メール
新規営業メールの例文
件名の付け方と初めての会社への提案
新規営業のメールは、平日の業務時間内に送り、本文の最初の数行に「なぜ御社に連絡したのか」「何の役に立てるのか」「次に何をしてほしいか」を書きます。受け取った側は知らない会社からのメールを一瞬で判断するので、自社の紹介を長く書くより、相手のことを調べたうえで送っていると伝わる一文が効きます。そのまま送れる短い形は次のとおりです。
件名:◯◯のご提案(株式会社△△)
株式会社◯◯ ◯◯部 ◯◯様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社△△の□□と申します。貴社のウェブサイトで◯◯の取り組みを拝見し、ご連絡いたしました。弊社の◯◯は、◯◯の手間を減らすためのサービスです。概要を一枚にまとめた資料を添付しますので、ご関心がございましたらご返信ください。
面談の日程を取るためのメールはアポイントメールの例文にまとめています。
結論
新規営業メールは①宛名 ②名乗り ③連絡した理由(相手のどこを見て送ったか) ④提案の要点を一、二文 ⑤相手に頼む次の一歩(資料を見る・返信する・話を聞く) ⑥結び ⑦署名の順で書きます。件名は「◯◯のご提案(株式会社△△)」のように、用件と自社名が件名だけで分かる形にします。
送るタイミングと必ず書く項目
| 項目 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 連絡した理由 | 相手の会社の何を見て、なぜ連絡したか | 貴社の◯◯の取り組みを拝見し、ご連絡いたしました。 |
| 提案の要点 | 何の役に立つかを一、二文で | ◯◯の集計にかかる手間を減らすサービスです。 |
| 次の一歩 | 相手にしてほしいことを一つだけ | ご関心がございましたら、ご返信ください。 |
| 断ってよいこと | 不要なら返信はいらない、または一言でよい | ご不要でしたら、本メールは破棄していただいて構いません。 |
| 署名 | 会社名・部署・名前・電話・メールアドレス | 署名の作り方は別記事を参照 |
送る時間帯は、平日の業務時間内にするのが基本です。夜間や休日に知らない会社から営業メールが届くと、それだけで印象を損ねることがあります。予約送信が使えるなら、書いたその場で送らず、翌営業日の業務時間内に届くよう設定しておきます。
Point
一通で全部を伝えようとしないでください。新規営業メールの役目は、相手に「もう少し聞いてみよう」と思ってもらうことです。料金表や導入事例は、関心を持ってもらってから送れば十分です。
件名の付け方
| 件名の例 | 向いている場面 |
|---|---|
| ◯◯のご提案(株式会社△△) | 基本形。何の提案かと会社名が分かる |
| 貴社の◯◯について、ご提案のご連絡(株式会社△△) | 相手の取り組みを見て送ったことを伝えたいとき |
| 資料ご請求のお礼と◯◯のご案内(株式会社△△) | 資料請求・問い合わせがあった相手に |
| ◯◯展でのお礼と◯◯のご提案(株式会社△△) | 展示会・セミナーで名刺交換した相手に |
| ご無沙汰しております(株式会社△△ □□)/◯◯のご案内 | 以前取引のあった相手に |
件名は何の用件かと誰からかの二つが入っていれば足ります。「ご挨拶」「重要なお知らせ」のように中身の分からない件名や、【必見】【緊急】のような飾りは、迷惑メールと見分けがつかなくなるので避けます。
送る前のチェックリスト
- 宛名の会社名・部署・名前を、相手のウェブサイトや名刺で確かめたか
- 最初の数行で連絡した理由が分かるか
- 提案の要点が一、二文に収まっているか
- 相手に頼む次の一歩が一つだけになっているか
- 添付ファイルは軽く、開きやすい形式か(重い資料はURLで案内する)
- 同じ文面を他社名のまま使い回していないか
- 配信リストに載せて送る場合、会社の決まり(同意の取り方・配信停止の受付)に沿っているか
場面別の例文
ウェブサイトで知った会社に初めて送る
件名:◯◯のご提案(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社△△で◯◯を担当しております、□□と申します。
貴社のウェブサイトで、◯◯に力を入れていらっしゃることを拝見し、ご連絡いたしました。
弊社では、◯◯の作業を◯◯で効率化するサービスを提供しております。
貴社の◯◯の業務でもお役に立てる点があるのではないかと考え、概要をまとめた資料を添付いたしました。
ご関心をお持ちいただけましたら、本メールにご返信ください。詳しいご説明に伺います。
ご不要でしたら、本メールは破棄していただいて構いません。
ご多忙のところ失礼いたしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
担当者が分からず、代表アドレスに送る
件名:◯◯ご担当者様へ ◯◯のご提案(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯ご担当者様
