ビジネス文書
受領書の書き方と例文
領収書との違いと物品の受け取り
受領書の決まりごとは四つです。①題名を「受領書」にする ②いつ受け取ったかを書く ③何を受け取ったか(品名・数量・状態)を具体的に書く ④受け取った人の会社名・氏名を書き、署名か押印をする。見本の本文は「下記の物品を確かに受領いたしました。」。受領書は「確かに受け取った」ことを相手に残すための書類なので、「書類一式」のようなまとめ方ではなく、何が何点あったかが分かるように書きます。お金の受け取りを示す領収書の書き方は領収書の書き方、メールで受け取りを伝える場合は受領メールの例文にあります。
結論
受領書は、書類や物品などを受け取った側が、受け取ったことを示すために作り、渡した側に渡す(返送する)文書です。一般的な使い分けとしては、お金を受け取ったときは「領収書」、書類や物品を受け取ったときは「受領書」と呼ぶことが多いですが、お金の受け取りに「受領書」という題名を使う会社もあり、呼び方は揺れます。
受領書の決まりごと一覧
| 項目 | 書き方 | ポイント |
|---|---|---|
| 題名 | 中央に「受領書」 | 「物品受領書」「書類受領書」とすることもある |
| 宛名 | 渡した側の会社名・氏名+様(会社あては御中) | 誰から受け取ったかを示す |
| 受領日 | 実際に受け取った日 | 作成日と分けて書く場合もある |
| 本文 | 「下記のとおり確かに受領いたしました。」 | 短く一文で |
| 品名・数量 | 記書きか表で一品ずつ | 数量の単位(通・部・点・箱)をそろえる |
| 状態 | 必要なら「破損なし」「開封済み」など | 物品・預かり品では書いておくと安心 |
| 受領者 | 会社名・部署・氏名、署名または押印 | 実際に受け取った人の名前を書く |
相手が用意した受領書の用紙に記入して返すことも多くあります。その場合は、相手の書式に合わせて、空欄(日付・数量・署名)を埋めるだけで構いません。自分で作るときは上の項目を一枚にまとめます。
Point
受領書は「何を、いくつ、いつ受け取ったか」がすべて。中身を確かめずに受領書を出すと、後で不足が見つかったときに説明しにくくなります。数量と状態を確かめてから書きます。
受領書と領収書の違い
| 文書 | 一般的に受け取るもの | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| 受領書 | 書類・物品・預かり品など | 納品物・提出書類・貸し出した物の受け取りを示す |
| 領収書 | 代金などのお金 | 支払いを受けたことを証明し、支払った人に渡す |
| 受領メール | 書類・データなど | 受け取ったことを簡単に伝える(書面の受領書の代わりに使うことも多い) |
国税庁の説明では、受取書とは「その受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書」とされ、「受取書」「領収証」「レシート」「預り書」なども含まれます(タックスアンサー No.7105)。お金を受け取ったことを証明する書類は、題名が「受領書」であっても、印紙税法の別表第一 第17号「金銭又は有価証券の受取書」として扱われます。
第17号の受取書は、記載金額が5万円未満のものや、営業に関しないものは非課税です。それ以外の金額ごとの税額は領収書の書き方にまとめています。書類や物品だけを受け取ったことを書いた受領書は、この「金銭又は有価証券の受取書」の区分には入りませんが、記載の内容によって扱いが変わることもあるため、迷うときは国税庁の情報や税務署で確かめてください。
場面別の見本・例文
見本1:書類の受領書
受領書
◯年◯月◯日
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
下記の書類を確かに受領いたしました。
記
一、◯◯契約書 二通
一、印鑑証明書 一通
一、◯◯申込書 一部
以上
株式会社△△ ◯◯部 □□(印)
見本2:納品物(物品)の受領書
物品受領書
受領日 ◯年◯月◯日
株式会社◯◯ 御中
下記の物品を確かに受領いたしました。
記
一、品名 ◯◯(型番◯◯)
一、数量 三箱
一、状態 外箱・内容物ともに破損なし
以上
