ビジネス文書
送付書類一覧(同封物一覧)の書き方
記書きの見本・例文と並べる順番
結論から書きます。送付書類一覧は送付状の本文(「下記の書類をお送りいたします」)の後に「記」を置き、書類名と数量を一行に一つずつ並べ、最後に「以上」と書きます。守ることは四つです。①正式な書類名+数量を一品ずつ ②大事な書類から先に ③単位と数字の書き方をそろえる ④返送してほしい物に取り扱いを書き添える。そのまま使える形は「記 一、業務委託契約書 二通(うち一通はご返送ください) 一、返信用封筒 一通 以上」です。この記事では、送付状全体の中での位置、場面別の見本十例、単位と書き添えの早見表、封をする前のチェックリストまでまとめます。送付状本文の書き方は送付状の書き方、記書きそのものの決まりは「記」と「以上」の書き方にあります。
結論
送付書類一覧(同封物一覧)は、郵送・FAX・手渡しで送る書類や物の中身を、名前と数量で書き並べた一覧です。ふつうは送付状の後半に記書きとして入れ、点数が多いときや取り扱いの説明が必要なときは別紙の一覧表にします。呼び方は「送付書類」「同封物」「送付内容」「内訳」などがあり、会社によって揺れます。
送付状のどこに書くか(全体の見本)
一覧は単独で送るより、送付状の一部として書くことがほとんどです。送付状の項目の中で、一覧がどこに入るかを先に押さえておきます。
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
営業部 ◯◯様
株式会社◯◯
総務部 ◯◯
電話 ◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯
書類送付のご案内
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、先日お打ち合わせいたしました件につき、下記の書類をお送りいたします。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
一、業務委託契約書 二通(ご署名・ご捺印のうえ、一通をご返送ください)
一、返信用封筒 一通
以上
| 項目 | 位置 | 一覧との関係 |
|---|---|---|
| 日付 | 右上 | 送った日。一覧の中身がいつ時点のものかの目印になる |
| 宛名・差出人 | 宛名は左、差出人は右 | 不足があったときの問い合わせ先として差出人の電話かメールを入れる |
| 件名 | 中央 | 「書類送付のご案内」など。中身が一種類なら「契約書送付のご案内」 |
| 本文 | 件名の下 | 「下記の書類」と書いて一覧へつなぐ |
| 記書き(一覧) | 結語の後 | ここが送付書類一覧 |
| 以上 | 一覧の最後の右寄せ | 一覧がここで終わる印 |
送付書類一覧の決まりごと一覧
| 項目 | 書き方 | ポイント |
|---|---|---|
| 見出し | 「記」を中央に。別紙なら「送付書類一覧」 | 送付状の中なら「記」だけでよい |
| 並べ方 | 一行に一品。行頭に「一、」か番号 | 番号を振ると問い合わせのときに「三番の書類」と言える |
| 順番 | 重要な書類→付属の書類→返信用封筒・パンフレット | 封筒に入れる順番と一覧の順番をそろえる |
| 書類名 | 書類の正式な題名どおりに | 「契約書」だけでなく「業務委託契約書」まで書く |
| 数量 | 通・部・枚・点・冊など。漢数字か算用数字で統一 | 単位と数字の書き方を一覧の中でそろえる |
| 原本・写し | (原本)(写し)を書類名の後に | 証明書類はどちらを送ったかで相手の扱いが変わる |
| 取り扱い | (ご返送ください)(お手元にお控えください)など | 返してほしい物をはっきりさせる |
| 締め | 最後に右寄せで「以上」 | 書き漏れがないことを示す |
Point
一覧は「中身と照らし合わせられるか」で書く。書いた名前と、封筒に入っている書類の題名が一致していれば、相手は迷わず確かめられます。
数量の単位と取り扱いの書き添え早見表
| 送る物 | この記事で使う単位 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 契約書・証明書・申込書など一つずつ完結する文書 | 通 | 業務委託契約書 二通 |
