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敬語

「お送りします」「ご送付いたします」の違い
送るの敬語と場面別の例文

結論から言うと、「お送りします」「お送りいたします」「送付いたします」「ご送付いたします」はどれも正しい敬語で、取引先・お客様・上司に使えます。「ご送付いたします」も二重敬語ではありません。違いは改まり具合と何を送るかで、迷ったら「◯◯をお送りいたします。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。」と書けば外しません。このページでは、言葉ごとの違いと文法上の根拠、送るもの別の早見表、相手に送ってもらう言い方、そのまま使える一文と場面別のメール例文、間違いやすい言い方、送る前のチェックリストを並べました。資料を送るメール全体の組み立ては資料送付メールの例文にまとめています。

更新: 2026-11-04読了:約10分PRODUCER AGENT 編集部

結論

「お送りする」は和語の「送る」に「お……する」を付けた謙譲語で、送る先の相手を立てます。「お送りいたします」「ご送付いたします」は「お(ご)……いたす」の形で、送る先の相手を立てると同時に、読み手に丁重に述べる言い方です。「送付いたします」は漢語の「送付する」の「する」を「いたす」に替えた形で、読み手に丁重に述べます。相手に送ってもらうときは「お送りいただく」「ご送付いただく」、相手が送ることを立てて言うときは「お送りくださる」「ご送付くださる」です。

結論:どれを使えばよいか

言い方正しさ向いている場面
お送りいたします正しい(迷ったらこれ)メール添付・郵送・品物など、何を送るときにも
ご送付いたします正しい(二重敬語ではない)契約書・請求書など、改まった書類を送るとき
送付いたします正しい書類の送付。送付状や事務的な連絡で簡潔に言いたいとき
お送りします正しい社内の上司、やり取りの続いている取引先
送らせていただきます誤りではないが回りくどい相手から送る許可を得たときなど、限られた場面

Point

迷ったら「お送りいたします」。データでも書類でも品物でも使え、相手を選びません。書類で改まって書きたいときだけ「送付いたします」「ご送付いたします」に替えます。

言葉ごとの違いと文法上の根拠

「送る」と「送付」:送るものの違い

「送る」は、メールのデータ、書類、品物、気持ちまで広く使える和語です。「送付」は書類や品物を相手のもとへ送り届けることを表す漢語で、硬く事務的な響きがあります。そのため、契約書・請求書・送付状など改まった書類では「送付」、それ以外では「お送り」が自然です。

「お送りします」と「お送りいたします」:丁重さの違い

文化審議会の答申「敬語の指針」は、「お(ご)……する」を、自分から相手に向かう行為でその相手を立てる謙譲語Ⅰの形としています。「お送りします」はこの形です。「お送りいたします」は「する」を「いたす」に替えたもので、指針はこの「お(ご)……いたす」を謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱを兼ねる形と説明しています。送る先の相手を立てたうえで、読み手にも丁重に述べるので、「お送りします」より一段改まります。

「ご送付いたします」はなぜ二重敬語ではないのか

指針は二重敬語を「一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったもの」としています。「ご送付いたします」の「ご……する」は謙譲語Ⅰ、「いたす」は謙譲語Ⅱで、種類の違う敬語の組み合わせです。しかも指針は「お(ご)……いたす」を一つの決まった形として挙げているので、二重敬語には当たりません。

「お」と「ご」の付け分けについても、指針は和語なら「お……する」(届ける→お届けする)、漢語なら「ご……する」(説明する→ご説明する)としています。「送る」は和語なので「お送りする」、「送付する」は漢語なので「ご送付する」です。「お送付」「ご送り」とは言いません。

「送付いたします」と「ご送付いたします」の違い

「送付いたします」は「送付する」を「いたす」に替えただけの形で、読み手に丁重に述べる働きです。「ご送付いたします」はそれに加えて送る先の相手を立てる働きがあります。どちらも正しいので、送る相手その人に宛てた文なら「ご送付いたします」、送付状のように事務的に知らせる文なら「送付いたします」と使い分けると収まりがよくなります。

送るもの・場面別の早見表

送るもの・場面合う言い方例
メールに添付したデータお送りいたします/添付いたします資料を添付にてお送りいたします
メールそのもの送信いたします/お送りいたします先ほどお送りしたメールについて
郵送する契約書・請求書送付いたします/ご送付いたします契約書を二部送付いたします
品物・サンプルお送りいたします/発送いたします本日、サンプルを発送いたしました
封筒に一緒に入れたもの同封いたします返信用封筒を同封いたしました
届いたメールを別の人へ転送いたします◯◯様からのメールを転送いたします
受け取った書類を送り返す返送いたします/ご返送いたします署名済みの契約書をご返送いたします
相手に送ってもらう(社外)お送りいただけますでしょうか/ご送付ください請求書をご送付いただけますでしょうか
送ってもらったお礼お送りいただき、ありがとうございます早速お送りいただき、ありがとうございます
社内の同僚・後輩送ります/送ってもらえますかデータを送ります