株式会社△△ ◯◯部 □□(署名)
注意
受け取った時点で不足や破損があった場合は、受領書にそのまま書き添える(「数量◯箱のうち一箱外箱破損あり」など)か、別途連絡します。不足や同封漏れが分かったときの連絡は数量違い・同封漏れのお詫びの例文も参考になります。
見本3:預かり品(貸し出し機材・サンプル)の受領書
受領書
◯年◯月◯日
◯◯様
下記の品を、◯月◯日までお預かりするものとして確かに受領いたしました。
記
一、品名 ◯◯(展示用サンプル)
一、数量 二点
一、返却予定日 ◯年◯月◯日
以上
株式会社△△ ◯◯部 □□(印)
注意
預かり品は、返却予定日と返却の方法まで書いておくと、返すときの行き違いを防げます。
見本4:返却された物の受領書
受領書
◯年◯月◯日
株式会社◯◯ ◯◯様
◯月◯日にお貸し出しいたしました下記の機材について、本日、確かに返却を受けました。
記
一、◯◯(貸出番号◯◯) 一式(本体・電源ケーブル・ケース)
一、状態 異常なし
以上
株式会社△△ ◯◯部 □□(印)
注意
「一式」と書くときは、かっこの中に中身を書き出すと、何がそろっていたかが後から分かります。
見本5:受領書を返送するときの添え書き
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、このたびは◯◯をお送りいただき、誠にありがとうございました。本日、確かに受領いたしました。
つきましては、ご依頼の受領書に記入のうえ、同封にてご返送いたします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
敬具
注意
受領書だけを封筒に入れるより、短い添え状か一筆箋を添えると丁寧です。添え状と送付状の違いは添え状と送付状の違いにあります。
縦書きにする場合の配置
受領書は表や記書きを使うため横書きが一般的です。縦書きにする場合は、右端に題名「受領書」、次に本文「下記のとおり確かに受領いたしました」、記書き(品名と数量を一行ずつ)、「以上」と続け、左側に受領日、受領者の会社名・氏名と印、最後に宛名の順に置きます。
よくある間違い
| ありがちな書き方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 「書類一式受領しました」だけ | 何を受け取ったかが残らない | 書類名と通数・部数を一つずつ書く |
| 中身を確かめずに署名する | 後で不足が分かったときに説明しにくい | 数量と状態を確かめてから書く |
| 受領日を書かない | いつ届いたのか分からない | 実際に受け取った日を書く |
| お金の受け取りを「受領書」にすれば印紙は要らないと考える | 題名ではなく内容で判断される | 金銭の受取書として扱いを確かめる |
| 受領者の名前がない | 誰が受け取ったか分からない | 会社名・部署・氏名を書き、署名か押印をする |
この記事の要点
- 受領書は書類・物品を受け取ったことを示す文書。お金の受け取りは一般に領収書。
- 受領日・品名・数量・状態・受領者を書く。
- 「一式」とまとめず、一品ずつ数量つきで書く。
- お金の受け取りを示すものは、題名が受領書でも印紙税では受取書(第17号)として扱われる。
- 相手の書式があればその用紙に記入して返送し、添え状を付ける。
FAQ
よくある質問
一般的には、お金を受け取ったことを示すのが領収書、書類や物品などを受け取ったことを示すのが受領書です。ただし呼び方は揺れ、お金の受け取りに「受領書」の題名を使う会社もあります。
お金の受け取りを証明する受領書は、印紙税法の第17号「金銭又は有価証券の受取書」として扱われ、記載金額が5万円未満のものや営業に関しないものは非課税です。書類や物品だけの受領書は、この区分には入りません。迷うときは国税庁の情報や税務署で確かめてください。
受け取った側が作って渡すのが基本ですが、送った側が受領書の用紙を同封し、受け取った側が記入して返送する形もよくあります。
必須かどうかは相手や会社の決まりによります。相手の書式に押印欄があれば押し、なければ署名で済ませることもあります。
相手が書面の受領書を求めていなければ、メールで受け取りを伝える形でも差し支えないことが多いです。書面が必要かどうかは相手の指示に合わせます。