文例
電話対応が苦手な新人のコツ
メモの準備と、そのまま言える決まり文句
電話対応が苦手なのは、多くの場合「何を言われるかわからない」「すぐ答えなければいけない」と感じるからです。でも、新人が電話でする仕事の多くは、相手を確かめて、用件を聞いて、担当者につなぐか伝言を受けることです。答えられないことは「確認して、折り返しご連絡いたします」と言って受け止めれば足ります。このページでは、電話に出る前に用意しておくもの、そのまま言える決まり文句、困ったときのトーク例をまとめました。取り次ぎの細かい流れは電話の取り次ぎ 例文、言葉の言い換えは電話で使う敬語の言い換え一覧を見てください。
結論
電話対応のコツは①出る前に手元を整える ②決まり文句を紙に書いて置く ③わからないことはその場で答えず、確認すると伝える ④聞いたことは必ず復唱するの四つです。その場で全部を解決しなくてよいと知っておくだけで、気持ちはかなり楽になります。
電話に出る前に用意するもの
| 用意するもの | 中身 | あると助かる場面 |
|---|---|---|
| 名乗りの一文 | 会社名・部署名の言い方(会社の決まりに従う) | 第一声で詰まらない |
| 内線表・座席表 | 社内の人の名前・読み方・部署・内線番号 | 誰あての電話かすぐわかる |
| 伝言メモの用紙 | 相手・会社名・用件・連絡先・受けた時刻・受けた人 | 聞き漏らしがなくなる |
| 決まり文句の一覧 | 下の「そのまま言える決まり文句」 | 言葉が出てこないとき |
| よくある問い合わせの答え | 所在地・営業時間・担当窓口など、先輩に聞いて書いておく | 答えてよい範囲がわかる |
| ペン | すぐ書けるところに置く | 名前や番号を聞き逃さない |
Point
「答えてよいこと」と「答えてはいけないこと」を、先に先輩や上司に聞いておきましょう。社員の携帯番号や在宅の予定、取引の内容など、電話で伝えてはいけない情報は会社ごとに決まっています。迷ったら、自分で判断せず「確認いたします」と保留にします。
そのまま言える決まり文句
| 場面 | 決まり文句 |
|---|---|
| 出たとき | はい、株式会社◯◯でございます。 |
| 相手が名乗ったら | ◯◯株式会社の◯◯様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。 |
| 名乗らなかったら | 恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか。 |
| 待ってもらう | 少々お待ちください。 |
| 担当者がいない | 申し訳ございません、◯◯はただいま席を外しております。 |
| どうするか聞く | 戻りましたら、こちらからお電話いたしましょうか。 |
| 自分では答えられない | 確認いたしまして、折り返しご連絡いたします。 |
| 聞き取れない | 恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますか。 |
| 復唱する | 念のため復唱いたします。 |
| 名乗る(最後に) | 私、□□が承りました。 |
| 切るとき | お電話ありがとうございました。失礼いたします。 |
この表を印刷して電話のそばに置いておけば、読み上げるだけで一通りの対応ができます。慣れてきたら、自分の会社でよくある場面の言い方を書き足していきましょう。
電話を受けるときの手順
- 01
ペンを持ってから出る
メモの用意ができていれば、聞くことに集中できます。
- 02
名乗る
決まった一文をそのまま言います。
- 03
相手の名前を書き、復唱する
会社名と名前を書き取り、「◯◯様でいらっしゃいますね」と確かめます。
- 04
誰あてか、用件は何かを聞く
全部わからなくても、要点の単語だけ書けば十分です。
- 05
つなぐ・伝言を受ける・折り返しを約束する
その場で答えなくてよいと覚えておきます。
- 06
復唱して、自分の名前を伝える
数字や日付は特に、必ず読み上げて確かめます。
- 07
相手が切ってから受話器を置く
かけてきた側が先に切るのを待つと丁寧です。
よくある場面のトーク例
受ける側:担当者につなぐ
自分:はい、株式会社△△でございます。
相手:◯◯株式会社の◯◯です。営業部の佐藤さんをお願いします。
自分:◯◯株式会社の◯◯様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。佐藤でございますね、少々お待ちください。
(保留にして佐藤さんへ)
自分:佐藤さん、◯◯株式会社の◯◯様からお電話です。
受ける側:担当者がいないので伝言を受ける
自分:申し訳ございません。佐藤はただいま外出しております。戻りましたら、こちらからお電話いたしましょうか。
相手:お願いします。
自分:かしこまりました。念のため、お電話番号を伺ってもよろしいでしょうか。
相手:◯◯です。
自分:念のため復唱いたします。◯◯株式会社の◯◯様、お電話番号は◯◯、佐藤から折り返しのお電話ですね。私、□□が承りました。
受ける側:質問に答えられない
相手:先日の注文の件、出荷はいつになりますか。
自分:申し訳ございません。担当の者に確認いたしまして、折り返しご連絡いたします。本日の◯時ごろまでにお電話いたしますが、よろしいでしょうか。
受ける側:誰あての電話かわからない
相手:担当の方をお願いします。
自分:かしこまりました。恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか。担当の者におつなぎいたします。