| 同じ内容を複数そろえた資料 | 部 | 会社案内 三部 |
| 一枚ものの紙 | 枚 | 記入例 一枚 |
| 冊子・カタログ | 冊 | 商品カタログ 一冊 |
| 物品・サンプル | 点・個 | サンプル 三点 |
| CD・USBメモリなどの媒体 | 枚・本・個 | USBメモリ 一個 |
単位の使い分けは会社によって揺れます。迷うときは、一覧の中で同じ種類の物には同じ単位を使うことを優先します。数え方の詳しい使い分けは送付状の書き方にあります。
| 伝えたいこと | 書き添えの例 |
|---|---|
| 署名・押印して返してほしい | (ご署名・ご捺印のうえ、一通をご返送ください) |
| 記入して返してほしい | (ご記入のうえご返送ください) |
| 相手の手元に残してほしい | (お手元にお控えください)/(お控え) |
| 目を通すだけでよい | (ご参考) |
| こちらの原本を一時的に預ける | (原本。ご確認後にご返送ください) |
| 写しを送る | (写し) |
場面別の見本・例文
見本1:契約書を送るとき
記
一、業務委託契約書 二通
(ご署名・ご捺印のうえ、一通をご返送ください)
一、返信用封筒 一通
以上
注意
返送してほしい書類は、何通のうち何通を返すのかまで書きます。契約書を送るメールの文面は契約書の送付メールの例文にあります。
見本2:請求書と関連書類を送るとき
記
一、請求書(◯月分) 一通
一、納品書(控え) 一通
一、作業報告書 一部
以上
見本3:見積書と資料を送るとき
記
一、御見積書 一通
一、◯◯サービスのご案内 一部
一、導入事例集 一冊(ご参考)
以上
見本4:申込書類一式を送るとき(相手に記入してもらう)
記
一、◯◯申込書 一通(ご記入のうえご返送ください)
一、◯◯のご案内 一部(お手元にお控えください)
一、記入例 一枚
一、返信用封筒 一通
以上
※ご返送の際は、申込書のみを返信用封筒に入れてお送りください。
注意
返してほしい物と手元に残してほしい物が混ざるときは、一品ごとに取り扱いをかっこで書くと迷わせません。
見本5:応募書類(履歴書など)を郵送するとき
記
一、履歴書 一通
一、職務経歴書 一通
一、◯◯の作品資料 一部
以上
注意
応募書類では、相手の募集要項に書かれた書類名をそのまま使うと、そろっているかを確かめてもらいやすくなります。
見本6:証明書類を提出するとき(原本と写しが混ざる)
記
一、登記事項証明書(原本) 一通
一、印鑑証明書(原本) 一通
一、◯◯許可証(写し) 一枚
以上
見本7:FAXで送るとき
送信枚数:本状を含め◯枚
記
一、御見積書 ◯枚
一、◯◯仕様書 ◯枚
以上
※不足や読みにくい箇所がございましたら、お手数ですが下記までご連絡ください。
注意
FAXは届いた枚数を相手が数えられるよう、送付状を含めた総枚数と、書類ごとの枚数を書きます。
見本8:サンプルや物品を同封するとき
記
一、商品カタログ 一冊
一、◯◯(サンプル) 三点(色違い◯◯・◯◯・◯◯)
一、価格表 一枚
以上
見本9:点数が多いときの別紙の一覧表
送付書類一覧
番号/書類名/数量/お取り扱い
一/◯◯契約書/二通/一通をご返送
二/重要事項説明書/一通/お手元控え
三/◯◯仕様書/一部/お手元控え
四/◯◯申込書/一通/ご記入のうえご返送
五/返信用封筒/一通/―
以上
注意
別紙にするときは、送付状の記書きを「一、送付書類 別紙一覧のとおり」とし、一覧表にページを分けます。
見本10:手紙の本文の中で同封物を知らせる場合
つきましては、ご依頼の資料を同封いたしましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
同封書類
一、◯◯資料 一部
一、◯◯見積書 一通
以上
注意
送付状を付けず、お礼状などの手紙に同封物を書き添える場合は、本文の後に「同封書類」として並べます。軽い一言なら追伸で知らせる方法もあります。
縦書きにする場合の位置
縦書きの送付状や手紙では、本文と結語(敬具)の後、後付け(日付・差出人・宛名)の前に記書きを置く形がよく見られます(後付けの後に置く例もあります)。「記」は行の中央に、書類名と数量は「一、」から一行ずつ、数量は書類名の下に続けて漢数字で書き、最後の行の下寄せに「以上」と書きます。縦書きの手紙全体の配置はビジネスの手紙の書き方(縦書き)を見てください。
