言葉の使い分け
改定・改訂の違い
価格・規程・マニュアルの使い分けと例文
結論から言うと、料金・規則・制度など「決まりごと」を定め直すなら「改定」、本・マニュアル・資料など「文書の中身」を直すなら「改訂」です。見分けのコツは漢字の右側で、「定」は「定める」の定、「訂」は「訂正」の訂。使った一文は「◯月◯日より、一部商品の価格を改定いたします。」「業務マニュアルを改訂しましたので、最新版をご確認ください。」のような形です。社内規程のようにどちらとも取れるものは書き方が揺れるので、そのときは社内の慣例に合わせます。このページでは、それぞれの意味、早見表、場面別の例文、迷いやすい書き方、覚え方をまとめました。
結論
改定は、一度決めた料金・規則・制度・基準などを改めて定め直すこと。改訂は、書物や文書の内容を改め直すこと(誤りを直す、新しい情報に書き換えるなど)を指すのが一般的な使い分けです。どちらも「かいてい」と読みます。
「改定」と「改訂」それぞれの意味
改定:決まりごとを定め直す
「改定」は、すでに決まっている料金・価格・規則・制度・基準・契約の条件などを、新しく定め直すことに使われます。「価格改定」「料金改定」「運賃の改定」「給与の改定」のように、数字やルールそのものが変わる場面でよく見かける書き方です。
改訂:文書の中身を直す
「改訂」は、本・辞書・教科書・マニュアル・資料などの文章を、誤りを直したり新しい内容に書き換えたりすることに使われます。「改訂版」「改訂新版」「マニュアルの改訂」のように、手直しした結果の文書を指して使われることが多い言葉です。
Point
何が変わるのかで選ぶのが基本です。料金やルールそのものが変わるなら「改定」、それを書いた文書を直すなら「改訂」。たとえば、料金を改定したあとに料金表のパンフレットを作り直すなら、「料金を改定し、料金案内を改訂しました」と書き分けられます。
社内規程・就業規則・ガイドラインのように、「決まりごと」でもあり「文書」でもあるものは、会社や文書によって「改定」「改訂」のどちらも使われていて、揺れがあります。ルールの中身を変えるなら「改定」、文言の手直しなら「改訂」と考えると整理しやすいですが、社内で既に使っている書き方があればそれにそろえるのが無難です。なお、法律や条例を改めることは、一般に「改正」と呼ばれます。
使い分けの早見表
| 言葉 | 意味 | よく組む語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 改定 | 決まっている料金・規則・制度などを定め直す | 価格・料金・運賃・給与・規則・基準・契約条件 | ◯月◯日より利用料金を改定いたします。 |
| 改訂 | 本・文書の内容を直して新しくする | 改訂版・マニュアル・資料・教科書・辞書・テキスト | 操作マニュアルを改訂しました。 |
| 改正 | 法令や規則の条文を改める(法律・条例でよく使う) | 法改正・条例の改正・規則の改正 | 法改正に合わせて、手続きの流れを見直しました。 |
| 変更 | 決まっていたものを別のものに変える(意味が広い) | 日程・担当者・仕様・営業時間 | 担当者を変更いたします。 |
注意
迷ったときは「変更」「見直し」と書けば、意味がぼやけることはあっても漢字を取り違える心配はありません。ただ、価格の変更は「価格改定」と書かれることが多く、お知らせの件名でもよく使われます。
ビジネス文書・メールでの例文
取引先への価格改定のお知らせ(改定)
件名:価格改定のお知らせ
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたび、原材料費の上昇を受け、◯月◯日(◯)ご注文分より一部商品の価格を改定させていただくことになりました。
改定後の価格は、添付の価格表をご確認くださいますようお願い申し上げます。
ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
お客様向けの料金改定の案内(改定)
◯月◯日より、会議室の利用料金を改定いたします。改定前にご予約いただいた分は、従来の料金のままご利用いただけます。
社内へのマニュアル改訂の連絡(改訂)
件名:受付マニュアル改訂のお知らせ