受ける側:営業の電話で、判断がつかない
相手:御社のご担当者様に、◯◯のご案内をしたいのですが。
自分:申し訳ございません。私ではわかりかねますので、ご用件を承り、担当の者に申し伝えます。
注意
営業の電話をどこまで取り次ぐかは会社によって違います。会社の決まりに従い、わからなければ先輩に確認してください。
受ける側:相手が怒っている
相手:何度電話してもつながらないんですが。
自分:ご不便をおかけし、申し訳ございません。ご用件を伺い、すぐに担当の者に申し伝えます。お名前を伺ってもよろしいでしょうか。
苦情の電話で新人が判断を求められたら、お詫びをしてから「担当の者に代わります」「確認して折り返します」と伝え、すぐに先輩や上司に相談します。一人で解決しようとしなくて大丈夫です。
かける側:取引先の担当者に電話する
自分:いつもお世話になっております。株式会社△△の□□と申します。恐れ入りますが、◯◯様はいらっしゃいますか。
(担当者に代わる)
自分:□□です。◯◯の件でお電話いたしました。ただいまお時間よろしいでしょうか。
かける前に話すことを箇条書きにしておくと、途中で言葉に詰まりません。相手が不在だったときに伝える一文も書いておくと安心です。
メモに書くこと
- 受けた日時
- 相手の会社名・部署・名前
- 誰あての電話か
- 用件(要点だけでよい)
- 折り返しの要否と相手の電話番号・都合のよい時間
- 受けた人(自分の名前)
メモは担当者の机に置くだけでなく、戻ってきたら口頭でも一言伝えると、伝言の見落としが防げます。メモの形の例は電話の取り次ぎ 例文にあります。
慌てたときに言いがちな言葉と言い換え
| 言いがちな言葉 | 言い換え |
|---|---|
| えっと……わかりません | 確認いたしますので、少々お待ちいただけますか |
| たぶん大丈夫だと思います | 確認いたしまして、折り返しご連絡いたします |
| 佐藤さんは今いないです | 佐藤はただいま席を外しております |
| 誰ですか | 失礼ですが、どちら様でしょうか |
| もう一回いいですか | 恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますか |
| 了解です | かしこまりました/承知いたしました |
| すみません、すみません | 申し訳ございません(一度、はっきりと) |
一番避けたいのは、わからないことを推測で答えることです。日付や金額、在庫などを「たぶん」で答えると、後で訂正が必要になります。わからないときは保留にして、先輩に聞いてよいのです。
注意
保留中の声は相手に聞こえないようにします。保留ボタンを押してから先輩に相談し、戻ったら「お待たせいたしました」と一言添えます。保留が長くなりそうなら、一度電話に戻って「確認に時間がかかりますので、折り返しお電話いたします」と伝えます。
電話に慣れるための練習
- 決まり文句の一覧を声に出して読む(口が慣れると第一声で詰まらない)
- 先輩が電話に出ているときの言い方を聞いて、メモに書き足す
- 先輩に相手役をしてもらい、取り次ぎ・伝言・折り返しの練習をする
- 受けた電話で困ったことをその日のうちに先輩に聞く
- 社内の人の名前と読み方を少しずつ覚える
電話で困ったことや、先輩に聞いたことは、日報に書いておくと後で見返せます。書き方は日報の書き方と例文、報告・相談のタイミングは報連相とは?を参考にしてください。
電話の後のフォロー
伝言を受けたら、担当者が戻ったときに口頭でも伝えます。チャットで伝える場合の例です。
佐藤さん
◯時◯分に、◯◯株式会社の◯◯様からお電話がありました。
◯◯の件で、折り返しのお電話をご希望です。
お電話番号は◯◯です。メモを机に置いています。
自分の対応で相手に迷惑をかけてしまったと思ったら、先輩や上司に報告し、必要ならお詫びの連絡をします。折り返しが遅れたときの言い方は電話に出られなかったときの折り返しにまとめています。
この記事の要点
- 電話に出る前に名乗りの一文・内線表・伝言メモ・ペンを手元に置く。
- 決まり文句を紙に書いて電話のそばに置き、読み上げるだけで対応できるようにする。
- 答えられないことは「確認いたしまして、折り返しご連絡いたします」。
- 名前・番号・日付は必ず復唱し、最後に自分の名前を伝える。
- 答えてよい範囲は会社の決まりに従い、迷ったら保留にして先輩に聞く。
FAQ
よくある質問
決まり文句の一覧を手元に置き、声に出して練習するのが近道です。先輩に相手役をしてもらって取り次ぎや伝言の練習をしておくと、本番でも同じ言葉が出てきます。困ったことはその日のうちに先輩に聞いて、一覧に書き足していきましょう。
聞き返さずに間違った名前で伝言するほうが、相手にも担当者にも迷惑がかかります。「恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますか」と聞き返し、それでも難しければ漢字や会社名を確かめて構いません。
推測で答えず、「確認いたしまして、折り返しご連絡いたします」と伝えます。保留にして先輩に聞いてもよいですが、時間がかかりそうなら一度電話を切って折り返すほうが、相手を待たせずに済みます。
会社によって決まりがあるので、それに従ってください。決まりがなければ、どちらを使っても構いません。大切なのは、会社名をはっきり名乗ることです。
かけてきた側が先に切るのを待つのが丁寧とされています。相手がなかなか切らないときは、少し待ってから静かに受話器を置きます。自分からかけた電話でも、相手が目上やお客様なら、相手が切るのを待つと丁寧です。