メール・手渡しのときはどうするか
メールで送るときは送付状を付けず、本文の中に添付ファイルの一覧を書けば役目を果たせます。手渡しのときは口頭で中身を伝えれば足りますが、点数が多いなら一覧を一枚添えると、後から相手が確かめられます。
本日は、下記のファイルを添付いたしました。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
【添付ファイル】
一、御見積書(◯◯様).pdf
一、◯◯サービスのご案内.pdf
以上二点
注意
ファイル名は書類名がそのまま分かる名前にしておくと、一覧と照らし合わせやすくなります。添付の書き方は添付ファイルを送るメールの書き方にあります。
封をする前のチェックリスト
- 一覧の書類名と、封筒の中の書類の題名が一字一句そろっている
- 一覧の数量と、実際に入れた通数・部数・枚数が一致している
- 返送してほしい物に、何通のうち何通を返すかまで書いた
- 原本と写しが混ざる場合、どちらかを書類名の後に書いた
- 返信用封筒を入れたなら、一覧の最後に書いた
- 単位と数字の書き方(漢数字か算用数字か)を一覧の中でそろえた
- 最後に「以上」を書いた
- 封筒の表に「◯◯在中」を書くなら、一覧の中身と合っている
- 差出人の電話かメールを送付状に書き、不足時の連絡先が分かる
よくある間違い
| ありがちな書き方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 「書類一式」とだけ書く | 相手が中身を確かめられない | 書類名と数量を一品ずつ書く |
| 一覧と封筒の中身が違う | 相手が不足を疑う | 封をする前に一覧と一品ずつ照らし合わせる |
| 返送してほしい物が分からない | 全部返ってくる、または返ってこない | (ご返送ください)を該当の行に書く |
| 単位がばらばら(二部・2通・一枚) | 読みにくく、数え違いに気づきにくい | 単位と数字の書き方をそろえる |
| 「以上」がない | 一覧がどこまでか分からない | 最後に右寄せで「以上」 |
| 返信用封筒を一覧に入れていない | 相手が返信用封筒に気づかない | 最後の行に「返信用封筒」を書く |
| 略称で書く(「契約書」「見積」) | どの書類か特定しにくい | 書類の題名どおりに書く |
送った物が足りなかったときの連絡は数量違い・同封漏れのお詫びの例文、封筒の表に「◯◯在中」と書く方法は封筒の宛名の書き方にあります。
この記事の要点
- 送付書類一覧は送付状の本文の後に「記」を置き、同封物を一品ずつ、名前と数量で並べて「以上」で締める。
- 大事な書類から順に、最後は返信用封筒やパンフレット。
- 数量の単位と数字の書き方をそろえる。原本か写しかも書く。
- 返送してほしい物には(ご返送ください)と取り扱いを書く。
- 点数が多いときは別紙の一覧表、メールなら本文に添付ファイルの一覧。封をする前にチェックリストで照らし合わせる。
FAQ
よくある質問
多くの場合は送付状の記書きに書けば十分です。点数が多いときや、一品ごとの取り扱いを説明したいときは、別紙の一覧表にします。
法令などで決まった順番はありません。相手が先に見るべき契約書や請求書を上に、付属の資料や返信用封筒を下に書くと確かめやすくなります。封筒に入れる順番と一覧の順番もそろえます。
縦書きでは漢数字、横書きでは算用数字がなじみます。どちらを使っても構いませんが、一覧の中ではどちらかにそろえます。
書いておくのが親切です。返信用封筒に気づかれないまま、相手が自分で封筒を用意してしまうことを防げます。
手書きでも構いません。ただ書類名や数量の書き間違いが起きやすいので、点数が多いときは印刷した一覧のほうが照らし合わせやすくなります。
送付状は付けなくてよいですが、本文に添付ファイルの名前と数を書いておくと、相手が受け取り漏れに気づけます。
どちらも使われ、意味の違いはほとんどありません。送付状の中では「記」だけで始めることも多く、別紙にするときは「送付書類一覧」とする例がよく見られます。