注意

郵送で書類を送るときは、同封する送付状の文面にも「送付いたします」がよく使われます。送付状は送付状の作成ツールでも作れます。

丁寧さの段階と言い換え

自分が送るとき

言い方丁寧さ使いやすい場面
お送り申し上げます/ご送付申し上げます最も改まった言い方あいさつ状・お客様への正式な案内
お送りいたします/ご送付いたします改まった言い方取引先・お客様・上司へのメール全般
送付いたします改まった言い方(事務的)送付状・書類の送付連絡
お送りします丁寧社内の上司、やり取りの続いている取引先
送ります標準社内の同僚・後輩

相手に送ってもらうとき

言い方丁寧さ使いやすい場面
ご送付を賜りますようお願い申し上げます最も改まった言い方正式な依頼文・お客様への案内
お送りいただけますでしょうか改まった言い方取引先への依頼(柔らかく頼みたいとき)
ご送付いただけますと幸いです改まった言い方期限に余裕のある依頼
ご送付ください/お送りください丁寧手続きの案内など、送ってもらうのが決まっているとき
送ってもらえますか標準社内の同僚

相手が送ったことを立てて言うときは「お送りくださった」「ご送付くださった」「お送りいただいた」を使います。届いた書類の確認をお願いする「ご査収ください」は「ご査収ください」の使い方で説明しています。

そのまま使える一文(場面別)

メールで送る

  • ◯◯の資料を添付にてお送りいたします。
  • ご依頼いただいた見積書をお送りいたしますので、ご確認ください。
  • 先日の打ち合わせの議事録をお送りいたします。
  • ファイルの容量が大きいため、ダウンロード用のリンクをお送りいたします。
  • パスワードは別のメールにてお送りいたします。

郵送・宅配で送る

  • 契約書を二部、本日郵送にて送付いたしました。
  • 請求書の原本をご送付いたしますので、お受け取りください。
  • ご注文の品を本日発送いたしました。
  • お申し込みいただいた資料一式を、ご登録の住所へお送りいたします。

これから送る・送るのが遅れる

  • 資料は本日中にお送りいたします。
  • 準備が整い次第、改めてお送りいたします。
  • お送りするのが遅くなり、申し訳ございません。
  • ◯日にお送りすると申し上げておりましたが、◯日のお届けとなる見込みです。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。

送り直す・追加で送る

  • 先ほどお送りした資料に誤りがありましたので、修正版をお送りいたします。
  • 添付が漏れておりましたので、改めてお送りいたします。
  • 補足の資料を追加でお送りいたします。

相手に送ってもらう

  • 請求書をお送りいただけますでしょうか。
  • お手数ですが、◯月◯日までにご送付いただけますと幸いです。
  • PDFでお送りいただいても差し支えございません。
  • 差し支えなければ、データでもお送りいただけますか。

送ってもらったお礼・受け取った連絡

  • 早速お送りいただき、ありがとうございます。
  • ご送付いただいた書類、本日確かに受け取りました。
  • お送りくださった資料を拝見しました。

場面別のメール例文

契約書を郵送で送る

件名:◯◯契約書送付のご連絡

株式会社◯◯
◯◯様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お打ち合わせいたしました◯◯の契約書を、本日郵送にて送付いたしました。
二部お送りしておりますので、ご署名・ご捺印のうえ、一部をご返送いただけますでしょうか。
返送用の封筒を同封しております。

どうぞよろしくお願いいたします。

メールで見積書を送る

件名:◯◯お見積書の件

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご依頼いただいた◯◯のお見積書をお送りいたします。
添付ファイルをご確認のうえ、ご不明な点がございましたらお知らせください。
有効期限は◯月◯日(◯)までとしております。

サンプルを発送したことを知らせる

件名:◯◯サンプル発送のお知らせ

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご希望の◯◯のサンプルを、本日宅配便にて発送いたしました。
◯月◯日(◯)の午前中にお届けの予定です。
お手元に届きましたら、お手数ですがご一報いただけますと幸いです。

送った資料に誤りがあり送り直す

件名:【差し替え】◯◯資料の修正版

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先ほどお送りした◯◯の資料に誤りがございました。申し訳ございません。
修正版を添付にてお送りいたしますので、先の資料は破棄していただけますでしょうか。
修正した箇所は◯ページの金額です。

相手に請求書を送ってもらう

件名:◯◯の請求書ご送付のお願い

株式会社◯◯
◯◯様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日納品いただいた◯◯について、請求書をお送りいただけますでしょうか。
弊社の締め日の都合上、◯月◯日(◯)までにご送付いただけますと幸いです。
PDFでのご送付でも差し支えございません。

送ってもらった資料のお礼

件名:Re:◯◯の資料について

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
早速資料をお送りいただき、ありがとうございます。
社内で共有のうえ、◯月◯日(◯)までにご意見をまとめてお伝えいたします。

上司に資料を送る(社内)

件名:◯◯の企画書(修正版)