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社△△の□□と申します。
貴社の◯◯のご担当者様に、◯◯についてご案内したく、お問い合わせ窓口よりご連絡いたしました。
恐れ入りますが、ご担当の方へお取り次ぎいただけますと幸いです。
資料はこちらのURLからご覧いただけます。
https://www.◯◯◯.co.jp/◯◯/
どうぞよろしくお願いいたします。
注意
代表アドレスや問い合わせフォームは、受け取った人が担当者に回すことになります。誰に回せばよいかが件名と一文目で分かるようにしておくと、取り次いでもらいやすくなります。問い合わせフォームに営業の連絡を書き込んでよいかは、相手のサイトの案内に従ってください。
資料請求・問い合わせがあった会社に送る
件名:資料ご請求のお礼と◯◯のご案内(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯様
株式会社△△の□□と申します。
このたびは、弊社サービス◯◯の資料をご請求いただき、ありがとうございました。
ご請求いただいた資料のほかに、貴社と同じ◯◯業の方からよくいただくご質問をまとめた資料もお送りします。
ご検討の途中で気になる点がございましたら、本メールにご返信いただければ、私からお答えいたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
展示会・セミナーで名刺交換した会社に提案を送る
件名:◯◯展でのお礼と◯◯のご提案(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯様
先日の◯◯展では、弊社のブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。
株式会社△△の□□です。
その際に伺った「◯◯に手間がかかっている」というお話をもとに、弊社でお手伝いできる内容を資料にまとめました。
添付の資料をご覧いただき、ご関心がございましたらお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
展示会の来場者全員に送るお礼のメールは展示会のお礼メールにまとめています。こちらは、その場で聞いた話をもとに個別に提案するときの文面です。
以前取引のあった会社に改めて提案する
件名:ご無沙汰しております/◯◯のご案内(株式会社△△ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
ご無沙汰しております。
以前、◯◯の件でお世話になりました、株式会社△△の□□です。
その節は大変お世話になりました。
本日は、弊社で新たに始めた◯◯についてご案内したく、ご連絡いたしました。
以前ご一緒した◯◯の業務にも関わる内容ですので、概要をお送りします。
ご関心がございましたら、改めてご説明の機会をいただけますと幸いです。
以前「今は不要」と言われた会社に時期を改めて送る
件名:◯◯のご案内(株式会社△△ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
以前、◯◯の件でご連絡した際には、ご丁寧にお返事をいただき、ありがとうございました。
その際に「◯◯の時期に改めて」と伺っておりましたので、改めてご案内をお送りします。
引き続きご不要でしたら、その旨をお知らせいただければ、今後のご案内は控えます。
一度断られた相手には、相手が示した時期を待ってから送ります。断られた直後に何度も送ると、会社としての印象まで悪くなります。
返信がない相手に一度だけ確認する
件名:Re:◯◯のご提案(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯様
株式会社△△の□□です。
先日、◯◯についてのご提案をお送りいたしました。
お忙しいところ恐れ入りますが、もしご覧いただけていないようでしたら、ご確認いただけますと幸いです。
ご不要の場合は、このままお返事なしで構いません。
注意
確認は一度だけにとどめます。初めての相手の場合、返信がないこと自体が返事であることも多いからです。取引先への催促の書き方は催促メールの例文を見てください。
送ったメールの内容を訂正する
件名:【訂正】◯◯のご提案(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯様
株式会社△△の□□です。
先ほどお送りしたメールで、資料のURLに誤りがございました。
正しくは下記のとおりです。
https://www.◯◯◯.co.jp/◯◯/
お手数をおかけし、申し訳ございません。
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 必ず成果が出ます/絶対にお役に立てます | 根拠を示せない約束は、信用を落とす | ◯◯の手間を減らすお手伝いができると考えております |
| 拝見させていただきました | 「拝見」がすでにへりくだった言い方で、「させていただく」と重なる | 拝見しました |