各位
お疲れさまです。総務部の□□です。
受付マニュアルを改訂しましたので、共有フォルダの最新版をご確認ください。
主な改訂箇所は、来客の入館手順と、忘れ物の取り扱いの二点です。
旧版は本日付で削除しています。
社内規程の改定の通知(改定)
件名:出張旅費規程の改定について
各位
◯月◯日付で出張旅費規程を改定しました。日当の金額と、精算の締め日が変わります。
改定後の規程は社内ポータルに掲載していますので、出張の予定がある方はご確認ください。
取引先に資料の改訂版を送る(改訂)
件名:◯◯ご提案資料(改訂版)の送付
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日のお打ち合わせでいただいたご意見をもとに、ご提案資料を改訂いたしました。
修正した箇所には印を付けております。お手すきの際にご確認いただけますと幸いです。
契約条件の見直しの相談(改定)
現在の業務委託契約について、作業範囲の追加に合わせて委託料の改定をご相談させていただけますでしょうか。改定案は追って書面でお送りいたします。
注意
価格改定のお知らせの文面全体は値上げ・価格改定のお知らせの例文、マニュアルの作り方は運営マニュアルのテンプレート、社内向けのお知らせの形は社内通知の書き方を参考にしてください。資料を送るときのメールは資料送付メールの例文にまとめています。
迷いやすい例と一般的な書き方
| 迷いやすい書き方 | 一般的な書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 価格を改訂いたします | 価格を改定いたします | 価格という決まりごとを定め直すので「改定」が一般的 |
| マニュアル改定版 | マニュアル改訂版 | 文書の中身を直したものなので「改訂」が一般的 |
| 料金表を改定しました(表の誤字を直しただけ) | 料金表を改訂しました/料金表を修正しました | 料金そのものは変わらず、文書を直しただけなら「改訂」や「修正」 |
| 法律が改定されました | 法律が改正されました | 法律や条例は「改正」と呼ばれるのが一般的 |
| 就業規則を改訂しました | 就業規則を改定しました(社内の慣例があればそれに合わせる) | ルールの中身が変わるなら「改定」とすることが多いが、どちらも使われていて揺れがある |
| 一通の中で「改定」と「改訂」が混在している | 対象ごとに書き分けるか、どちらかの意味で統一する | 同じものを指しているのに漢字が違うと、読み手が別のことかと迷う |
覚え方
右側の字に注目すると覚えやすくなります。
- 改「定」は「定める」「規定」「定価」の定。決まりごと・金額を定め直す。
- 改「訂」は「訂正」の訂で、言偏(ごんべん)=言葉・文章。書いたものを直す。
- 迷ったら「何が変わるのか」を考える。料金やルールなら改定、それを書いた文書なら改訂。
Point
「定価は改定、訂正は改訂」と一組で覚えておくと、メールを書く手が止まりにくくなります。
この記事の要点
- 料金・規則・制度など決まりごとを定め直すなら「改定」。
- 本・マニュアル・資料など文書の中身を直すなら「改訂」(改訂版)。
- 「訂」は言偏=言葉・文章、「定」は定める、で見分ける。
- 社内規程などはどちらも使われていて揺れる。社内の慣例に合わせる。
- 法律や条例を改めることは一般に「改正」と呼ばれる。
FAQ
よくある質問
一般的には、料金・規則・制度など決まりごとを定め直すのが「改定」、本・マニュアル・資料など文書の内容を直すのが「改訂」です。
「価格改定」と書くのが一般的です。価格という決まりごとを定め直すことなので「改定」が使われます。
文書の内容を直すので「改訂」が一般的です。直したものは「改訂版」と呼ばれます。
会社や文書によって「改定」「改訂」の両方が使われていて、揺れがあります。ルールの中身を変えるなら「改定」とすることが多いですが、社内で既に使っている書き方があれば、それにそろえるのが無難です。
「改正」は、法律や条例などの条文を改めるときに一般によく使われる言葉です。民間の料金や社内のルールには「改定」、文書の手直しには「改訂」が使われることが多いです。