◯◯部長

お疲れさまです。□□です。
ご指摘いただいた箇所を直した企画書をお送りします。
変更した箇所は赤字にしております。
お時間のあるときにご確認いただけますか。

「お送りいたします」と連絡をもらったときの返事

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
契約書をお送りいただき、ありがとうございます。
本日、確かに受け取りました。
社内で確認のうえ、◯月◯日(◯)までにご返送いたします。

注意

受け取った側の返事は受領メールの例文、送り直すメールの書き方はメール再送の例文を見てください。

間違いやすい言い方と直し方

書きがちな言い方どこがおかしいか直し方
資料を送らせていただきます「させていただく」は相手の許可を受けて行い恩恵を受ける場合の形。許可のいらない場面では回りくどい資料をお送りいたします
お送りさせていただきます/ご送付させていただきます「させていただく」に「お(ご)」まで付いて長くなり、許可のいらない場面ではさらに回りくどいお送りいたします/送付いたします
請求書をご送付してください「ご……する」は自分の動作をへりくだる形で、相手への依頼には使えない請求書をご送付ください/ご送付いただけますでしょうか
資料をお送りしていただき「お……する」は自分の動作の形なので、相手の行為には合わない資料をお送りいただき
◯◯様がご送付された書類「ご……される」は尊敬語の適切な形ではないとされる◯◯様がご送付くださった書類/お送りいただいた書類
メールを送付いたしました誤りとまでは言えないが、「送付」は書類・品物を送り届けることを表すため、メールそのものには「送信」「お送り」のほうが自然メールをお送りいたしました/送信いたしました
(一通の中で)お送りします、送付いたします、ご送付いたしますが混在言葉が揺れて読みにくい一通の中ではどれか一つにそろえる

送る連絡をする前のチェックリスト

  • 自分が送るなら「お送り」「送付」、相手に送ってもらうなら「お送りいただく」「ご送付いただく」になっているか
  • メールそのものに「送付」を使っていないか(「送信」「お送り」にする)
  • 「させていただきます」が続いていないか
  • 一通の中で「お送り」「送付」「ご送付」がそろっているか
  • 何を・いつ・どの方法(添付/郵送/宅配)で送ったかが書いてあるか
  • 郵送なら、届く目安と同封物を書いたか
  • 相手に送ってもらうなら、期限と形式(原本かPDFか)を書いたか

英語で「お送りします」と言うとき

英語合う場面例
sendメールでも郵送でも使える基本の言い方I'll send you the revised slides by Friday.
attachメールにファイルを添付するときOur quotation is attached as a PDF.
enclose封筒に書類を同封するときTwo copies of the contract are enclosed.

この記事の要点

  • 「お送りします」「お送りいたします」「送付いたします」「ご送付いたします」はどれも正しく、目上に使える。迷ったら「お送りいたします」。
  • 「ご送付いたします」は「敬語の指針」にある「お(ご)……いたす」の形で、二重敬語ではない。
  • 「送付」は書類・品物に向く。メールそのものは「送信」「お送り」。
  • 相手に送ってもらうときは「お送りいただけますでしょうか」「ご送付ください」。「ご送付してください」は誤り。
  • 「送らせていただきます」は回りくどい。一通の中では言い方をそろえる。

FAQ

よくある質問

01「ご送付いたします」は二重敬語ですか?

二重敬語ではありません。文化審議会の「敬語の指針」は二重敬語を「同じ種類の敬語を二重に使ったもの」としており、「ご送付いたします」は謙譲語Ⅰの「ご……する」と謙譲語Ⅱの「いたす」を組み合わせた「お(ご)……いたす」の形です。指針もこの形を一つの決まった敬語として挙げています。

02「お送りします」と「お送りいたします」はどう違いますか?

どちらも送る先の相手を立てる言い方で、「お送りいたします」は読み手に丁重に述べる「いたす」が加わる分、より改まります。取引先やお客様には「お送りいたします」、社内の上司ややり取りの続いている相手には「お送りします」でも失礼にはなりにくいです。

03「送付いたします」と「ご送付いたします」はどちらが正しいですか?

どちらも正しい言い方です。「ご送付いたします」は送る先の相手を立てる働きが加わります。相手に宛てた文なら「ご送付いたします」、送付状のように事務的に知らせる文なら「送付いたします」が収まりやすいです。

04「送付」と「送信」はどう使い分けますか?

「送信」はメールやデータを通信で送ること、「送付」は書類や品物を送り届けることです。メールを送ったことを言うなら「送信いたしました」「お送りいたしました」、添付した資料について言うなら「お送りいたします」が自然です。

05相手に送ってもらうときは何と書けばよいですか?

「お送りいただけますでしょうか」「ご送付いただけますと幸いです」が使いやすい言い方です。期限があるときは「◯月◯日までに」、形式に指定があるときは「原本を」「PDFで」と書き添えます。

06「送らせていただきます」は失礼ですか?

失礼ではありませんが、「敬語の指針」は「させていただく」を、相手の許可を受けて行い恩恵を受ける場合の形と説明しています。送るのに相手の許可がいらない場面では回りくどくなるので、「お送りいたします」で十分です。

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