| ご利用されてはいかがでしょうか | 「ご〜される」は敬語の形が混ざっていると受け取られやすい | ご利用になってはいかがでしょうか/ご検討いただけますと幸いです |
| ご説明させていただきたく、お時間を頂戴させていただけますでしょうか | 「させていただく」が重なり、読みにくい | ご説明の機会をいただけますと幸いです |
| ご担当者様各位 | 相手は一人なので「各位」は合わない | ◯◯ご担当者様 |
| 他社より安いです | 比べる根拠を示せないうえ、他社を引き合いに出すと印象が悪い | 料金は資料の◯ページにまとめております |
「させていただく」は、相手の許しを得て何かをするときの言い方です。営業メールで連発するとへりくだりすぎて読みにくくなるので、「いたします」「します」で足りるところは言い換えます。敬語の使い分けはビジネス敬語の例文、「恐縮ですが」「恐れ入りますが」の違いは恐縮と恐れ入りますの使い分けにまとめています。
広告・宣伝のメールを多くの相手に送るとき
広告や宣伝のためのメールについては、特定電子メール法で、送ってよい相手(第3条第1項。あらかじめ同意を通知した人、取引関係にある人、電子メールアドレスを公表している団体・営業を営む個人など)、送らないでほしいと通知を受けたら、その意思に反して送らないこと(第3条第3項)、送信者の氏名又は名称と、配信停止の通知を受けるためのメールアドレス等を正しく表示すること(第4条。ほかに省令で定める事項もあります)が定められています。自社のメールがどこまで当てはまるかは、会社の決まりに従い、法務の担当者や所管(総務省・消費者庁)に確認してください。表示の例はメールの署名の作り方にまとめています。
一社ずつ送るメールでも、リストに一斉に送る案内でも、自社の送り方が当てはまるかは送る前に確かめておきます。リストを使って送る場合は、会社の決まりに従い、同意の取り方や配信停止の受け付け方を事前に確認しておきます。
後日のフォロー(お礼・お詫び)
返信をもらったときのお礼
件名:Re:◯◯のご提案(株式会社△△)
◯◯様
株式会社△△の□□です。
ご返信いただき、ありがとうございます。
ご関心をお持ちいただけたとのこと、大変うれしく思います。
◯◯について詳しくご説明したく、下記の日程でご都合はいかがでしょうか。
日程の出し方は日程候補のメール、会ったあとのお礼は打ち合わせのお礼メールに例文があります。
「不要」と返信をもらったときのお礼
◯◯様
株式会社△△の□□です。
ご多忙のところ、ご丁寧にお返事をいただき、ありがとうございました。
今後のご案内は控えます。
また何かお役に立てることがございましたら、お気軽にお声がけください。
宛先や名前を間違えて送ったときのお詫び
件名:【お詫び】先ほどのメールについて(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯様
株式会社△△の□□です。
先ほどお送りしたメールで、◯◯様のお名前を誤って記載しておりました。
大変失礼いたしました。今後このようなことのないよう、十分に注意いたします。
名前の誤りのお詫びは名前を間違えたお詫びメール、別の会社に送ってしまったときはメール誤送信のお詫びを見てください。
この記事の要点
- 最初の数行に連絡した理由・役に立てること・次の一歩を書く。
- 件名は「◯◯のご提案(自社名)」。中身の分からない件名や飾りは避ける。
- 送るのは平日の業務時間内。夜間・休日は予約送信にする。
- 返信がない相手への確認は一度だけ。断られたら時期を待つ。
- リストに一斉に送るときは、会社の決まりと特定電子メール法の表示を確認する。
FAQ
よくある質問
「◯◯のご提案(株式会社△△)」のように、何の用件かと自社名を入れます。資料請求や展示会など接点がある場合は「資料ご請求のお礼と◯◯のご案内」「◯◯展でのお礼と◯◯のご提案」と、その接点を件名の頭に置くと開いてもらいやすくなります。
「突然のご連絡失礼いたします」と一言添え、すぐに会社名と名前を名乗ります。そのあとに「貴社のウェブサイトで◯◯を拝見し、ご連絡いたしました」と、連絡した理由を書きます。書き出しの言い回しはメールの書き出しの記事に場面別にまとめています。
確認は一度だけにとどめるのが無難です。初めての相手の場合、返信がないこと自体が返事であることも多いからです。送らないでほしいと伝えられた相手には送りません。会社として送付回数の決まりがある場合は、その決まりに従います。
軽い資料なら添付して構いません。相手の会社によっては、知らない相手からの添付ファイルを開かない決まりがあるため、資料をウェブに置いてURLで案内する方法も用意しておくと安心です。
広告や宣伝のためのメールについては、特定電子メール法で、送ってよい相手、送らないでほしいという通知を受けたら送らないこと、送信者の氏名又は名称と配信停止の宛先の表示が定められています。自社のメールがどこまで当てはまるかは、会社の決まりに従い、法務の担当者や所管(総務省・消費者庁)に確認してください。