役も前任者も気まずい | (触れない) |
| 前任者と新任者の比較(「前の社長より〜」) | 前任者をおとしめるように聞こえる | 前任者が築いた土台+新任者の持ち味 |
| 業績や株価の話 | お祝いの場で数字の評価をすることになる | 人柄・仕事ぶりの話 |
| 自社の宣伝・自分の話が長い | 主役より自分が目立ってしまう | 主役との出来事を一つに絞る |
| 倒れる/傾く/つぶれる/落ちる/終わる | 会社の行く末に縁起が悪いと受け取る人がいる | 支える/伸びる/広がる |
会社のお祝いの場では、倒産や業績の悪化を連想させる言葉を避けるのが一般的です。どこまで気にするかは人によって違いますが、祝辞の原稿からは外しておくと安心です。
Point
「ご就任」の役職名は正確に。「代表取締役社長」「代表取締役会長」「取締役会長」など、招待状や会社の発表に書かれた正式な役職名を、名前の読み方とあわせて確かめておきます。
当日のマナーと、事前に確認すること
| 項目 | 一般的な目安 | 確認すること |
|---|---|---|
| 服装 | ビジネススーツが基本。「平服で」とあっても普段着ではなくスーツ程度 | 招待状の服装の指定(ブラックタイなどの指定がある会もある) |
| 受付 | 名刺を出して記帳し、胸章(リボン)を受け取ることが多い | 会費制か、お祝いの品・祝儀を受けているか |
| 席 | 立食か着席かは会による。来賓の祝辞を頼まれたら前方の席が用意されることが多い | 呼ばれたときの動線、マイクの位置 |
| 祝辞の原稿 | 便箋や二つ折りの紙に書き、手元で見ながら話しても失礼にはあたらないとされる | 持ち時間、話す順番、乾杯の発声を兼ねるか |
| お祝いの品・花 | 会場へ送る場合は主催者の受け入れ方を確かめる | 胡蝶蘭やスタンド花などのお祝いの花を受け付けているか、届け先と日時 |
立食の会での振る舞いは立食パーティーのマナー、服装の考え方はパーティーの服装にまとめています。就任した本人の挨拶の例は就任挨拶 例文にあります。
この記事の要点
- 来賓の祝辞は2〜3分。名乗り→お祝い→人柄の話を一つ→前任者への敬意と期待→結び。
- 結びは「貴社のますますのご発展と、◯◯様のご健勝を祈念いたしまして」が基本形。
- 交代の理由・前任者との比較・業績には触れない。
- 会長と新社長がそろう会では二人に触れて結ぶ。
- 役職名と名前の読み方、話す順番、乾杯を兼ねるかを主催者に確認する。
FAQ
よくある質問
2〜3分が目安です。来賓が何人か続く会では、主催者から持ち時間を示されることもあるので、頼まれたときに確かめておきます。乾杯の発声を兼ねる場合は1分ほどにまとめます。
「貴社のますますのご発展と、◯◯様のご健勝とご活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます」が基本の形です。会長と社長がそろう会なら、二人の名前を挙げて結びます。
触れて構いません。前任者が築いたものへの敬意を一言述べると、新任者を立てることにもつながります。ただし「前の社長より〜」のように比べる言い方は避けます。
どちらも新しく就任した人を関係者に披露し、お祝いする会を指して使われ、呼び方は主催者によって違います。祝辞の中では、招待状に書かれた会の名前を使うと間違いがありません。
会社のお祝いの場では、倒産や業績の悪化を連想させる「倒れる」「傾く」「つぶれる」などを避けるのが一般的です。言葉そのものより、交代の事情や業績、前任者との比較に触れないことのほうが大切です。